カフェインは体に悪いから摂取しちゃダメという極端な話ではないのですけど、病院に運ばれる人が増えていて何人か亡くなるというところまで行っています。どうも「カフェインの摂取しすぎが良くない」という意識が全くないようです。
当初の投稿では死亡事例1つだけの紹介(2015/12/21)でしたが、その後、カフェイン中毒が増えているという話を追加しています。(2017/06/17)
●致死量に至りやすい身近なものの代表例カフェイン
2015/12/21:いつも言っているように、~という物質が入っているから危険とか食べちゃダメとか言う人や記事は、信用しちゃいけません。問題は量的なものであり、健康に影響を及ぼさない範囲でしたら、摂取しても問題ありません。
また、化学物質が悪いというのも間違い。
化学物質は体に悪い影響を与える?主な生物毒・有毒植物・有毒動物などでやっているように、自然界に毒はいくらでもあります。
致死量ランキング 半数致死量(mg/kg)表示でも、自然由来の毒物が多数出ていました。身近な慣れ親しんだものでも摂取しすぎると死ぬものがあり、。カフェインというのもその一つでした。
●国内初か?眠気覚ましの清涼飲料水多飲でカフェイン中毒死
でも、実際にカフェインで死んじゃうほど多量に摂取する人が、現実にいるとは思っていませんでした。そのため、
20代男性がカフェイン中毒死 眠気覚ましに清涼飲料水を常用 | どうしんウェブ/電子版(医療・健康)というニュースのタイトルを見て驚きました。
内容を見ると、飲料水だけでなく、錠剤も飲んでいたようです。健康食品やサプリメントが結構危険だとも書いたことありますが、意図的に特定成分を濃くしたものは「摂取しすぎ」になりやすいです。
でも、錠剤じゃなくて、結局、原因は飲料の方だと専門家は見ているんですね。まあ、この飲料水もサプリ同様に、成分を偏らせていますからね。やはり飲み過ぎは危ないです。
九州地方で今年、眠気覚ましをうたうカフェイン入り清涼飲料水を頻繁に飲んでいた20代男性がカフェイン中毒で死亡していたことが、福岡大法医学教室の分析で21日までに分かった。胃の内容物にはカフェイン錠剤の可能性がある破片も混じっており、錠剤がどの程度死亡に関与したかは不明だが、同教室は飲料の大量摂取が原因とみている。状況から自殺目的で一時的に大量服用したのではないという。
あと、私が驚いたと書いたように、厚生労働省食品安全部も「国内でのカフェイン中毒死は聞いたことがない」としており、"常用での中毒による死亡は国内初の報告例とみられる"とのことでした。
●自殺とは考えられないし、自殺には不向き?
別記事を読むと、自殺の可能性を否定していました。私もコーヒーのカフェインだけでめちゃくちゃ具合悪くなることがあるんで、気をつけなくちゃいけないのですが、楽には死ねないと思います。
東京新聞:若者中心に増えるカフェイン過剰摂取 含有飲料常用の20代男性死亡:社会(TOKYO Web) 2015年12月21日
胃の内容物にはカフェイン錠剤の可能性がある破片も混じっていたが、同教室は飲料の大量摂取が原因とみている。状況から自殺などの目的で故意に大量服用したのではないという。
最初に書いたように飲み方の問題であり、こういった飲料水を飲んだらダメということではありません。"同様の製品を販売するメーカーは「何本も続けて飲んだり、副作用が強くなるアルコールと一緒に飲んだりするのは避けてほしい」としてい"ます。
それから、亡くなった人のより具体的な話。私は未だに一度も飲んだことないのですが、近年になって登場した「エナジードリンク」を飲んでいたとのこと。
福岡大法医学教室などによると、男性は二十四時間営業のガソリンスタンドで深夜から早朝の勤務。帰宅後は夕方まで起きていて、その後に寝て出勤する毎日だった。エナジードリンクと呼ばれるカフェイン入り飲料を多用し、死亡する約一年前から体調不良を訴え、吐いて寝込むことを数回繰り返した。カフェイン中毒症状とみられ、死亡当日も帰宅後に吐いて寝込んでいた。数時間後に家族が気付き、救急搬送したが手遅れだった。飲んだ量がどれくらいかは不明。
●カフェイン摂取量の目安は?
