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石川県のフォーチュンクッキー辻占の文面が謎「ただなんとなく」「あなたばかりが」など


2015/12/31:
●アメリカで有名なフォーチュンクッキーは日本を代表する菓子?
●20世紀初めに渡米したフォーチュンクッキー
●徐々に広まったフォーチュンクッキー
●アメリカでは日本ではなく中国由来のお菓子と誤解されていた
●日本人は知らない日本発の有名なお菓子フォーチュンクッキー
2020/04/17:
●石川県のフォーチュンクッキー辻占の文面が謎「ただなんとなく」など
●家庭に浸透したのは比較的最近、江戸後期には花街の文化だった…


●アメリカで有名なフォーチュンクッキーは日本を代表する菓子?

2015/12/31:バームクーヘンの話をバームクーヘンはドイツでの評価は低い 人気があるのは日本だけバームクーヘンはドイツ人捕虜が日本に伝えた 原爆ドームで初登場と二つやりました。ただ、実はもともと一番気になった話は、今回のフォーチュンクッキーだったんですよね。

 「バームクーヘンはドイツでの評価は低い」という話絡みのはてなブックマークコメントで以下のようなものがあったのです。

“多分アメリカで一番食べられている和菓子はフォーチュンクッキーと名を変えたおみくじせんべいだが、これを和菓子代表とみなせるだろうか”(IkaMaru 2015/06/22)

 私はフォーチュンクッキーってここで初めて知ったんですが、今は日本でもかなり知られているのかもしれません。フォーチュン・クッキー - Wikipediaでは、"2013年にはAKB48が「恋するフォーチュンクッキー」を歌ってヒットした"と書かれていました。私はテレビ見ないので全然知らなかったです。

 ということで、何かむしろ読者の方の方が詳しそうな感じですが、以降Wikipediaから引用していきます。


●20世紀初めに渡米したフォーチュンクッキー

 フォーチュンクッキーのベースがアメリカに行ったのはかなり早く、20世紀初めだそうです。

"二つ折りにして中に短い言葉を表記した紙を入れた形状は、日本の北陸地方などにおいて新年の祝いに神社で配られていた辻占煎餅に由来するもので、神奈川大学日本常民文化研究所の研究によると、1910年から1914年の間に[2]、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・パーク内にある日本庭園(ジャパニーズ・ティー・ガーデン)を設計・運営した庭師の萩原真(英語版)によって持ち出されアメリカに普及させられたとされている[1]。"

 上記のように元は「辻占煎餅」。で、アメリカでクッキーに変わったのかな?と思ったら、Wikipediaでは以下のような説明。この時点ではまだお煎餅みたいですね。

"ジャパニーズ・ティー・ガーデンは、1894年に開催された国際見本市のアトラクションとして建設され、その後恒久の庭園となった。庭園やその敷地内の茶屋を運営していた萩原は、訪れた客にお茶請けとしてこの煎餅(英語ではJapanese cookieという)を提供した[1]。"


●徐々に広まったフォーチュンクッキー

 この後、中華料理店に大量に買われるようになった他、"フォーチュン・クッキーに関する一切の特許を取っていなかった"ため、他のお店でも作られるようになります。

"1915年、サンフランシスコで開かれたパナマ万国博覧会に出品され一般に知られた[3]。萩原は、1918年に菓子屋の「Benkyodo」に製造を任せ、第二次世界大戦勃発まで同店がジャパニーズ・ティー・ガーデンでのフォーチュン・クッキーの提供に当たった[2]。キャサリン・ダテという日系女性の証言によると、1920年ごろ、彼女が中華料理店で日本のフォーチュン・クッキーを開けて友人と談笑していると中国人にそれは何かと尋ねられて答えたところ、その数週間後、その中国人がリトルトーキョーの菓子店「Shungetsudo」でフォーチュン・クッキーを買い占めたことを知り、その後、中華料理店で食後にフォーチュン・クッキーを出しているのに気が付いたという[2]。1924年にロサンゼルスで創業した煎餅屋「Umeya」ではフォーチュンクッキーの大量生産を始め、戦前まで市内120~150軒の日系の飲食店に卸していた[4]。"

"第二次世界大戦後、いくつかの中華料理店がこの煎餅を取り入れ、フォーチュン・クッキーが一般的なものとなった[1]。フィッツアーマン・ブルーの研究によると、アメリカ全域で行われるフォーチュンクッキーサービスは、第二次世界大戦直後のチャプスイレストランから始まったとされるが、戦前には日系移民によるチャプスイ店も多く、上述のUmeyaなどが占い付き菓子を納品していた(チャプスイとは、肉と野菜を炒めてとろみをつけたアメリカ風中華料理で、当時人気だった)[5]。第二次大戦の日系人強制収容によりこうした日系チャプスイ店は閉鎖されたが、フォーチュンクッキーのサービスはその他のチャプスイ店で残り[1]、戦時中にサンフランシスコに駐屯した兵士たちが帰郷後、それぞれ地元の中華料理店に伝え広まったと言われている。"

"2010年代現在では多くの飲食店で、食事後の口直しとしてフォーチュン・クッキーが出されるようになった。フォーチュン・クッキーには、運勢だけでなくラッキーナンバー(宝くじの番号として使われることもある)や、翻訳された中国の文章、ことわざなどが表記されている[要出典]。 "


