社会保険労務士=社労士というのは、企業を経営して行く上での労務管理や社会保険 に関する相談・指導などを行う職業の人です。その社労士がなんとパワハラで楽しみながら社員をうつ病自殺に追い込む方法を、喜々として紹介していました。信じられない話です。 (2015/12/19)
2017/09/24:パワハラ被害者に無理解な人がかなりいる…という問題
●社員をうつ病にする方法公開して炎上・閉鎖
2015/12/19:既に大手メディアに取り上げられていたのでだいぶ出遅れたものの、おいおいおい、すごいやついるな!ということで。
ブログに「社員をうつ病にする方法」 社労士を調査へ:朝日新聞デジタル 斉藤太郎 2015年12月19日16時58分
愛知県内のベテラン社会保険労務士の男性が「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」と題した文章をブログに載せ、県社労士会が問題視して今月に調査を始めた。(中略)
問題の文章が載ったのは11月下旬。「すご腕社労士の首切りブログ モンスター社員解雇のノウハウをご紹介!!」と題した連載の40回目で、上司に逆らったり遅刻したりする社員を「うつ病にして会社から追放したいのだが」という質問に答える形だった。(中略)
ネットでは「あまりにひどい」などの批判が起きた。「ふざけるな!」といったメールを数件受けた男性社労士は「怖くなった」として、12月上旬に連載をすべて削除した。
●自殺は想定内で追い込むアドバイス
"ブログでは、「失敗や他人へ迷惑をかけたと思っていること」などを社員に繰り返しノートに書かせるよう勧めた"とのこと。
国家資格の社労士は「適切な労務管理その他労働・社会保険に関する指導を行う専門家」らしいのですが、これは不適切でしょう。実際に裁判になっているような悪質なものです。
こんなの問題になるに決まっているだろう…と思ったら、"社員が自殺した場合の助言もあった"ともありました。自殺まで追い込んでも勝てる自信があったようです。
(追記:
炎上したすご腕社労士の木全美千男氏、著作多数 「首切り」関連が特に多いで書きましたが、現実の裁判はたいてい負けるとのこと)
社員を殺す気なら完全にサイコパスだと思ったものの、「怖くなった」とあっさり削除。「多くの人が自殺に追い込むような主張と読む。同じ社労士として迷惑だ」と批判が出たことで調査を始めた愛知県社労士会には、"「うつ病に罹患させる」というのは本旨でなく「筆が走りすぎた」としつつ、「表現の自由」の範囲内と主張した"とのこと。
まあ、「表現の自由」の範囲内かもしれませんけど、会則で処分対象とするのは十分可能でしょう。「信用または品位を害する行為」という処分項目があるそうです。また、「重大な非行」の可能性も検討しているとのこと。
●問題の社労士・木全美千男氏の経歴
魚拓があるだろうと検索するとありました。まず、以下がプロフィール。お名前もありました。個性的ですね。
第40回 社員をうつ病に罹患させる方法 投稿日 : 2015年11月24日 モンスター社員を解雇せよ! すご腕社労士の首切りブログ
木全美千男(きまたみちお)
特定社会保険労務士、税理士、行政書士、法務博士。愛知県出身。
南山大学経営学部卒業、中部電力(株)・社会経済生産性本部、会計事務所勤務を経て独立。
1988年 社会保険労務士登録。
1989年 税理士登録。
現在、きまた会計事務所所長、(有)モンジュアソシエイト代表取締役。財務・税務・人事労務の専門を活かしたコンサルタントとして活躍中。
●強烈な合法パワハラで楽しみながら社員をうつ病自殺に追い込もう♪
もちろん質問者もクズななので、クズな質問内容です。
Q
当社にいるモンスター社員は、上司に逆らう、遅刻する、タバコさぼりなど
行動が異常です。なんとかうつ病にして会社から追放したいのですが、いい方法ありますか。もちろん会社が法的に責任取らなくていい方法に限ります。
しかし、木全美千男さんの回答は予想のさらに上を行きますね。
最初は、上記の不満な内容について、"バツを与えるべき根拠を就業規則に盛り込みましょう"とのこと。他はともかく「上司に文句を言うことの禁止」は就業規則として通るのでしょうか?
