<安倍政権は戦争政権!維新の会など保守派が戦争好き…は濡衣?>、<維新議員の本音?「戦争しないとどうしようもなくないですか?」と迫る>などの話をやっていましたが、<ロシアの軍事侵攻に橋下徹氏「間違っているとは思わない」>、<中国の台湾侵攻・侵略戦争なぜ正当化? 右派・保守派の言動>を追記して模様替えしています。
その後、<北方領土をロシアに取られた日本、ロシアのウクライナ侵攻も許容>、<日本にロシアのスパイ?「ウクライナに問題がある」と侵攻正当化>、<ウクライナ侵攻でG8追放のロシアを復帰させようとした大統領>、<ロシアのウクライナ侵攻を「日本の太平洋戦争と同じ」と擁護>などを追記しました。
冒頭に追記
2023/01/11追記:
●右派新聞「トランプ派は支援に冷淡」ウクライナの見殺しリスク指摘
2023/02/03追記:
●森・元首相「ロシアは負けないのになぜウクライナ支援?」と疑問視
2023/06/21まとめ:
●右派議員が反同性婚と同時にロシアのウクライナ侵攻擁護の発言 【NEW】
●右派新聞「トランプ派は支援に冷淡」ウクライナの見殺しリスク指摘
2023/01/11追記:トランプ大統領もロシア寄りの発言を連発していましたが、彼だけでなくトランプ派もやはりロシアを利する動きをしています。これを指摘したのは、リベラルマスコミではなく右派の産経新聞。トランプ派の造反で14回も議長選出ができなかった大混乱をネガティブに報じる中で、出てきた話でした。
・米下院、強硬派の発言力増す 機能不全でバイデン政権のリスクに 産経ニュース / 2023年1月7日 18時0分
<米下院は7日未明、通算15回目の投票で共和党トップ、マッカーシー議員の議長選出にこぎつけたが、共和党の一勢力の抵抗に振り回された異常事態は今後の議会運営に暗い影を落とした>
<造反を続けた強硬派20人のほぼ全員はトランプ前大統領に連なる「フリーダム・コーカス(自由議員連盟)」に所属。議連は2015年、民主党のオバマ政権下で勢力を広げた保守系草の根運動「ティーパーティー」(茶会)に後押しされた議員らが創設、党内最右翼に位置する。
マッカーシー氏はそうした強硬派から、大胆な財政緊縮に消極的な「現状維持派」とみなされた。連日の条件闘争では議長解任の動議提出のハードルを下げ、予算案審議に絡む主要委員会のポストを分け与えるなど、のまされた妥協案は同派の発言力を保証するに等しい内容とされる>
https://news.infoseek.co.jp/article/sankein__world_america_RU7LNFAEA5KPBKH4FZGIEFLCKI/?tpgnr=world
記事タイトルの「機能不全でバイデン政権のリスクに」というのが、ウクライナ支援と関係する話。上記のように、トランプ派は共和党穏健派から譲歩を引き出しました。今後も、共和党の下院議長が民主党に妥協を示せば、強硬派は解任動議を脅しに圧力をかける可能性があり、これがウクライナ支援でも悪影響が出るおそれがあるというのです。
<強硬派議員は外交的に孤立主義が色濃く、ロシアの侵略と戦うウクライナ向け支援の継続に冷淡な態度を示す。ウクライナの戦闘継続能力も左右しかねない>
●森・元首相「ロシアは負けないのになぜウクライナ支援?」と疑問視
2023/02/03追記:日本の親ロシアの代表格・森喜朗元首相が露骨に親ロシア・反ウクライナ発言をしていました。産経新聞が、<森元首相「ロシアの負け考えられない」 ウクライナ支援を疑問視>(産経ニュース 2023/1/25 20:27)で報じています。森元首相批判とセットの報道ではなく、そのまま事実だけを紹介した感じの記事ですね。
<森喜朗元首相は25日、東京都内のホテルで開かれた会合で、ロシアのウクライナ侵攻を巡り、日本政府の対応を疑問視した。「こんなにウクライナに力を入れてしまってよいのか。ロシアが負けることは、まず考えられない」と述べた>
