大阪大学の話をまとめ。<大阪大1.5億円不正経理疑惑以外にも不祥事相次ぐ>、<パワハラ・セクハラ・アカハラ全部やった60代男性教授を停職処分>、<公表まで5ヶ月かかった大阪大に専門家「ありえない遅さ」>、<大阪大教授を自称する男性を万引きで逮捕…どういうこと?>などをまとめています。
冒頭に追記
2023/07/11追記:
●大阪大教授を自称する男性を万引きで逮捕…どういうこと? 【NEW】
●大阪大教授を自称する男性を万引きで逮捕…どういうこと?
2023/07/11追記:
自称「大阪大教授」の男、万引疑いで逮捕 スーパーでオリーブオイルなど2千円相当 三田|事件・事故|神戸新聞NEXTという妙なタイトルのニュースが出ていました。逮捕された男性は、「結果的に万引したことに間違いない」と容疑を認めているそうです。
<兵庫県三田市内のスーパーで食用油などを万引したとして、三田署は10日、窃盗の疑いで、自称大阪大学教授の男(50)=三田市=を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は同日午後5時ごろ、三田市内のスーパーでオリーブオイル2点とラップ1点(約2千円相当)を盗んだ疑い。商品をエコバッグに入れた状態で店外に出た容疑者を見つけた警備員(74)が取り押さえ、通報で駆けつけた同署員に引き渡した。>
「自称大阪大学教授」という妙な報道の仕方になったのは、おそらく発表時点ではまだ教授本人かどうかしっかり確認が取れていなかったためでしょう。とりあえず、逮捕された男性の名前が大阪大の蛋白質研究所教授として大阪大学のサイトに掲載されていることは確認できたとのこと。経歴などは以下の通りです。
<1997年、京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院精神科で研修。2002年、京都大学大学院医学研究科博士課程修了(中略)。2002年3月25日、京都大学博士(医学)。2003年よりジョンズ・ホプキンス大学医学部神経科学部門にて統合失調症モデルマウスの作製と解析を行う。2005年より大阪バイオサイエンス研究所システムズ生物学部門研究員。大脳基底核神経回路研究に取り組む。2009年よりJSTさきがけ研究者兼任。2011年より京都大学大学院医学研究科特定准教授。2017年より大阪大学蛋白質研究所高次脳機能学研究室教授、現在に至る>
●大阪大1.5億円不正経理疑惑以外にも不祥事相次ぐ
2015/12/25:
大阪大大学院50代男性教授に不正経理疑惑 その額何と1億5000万円以上の絡みですが、直接その話ではなく、別の不正問題について。山内直人教授に「カラ給与」疑惑があった他、事務職員が3700万円以上を着服、加藤恭・助教は相場操縦の罪で逮捕といった不祥事が起きていました。
大阪大学院教授の1.5億不正経理疑惑 私的流用・複数の関与などの疑いもでも使った記事によると、2015年9月には、NPO研究の第一人者として知られる大学院国際公共政策研究科の教授が、約900万円の公的研究費を不正使用したとして停職3カ月の処分を受けているということが起きています。
また、2015年の11月には学内の宿泊施設の利用者から徴収した宿泊料約2300万円を着服したとして、大学本部事務機構の職員を懲戒解雇しています。数ヶ月の間に立て続けに問題が起きていました。
(
教授が研究費1.5億円を不正処理か 大阪大大学院:朝日新聞デジタル(2015年12月25日13時31分)より)
●国際公共政策研究科の山内直人教授に「カラ給与」疑惑
上であった2件のうち一つは、1.5億不正経理疑惑 と同じお金の関係の不正。うちでは取り上げていませんでしたね。ただ、検索して該当する記事を読んでみると、こちらの話は、「私的流用はない」と教授が否定。全額の返金に応じていはいるものの、不正だと決まったわけではありません。まあ、決まりじゃないってのは今回の件もいっしょですね。
・
阪大教授、研究費など966万円を不正受給 停職3カ月 :日本経済新聞 2015/9/17 12:12
<大阪大は17日までに、研究室のアルバイトの勤務時間を水増しして「カラ給与」を計上するなどして研究費など約966万円を不正受給したとして、国際公共政策研究科の山内直人教授(60)を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した>
●事務職員が3700万円以上を着服するという事件も発生
もう一つは研究絡みでも研究者によるものでもなく、事務職員による着服というニュース。こちらも別記事を探してみました。
大阪大学係長、宿泊料2300万円着服 懲戒解雇処分に:朝日新聞デジタル 2015年11月28日02時09分
大阪大学(大阪府吹田市)は27日、学内の宿泊施設の利用者から徴収した宿泊料約2300万円を着服したとして、大学本部事務機構の国際連携係長の男性(50)を懲戒解雇し、発表した。
