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計測器を細工して客に見せて罪悪感なし…川崎重工系の不正の衝撃


●計測器を細工して客に見せて罪悪感なし…川崎重工系の不正の衝撃

2022/06/15:企業不正系まとめにも載せた話なのですが、インパクトありすぎだったので川崎重工業系だけでもひとつまとめることに…。川崎重工業本体でも最近問題が発生しており、まとめとしてはやりやすい時期でした。こちらの話は後で書くとして、まず、インパクトが強かった子会社の話をやります。

 「組織ぐるみ」と報じているところもあった川崎重工業子会社・川重冷熱工業(大阪市)で起きた38年間の長期にわたる検査不正。子会社で検査不正発覚の川重 グループ内調査に続いた「隠蔽」、現場に罪の意識なく|神戸新聞NEXT(2022/6/7)では、新幹線亀裂問題と絡ませて書いていました。

<2017年に起きた同社製新幹線台車の亀裂問題を受け、グループ全体を対象にした調査ではあぶり出せていなかった。「調査が不十分だったと反省している。コンプライアンスの再点検をしたい」。7日、オンラインで記者会見した同社の渡辺達也専務執行役員は繰り返した>
<川重は、2017年の新幹線台車亀裂問題を受け、グループ全社を対象に品質管理などの調査を続ける。それでも、今回の不正は拾い切れていなかった。渡辺氏は「隠蔽されていたのか」との問いに「その通り」と答え、「不適切行為を止められず、結果的には十分な活動になっていなかった」と言葉を絞り出した>

 不正があった「吸収式冷凍機」は、ビルなどの空調システムに使う川重冷熱の主力製品。不正内容は以下のようなもので、計測器を細工するという手の込んだ偽装をやっているのには驚きます。これだけやって罪の意識がなかった…と説明されているのはすごいですね。ちょっと倫理観がやばすぎるような気がします。

<出荷前の検査で実際に計測していないデータを顧客に伝えるなどの不正は、少なくとも1984年から続いていた。会見では、顧客が検査に立ち会う前に、同社の担当者が計測器の目盛りをずらす細工も施していたと説明。また、カタログや仕様書でJISが定める性能を満たさないのに、準拠しているように偽る記載もあったとした。
 手法は現場で代々受け継がれていたといい、渡辺氏は「始まったきっかけは不明」としながら、「罪の意識がない状態で行われた」「いい顔をしたかったのかもしれない」とその背景を推測した>

 組織ぐるみ…の関係では、川重冷熱の篠原進社長が1993年ごろから不正を把握しながら放置していたという話も。前任者や先輩から引き継いでいた事実を説明していたそうです。後任の川重出身の森宏之社長は「不正を認識していた人間は上層部も含めて何人かいた」とも説明していました。


●大惨事の可能性…アメリカの川崎重工業製地下鉄が不具合だらけ

 上記の記事では「2017年の新幹線台車亀裂問題」という話が出ていましたが、列車での問題は他にもあった模様。新幹線の台車に亀裂も…川崎重工の危機、地下鉄車両で不具合多発、米当局が調査開始(2021.11.26 ビジネスジャーナル)という記事が出ているのを見つけました。

<川崎重工業が米国で展開する鉄道車両事業に懸念が生じた。米国運輸安全委員会(NTSB)は10月、首都ワシントンと近郊を走る地下鉄で使われている川崎重工業製の車両「7000系」に安全上の懸念があるとして本格的な調査を始めた。
 ワシントン発の報道によると、10月12日、ワシントン近郊で7000系車両が脱線し、車輪周辺の部品の故障が判明した。この事故で乗客1人が軽傷を負った。その後、同じ不具合が2017年から31件あったことが判明。さらに、今回の一斉調査で新たに21件が見つかり、少なくとも不具合は計52件に上っている>

 日本人の国民性としてどうなの?と思うのですが、国内の検査不正では「(不正があっても)安全性や品質には問題なし」が常套句。ただ、アメリカでのこの不具合は軽いものだとは見られておらず、米国運輸安全委員会は「大惨事になっていたかもしれない」と強調していました。


●川崎重工の製造ミスで新幹線台車亀裂 新幹線初の重大インシデント

 タイトルになっているように、こちらでも新幹線の話が出てきます。記事では、「川重の車両事故は今回が初めてではない」とした上で、2017年12月11日、東海道・山陽新幹線を走行中だった博多発東京行きの「のぞみ34号」(N700系)の台車の側面に14センチメートルの亀裂が生じた問題を取り上げていました。

<原因はあろうことか、川重の製造ミスだった。その後の調査で、台車製造時に溶接部分を決められた仕様よりも薄く削りすぎ、溶接後の処置も不十分だった不正が判明した。「のぞみ」は途中の名古屋駅で停車したまま、それ以降の運行を中止した。国土交通省は新幹線初の重大インシデント(重大な結果につながりかねない出来事)に認定>

 なお、車両事業は新幹線台車の不具合や米国向け車両の納期遅れなどで、2018年度までに2期連続で100億円超の損失を計上しているとのことで、不振でもあるようです。2020年11月、他部門とのシナジー効果が薄い二輪車と車両事業を分社する…ということにもなっています。日本を代表する名門だったんですけどね…。


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