https://www.sankei.com/article/20230125-62AF5XINSFJWDN5NZTXUIVRHPY/
森喜朗元首相は、自身がかつて会長を務めた「日印協会」の会合に出席しており、この会合での発言です。外務省のかつてのインド外交を批判しながら、<「今のロシア問題もそうだ。せっかく(日露関係を)積み立てて、ここまで来ている」として、ウクライナに肩入れしすぎれば日露関係が崩壊しかねないとの認識を示した>とのことでした。
ただ、これ、私は逆に「ロシアに肩入れした結果が今」だと思うんですよ。何度も書いているように、森・元首相と同じ派閥の安倍首相は、一度目のウクライナ侵攻の後、むしろロシアに急接近。ウクライナの侵略にお墨付きを与えてしまった格好で、より深刻なウクライナ侵攻を行う際の心理的な歯止めを作ることができませんでした。中国の台湾侵攻を選択しづらくするためにも、今は「ロシアを許さない」という姿勢を堅持しておくことが大事でしょう。
●右派議員が反同性婚と同時にロシアのウクライナ侵攻擁護の発言
2023/06/21まとめ:前回書いた右派政権によるLGBT差別発言で、逆にLGBT関連法案が進行。世界の流れに逆行する発言が国内外から批判を浴びたことで追い込まれて、対策を進めなくてはいけない状況に追い込まれた形です。しかし、右派の自民党議員がこの流れに逆らおうと抵抗して、また問題発言をしていました。
しかも、セットでロシアのウクライナ侵攻を正当化するかのような発言をしていたとのことで驚き。とはいえ、何度も書いているように、なぜか日本でもアメリカでも右派系の政治家や右派思想を持つ人が、ウクライナを侵略したロシア寄りの発言をして、ウクライナを批判することが多いですからね。本当、興味深い傾向です。
自民党LGBT特命委員会事務局長・城内実議員がオフレコ問題発言 「同性婚はウクライナが正しいという人と同じで少数派」|NEWSポストセブン(2023.03.16)
<荒井勝喜・元首相秘書官の「LGBT差別オフレコ発言」による批判を受け、LGBT理解増進法案の法制化を進めている岸田政権。だが、そこに再び水を差すような事態が発生した。
2月15日に開かれた超党派の議員連盟「 LGBTに関する課題を考える議員連盟 (LGBT議連)」後、記者団のオフのぶら下がりに応じた「性的マイノリティに関する特命委員会(LGBT特命委員会)」事務局長の城内実・自民党衆院議員が次のような発言をしたというのだ。
「同性婚はウクライナの問題と同じだ。『ウクライナが正しい』というのはむしろ少数派。世界の流れだっていうのは間違っている」>
この城内実議員がよりによってLGBT特命委員会の事務局長だというのが、自民党のレベルの低さを物語っています。致命的でしょう。なお、自民党などの右派を中心に同性婚に対して抵抗がある人がまだまだ多いのは事実ですが、右派が好む台湾がそうであるように、同性婚を認めていこう…という流れが実際に存在することも指摘しておきます。
●ロシアの軍事侵攻に橋下徹氏「間違っているとは思わない」
2022/03/01追記:もともと書いていた後半の話では、日本維新の会議員が北方領土問題に関して「戦争しないとどうしようもなくないですか?」と発言した件を書いていました。当時、日本維新の会の松井一郎代表も「言論の自由」と擁護していましたが、大問題となっています。
同じ日本維新の会系の右派・橋下徹さんが、ロシア軍のウクライナへの軍事侵攻について、「プーチンが間違っているとは思わない」と発言していました。後述するように、これは中国のことを考えても問題だと感じる発言なのですが、とりあえず、ロシア関係の話だけ先にやります。