阪大によると、係長は研究者らの宿泊施設「春日丘ハウス」の事務担当者だった2013年11月~今年9月、施設管理を委託していた民間業者にうその説明をし、大学の銀行口座に振り込むはずの計2288万円を現金で受け取ったという。着服は10年12月以降、総額3700万円以上にのぼるとみられる。
(中略)係長は「住宅ローンや借金の返済に使った」と認めており、大学は府警に刑事告訴する方針。
●大阪大学大学院の加藤恭・助教は相場操縦の罪で逮捕
あと、検索していて、
逮捕された兜町の風雲児加藤あきら、長男の加藤恭・大阪大大学院助教の経歴などの件も大阪大絡みだと気づきました。これはさらに方向性が異なる問題ですけどね。
仕手集団元代表ら 偽計取引などの罪で追起訴 NHKニュース 12月25日 13時57分
追起訴されたのは仕手集団の元代表、加藤※アキラ被告(74)と、息子で大阪大学大学院の助教、恭被告(37)です。
東京地検特捜部によりますと、加藤元代表らは、平成23年から翌年にかけて、保有していた化学メーカーや商社の株価をつり上げるため、みずからが運営する株式サイトに株価の高騰を示唆するうその書き込みをしたうえで売りつけたとして、金融商品取引法違反の偽計取引や風説の流布の罪に問われています。(中略)
特捜部は元代表ら2人を相場操縦の罪ですでに起訴していて、ともに逮捕し、処分保留としていた妻については「関与が従属的だ」として起訴猶予にしました。
(※アキラは「日」の下に「高」)
最後の話は別として、大阪大はお金の問題の不祥事が続いているということになります。こうなると大阪大を叩きたくなるのですが、実はこれにも問題があります。悪く言われるのが嫌だから…ということで、調査しなかったり、問題なしとしたり、隠蔽する方向へ働くことがあるためです。
大阪大のイメージが良くなるような話ではないのは確かですけど、こうやってきちんと調査がされているということ自体は望ましいことだと言えます。
●パワハラ・セクハラ・アカハラ全部やった60代男性教授を停職処分
2018/02/22:大学院国際公共政策研究科の60代の男性教授が、停職3カ月の懲戒処分になりました。阪大によると、教授は2013~14年度、研究室所属の大学院生や事務補助のアルバイトに懇親会への参加を強制し、準備や後片付けをさせたり、大学院生に明確な指示をせずに演習の補助に関わらせたりしました。
求人情報と実際の勤務の違いに不満を述べたアルバイトには「不満があるなら辞めれば良い」という趣旨の発言もしています。これを擁護しちゃう方もいるんですけど、詐欺みたいなものですからね。駄目です。
また、セクハラがひどいのが、遠方で開かれた研究集会の際に、女性スタッフが泊まる部屋で男性が参加する宴会を開いたこと。さらに別の宴会ではOBを通して、女性スタッフに繰り返し参加の指示もしています。
(
阪大教授、パワハラもセクハラもアカハラも 停職3カ月:朝日新聞デジタル 2018年2月22日12時31分より)
これで大阪大叩きになっていたもの、処分がちゃんとなされているのなら良いんですよ。おかしなことをする人自体は、どのような組織にでもいるものです。ただ、上記は処分が甘いんじゃないかと言われていましたし、過去にやったように強制わいせつ罪みたいな事件も軽い処分にされたことがありました。
(関連:
コンプラ強化中は大嘘な大阪大の腐敗 エリート教授倉本洋氏の不正以外の不祥事対応が問題)
大阪大は単純に不祥事が多いことより、このように甘い対応があるというところの方に問題を感じます。
●教職員と学生などが7万件の個人情報漏洩、さらに1万件にも疑い
2019/08/05:
情報漏洩の公表まで5カ月かかった国立大学の謎、2年前の事件を検証 | 日経 xTECH(クロステック)(2019/08/05 05:00)という記事を読んだら、大阪大学の話だったのでここに追記。
大阪大学は2017年12月13日、不正アクセスによって個人情報が漏洩したと公表しました。教職員と学生の氏名や所属、メールアドレスが7万件近く漏洩。さらに、職員採用試験に合格した人の住所や電話番号など、学内外の関係者の自宅に関する情報も漏洩した可能性があったといいます。合わせて8万1107件の個人情報の問題が報告されました。
ただ、この問題が判明したのは、発表よりかなり前。阪大が不正アクセスの兆候に気付いたのは公表の約半年前の6月21日でした。教職員と学生にメールや文書管理のサービスを提供する「学内グループウェア」で、システム管理者が管理ツールにログインすると「複数の地域からのサインイン」「危険なサインイン」などの警告が出ていたそうです。
警告だとわかりやすい警告だったためか、不審に思ったシステム管理者の報告を受け、セキュリティ担当者が同日中に調査に着手。14日後の7月5日に不正アクセスがあったと判断し、5日後の7月10日にセキュリティ会社に調査を依頼しています。
●公表まで5ヶ月かかった大阪大に専門家「ありえない遅さ」
