2019/12/01:
●契約しない理由を求めてくる悪質訪問販売と同じ 参加しない理由は不要
●校長自らPTAに味方して、参加しない親を脅迫「子供に不利益がある」
●ボランティアなのにフリーライダー許すな!PTAと町内会問題は似てる
●PTAと町内会はある意味被害者 学校と自治体がやるべき仕事を放棄
●契約しない理由を求めてくる悪質訪問販売と同じ 参加しない理由は不要
2019/12/01:本当?とまだ信じられないのですけど、都市部を中心にPTAは任意加入が当たり前になってきているとのことです。ただ、一方で、個人情報保護法例に違反することで全員自動強制加入を実現させる…という昔ながらのやり方の地域もあるとされていました。
ひどい事例もまだまだあり、ある地方都市の公立小学校では、PTAを退会しようとしたところ、PTA会長ではなく本来は無関係な校長先生から電話。まず親にやめる理由を聞いてきた…といいます。
ただ、PTAは任意で参加する団体ですから、そもそも退会理由を他人に説明する必要はなく、この時点で変な話。電話勧誘や訪問販売でもなぜか入らない理由を説明させようとするのですけど、そんなことを本来説明する必要はありません。この時点ですでに悪質勧誘と同じような感じでした。
●校長自らPTAに味方して、参加しない親を脅迫「子供に不利益がある」
この話があった記事は、
「PTAやめます」と言ったら「子どもに及ぶ不利益リスト」を読み上げた校長、教委には「誤解」とごまかす(大塚玲子)(2019/5/29(水) 10:00)というタイトルでしたので、この後がさらにひどくなります。
「PTAを退会するのはよいが、お子さんがかわいそうなことになるので、やめてほしくない」と告げて、「会長から受け取った」という書面を読み上げ始めました。PTAを退会した場合に、親子に及ぶ不利益が列挙したものです。
特にひどいのは、「PTAが外部講師を招く事業(授業時間中に実施)に子どもが参加できなくなる」「子どもが卒業記念品を受け取れなくなる、実費払いも不可」といったものでした。この文書は子供が学校から持たされて手元にわたっています。
校長はさらに、PTAをやめたら悪評が広まって、義理の父親が地域で嫌がらせを受ける可能性までちらつかせていました。まるっきりヤクザですね。
●ボランティアなのにフリーライダー許すな!PTAと町内会問題は似てる
ここらへんに関して、
はてなブックマークでは、PTA側の論理に賛成するコメントも見られました。
<PTAが任意団体なのはその通りだと思うが、「PTAには加入しないから、会費納入も活動もしない。だが他のPTA会員の活動による恩恵はウチの子にも与えられねばならぬ」って、普通それはフリーライダーって言うのでは…>
ただ、PTAはそもそも社会貢献のボランティア活動みたいなものなんですよ。任意加入なのに強制というのは、町内会問題ともよく似ていると思います。本来は「自分たちが趣味で子どもたちや地域に奉仕します」というものなのに、「協力しない親や家庭には奉仕しません」と変わってしまっています。これではボランティアではなく、強制加入と脅迫つきの有料会員制ビジネスです。
●PTAと町内会はある意味被害者 学校と自治体がやるべき仕事を放棄
そして、PTAと町内会がよく似ているというのは、本来は学校もしくは自治体がやるべき必須のサービスを担っているために、そのサービスを取り上げられると弊害が生じてしまうというもの。これはある意味、PTAと町内会が被害者とも考えられる要素だといえます。学校や自治体が本来やるべき仕事を、ボランティア組織に転嫁しているわけですからね。
学校や自治体は利益を得ているということで、今回のように法律違反をしている組織に味方するといったことも起きがち。自治体が町内会に味方して裁判で負ける…といったことが起きています。町内会の場合は、よくある困ることが「ゴミ回収をしない」というパターンですね。今回のPTAの場合は、以下のように説明されていました。
<1(引用者注:PTAが外部講師を招く事業(授業時間中に実施)に子どもが参加できなくなる)は学校の授業時間中に行われるイベントから子どもを排除することを意味し、子どもの学習権を侵害するものです。(中略)
2(引用者注:子どもが卒業記念品を受け取れなくなる、実費払いも不可)についても問題です。筆者もこれまで何度も伝えてきた通り、PTAは会員家庭向けのサービスを行う団体ではなく、学校に通うすべての子どものための活動を行う団体です。親が会員でも非会員でも、子どもは同様に扱うのが原則です。
それをもし「ずるい」と考えるなら、校長は卒業記念品のお金の出どころをPTA会費ではなく、卒業対策費など学校徴収金(全保護者から徴収する)に切り替える必要があるでしょう。校長は、それをできる立場にあるのです。
PTA問題にも詳しい憲法学者の木村草太さんは、「学校施設は学校教育のためにあるので、学校側が会員限定サービス団体に施設を優先的に利用させるのは、学校教育法に違反していることを管理者が認識する必要がある」と話しています(NHK「ニュース シブ5時」5月28日放送より)>
なお、学校にしても自治体にしても、金銭的にきついというのは確か。任意加入でやっているPTAは意外にうまくいっているとも聞きますが、私は簡単に解決できる問題だと主張しているわけではありません。でも、それを理由に違法なこと・おかしなことをして良い…とはならないでしょう。
また、一方で政治家の税金の無駄遣いや不適切な使用には無頓着な人が多い、という矛盾も感じます。なぜかそういう話は「国家の大事ではない」と追求を拒む人すらいますからね。優先順位が完全におかしいでしょう。意味がわかりません。
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