発言があった2022年2月28日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」では、ロシア軍のウクライナへの軍事侵攻について特集。その中で、元大阪府知事で弁護士の橋下徹さんは、に「プーチン大統領が正常な判断をできなくなっているのが事実だとしたら、大変、怖いことですけどね」と聞かれ、以下のように答えていたそうです。
「今は(ロシアに)制裁をかけるというのは当然だと思いますよ」
「でも、プーチンは核のボタンを持っているわけでしょ? そのリスクを考えなくていいのかということ。そのリスクを考えるなら、どこかで交渉で妥結しなきゃいけない。交渉をやるんだったら、プーチン側の言い分、どういうことを考えているのかを、プーチンを味方にするんじゃなくて、プーチンの考えは何なのかを的確に把握しないといけない」
「その際にプーチン自身の個人的な判断が間違っているからこうなっているとは僕は思いません」
「これはプーチンとNATOのつばぜり合いの話だということを把握しないと、これから西側諸国はやることを見誤ってしまうと思う。個人の判断が間違っているからおかしくなっているとは僕は思いません」
(橋下徹氏、ロシアのウクライナ侵攻は「プーチンとNATOのつばぜり合いだと把握しないと見誤ってしまう」 2/28(月) 15:15配信 スポーツ報知より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2f7cb32e00ef7e08602c6f2519a7a84feccc09c
●中国の台湾侵攻・侵略戦争なぜ正当化? 右派・保守派の言動
右派色が強く特に維新擁護が強いヤフーニュースコメント欄でしたが、1番人気コメントは以下のように否定的でした。要するに侵略戦争を正当化するものだから…という理由ですね。また、2番人気コメントの場合は、「(制裁で)自国民を疲弊させ、経済も疲弊させる国主ではリーダーとしては失格」という方向性での否定でした。
<問題なのはNATOとプーチンの対立という本質的な問題点があったとしても武力による現状変更を許していいのかということです。このような前例を許してしまえばこれからさらにこのような国際紛争は増えていくと思います>
橋下徹氏「プーチンの判断が間違ってるからとは思いません」発言で疑問の声 「完全に擁護」の指摘も 2022年02月28日 17時00分 リアルライブによると、この一連の発言にネット上では以下のように、疑問の声が多数集まっていたそうです。
「完全にプーチン擁護」「ウクライナ侵攻間違ってないって言いたいの?」「橋下の言い分は犯罪犯す人にもそれなりの理由があるからその理由も理解すべきと言ってるようなもの」「武力で現状の国境変えて良いなんて事ある訳ない」「今のプーチンがやってるのは侵略戦争。なんで間違ってないの?」
一方、私は最初に書いたように、「それお前、中国が台湾侵攻したときでも同じこと言えんの?」という観点で疑問。今回ロシアが成功すれば、中国は当然参考にするでしょう。中国を利する発言で、日本の国益を損ないます。他の件も今度追記したいんですが、右派は最近侵略していない中国に厳しいくせに、よりヤバいロシアには激甘。ダブルスタンダードすぎますね。
●橋下徹氏「ウクライナ人はプーチンが死ぬまで国外退避してれば」
2022/03/11追記:止まらない橋下徹さんは、2022年3月3日のフジテレビ朝の情報番組『めざまし8』でまた炎上。「プーチンだっていつか死ぬんですから。(ウクライナ国民を)どんどん国外退避さしたらいいんですよ」などと言って、ロシアに侵攻されたウクライナの人全員を「国外退避すべきだ」と主張したそうです。
「プーチン大統領だってどこまで生きるんですか。今70ですよ、あと30年も生きられませんよ。西側諸国がロシアの経済制裁をやってるって言うんだったら、ロシアの瓦解を狙っているって言うんだったら、ロシアが瓦解するまで国外で退避したっていいじゃないですか」
発言を紹介した
