この前書いた
学校の勉強に意味はあるの?と子どもに聞かれたら…教養や学歴などの回答は軽く書くつもりなのに、えらく時間がかかってしまいました。この時点までで、いつも以上に時間がかかっています。
で、時間がかかりすぎたために、お風呂入りながら3つ思いついた私なりの考えもセットで書こうと思っていたのを中止。今回は、その話を独立で書こうと思ったのですが、そのメモも間違って消してしまって、さらに面倒くさいことに…。思い出しながら書いていきます。
●無難な回答としては「勉強ができる方が職業の選択肢が広がるため」
2015/12/17:とりあえず、一つは前回の
学校の勉強に意味はあるの?と子どもに聞かれたら…教養や学歴などの回答の最後と同じ感じで、「勉強ができる方が職業の選択肢が広がるため」というもの。「卒業した大学によって就職に有利不利があるため」という言い方でも良いですけど、これよりもう少し広いです。
いくら文句言っても、「卒業した大学によって就職に有利不利がある」のは事実です。さらに、弁護士や医師などの資格関係のものは、勉強ができない人は貰えません。東大卒は嫌だとか、博士号持ちは使いづらいとか、稀に勉強ができすぎることで嫌がられることもあるにはあります。ただ、基本的には勉強ができた方が有利なことの方が多いです。
私が子どもの頃考えていた勉強の意義というのも、こういう夢も希望もない冷めたものでした。ただ、私はそうは言ってもやりたくないと思ったので、勉強は結局あまりしませんでしたけどね。他の人たちにとっても、この理由説明は、あまり魅力的なものではないかもしれません。
●そもそも役に立つ勉強かどうかを予想するのが難しい…という現実
3つのつもりでしたが、今思い出していくと、なぜか4つになっちゃいました。2つ目も前回少し出たものです。前回書いたのは、アップルのスティーブ・ジョブズさんの「英習字の勉強」という一見関係なさげな経験がコンピュータのフォントというところで役立ったというエピソードでした。
(関連:
スティーブ・ジョブズの名言から五つを選り抜き ~スタンフォード大のスピーチなど~)
このことからわかるように、「学校の勉強なんか役に立たない」と簡単に言いますが、本当は実際に役に立つかは簡単に予想できないと考えられます。今回はスティーブ・ジョブズさんの例以外にもということで、もう一つ例を出しておきましょう。
働かないアリだけじゃない 高齢者に危険な労働をさせる働きアリの働き方で出てきたBSE(俗に言う狂牛病)の話です。
BSEにとって大切なプリオンの研究をしていた人たちは、BSEが発生する以前は「役立たずの研究をしている」と馬鹿にされていました。ノーベル賞の研究なんかもそうですが、画期的な研究は予想外のところから生まれることが多いんですよ。そもそも役に立つかどうかを予想するのはたいへん難しいんですね。
たぶん知識や経験がなければない人ほど、思い込みで「学校の勉強なんか役に立たない」と言っちゃうんじゃないですかね? 仕事によっていろいろな知識を使う人は、学校の勉強が役に立っていることを実感する機会がより多いはずです。
●単体で役に立たなくても、組み合わせで価値を発揮することがある
何で1つ増えたのかな?と思ったら、上記のケースと少し似たものを別にしたからみたいですね。スティーブ・ジョブズさんの例もそうだと言えそうですけど、ある知識が別の知識と組み合わさることによって、新たな価値を持つことがあるのです。
また、上記でやったように、過去の別のエピソードを例に出すことを私はよくやります。全く違う分野のように見えても、応用して考えることで役に立ったり、共通点が見えたりするんですね。例えば、
将棋と経済の共通点1~いつか来る飽和点~でったように、将棋の羽生善治さんは、将棋の考え方と経済の考え方に共通点があることを指摘していました。
また、以前やった
IQ(知能指数)などの知能のピークはいつ?流動性知能と結晶性知能では、「結晶性知能」という概念が出てきました。これも基礎的な知識を増やしておくことの大切さを示しています。
60代がピークという"結晶性知能は年齢とともに伸びていくが、それは単なる知識や経験の足し算ではなく、ある時点で飛躍的に伸びるもの"だそうです。
たとえば、"仕事でも新人の頃はひたすら知識と経験を増やしていくしかないが、ある程度それらが増えると、「あの情報とこの情報がつながる」とか、「そういうことだったのか!!」と目からウロコの体験が増えて、一個一個の知識が連動し始める"といった感じ。こういうしくみで、理解力、発想力、判断力、マネジメント能力の上昇に繋がるようです。
●大人は苦手…子供のときじゃないと効果的に伸ばせない知能がある!
ああ、上記の話と絡んで、もう一つ学校の勉強が大事という話が同じ投稿で出ていましたわ。
IQ(知能指数)などの知能のピークはいつ?流動性知能と結晶性知能でやったもう一つの知能である「流動性知能」は、丸暗記タイプのもので、これも大切なんです。
しかし、この丸暗記は大人になると苦手になってくることが多く、“単純記憶型”である子供の脳の方が有利なんですね。「結晶性知能」を十分に発揮するには知識が多い方が良いものの、それをたくさん覚える力は社会人になる頃には下がってきています。学生のうちにやっておく方が、理にかなっているのです。
ただし、流動性知能もトレーニングをすれば年をとっても伸ばすことは可能だそうですので、歳を重ねていたとしても諦めずに覚える努力をした方が良いとのこと。ということで、ここに関して言えば、結局、大人も勉強し続けるべき!という話でした。勉強が大事なのは、子供だけじゃありません。
●答えよりもその過程が大事、頭を使うということ自体も大切
次の話はむしろ今言った丸暗記型とは180度異なる方向性なのですが、考えるということそのものが大事でもある…という話。答えそのものより、答えを見つけ出す過程が大事なのだ…というものですね。
子供だけでなく、企業や有識者も「もっと学校で役に立つ勉強を」という短絡的なことを言いがちなのですが、本当に価値のある仕事というのは誰かがやった真似ではなく、まだ誰もしていないことをすることです。ですから、いろいろな問題をやって答えを見つけ出す手法を学ぶことで、未知の問題に対応できるようにするというのもたいへん大事なことです。
さらに、頭を使うということは、健康のためにも良いかもしれません。
認知症予防に効く高学歴とバイリンガル 低学歴は認知症が多いというショッキングな話を過去にやっていますが、大人になってからも頭を使い続けることで認知証を防ぐ効果があるという希望も見えていました。頭を使うことそのものが大事だと考えられます。
●子供に「学校の勉強に意味はあるの?」と聞かれたらすぐ答えない方が良い理由
ああ、タイトルにするつもりで書き始めたのに、すっかり忘れていました。子どもに「勉強に意味はあるの?」と聞かれた場合は、まずは子どもに考えさせた方が良いと思います。これはちょうど最後の話と関係あったのでたまたまた良い流れになったのですが、すぐに答えを教えない方が良いとよく言われているためです。
子どもに考えてもらった方が良いというのは、答えが間違っていたとしても、子ども自身が考えるということが重要なため…といった説明だったと思います。そういえば、ドイツなんかでは小さい頃から、答えのない問題を考えさせるとも聞いたこともありますね。このエピソード教えちゃうと、「だから日本の学校教育は意味がない」などと言い出す方が出そうですが…。
ということで、以上のように、子供にしても大人にしてもどんどんと頭を使った方が良さそうでした。読み直したら以前も同じようなことを書いていたのですが、遠慮せずに大いに頭をこき使ってやりましょう。
【本文中でリンクした投稿】
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