●お金はないけどたばこは買う 低所得者層の方が喫煙者が多い
2015/12/14:以前、差別などに利用されるおそれがあり取り扱い注意…と強調しながら紹介した
喫煙率の傾向 低所得者・低学歴・同性愛者ほどタバコを吸うという話がありました。なので、既に昔からわかっていたことなのですが、日本限定の調査でも改めて同じ結果が出ましたので補足的にやろうと思いました。
ただ、今回は、喫煙以外の話が多くなっており、そこらへんは違います。では、今回紹介する<所得低いほど高い喫煙率、歯少なく肥満者多い<(2015年 12月14日 11時56分 提供元:読売新聞)という記事から、まず喫煙に関する部分を引用します。
<調査は、昨年11月に全国の5432世帯を対象に実施。回答のあった3648世帯を、世帯所得別に200万円未満の低所得層、200万円以上600万円未満の中所得層、600万円以上の高所得層の3群に分け、生活習慣を分析した。(中略)習慣的に喫煙する人の割合も男性で35%、女性で15%と、高所得層のそれぞれ29%、5%を上回った>
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1184262/
また、別記事の
世帯所得が低いほど穀類摂取量が多く、喫煙率・肥満率が高い - 厚労省 | マイナビニュース[2015/12/10]でも、以下のような話が載っていました。
<「現在習慣的に喫煙している人の割合」は、男女とも200万円未満が最も高く、世帯の所得が600万円以上の世帯員が最も低かった。男女別にみると、世帯所得200万円以下の女性の喫煙率は15.3%で、600万円以上の女性(5.6%)の2.7倍にのぼった>
●要するに健康的ではない?低所得者層の方が肥満も多い傾向に
また、マイナビニュースでは、「肥満者の割合」は、男女とも200万円未満の世帯員が最も高かったとしていました。読売新聞も肥満者の割合も、低所得層は男女ともに高い傾向があったとしています。喫煙同様に日本に限らず世界的な傾向だったはずですが、肥満も低所得者層の方が多いのです。こちらはたばこよりも意外に思うかもしれません。
これは基本的に低所得者ほど不健康であると考えると、わかりやすいと思われます。マイナビニュースでは、<「野菜類及び肉類摂取量」は、男女とも世帯の所得が600万円以上の世帯員が最も多く、200万円未満の世帯員が最も少なかった>としていた他、以下のようなことを書いていました。
<「健診等の未受診者の割合」は世帯所得200万円未満で最も高く、600万円以上の世帯が最も低かった。
「肥満者の割合」は、男女とも200万円未満の世帯員が最も高かった。「歯の本数が20歯未満の者の割合」は、男女とも200万円未満と200~600万円未満の世帯員で有意に高く、600万円以上の世帯員は最も低かった。(マイナビニュース>
●日本政府の「低所得者は健康への関心を高めてほしい」に批判!
野菜と肉の話では、厚労省が微妙な言い方をしてしまったために、非難を浴びていたんですよ。<所得低いほど栄養バランスよい食事取れず>(NHKニュース 12月13日 4時39分)の以下の部分が問題視されていました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151213/k10010339431000.html
厚生労働省は、国民の健康状態などについて、毎年調査を行っていて、去年は、回答を得られた3600世帯余りについて結果を分析しました。
それによりますと、コメやパンなど穀類の1日の摂取量は、所得が200万円未満の世帯では、男性は535グラム、女性は372グラムと、所得が600万円以上の世帯より20グラムから40グラム多くなっていました。
一方、野菜の摂取量は、所得が200万円未満の世帯では、男性は253グラム、女性は271グラムと、所得が600万円以上の世帯より40グラムから70グラム少なくなっていました。
所得の低い人は肉の摂取量も少なく、所得が低い人ほど栄養バランスのよい食事が取れていないことが分かりました。(中略)
厚生労働省は「所得が低い人は栄養バランスのよい食事をとる余裕がなくなっているのではないか。食事の内容を見直すなど健康への関心を高めてほしい」と話しています。
