ゲートボールはなぜ衰退したのか?という日経ビジネスオンラインの記事。こちらによると、老人スポーツの代名詞的存在であるゲートボールは、元は高齢者ではなく子供のための遊びとして考案されたのだそうです。全然イメージと違って驚きました。
●クロッケーを元に考案のゲートボール 子供のためのスポーツだった
2015/12/13:老人スポーツの代名詞的存在であるゲートボールは、元は高齢者ではなく子供のための遊びと描いていたのは、前述の通り、日経ビジネスオンラインの記事。ただ、最初はWikipediaから引用。日経ビジネスオンラインでは、ゲートボール誕生の理由に「不良化防止」という話はなく、
ゲートボール - Wikipediaの説明の方が良い感じだったんですよね。
<1947年、鈴木栄治(のち改名し和伸)が北海道芽室町において、クロッケーをヒントに考案した。元々は太平洋戦争後の物資不足で遊び道具のない子供のため、また子供の不良化防止のために作られた遊びだったが、高度経済成長期に高齢者向けスポーツとして爆発的に流行、現在では日本だけでなくアジア各国にも普及している>
ゲートボールは簡単に言うと、1チーム5人で、打った持ち玉に3つのゲートを「通過」させ、ゴールポールに当てて「あがり」にするルールといった説明。ただし、相手のボールに当てて邪魔するなど、他にもいろいろとルールがあるようです。元となったクロッケーの説明を見てみると、やはり似た部分が確認できます。
・クロッケーとは、芝生のコートで行われるイギリス発祥の球技。
・マレット(木槌)により木製、またはプラスチック製の球を打ち、6個のフープ(門)を通していき、最後に中央に立っているペグ(杭)に当てる早さを競う。
・オリンピックでは1900年パリ大会で実施された。
(
クロッケー - Wikipediaより)
●ゲートボールが老人に普及したのは政府と東京オリンピックのおかげ
では、なぜゲートボールが高齢者のスポーツになったのか?という話。ここは日経ビジネスオンラインの記事
公園からゲートボールがなぜ消えたのか(林 英樹 2015年9月29日)による説明の方が丁寧でしたので、そちらから引用していきます。
まず、1964年の東京五輪を契機に、政府が「国民皆スポーツ」を提唱した…というのがきっかけ。当時の文部省が関連予算を組み、全国の学校や自治体などにゲートボールの道具を寄贈、普及を後押ししました。ここまでは、ゲートボール普及の話であり、まだ高齢者に普及した理由ではありません。
ポイントとなったのは、地域の子供たちにゲートボールのやり方を教える体育指導員などのボランティアが、定年を迎えた高齢者が中心だったこと。彼らが知人らに声をかけて独自に愛好会を立ち上げました。その輪が全国各地で広がり、高齢者の一大ブームへと発展していったのだそうです。
●若者はやらないゲートボールが改名で普及狙うも高齢者すらやらなくなった
Wikipediaによると、逆に高齢者というイメージが定着したために改革も行われています。「ゲートボール」という名称だと「老人のスポーツ」と思われることで、若者への普及を妨げているという指摘から、高齢者のスポーツというイメージを払拭するため、2人制と3人制の競技に限り「リレーション」と改名されているそうです。
こういった努力にも関わらず、ゲートボールは今、高齢者ですらもあまりやらないということで衰退しているというのが現実。ただ、地域差的なところがあるみたいですね。日経ビジネスオンラインで少し紹介されていた、ゲートボール連合の統計による2014年の都道府県別の加盟団体会員数を見ると、地域差がわかります。
それによると、1位は新潟県で7049人。ここは小学校高学年にゲートボールを奨励しているとのことで特殊そう。もともと想定されていた子どもたちがいる分多いのでしょう。その次は長野県で5392人とぐっと減ります。これらは加盟団体会員数であり、実際にはもっと多いはずですが、ワーストの高知県は僅かに299人。発祥の地・北海道はベストにもワーストにも入っていませんでした。
●高齢者のスポーツだからこそ高齢者にも嫌われる…というジレンマも
高齢者もやらなくなってしまった理由はいくつも出ていましたが、一つが若者がやらない理由と同じで、高齢者というイメージが定着したせいとされていました。不思議に思うかもしれませんが、"ゲートボールは高齢者のスポーツという固定観念もマイナスに作用し、元気な高齢者から敬遠された"というものです。
また、これは今の高齢者が昔の高齢者より元気だということとも関係しています。記事では、現在の統計では健康寿命が男女ともに70歳を超えていると指摘。そのため、定年後に体力を必要としないゲートボールへと移行せずに、ゴルフやテニスなど現役時代の趣味をそのまま続ける高齢者が増加。相対的にゲートボールの競技人口が減少したとしていました。
ビジネスでもそうなんですが、あまりにも高齢者向けを強調しすぎると、マイナスイメージになることがありますからね。人口が多い高齢者向けビジネスは重要ではあります。ただ、それらが高齢者らの気持ちを汲んで作られているか?というと、結構そうでもない…ということがビジネスでもありそうですね。
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