ゲートボールの話をまとめ。<娯楽の多様化…選択肢が増えたことでゲートボールが衰退>、<鹿児島県ではゲートボール殺人事件も…衰退の理由は人間関係だった>、<近年も鹿児島とは別の場所でゲートボール絡みの殺人事件が発生?>などをまとめています。
2022/11/17追記:
●近年も鹿児島とは別の場所でゲートボール絡みの殺人事件が発生? 【NEW】
●娯楽の多様化…選択肢が増えたことでゲートボールが衰退
2015/12/27:以前書いた
クロッケーを元に考案のゲートボール 高齢者ではなく子供のためのスポーツだった の続き。ゲートボールを高齢者がやらなくなった理由は、まだ他にも挙げられていました。
紹介していなかったゲートボール衰退の理由の一つが、娯楽が多様化したというもの。娯楽の多様化というのは高齢者に限らず、音楽や競馬やゲームやパチンコなど、かつては衰退しないと考えられた産業の衰退でもよく出てくる要因です。
公園からゲートボールがなぜ消えたのか:日経ビジネスオンライン (林 英樹 2015年9月29日)という記事では、「高齢者向けの娯楽が多様化し、様々な選択肢が生まれた点も大きい」としていました。
代わりに高齢者の娯楽として選択肢となってきているのが、なんとかつては若者のたまり場と言われたゲームセンター。最近では、高齢者が操作しやすいゲーム機が相次いで開発され、平日の昼間にゲームセンターに仲間とともに集まる高齢者らが登場しているといいます。
かつての既定路線であれば、定年後に老人会や自治会に所属し、彼らが推奨するゲートボールのチームに加わることが「自然の流れ」でした。しかし、ゲームセンターを筆頭に、様々な場で独自のコミュニティーを持つことができるようになり、必要性が薄れたと説明されています。
●鹿児島県ではゲートボール殺人事件も…衰退の理由は人間関係だった
前回も書いたように、ゲートボールは1チーム5人でプレーします。ところが、このチームプレーを必要とするという点も嫌われたのではないか?とされていました。戦術の違いなどからチームメート同士が口論になり、人間関係にひびが入ることも珍しくなかった、と記事では書いていました。
この「人間関係にひび」の例で、<過去にはゲートボールの争いをきっかけに殺人事件が起きた事例もあった>という話が気になりました。検索してみると、鹿児島県と長崎の例みたいですね。ちなみに前回紹介したゲートボール連合の2014年の都道府県別の加盟団体会員数で、鹿児島は3位の5039人でした。今でも盛んだと言える地域のようです。
<ゲートボールを巡るトラブルでは、1999年10月、鹿児島県で、殺人事件がおきた。70歳の男性がゲートボール仲間の69歳の女性に腕前をなじられたことなどの理由から、女性のせいで仲間外れにされたと思い込んで、女性の自宅を訪れ、包丁で刺し殺した。
また、1998年11月、長崎市で、ゲートボールの試合でプレーの順番をとばされたことに腹をたて、89歳の男性が87歳の男性を刺傷するという事件があった>
(
もう1つの老人問題―ゲートボールといじめ [JANJAN] white 投稿者 white 日時 2006 年 11 月 06 日 10:33:13(井上理) より)
●若者だけでなく高齢者も内向的に?集団ではない個人競技へ移行
前半で出たゲームが衰退の原因というのは、いかにも現代的ですが、「ゲームセンターに仲間とともに集まる」とあったので、ぼっちプレーではなく、コミュニケーションがある感じでした。ところが、こちらの記事では、1人で遊べるものへの移行という話も出ていたんですよ。
<横浜市の町内会長は、「ゲートボールは、ルール自体にいじめを生みだす構図がある。ゲートボールは、いかに得点するかというより、相手に対していかに妨害できるかに重点がおかれており、打つ順番などをめぐりトラブルになりやすい。老人になると、精神的にタフではなくなり、我慢できなくなる。老人がゲートボールをするのなら、勝負にこだわらないほうがよい。また、排他的で、新しい人がはいりにくい環境になっており、最近は1人で行えるグランドゴルフをする人が多くなっている」と話す。(中略)