橋下徹氏の発言が大炎上「ウクライナ人はプーチンが死ぬまで国外退去して20年後に再建しよう」 - まぐまぐニュース!(2022.03.03 by gyouza(まぐまぐ編集部))によると、この主張に対し、ウクライナ出身で日本在住の政治学者であるグレンコ・アンドリーさんは、以下のように机上の空論であることを指摘していたそうです。
「仮に100万人が逃げても4000万人が(ウクライナから)逃げられません。ロシアに支配されたら必ず殺戮が起こります。それはロシアという国の本質なんです。彼(プーチン)はいずれ死ぬとおっしゃいますけど、彼は70歳で元気ですよ。あと20年生きるかもしれません、その20年の間にウクライナ全土に何をするかわからないし、もし彼のウクライナ支配が確立した場合、次に似たような指導者が出てきたらそれ(支配)が続くんです。独立性を失った状態は長引くかもしれないんです」
プーチン大統領が亡くなったら、ロシアが併合したウクライナを返してくれてなおかつ親ロシア派ではない政権を立ててくれると本当に思っているんですかね、この馬鹿は? 小学生みたいなことを言っています。また、ネット反応では、国外退避しやすいのは富裕層だとも指摘されていました。
で、前回も書いたように、これを中国が台湾侵攻した際にも言えるの?という話。中国が台湾に侵攻された際に、「習近平はそのうち死ぬ」「台湾人は習近平が死ぬまで国外退避してればいい」「習近平が死んでから戻ればいい」と台湾人に呼びかけるようなもの。この人や維新の会が人気だというのはわかりませんね。
●北方領土をロシアに取られた日本、ロシアのウクライナ侵攻も許容
あと、他でも追記した話なのですが、前回「他の件も今度追記したい」と書いていた別の右派による中国の台湾侵攻の正当化に繋がりかねない動きについて。一度目のウクライナ侵攻の後、日本の対応でまずかったな…と思うのは、安倍政権が決然とした態度を維持できず、北方領土問題を棚上げまでしてロシアにすり寄ってしまったことです。
この日本の対応はいくつかの意味で、悪いものでした。まず、ロシアのウクライナ侵攻を許してしまった形になったこと。一度目のウクライナ侵攻で日本からも相手にされなかった場合、ロシアが二度目を躊躇する材料になったでしょう。この成功もあって、プーチン大統領は二度目をやりやすくなりました。
また、一度目のウクライナ侵攻で先進国から総スカンを食らっていたロシアは、日本を利用して国際的に孤立していないことをアピールしたとも当時指摘されています。日本の安倍政権のロシアへのすり寄りが、ロシアのウクライナ侵攻を許す重要なきっかけの一つになったと言えるかもしれません。
日本の場合、「北方領土問題棚上げ」は、特に重要なポイントでしょう。ウクライナと同じく、領土をロシアに不当に取られている立場である日本は本来、他の国以上にウクライナ侵攻を許すべきではなかったのですが、その日本が許したことで、「北方領土占領もウクライナ侵攻も問題なし」という強いメッセージになってしまいました。
私は日本の右派が主張する「中国の台湾侵攻」は、デメリットが大きくあり得ないと最初考えていたのですが、このロシアの例を思い出して考え直したんですよね。ロシアのウクライナ侵攻を許した日本を見た中国が「意外に甘い」と思って、台湾侵攻をしたとしても許されると考えてしまう可能性が出てきてしまいました。
なお、私はそもそもロシアを許すべきではなかったと考えますが、安倍政権が交渉下手だったことも指摘しておきます。当時ロシアはウクライナ問題とアメリカのシェールガス革命によるガス余りでピンチだったため、本来なら日本が交渉で大きく有利だったのにも関わらず、北方領土棚上げでむしろ日本の方が大きく譲歩してしまいました。
また、安倍首相の場合、第一次安倍政権時代に
