ゆるキャラは単純にきぐるみがあるキャラクターを指すわけではないようです。本来は企業系のキャラクターも対象外であり、ご当地キャラでなおかつゆるゆるのものといった感じでした。ゆるキャラの歴史的なところを見ると、私が思っていたより前からある言葉でびっくり。当初は、自治体がすごく嫌がっている呼称だったそうです。今では考えられませんね。
2020/10/11:
●「がちキャラ」という株式会社ができていた!会長はロンブー田村
●ゆるキャラの定義はゆるキャラ三か条…みうらじゅん氏が考案
2017/08/26:「ゆるキャラ」を「きぐるみキャラ」という意味で使っている人がいて、そもそもゆるキャラとはどういう意味なのだろう?と不思議に思いました。
ゆるキャラ - Wikipediaによると、考案者・命名者は漫画家、エッセイストである、みうらじゅんさん。その定義は、以下のようになっています。
<ゆるキャラ三か条>
1.郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること。
2.立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること。
3.愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること。
上記に加えて、みうらじゅんさんは、「原則として着ぐるみ化されていること」も条件に挙げていました。この条件を見てわかるように、みうらさんの想定はあくまで「地方の村おこし・地域振興のためのキャラクター」です。この場合は、「ご当地キャラ」とほぼイコールになります。
●狭義のゆるキャラに企業キャラクターは含まれない
したがって、全国展開する大企業のプロモーションキャラクターなどは対象に含まれません。ただし、これらを含めた広い意味でも「ゆるキャラ」は実際には使われています。この場合は、イベント、各種キャンペーン、地域おこし、名産品の紹介などのような地域全般の情報PR、企業・団体のコーポレートアイデンティティなどに使用するマスコットキャラクターといった説明になります。
ゆるキャラは既に辞書にも登場していますが、
デジタル大辞泉だと「緩キャラ」という見慣れない表記でした。「緩キャラ」っていう漢字を使った表記だと全然ゆるい感じがしませんね。
こちらの説明ですが、"国・地方自治体主催のイベントや名産品などを宣伝するために作られたキャラクターのうち、姿形や名の付け方などに、野暮ったいが、のんびりとした雰囲気を感じさせるもの"としていました。みうらじゅんさんの説明にかなり忠実で、ご当地キャラの中のゆるいものといった理解です。
●ゆるキャラブームのきっかけは「ひこにゃん」か「せんとくん」か?
このゆるキャラの命名は私が思っていたよりかなり古く、2000年のことでした。Wikipediaによると、まず、1980年代の地方博覧会ブームで作られたマスコットキャラクターがゆるキャラの原点。その後、2000年 『第15回国民文化祭・ひろしま2000』のメインキャラクターとなったブンカッキーを見て、みうらじゅんさんが「ゆるキャラ」という概念を思いついたそうです。
私がゆるキャラの発祥だと誤解していた、キモくて有名な「せんとくん」は10年後くらい。ただし、
知恵蔵では、「ゆるキャラ」として全国の注目を浴びるきっかけとなったのは、2010年に奈良県で開催される「平城遷都1300年祭」だとしていました。
ただ、ゆるキャラの代名詞的存在の「ひこにゃん」の方が「せんとくん」より先。Wikipediaの場合はこちらがブームのきっかけとしており、"2007年頃から、『国宝・彦根城築城400年祭』のイメージキャラクター・ひこにゃんが火付け役とされる「ゆるキャラブーム」が起こる"と書いていました。
みうらさんはひこにゃんがブームになった2006年を境とした「ひこにゃんビフォーアフター」で「ゆるキャラ」という言葉の使われ方が変化してきていると指摘していました。以前は自分たちのキャラクターを「ゆるキャラ」と呼ばれることにマイナスイメージを持っていた自治体側が、多かったそうです。
ところが、ひこにゃん以降は自分たちから「ゆるキャラ」を名乗るようになり、広告会社等のプロが自治体からの依頼を受けデザインや運用を行う「素人ならではのゆるさ」というみうらさんの定義から外れたご当地キャラクターも数多く登場するようになったと、説明されていました。
●ゆるキャラの反対のキツキャラ・ガチキャラはいるのか?
…といった感じで、単にきぐるみキャラクターということではありませんし、厳密に言えば、ご当地キャラともイコールではなく、ゆるさが必要です。私も手抜きみたいなデザインという印象が強かったので、この説明の方が納得でしっくり来ます。
では、反対に本気で作られたプロなデザインのキャラクターの呼称はあるのか?と検索したものの、特に定着していないみたいですね。
一応、最もよく使われている感じなのが、「ゆるい」の反対の「きつい」から「キツキャラ」「きつキャラ」のようです。ただ、デザインがゆるいという意味ですから、「きつい」だと意味的には反対じゃないですよね。人間などの性格がきついという意味での「キツキャラ」とも混同してしまいます。
私はデザインがガチということで、「ガチキャラ」を想定していたものの、こちらの使用例は見当たらない感じでした。現在「ガチキャラ」は主にゲームなどにおいて、「ネタキャラ」の対義語として使われているようでした。
●「がちキャラ」という株式会社ができていた!会長はロンブー田村
2020/10/11:その後、2019年にお笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが取締役会長を務める「がちキャラ」という株式会社ができていました。この「がちキャラ」は「がちで頑張っているキャラクター」といった意味のようです。逆に言うと、ゆるキャラは頑張ってないって理解なんですかね。
ただ、すでにある程度知名度があるキャラクターを使っているということで、そこらへんがゆるく作ったキャラではないガチな感じ。また、ビジネス的にもガチであり、お金を稼ぎに来ています。地域貢献を果たしていくことも目的としていますが、企業の活性化やキャラクターをイベントに派遣するマネージメントをするということで、完全にビジネスのようです。
ご当地キャラ好きな人が書いているブログ・
キャラマニアが「株式会社がちキャラ」に対して思うこと | じせだいベアーズによると、最大1000万円などがちキャラは価格設定もゆるくなくてガチ。ただ、ゆるキャラブームが去ってアピールに苦労するからこそ、既存キャラを使ったビジネスのチャンスがあると踏んだようでした。
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