以前、
日本全国のお寺・神社・教会の数 京都の寺の数が意外、1位じゃないというのをやりました。ここで人口を勘案せず単純な数で見た場合、神社が最も多かったのが新潟県だったのです。意外ですね。これはなぜでしょう?というのが、今回のお話。昔は人口が多かった説など、諸説ありました。
2016/1/2:
●神社の数日本一は新潟県、理由はなぜ?昔は人口が多かった説
●新潟県より少ないが全国4位の東京 人口の割に神社が少ない理由は?
●東京で神社が多くないのは不信心だから?新潟県人は信心に厚い説
●新潟は政府に逆らった?日本では神社の破壊が盛んな時代があった!
●神社の数日本一は新潟県、理由はなぜ?昔は人口が多かった説
2016/1/2:冒頭で「人口を勘案せず単純な数で見た場合」と書きました。検索してみると、この人口に関わる説が出ています。
明治時代の人口に比例!?都道府県別の神社数MAP | ZUNNY(2015.12.27 SUN)では、単純に明治時代の人口によるのではないか?という話があったのです。
でも、新潟県って人口多くないような?と思ったのですけど、驚いたことに昔は新潟県って大都市だったようなのです。記事によると、1888年の人口No.1はなんと新潟県。ええええっ!という話です。東京より多かったんですね。また、兵庫県や愛知県なども現在の神社数・明治時代の人口ともに上位となっているとのこと。
明治21年の人口上位10県のうち、実に6県が2014年の神社数でもベスト10入りしています。この理由がいきなり説明としては、一番良さそうですね。
新潟県 神社数1位 人口1位
兵庫県 神社数2位 人口2位
福岡県 神社数3位 人口7位
愛知県 神社数4位 人口3位
千葉県 神社数6位 人口8位
広島県 神社数9位 人口5位
●新潟県より少ないが全国4位の東京 人口の割に神社が少ない理由は?
新潟県の明治21年の人口は166.3万人。東京は135.4万人で4位。人口ベスト5で唯一、神社数ベスト10入りしていません。一方、逆に神社数ベスト5で人口ベスト10外だったのは5位の岐阜県だけでした。この岐阜県の理由はわかりませんが、東京で神社数が少ない理由は想像できそうです。
一つは人口が密集していたせいではないかというもの。人口の割に神社が少ないように見えても、人々が住んでいる範囲は極めて狭いために、簡単に参拝できる距離に十分な数の神社があったのではないかという予想です。
もう一つ、最初は、江戸では大規模な火事が多かったので神社が残りづらかった…というのも考えました。ただ、一つ目の理由の方が筋が通っているのではないかと思います。
あと、調べていませんが、お寺の数にも左右されそうですね。神社が多かった地域・お寺が多かった地域といった個性もあると思われます。
●東京で神社が多くないのは不信心だから?新潟県人は信心に厚い説
信仰心が厚いことは本当に良いものなのか?と正直言うと私は強く疑っていますが、「江戸の人は不信心、新潟の人は信心に厚い」と結論だと、新潟県の人は気持ち良かったかもしれません。しかし、上記のような夢のない(?)理由になってしまいました。
ただ、"新潟県 神社の数日本一 信仰心あつい県民性"という記事を平成22年4月17日に読売新聞が書いていたそうです。こちらでは別の理由が出ています。
神社本庁広報センターは、人口について触れた上で、「人口が多かった新潟では、5~6人の集落でも社を支えようとする意識があったのではないか」としていました。新潟県神社庁参事の栗田宗明さんも人口が多い説を挙げた上で、「京都などと比較して、小さな氏子が数軒の神社でも地元に密着し、昔ながらの祭りがある」と話しています。信心深さを理由とする説ですね。
「おやひこさま」の敬称で親しまれている弥彦神社の権禰宜の馬場要さんが、「江戸時代もそうだっただろうが、明治、大正、昭和初期ごろまで県民は、『成人までに1回はおやひこさま詣でをしないと、成人とは認められない』と言われた」というほど、県民から深い崇敬を集めている神社。
新潟には、現在でも旧来の神社が数多くあるといい、栗田さんは「自然な信仰心が残っているのではないか」と、新潟県の人にとって「いい話」にまとめていました。
(
神社の数日本一は新潟県 - 物語を物語る 2010/04/19 より)
ただ、途中であった「人口が多かった新潟では、5~6人の集落でも社を支えようとする意識があったのではないか」は妙な説明じゃないかと。これは人口が少ないのに神社が多かった県にしっくりくる説明であり、人口が多くて普通に神社もあったという新潟県の説明としては、最適とは思えません。
●新潟は政府に逆らった?日本では神社の破壊が盛んな時代があった!
上記では記事と順番を入れ替えたのですけど、新潟に神社が多い理由を新潟県神社庁に聞いて、参事の栗田宗明さんが答えたものでは、先に別な話が出ています。「自然に多いと言うしかないが、あえて言えば」とし、明治後期に政府が出した神社の統廃合を要請する合祀政策に、県が消極的だったことを挙げていました。実は私もこの理由を、調べる前に想定していました。
今回の話をやるより先に、
多くの神社を廃止、明治政府の伝統文化破壊と国家神道の捏造 あの南方熊楠も「神社合祀」に猛反対を書いたのはこのため。そんなことあったの!?捏造じゃないの?と思うかもしれませんが、神社の中の人も認める黒歴史が日本にはあったのです。
いくら江戸時代に神社が多くあったとしても、明治時代に破壊し尽くされていれば今に残りませんでした。政府に逆らうと「反日」と叩く人が多いのですが、新潟県が明治政府の政策に積極的に従わなかったことは幸いだったと言えます。
【本文中でリンクした投稿】
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日本全国のお寺・神社・教会の数 京都の寺の数が意外、1位じゃない ■
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