外資を乗っ取ったロシアのサハリン2事件 三井物産・三菱商事が損失を経験。にも関わらず、北方領土棚上げまでして経済協力というのは、ロシアのスパイで日本を切り売りしているのでは?と思ってしまううほど売国的で不思議です。(ちなみに、
自民党の大物議員にマジでアメリカのスパイがいたことは、アメリカ側の資料でわかっています)
●「ウクライナに行って戦え」「戦う一択ではない」矛盾する主張
2022/03/18追記:
橋下徹氏「ウクライナ戦争が始まったとき、日本ですら戦え! 一色になった」投稿に疑問の声 矛盾の指摘も リアルライブ 2022年3月15日 10:35によると、橋下徹さんがツイッターで、以下のようなロシアのウクライナ侵攻に関して持論を述べていたといいます。
「ウクライナ戦争が始まったとき、この日本ですら戦え!一色になった。それは戦闘員の視点。しかし国家の大部分は非戦闘員」
「戦争指導はとかく戦闘員の視点になりがちで今回の日本の風潮もそうだったが、戦争指導は非戦闘員の視点も超重要。それが戦う一択ではないという意味。日本でもそうなりつつある」
より問題なのは後述する別の点なのですが、過去ツイートで、「日本国内でウクライナの国旗を掲げて集まってもクソの役にも立たない。ウクライナとともにあると威勢よく言っていた国会議員は直ちにウクライナに行って戦え」と主張しており、矛盾の指摘も。発言のブレや矛盾を指摘される機会が多いと記事は指摘しています。
ただし、橋下徹さんは矛盾じゃないと反論するでしょう。橋下徹さんはなぜか「ウクライナに妥協を働きかける」か「ウクライナに行って戦う」という謎の極端な二択になっており、「妥協を勧めないなら戦争に行け!」ということになります。意味不明すぎてあれなんですが、橋下徹さんの頭の中はそんな感じです。
「橋下徹さんだっていろんな選択肢を考えてるはず」と好意的に考える人もいるかもしれませんが、選択肢が多数あった場合は「AしないならBしかない」とか「Bをするしかない」とかいった言い方はしません。単純な極論しか考えられないために、いきなり「ウクライナに行って戦え」といった話になってしまうのでしょう。
なお、「妥協という選択肢も重要」という指摘は部分的には正しいのですが、この妥協にも多数の形があり、橋下徹さんが言うような「いきなり妥協」だけではありません。現在の状態は、軍事的抵抗と経済制裁などを交えてできる限り交渉を有利にして、妥協点を減らすための試みともみなせます。
●侵攻という言葉使わず…なぜそんなに侵略を正当化したいのか?
で、前述した「より問題な点」なのですけど、これはいわゆる藁人形論法(ストローマン論法)的なものなんですよ。そもそも誰もそんなこと言っていないのに、勝手に主張を捏造してそれを批判する…という論法。今回の場合、そもそも「ウクライナ戦争が始まったとき、この日本ですら戦え!一色になった」が捏造です。
<(引用者注:ネット上では、)「戦えなどと誰もそんな事は言ってい無い。言っているのはウクライナの人の意思を尊重しようという事です」「戦え、一色になっているのはこの人の頭の中だけ」「いつ一色になったのか教えてほしい」といったツッコミの声が並んだ>
あと、細かい点ですが、一般的な「ウクライナ侵攻」という言い方でなく、比較的少ない「ウクライナ戦争」という言い方をしているのにも、政治的な主張が入ってそうな感じがします。「ロシアによる一方的な侵略ではない」という、擁護的なニュアンスです。なんでこんなに民間人多数殺害の侵略を正当化したいんでしょうね。
●意外な平和主義に見えるが実際は好戦的 戦争回避する大統領に煽り
2022/03/25追記:「戦う一択ではない、妥協を」「ウクライナ人は全員避難を」と一見右派らしからぬ平和主義のようなことを言っている橋下徹さんですが、以前書いたように全面戦争か全面妥協かという極論すぎる二択にをなっているだけで、すぐ「戦争に行け」と主張するなど好戦的なところが見えています。