(引用者注:東京都のある)区では、集団競技のゲートボールより個人競技のグランドゴルフに人気が集まっており、グランドゴルフの開催は、週1回であったが、最近、週2回に増やした。集団競技より、1人で気楽にできるスポーツを求めている人が多いという。ちなみに、グランドゴルフの説明についての宣伝チラシにも、「グランドゴルフはチームプレーではなく個人で行うものです」と記載されている>
●ところでゲートボール人口は本当に減っているのか?統計によると…
ゲートボール人口について。日経ビジネスオンラインでは、ゲートボール連合の統計だと、正式な統計を取り始めた1996年時点の会員数は56万7232人で、その後は右肩下がりで2014年の加盟団体の会員数は11万8985人だとしていました。
ただ、これは飽くまで加盟団体の会員数に限ったもの。"20年前の総務省の推定では、愛好者は200万人いたとされる"そうです。一方、JANJANでは、"財団法人日本ゲートボール連合によると、日本のゲートボール人口は、推定190万人(15年前に比べて3分の1に減少)"としていました。
なんかえらく推計が異なりますね。総務省の多かったときの数字と、ゲートボール連合の現在の数字がほぼいっしょです。信頼できるのか?と思ってしまいます。ただ、現在は減っているという理解そのものは、どこの組織の見解でも一致しているようです。
●近年も鹿児島とは別の場所でゲートボール絡みの殺人事件が発生?
2022/11/17追記:<ゲートボールが殺人に発展、原因はスコップ【キレる高齢者の戦慄事件簿】>(リアルライブ 2019年11月15日(金)06:00)という記事が出ていました。私はてっきり鹿児島県の同じ事件のことだと思って読み始めたら違っていてびっくり。近年になって発生した別件でした。まだまだゲートボールは健在なんですね!
<2017年、ゲートボールを舞台にした殺人事件が発生した。
事件が発生したのは、神奈川県伊勢原市の公園。ゲートボールを楽しんでいた82歳の男性に対し、79歳の男が突如襲いかかり、顔や胸などを暴行する。82歳の男性は殴られたはずみで転倒し、木の根元に頭を打ち救急搬送。一旦は回復し退院したものの、容態が急変し9日後に帰らぬ人となった>
https://www.excite.co.jp/news/article/Real_Live_50074/
記事では「殺人事件」としています。ただ、この書き方だと殺意があったかどうかは不明ですね。どちらにせよ亡くなっているんだから同じだろう!と思うかもしれませんけど、法的には大きく変わってくることがありそうで気になりました。で、続きを読んでみましたが、容疑などは書かれていません。
とりあえず、地裁判決の話はあり、横浜地裁小田原支部の判決では、執行猶予つきで「懲役3年、執行猶予5年の判決」となっていたとのこと。あと、記事の書き方が不親切で、ゲートボールが原因だったかもよくわからなかったのですが、残りの関連部を抜き出すと、以下のような感じでした。
<ゲートボールを楽しんでいた高齢者に何があったのか。2人はグラウンド整備に使うスコップの管理場所についてトラブルになっており、犯行当日はスコップが見つからず激怒し、襲う際「俺のスコップを隠しただろう」と叫んでいたのだという>
<高齢者がゲートボールのグラウンド整備用のスコップを巡り殺人事件に発展したという衝撃の事件。加害者男の性格は不明だが、「キレやすい」と言われても致し方ない>
記事は、単に「キレやすい人だから」といったまとめであり、ゲートボールが原因という書き方ではありませんね。もともとゲートボールのプレーの中で人間関係が悪化していた…という可能性はあるものの、とりあえず、この記事からそういったことを読み取れる十分な材料はありませんでした。
【本文中でリンクした投稿】
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