私は知らなかったのですが、海外だとちょくちょくカフェイン中毒で亡くなっていたようです。結構あり得るんですね。
国内外で若者を中心に、カフェイン過剰摂取が問題となっている。含有量の多い飲料が販売されている米国では十数件の死亡例が報告されており、「国内でも死亡例があるはず」とみる専門家もいた。国内で摂取許容量などの基準はない。
最後に「国内で摂取許容量などの基準はない」とあって不安になりそうですが、記事では目安についてもちゃんと触れていました。親切で良い記事ですね。
<カフェイン摂取量> 1日の摂取許容量は設定されていないが、内閣府の食品安全委員会によると、海外機関が目安として勧告しているのは、健康な成人で1日当たり400ミリグラム(マグカップのコーヒー3杯分)、4~6歳の子どもでは同45ミリグラム(350ミリリットルのコーラ飲料1缶)。風邪薬や眠気防止などの医薬品では、1回200ミリグラムで1日500ミリグラムが上限。国内販売のエナジードリンクは多くても200ミリグラム程度だが、海外では300ミリグラム近いものもある。急性作用としてめまいや心拍数の増加、震え、不眠症、下痢、吐き気などが知られている。
死亡した方は症状が出ていたのに、改められなかったというのが辛いところです。
最初にも書いたように、いかにも悪そうな感じの化学物質だけが悪さをしているというわけではなく、身近なものでも健康を害します。ですので、体調が悪かった場合は、視野を広げて原因を探す…というか、素直にお医者さんのところに相談に行くのが一番かもしれません。
●カフェイン中毒激増中、死亡例も既に3件
2017/06/17:珍しいと思われたカフェイン中毒による死亡ですが、
カフェイン中毒、5年で101人搬送 若者中心に乱用?:朝日新聞デジタル(阿部彰芳 2017年6月12日20時43分)を見ると、死亡例が増えていました。
"カフェインを多く含んだ眠気防止の薬や清涼飲料による中毒で、2011年度からの5年間に少なくとも101人が病院に運ばれ、うち3人は死亡したことが、日本中毒学会の実態調査でわかった"のだそうです。
この101人は均等に分布しているわけではありません。患者は11年度10人、12年度5人だったのが、13年度は24人に急増。15年度は37人となっています。近年急激に増えている感じであり、今後もヤバそうです。
また、摂取していたカフェインの話が興味深かったです。"101人中97人は眠気防止薬を使っており、7人が心停止、うち3人が死亡。心停止した人はいずれもカフェインを6グラム以上取って"いました。
私が気になったのは、"エナジードリンクだけの中毒は4人だった"という話。前半のケースは、「エナジードリンクより錠剤が問題だろう」という反応も多かったのですが、やはりエナジードリンクだけでも中毒になるほど飲んでしまう人がいるようです。眠気防止薬などを飲まなければ大丈夫ということではありませんね。
さらに、中毒や中毒死は、この調査結果でもかなり少ないかもしれません。今回のものは、調査に協力した全国の38救急医療施設のデータだけであるというのが、理由の一つ。
そして、より問題なのは、「カフェイン中毒死は臓器に異常はみられず、解剖で原因はわからない。特定には血液検査が必要だが実施されないことも多く、見逃しもあるのではないか」(兵庫医科大の西尾元・主任教授)という理由です。
対策としては、この投稿でしているように「摂取しすぎないこと」を地道に伝えていくことが大事だと思われます。ただ、それでは伝わらない人が多いので、ひょっとしたらエナジードリンクや眠気防止ドリンクなどに何らかの規制を行う…という方向性に進むかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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