●アメリカでは日本ではなく中国由来のお菓子と誤解されていた

 さて、フォーチュンクッキーはアメリカで有名な日本を代表する菓子か?と言うと、実はそうではなさそうです。上記でも既にあったように、中華料理店との繋がりが大きいためです。

"アメリカ合衆国・カナダの中華料理店において食後に提供されることが多い。中国本土では見られなかった習慣であることから、日本の江戸時代の菓子が移民によってアメリカに持ち込まれたとする説が有力だが、第二次大戦時の強制収容によって日系移民の店が姿を消したことから、中国人経営の店で引き継がれ、アメリカ全土に広まったため、アメリカ文化のひとつと言える[1]。"

 そして、"上記のような経緯から、中国の習慣であると誤認しているアメリカ人も少なくない"と言います。しかし、"中国本土では見られなかった習慣"であり、"中国ではフォーチュン・クッキー自体知られていない"ため、中国の習慣ではないということになります。

 その一方で、Wikipediaでは以下のような記述もありました。ここらへん、しっかり整理されていない感じです。

"機知に富んだフォーチュン(おみくじ)を、ふたつ折りの菓子で包む欧米式フォーチュンクッキー(Fortune Cookies)の原型は、中国の広東地方にみられる。ヨーロッパの大都市にある中国レストランも、砂糖・ココナッツ・アーモンドの入ったこの「広東式」クッキーを供するところから月平餅の表面に「二重の幸運」の文字を型で写す習慣があった"


●日本人は知らない日本発の有名なお菓子フォーチュンクッキー

 ということで、フォーチュンクッキーはアメリカで有名な日本を代表する菓子という話は怪しかったです。ただ、バームクーヘンの話は、ドイツ発のお菓子ではあるけど、日本で勝手に発展して別物になって有名になっており、本国の評価と著しく異なるというものでした。

 フォーチュンクッキーも、日本発のお菓子ではあるけど、アメリカで勝手に発展して別物(別サイトによると、味付けは甘く変化したとのこと)になって有名になっており、本国の評価と著しく異なるというものです。結構似ていると言えば似ています。

 私はへーと思ってすごく感心した話だったんですが、最初に書いたように普段テレビ見ている方には有名で、珍しくも何ともない話だったんですかね?


●石川県のフォーチュンクッキー辻占の文面が謎「ただなんとなく」など

2020/04/17:フォーチュンクッキーそのものではないのですけど、日本におけるフォーチュンクッキー的なお菓子という話を。石川県には伝統の「辻占(つじうら)」という正月菓子があり、占い要素があるそうです。石川県ではスーパーなどで気軽に買うことができるとされていました。

 ただし、大吉!とか小吉!といった「おみくじ」や「占い」とは違う感じ。「いまよりのち吉」「まことの道を守れ」みたいな、理解しやすいものもあるにはあります。ただ、「あなたばかりが」「ただなんとなく」「こしぬけるほど」「ねてもさめても」「天才が生れる」といった妙なテイストのものが混じっているのが特徴です。

 実は、これを紹介した記事も、正月からちょっと何言ってるかわからない 石川県伝統のフォーチュンクッキー「辻占」の風流な世界|まいどなニュース(2020.01.04)というタイトルでした。

 石川県民の多くは、こたつでぬくぬくしながら辻占を広げ、出てきた言葉に家族でわいわい言い合って正月のひとときを過ごすという話も。3個選んで繋げて読み、その滑稽ぶりを笑ったり、偶然うまくできた組み合わせに感心したりするという楽しみ方もあるとされていました。

 こうやって組み合わせて楽しむというのは、「いつどこでだれがどうした」といった言葉を繋げて遊ぶゲームにも似た楽しみ方。こうした楽しみ方をするのでしたら、明確であるよりも、曖昧さがある方が良いのかもしれません。最初から狙ってやっていたわけではないでしょうけど…。



●家庭に浸透したのは比較的最近、江戸後期には花街の文化だった…

 歴史的には、もともとは江戸後期に花街を中心とする盛り場で売られたのが始まりだと、「辻占の文化史」(中町泰子/2015年/ミネルヴァ書房)などには書かれているとのこと。花街というのは、遊郭のこと。遊女屋・芸者屋などの集まっている地域のことです。

 盛り場のものだったのが、明治以降は一般の飲食店や宿屋でも茶菓子として普及。さらに、現在のように普通の家庭にまで浸透したのは戦後になってからということで、それほど昔からではありません。石川県南部の加賀地方では今も盛んに作られており、先の書籍の作者・中町泰子さんは2010年の時点で13軒の製造元を確認したそうです。

 前述のような不思議な言葉ですが、辻占製造では最も歴史がある店のひとつである、1849(嘉永2)年創業の諸江屋(金沢市)は、明治初期の版木を使用。「明治時代に書かれました『なぞかけ本』の文章をそのまま使わせていただいております」と説明しています。ただ、中町泰子さんはこの『なぞかけ本』説についても真偽不明としていました。


【本文中でリンクした投稿】
  ■バームクーヘンはドイツでの評価は低い 人気があるのは日本だけ
  ■バームクーヘンはドイツ人捕虜が日本に伝えた 原爆ドームで初登場

【関連投稿】
  ■女性による高級チョコレートランキング ゴディバに敵うブランドはあるか?
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