正月と言えば、お餅なのですが、お餅による事故報道も同時にこの時期の風物詩です。ネットの場合、こんにゃくゼリーの話でも、セットでお餅の話が出ることが多いのは、お餅も危険なのにも関わらず、こんにゃくゼリーばかり叩かれるという意識が強いためです。
●高齢者がお餅を食べることは自殺行為…と医療関係者
ネットでは、そんな感じで危険なイメージの強いお餅に、追い打ちかける医療関係者の発言がありました。
海外では“サイレントキラー”と紹介。「お餅」で亡くなる高齢者の多い日本 日刊SPA! / 2016年1月2日 9時3分<取材・文/北村篤裕>
「口腔周辺の機能が落ちている高齢者にとって、お餅を食べることは“自殺”に近い」と神奈川県内の病院に勤務する医療関係者は心配しこう続ける。
「年始にお餅を食べるときに注意していただきたいのは高齢者の方々です。高齢者は加齢により嚥下機能、唾液分泌量の低下、部分入れ歯を使用されているなどの理由から、毎年噛み切れなかったお餅による窒息や、お餅にくっついた入れ歯を誤飲するといった事故が相次いで発生しています。
もしご家庭でお餅を食べる際は、細かく食べやすいサイズにしてから食べましょう。おしゃべりや口の体操をして唾液分泌を促してから食べたり、スープやお茶で口を潤してから食べることをお勧めします。
餅を喉につまらせてしまった場合は、掃除機で吸引を行うという応急処置が有効ですが、緊急時ですのでもしもの際は迷わず救急車を呼んでください」
●毎年、事故続発 2016年も例外ではない
記事では、この前に事故が続発していることを伝えています。
"東京消防庁によると、元日、都内で餅をのどに詰まらせて病院に運ばれた人は、午後3時現在で、75歳から92歳までのお年寄り8人にのぼる"と書いていました。1日経たないうち、しかも、東京都だけという情報で、これだけ事故が起きているのがわかっているのですからすごいですね。
●こんにゃくゼリーの30倍危険なお餅が許される理由
冒頭で何気なくこんにゃくゼリーの話をしたら、記事でも出ていました。
内閣府の食品安全委員会が発表した「食品による窒息事故についてのリスク評価」によると、お餅は最も危険な食品のひとつ。お餅はこんにゃくゼリーの30倍、飴の5倍ほど窒息事故の頻度が高い。あれだけ窒息事故で騒がれていた「こんにゃくゼリー」よりもリスクが高いというのは意外かもしれない。
おそらく餅が騒がれないのは、こんにゃくゼリーとは異なり既に危険だと周知されているから、というのが理由の一つだと思われます。
ただ、医療関係者が言ったような「“自殺”に近い」という認識まではないでしょう。お餅の危険性ももっと警告された方が良いでしょう。
ここで「理由の一つ」と書きましたが、おそらくもう一つ、古き良き伝統文化なのである程度死者が出ることも許容されている、というのがあると思われます。
これはそういった認識のない海外から見ると、意味不明で理解不能だということになります。戸惑いまくりです。
2011年1月4日のウォール・ストリート・ジャーナルによる報道では、日本の伝統文化のひとつであるお餅について、“Mochi: New Year’s Silent Killer”という見出しで紹介されている。直訳すれば“新年の静かなる殺し屋”で、海外の読者からは驚きや戸惑いの反響が多数寄せられていた。
死亡リスクはあらゆるところにあり、どこまで許容されるか?というのはものによって違います。一概に当てはめることはできないので、お餅がダメとはわかりやすく断定できません。
とはいえ、もっと議論があって良いリスクなのではないか?と感じましたし、途中でも書いたように、危険性については改めて広く警告されるべきでしょう。
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