橋下徹さん、アメリカのバイデン大統領に噛みつく「ロシアと戦えないなら、とりあえず政治的妥結を探れっちゅうの」:中日スポーツ・東京中日スポーツ(2022年3月13日)という記事の話もこれと同じような感じ。アメリカやNAATOがロシアと戦い始めると、今とは比にならないほど様々な被害が出るために慎重にコントロールしているのに、橋下徹さんにはそれがわからないようです。
<橋下さんはバイデン大統領が与党会合で「米国の要員が攻撃的な装備を送ればそれは『第3次世界大戦』だ」と強く警告したという報道を添付。これに関して「ロシアと戦えないなら、とりあえず政治的妥結を探れっちゅうの。原理原則・道徳・正義を吐き続ける学者みたいな政治をやってどうすんの?」とバイデン大統領の言動をバッサリと切り捨て、続けて「極悪非道人とも手打ちをするのが政治だ」と断じた>
ソ連時代のキューバ危機のとき、アメリカとソ連はあわや核戦争…というところまで行きました。アメリカ・ソ連とも相手を利してたまるか!となかなか譲歩せず、核戦争も辞さないという構えで、チキンレースをやっていたのです。ただ、当時は、幸いどちらの指導者にも最低限の分別がありました。
実際には両国とも、絶対に核戦争を起こしてはならないという点では一致しており、おかげで最終的にソ連側が譲歩をして人類滅亡は逃れることができています。これで片方が橋下徹さんだったら核戦争だったでしょうね。絶対に指導者にしちゃいけないタイプの政治家で、彼が人気ある日本もかなりやばいです。
●橋下徹氏と安倍元首相にはウクライナに負けてほしい理由がある?
2022/04/02追記:ロシアは当初数日でウクライナ軍を破るというシナリオを描いていたようですが大苦戦。死者や負傷者、捕虜などの人的被害はむしろロシア軍の方が圧倒的に多いという分析すら出る状況です。橋下徹さんが勧めたような即妥協であった場合、ウクライナは大きく不利な条件を飲まされていたと考えられます。
こうした橋下徹さんの発言には深い考えがない感じで、意図を考えるだけ無駄な気がしますが、敢えて推測するとウクライナに負けてほしい理由があるからかもしれません。これは首相時代に同じくロシアを利する動きをしていた安倍元首相も絡む話。ふたりは核共有(核シェアリング)を主張しているのです。
橋下徹さんと安倍元首相は、ウクライナが核保有していれば侵攻は起きなかったとして、以下のように日本に核共有が必要だとの主張にウクライナ侵攻を利用。この主張には一刻も早くウクライナが負けた方が好都合で、善戦してしまうと説得力が落ちます。人間として最低な動機でウクライナを利用しているんですけど…。
<橋本氏は27日に放送された『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演。安倍晋三元首相と共に日本でも「核共有(核シェアリング)」の議論が必要であると訴えた。
橋本氏はウクライナの情勢を見て自分たちで国を守る力が絶対に必要だと実感したといい、打撃力と反撃力、中距離ミサイルをアメリカと共同で日本に配備し、将来的には、非核三原則を超えてアメリカと共有という形でも核を保有すべきで、政府は及び腰だと訴えた。(中略)
安倍氏は「世界の安全がどのように守られているかという現実をタブー視せず、さまざまな選択肢の視野に入れて、国や国民の命をどうすれば守れるか議論すべき」だと述べた>
(
橋下徹氏「ウクライナに行って戦え」ツイートに批判殺到。志願兵あおる暴走ぶりに「お前が行け」総ツッコミ - まぐまぐニュース!より)
●スパイ?「買収されたような言動の言論人や政治家にがかなりいる」
2022/04/10追記:右派の侵略擁護としてもう一人見逃せないのが、橋下徹さんと関係の深い日本維新の会の鈴木宗男議員です。これについての記事を読んでいたら、私がもう一人強調していた安倍元首相もセットで登場していました。また、私も以前書いロシアのたスパイうんぬんに関する話も登場しています。
