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社員に長時間労働させない方が会社も儲かる 健康経営も本当だった!


 長時間労働によって単に生産性が下がる・効率が悪くなるというだけでなく、長時間労働した人の方が長時間労働していない人よりもトータルの仕事の出来が悪いという話。一つの論文について細かく言及しているわけではなく、さらっと書いているだけの記事で、そこは残念でした。ただ、企業が利益を重視した場合でも、長時間労働をしない方が良いという研究があるというのはおもしろかったです。


●働くふりをしたら騙せてしまった!上司はダラダラ残業を全く見抜けない

2015/12/21:今回読んだ記事は、それでもまだ、無意味な長時間労働を続けますか? | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(2015年11月26日 サラ・グリーン・カーマイケル  『ハーバード・ビジネス・レビュー』のシニア・アソシエート・エディター)というもの。長時間労働が良いか悪いかとは異なりますが、部下が真面目に働いているかどうかを見分けられないという話を最初に紹介します。

<ボストン大学クエストロム・スクール・オブ・ビジネス教授のエリン・リードがコンサルタントを対象に行った調査で、マネジャーは週80時間働いた従業員と80時間働く“ふり”をした従業員を区別できなかった>

 「この仕事もっと早くできますよ」となかなか社員は言い出しませんし、その社員の選択は正解かもしれません。労働時間の短縮を正直に願い出た従業員は、上司からペナルティが課されたそうです。何というアホな話。しかし、リード教授の検証では、労働時間の短縮を正直に願い出た従業員の成果が明らかに低かったという証拠、または長時間働いた従業員がより多くを達成したという証拠は何も出てこなかったとのことでした。


●社員に長時間労働させない方が会社も儲かる 健康経営も本当だった!

 ここまでは、長時間労働が良い証拠はないという話。しかし、一番知りたいのが、むしろ長時間労働が悪いという研究です。以下もまだ従業員に負担がかかるというだけで、経営者は痛くも痒くもないんじゃないの?というものに見えます。

<フィンランド労働衛生研究所のマリアナ・ビルタネンらが行った数多くの調査によると、過重労働およびそれに起因するストレスは、睡眠障害、鬱、過度の飲酒、糖尿病、記憶障害、心臓病を含むさまざまな健康問題を引き起こす>

 ただ、ちょっとわかりづらかったものの、この後に<その結果として常習的欠勤、離職、健康保険負担額の増加といった形で、会社の収益にも悪影響が及ぶ"としていた他、"常軌を逸した労働時間が現実に会社のバランスシートを悪化させる、という確かな証拠からは逃れられない>とありました。

 これはおそらく従業員が不健康になるだけでなく、会社の業績も不健康になるという研究結果が出ているということでしょう。そういえば、この前、健康経営のSCSKとランクアップの長時間労働改革 残業しない人にも残業代を支給などというのを書きました。健康経営は注目されています。

 健康経営している企業は伸びるとも言われており、健康経営銘柄なんてのも考え出されています。これは日本発ではなく、確かアメリカからの輸入だった記憶。推奨銘柄関係は私は常に懐疑的で出資をオススメするわけではありませんが、大まかな考え方の方向性としては正しそうです。


●生産性ではなく生産量そのものが高まると企業にとってもプラス

 それから、歴史的にも労働時間の短縮が、企業の業績の向上に貢献したという話もおもしろかったです。過重労働とは、文字どおり「収穫逓減」である…という難しい書き方をしていましたが、要するに過重労働はその名の通り問題があるという話。働きすぎるうちに、パフォーマンスも下がっていってしまうのです。

<ビジネス界が初めてそのことに気づいたのは、遠い昔のことだ。19世紀の労働組合が、工場経営者に1日の労働時間を初めて10時間(後に8時間)に短縮させた時である。すると生産量が増加し、高くつくミスや事故が減少したことに経営者は驚かされた>

 「ミスや事故が減少した」だけでなく、「生産量が増加」したというトータルでプラスだというのが大事です。ここはこだわります。そういう意味では、以下の現代の研究はグレーな書き方。生産性が高まるだけでは不十分で、全体の成果がアップしていなくてはなりません。

<それから1世紀以上が経ち、ハーバード・ビジネススクールのレスリー・パーロウとジェシカ・ポーターは同じような実験を知識労働者に行った。すると現代でも同じ結果が出た。ボストン コンサルティング グループのチームに計画的な休み(夜や週末など)を義務づけたところ、生産性が高まったのだ>


●長時間労働は絶対ダメ…ではない たまにするくらいなら大丈夫

 なお、"長時間労働を絶対にしてはならないというわけではない"ということにも記事では触れていました。いわく「それを常態化すべきではないということだ」とのことです。作者が目にしたほとんどの研究によれば、深刻な危機をどうしても乗り切る必要がある時に、週60時間労働を1~2週間するのであれば問題ないといいます。

 しかし、それが過重労働として常態化してはならない…ということみたいですね。これがポイント。そういえば、シンガポールで長時間労働がない理由 残業で上司も部下も激怒、しくみ的にも無理でも、最初のうちは長く働く方が効果的という話がありました。

 それから、どこで読んだかは忘れたものの、確かアメリカの会社の人の話で、人生のうちでものすごい馬鹿みたいに働くときが存在するみたいな話もありました。これらはどれもメリハリあるということで、常時モーレツに働くわけではないというのが共通点だと言えそうです。


●長時間労働の方が企業が儲かる場合にはどう考えれば良いのか?

 研究を進めた結果、やっぱり長時間労働の方が儲かるとわかる可能性はあります。今回は長時間労働じゃない方が会社の業績が良くなるかどうか?ということにこだわりましたが、これは長時間労働の方が会社の業績が良いならそうすべきという意味ではありませんよ。

 長時間労働が儲かるんだとしても、これは社員の健康を犠牲にしているわけで望ましいものではありません。朝型勤務「ゆう活」やサマータイム制度のメリットとデメリットなどで、安倍首相の肝いりの朝型勤務を批判したのも、金儲けより労働者の健康を優先べきという理由でした。健康を害して儲けて良いということはありません。

 ただ、長時間労働しない上に会社の儲けも増えるのであれば、会社も社員も両方ハッピーであり、強欲社長も大満足です。そのような証拠があると一番良いので、今回はそこにこだわりました。こういう研究がもっと増えてしっかり確かめられた上で、広く知られるとみんな幸せになれますね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■健康経営のSCSKとランクアップの長時間労働改革 残業しない人にも残業代を支給など
  ■シンガポールで長時間労働がない理由 残業で上司も部下も激怒、しくみ的にも無理
  ■朝型勤務「ゆう活」やサマータイム制度のメリットとデメリット

【関連投稿】
  ■これが日本の社畜だ!サービス残業肯定派34%、ブラック企業の源泉に
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