しかし、外部への公表は前述の通り、非常に遅くなりました。阪大は調査範囲が膨大で時間がかかったとしつつも、「最終的な調査結果をセキュリティ会社から受け取ってすぐに公表した」(文書管理室)となぜか胸を張っています。ただ、セキュリティ会社S&Jの三輪信雄社長は「事態の把握から公表まで5カ月かかるのはありえない遅さ」と指摘していました。
「他の侵害事例でも1カ月以内」と見られる上に、「事故対応の専門組織を備えているなら判明翌日に第一報、1週間以内に詳細公表を目指すべき」と話していたそうです。いきなり全容解明した内容を説明できずとも、とりあえずわかっていることを報告すべきってことでしょうね。
例えば、法政大学は2017年2月21日に不正アクセスを確認した際、3月7日に個人情報漏洩の可能性を公表していました。1ヶ月はかかっておらず、半月くらい後ですね。その後、詳細な調査を行った上で、最初の発表から2ヶ月後の5月10日に漏洩はなかったと追加発表するという形にしています。
セキュリティ各社は数年前から日本の学術機関を狙う海外の攻撃者グループの活動を注意喚起しているということで、大学というのは狙われているところなんだそうです。そして、大学には互いの事故情報を共有する仕組みがないため、ほかの大学や機関に侵害を気付かせて万が一の際の被害を防ぐ目的でも第一報の迅速な公表が求められる、とされていました。
ここらへんの是非については、他の専門家の話も聞きたいところなのですけど、この通りだとすれば前回書いたのと同じで「不祥事そのもの以上に事後対応が悪い」という話だと言えそうです。
●30代の准教授が指導する女性の学生の体を触るなどのセクハラ
2020/12/17:大阪大学でセクハラ報道があったので追加。<阪大准教授 セクハラで停職処分>(12月16日 18時48分 関西 NEWS WEB)によると、大阪大学の30代の准教授が指導する女性の学生の体を触るなどの、セクハラ行為を繰り返したとして、大学は、この准教授を停職4か月の懲戒処分にしました。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20201216/2000038695.html
大学によると、この准教授は、2019年4月から7月にかけて、指導する女性の学生を二人きりの食事やドライブ、宿泊に繰り返し誘ったり、研究室で体を触るなどのセクハラ行為をしたとのこと。身体を触る行動があるというので、わかりづらいセクハラではなく、かなりストレートなセクハラのように見えますね。
学生の被害の申し出を受けて、大学は准教授に聴き取り調査。これについて、准教授も事実関係を認めたことから、停職4か月の懲戒処分にしたとのことです。なお、以前紹介していたパワハラ・セクハラ・アカハラ全部やった60代男性教授の場合は、停職3カ月の懲戒処分でした。
今回の4ヶ月も特段重い処分とは思えませんが、前回の教授より重い処分というのは、不思議な話だと思う人もいるかもしれません。この理由について参考になりそうなのは、不正不正に対する処分に関する調査。この調査によると、役職が上の人ほど軽い処分となるということがわかっていたんですよ。阪大もそういう状態になっているのかもしれません。
●セクハラ・パワハラ研究室があった!教授と准教授をまとめて処分
2021/03/27:<大阪大学教授を懲戒解雇 教員にセクハラ繰り返したか>(NHK 03月26日 16時18分)という記事が出ていました。またセクハラなのですが、今度は懲戒解雇処分。セクハラで懲戒解雇になるのは意外に珍しいですし、前述の通り、同じ大阪大学でも今までの処分からすると処分の重さが大きく違います。よくわかりませんね。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210326/2000043013.html
<懲戒解雇になったのは、大阪大学大学院の60代の男性教授です。大学によりますと、教授は、同じ研究室の教員に長期間にわたって体の接触を強要するなどのセクハラ行為を繰り返したほか、他の教職員に退職を強要するなどのパワハラをしたということです。大学の聞き取りに対し、教授は体の接触は認めたうえで、「セクハラやパワハラはしていない」などと話しているということです>
今回読んでいて混乱してきたのが、<同じ研究室の40代の准教授も教職員に退職に関する書類をメールで送るなどして退職を強要するパワハラをしていたとして、26日付けで停職3か月の懲戒処分になりました>という情報もあったこと。別件です。どうも教授と准教授がふたりともパワハラをしていたってことみたいですね。すごい研究室でした。
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コンプラ強化中は大嘘な大阪大の腐敗 エリート教授倉本洋氏の不正以外の不祥事対応が問題 ■
大阪大大学院50代男性教授に不正経理疑惑 その額何と1億5000万円以上 ■
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