以前も橋下徹さんと対立していたウクライナ出身の国際政治学者、グレンコ・アンドリーさんは著書『
プーチン幻想 「ロシアの正体」と日本の危機 (PHP新書) 新書 』で以下のようにロシアスパイ疑惑を指摘。これは2019年の書籍なので以前から言われてたみたいですね。
「日本には、親露派言論人や政治家がかなりいる。彼らのうち何割の人間が自分の意思で親露的言動を行っているのか、何割がロシアの餌に釣られて取り込まれているのか…」
<ロシアの餌とは、スパイ工作の罠を意味する。典型的なやり方としては、ロシア大使館が主催するイベントの無料招待状を送り、様々な形の接待をして懐柔するのだという>
この話があったのは、
鈴木宗男氏は“プーチンの弁明者”か?度を越した「ロシア寄り発言」の理由 - まぐまぐニュース!(2022.04.08 元全国紙社会部記者の新 恭)という記事。グレンコ・アンドリーさん自身はゴリゴリの偏向右翼のようなのですが、今回は一部の右派と対立している状態で、3月29日の参院外交防衛委員会でも維新の会でやり合っています。
<日本維新の会の音喜多駿氏は、テレビ番組でアンドリー氏と意見が対立した維新の創設者、橋下徹氏について「今は党とは無関係」と断ったあと、こう質問した。
「ロシアのスパイの存在と要人買収の問題がある。わが国は諜報活動に弱い。ロシアの諜報活動をどのように把握されているか」
これに対するアンドリー氏の発言が波乱を呼んだ。
「さっき仰った人(橋下氏)は法律上は関係ないんですが、残念ながら、あなたがたの党にロシアの侵略を明らかに弁明している人もいるので、その人についても、そろそろ考えたほうがいいのでは、というのが私の個人的な意見です」
「ロシアの侵略を弁明している人」が誰なのかを明言していないにもかかわらず、音喜多氏の隣に座っていた同党の鈴木宗男議員が激しく反応した。委員会終了後、音喜多氏とともに委員長にねじ込んだのだろう、この部分が不穏当だとして、議事録から削除されることになった>
なお、鈴木宗男議員のことを指したであろう「あなたがたの党にロシアの侵略を明らかに弁明している人もいる」は解釈に異論はないでしょう。ただ私は「「さっき仰った人(橋下氏)は法律上は関係ない」という微妙な言い方をしたのが気になったところ。ひょっとしたら橋下徹さんの買収も疑っているのかもしれません。
というのも、橋下徹さんの買収を疑っていないなら、単に「橋下徹氏は問題ないが」といった言い方で済むため。また単に「無関係」とも言わず「法律上は関係ない」としているのも、「法律的には無関係だが、事実上、橋下徹氏は日本維新の会と関係が深い」というニュアンスです。
●日本にロシアのスパイ?「ウクライナに問題がある」と侵攻正当化
記事では鈴木宗男さんの具体的なロシア擁護発言も指摘。ウクライナ側に全く問題がないわけではないと可能性は確かにあるものの、侵略・民間人虐殺という罪と全く釣り合わないため、ロシア側をセットで猛批判しないと事実上のロシア擁護となります。あからさますぎて、そういうレベルの発言ですらないんですけどね。
<3月24日の現代ビジネスに掲載された田原総一朗氏との対談記事。
鈴木 「2021年10月23日、ゼレンスキーはウクライナ東部に自爆ドローン(無人攻撃機)を飛ばしました。プーチンさんはビックリして、ただちに10万人の兵をウクライナ国境に配備したわけです。ゼレンスキーがドローンなんか飛ばしてロシアを挑発していなければ、そもそもこんな騒ぎにはなりませんでしたよ」
プーチン氏は「プーチンさん」、ゼレンスキー大統領のことは「ゼレンスキー」と呼び捨てなのが、自分の感情に素直な鈴木氏らしく、わかりやすい>
戦争せざるを得ない状況になったから仕方ない…は太平洋戦争正当化と同じ論法。中国にも利用されかねません。また、欧米の報道が全部正しいとは限らないものの、戦前の日本と同じように言論統制されているロシアのメディアとは比較にならないだろうとも記事では指摘していました。