①就業時間中の喫煙の禁止
②上司に文句を言うことの禁止
③遅刻の禁止
さて、大義名分ができたので、ここから追い込みにかかります。
違反した場合には厳しく処罰を与えることを決めます。そして指導として本人に反省文書を書かせることです。
この直後に"
適切にして強烈な合法パワハラ与えましょう"などと言っています。この時点でアウトくさいです。
そして、その後も一発アウト級の名言を連発。わかっていたことですが、"「うつ病に罹患させる」というのは本旨でなく"という釈明は大嘘ですね。
①まずノートと筆記具を用意します。
それから、ノートに自分が今まで行ってきた失敗や他人へ迷惑をかけたと思っていること、不快に感じたこと、悲しかったことなどを思い出せるだけ書き、その事柄に対して自分に非があるように関連付けて考えて書いていくことを繰り返しましょう。うつ状態というのは自分を責める病気なので、後悔の量が多ければ多いほど(過去に否定的な執着する程)発症し易いです。
②次にモンスター社員に降格減給 与えて経済的にダメージ与えます。適切な理由でっち上げましょう
(中略)本当にうつ直前になったら、休職命令与えてもいいでしょう。休職満了による退職でも可能でしょう。
その際には企業法務労働法務に詳しい特定社労士のサポートを得ることが必須となります。
モンスター社員に精神的打撃与えることが楽しくなりますよ。
"厚生労働省愛知労働局も事態を重く見て調べる方針"とありましたが、こういった手法がある時点でやばいですよ。木全美千男さんだけ排除しても意味無いです。途中で聞いたことがある手法だと書いたように、おそらく既にやっている会社がたくさんあると思われます。
法改正などで、こういった手法自体が通らないようにすべきでしょう。
(追記:
炎上したすご腕社労士の木全美千男氏、著作多数 「首切り」関連が特に多いで書きましたが、普通に裁判では負けるそうです。
2016/01/12追記:同様の話を
炎上社労士オススメ、うつ病にする方法 実行者らは傷害罪などになる可能性に)
●パワハラ被害者に無理解な人がかなりいる…という問題
2017/09/24:この社労士の話でわかるように、気に入らない社員をパワハラで追い込んでうつ病やノイローゼの状態にすることは可能です。そのように追い込まれた人は通常の思考ができなくなりますが、それはその人が無能だからではなく、度重なる嫌がらせによって精神的に追い詰められてしまったためです。
なぜそんな当たり前なことを書いてるの?と思うかもしれませんが、
秘書に暴行で告発された豊田真由子・河井克行議員 評判も以前から悪かった二人で出てきた豊田議員に罵倒された元秘書の衆議院出馬の可能性が報じられて(実際には出馬せず)、「無能なのに」と批判が出ていたためです。これは、罵倒事件の録音テープのやり取りのとき、パワハラで追い込まれた状態だったということが考慮されていません。
実際に自殺してしまった場合にはそういうことを言う人はあまりいないのでしょうが、自殺に繋がるような仕打ちを受けている時点ではたぶんあまり同情されないんだと思われます。もちろんこれは良いことではなく、日本のブラック企業文化をより強固にする要素で問題があります。
あと、同時に「口がゆるい」という批判が出ていて、その意図にちょっと悩んでしまいました。これはおそらく、
内部告発者が保護されず犯人探しの上いじめらるという日本文化で書いたような、内部告発者叩きでしょうね。そういえば、豊田議員の件も当初から、パワハラを暴露した元秘書の方が悪いという批判が出ていました。
こちらももちろん望ましいものではありません。いじめ事件でチクる奴が悪いと叩くようなものですからね。こちらも上記と同じで、死人が出た場合になってやっと加害者が悪いと気づくのだと思われます。このようにいじめる側に優しい人が一定数いるというのは、たいへん頭が痛い問題です。
【本文中でリンクした投稿】
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炎上したすご腕社労士の木全美千男氏、著作多数 「首切り」関連が特に多い ■a href="http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-8097.html">炎上社労士オススメ、うつ病にする方法 実行者らは傷害罪などになる可能性
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内部告発者が保護されず犯人探しの上いじめらるという日本文化 ■
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