「所得が低い人は栄養バランスのよい食事をとる余裕がなくなっているのではないか」という前半だけの理由なら良かったんだと思います。でも、「食事の内容を見直すなど健康への関心を高めてほしい」というのは、まるで低所得者層が健康への関心が低いから栄養バランスが悪いといった言い草だったためみたいですね。
他の項目も低所得者層で悪い数値のために、健康への関心が低いという可能性もあると思いますが、なかなかデリケートなところ。とりあえず、
はてなブックマーク(12月13日 4時39分)の人気コメントでは以下のように、批判が多くなっていました。
“「余裕がないのではないか」→わかる。「関心を高めて欲しい」→は?仰います通り余裕がないのですが?”(Rsk 2015/12/13)
“こういう話題になると出てくる「自炊すればいいのに」って言い出す人たちも、疲れてる時は外食や出来あいの惣菜で済ませることはあるでしょ。自炊は時間と心に余裕が必要だし、好バランスの外食は金がかかるもんよ。”(Sarutani 2015/12/13)
“貧乏暇なしで暇がないほど低賃金でこき使われてると夕飯も昼飯も考える思考力と作る行動力を奪われるんだよ。自炊して欲しかったら、健康保険無駄遣いしてほしくなかったら賃金あげて労働時間を規制しろ。”(cleome088 2015/12/13)
“厚生労働省ももう少し貧困への関心を高めてほしい”(mtane0412 2015/12/13)
“高くて買えないのだから当然”(straychef 2015/12/13)
●運動習慣や歩く習慣では、高所得者・低所得者どちらが多い?
ところで、調査でおもしろかったのは、"「運動習慣のない人の割合」は、男女とも所得別の有意な差はみられなかった"(マイナビニュース)というものです。ここは差がないんですね。貧困者層の方がスポーツを好きなイメージがあったので、予想外です。
一方で、"「歩数の平均値」は、男女とも世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、200万円未満の世帯員で有意に少なかった"とのこと。移動手段を贅沢に使えそうな高所得者層の方が歩いているのです。これはおおっ!と驚きました。意外です。
ここまでの話は、
日本人の肥満の原因、食べすぎは嘘?カロリー摂取量はむしろ低下や
健康のために最も大切なのは食事でも健康食品でも薬でもなく運動といった過去投稿とも多少関係するかもしれません。
●過去の調査を見ると大体は同じ傾向だが、一部違う部分も…
以前からわかっていた話という関係では、過去の調査結果も検索で見つかりました。
所得が低い人ほど高い肥満率・喫煙率|一般社団法人 日本健康倶楽部というものです。こちらを見ると、今年とは、多少異なる結果もところどころ見られます。
厚生労働省が2010年に実施した国民健康・栄養調査によると、所得が比較的低い人ほど喫煙率が高く、女性では肥満の割合が高いことがわかりました。(中略)
肥満者の割合は、男性では差が見られず、女性では200万円未満と200~600万円未満の世帯が高いという結果が出ました。
習慣的に喫煙している人の割合は、男性では200万円未満の世帯で高く、女性では200万円未満と200~600万円未満の世帯で高いという結果が出ています。(中略)
習慣的な朝食欠食者の割合は、男性では200万円未満と200~600万円未満の世帯で高く、女性では200万円未満の世帯で高いという結果に。食生活では、所得が低いほど朝食をとらない割合が高く、1日当たりの野菜の摂取量も少ない傾向が見られました。
朝食の調査は今年なかったのかな? とりあえず、古い調査の場合は、低所得者層では朝食をとらない割合が多いにも関わらず、肥満が多めという感じなっています。
また、私が一番気になった運動習慣については、"運動習慣のない人の割合は、男性では200万円未満の世帯で高く、女性では200万円未満と200~600万円未満の世帯で高いという結果が出て"いたとのこと。このときは、高所得者ほど運動する感じになっていたようです。こちらの方がわかりやすい感じですね。
前回は運動習慣で差があったのに、今回は差が出ていないということは、そもそも以前もそれほど大きな差がなかったのかもしれません。ただ、運動習慣や歩く習慣でも貧困層が富裕層に勝てないという結果が過去に出ていたことには、本当驚きました。
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