あと、グレンコ・アンドリーさんは2019年の書籍の時点で、安倍首相(当時)自身にプーチン幻想・実績欲しさがあり、金儲けのために政権が接近したことや、安倍首相に影響を与えた人(鈴木宗男議員の他、自民党の森喜朗・元首相も想定)がいることを指摘。記事では、安倍元首相について、以下のようにも書いていました。
<安倍元首相は、「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている。ゴールまで駆け抜けよう」と世界に向かって固い男の約束をしたにもかかわらず、プーチン大統領に向けて心情のこもったメッセージを送ろうとはせず、評論家のようなコメントを繰り返している。(中略)
プーチン・ロシアに一途な鈴木氏と、逃げ足の速い安倍氏。言動は正反対に見えるが、損得勘定で政治的な立場を守ろうとする姿勢は変わるところがない。彼らの視界に欠けているのは、独裁者の一存で無辜の市民の命と生活が破壊されていくウクライナの現実ではないだろうか>
●ウクライナ侵攻でG8追放のロシアを復帰させようとした大統領
2022/04/17追記:右派がロシアの一度目のウクライナ侵攻(クリミア侵攻)を擁護してしまっていた…で言うと、そういやトランプ大統領も代表格でしたね。別のところで使った
G7サミット開幕 トランプ氏、貿易問題とロシア処遇めぐり孤立 - BBCニュース(2018年6月9日)をこちらでも紹介しておきます。
<トランプ大統領は、ウクライナ南部クリミア半島の一方的な併合によりG8から排除されたロシアを再び加入させるべきだとの驚きの発言をした。(中略)
発言に対しては当初、最近就任したイタリアのジュゼッペ・コンテ首相が、「皆の利益になる」とツイートし、ロシアの再加入を支持した。(中略)
しかしメルケル独首相はその後、コンテ氏を含むG7に参加するEU各国は全て、ロシアはウクライナとの関係に「進展」がない限り再加入できないとの見方で一致していると述べた。カナダもロシアの再加入には反対姿勢を維持するとしている。(中略)
ロシアがウクライナ南部クリミア半島の支配権を掌握したことを受け、他のG8各国はロシアの参加を停止した。英国における元ロシアスパイへの神経剤使用疑惑などもあり、緊張は続いている>
●ロシアのウクライナ侵攻を「日本の太平洋戦争と同じ」と擁護
2022/04/25追記:ロシア人のウクライナ侵攻の正当化は、日本人の太平洋戦争の正当化と同じ論法だと批判的に書いていたら、ロシア擁護の立場でマジでそういう主張をしている人がいて呆れました。この主張は、マネーロンダリング・選挙買収疑惑でも話題のになっている西田昌司議員の関係で出てきています。
この西田昌司議員は自民党内で特に右寄りで知られる、右派色の強い議員です。ロシア関連の問題行動では他にも、元日本維新の会系の橋下徹・元大阪市長、日本維新の会現役の鈴木宗男議員、元自民党の森喜朗・元首相、自民党の安倍晋三・元首相…と右派政治家ばかり名前が挙がっていますね。
さて、西田昌司議員の話です。西田昌司議員は、YouTubeで元駐ウクライナ大使の馬渕睦夫さんと2回にわたる対談を行いました。馬渕睦夫さんはもともと『ディープステート』という、「闇の政府」を意味する陰謀論の概念をタイトルに掲げた本を出版し、“プーチン大統領擁護” で知られる方だったそうです。
そして、<自民党・西田昌司議員が“陰謀論”著者と対談で批判殺到「ウクライナ侵攻は大東亜戦争と同じ構図」と主張も>(2022/4/16(土) 17:51配信 SmartFLASH)によると、馬渕睦夫さんは今回もロシアのウクライナ侵攻を擁護して、プーチン大統領の擁護を続けます。
さらに問題なのは、このトンデモな人を現役の与党国会議員が重要視して、わざわざ自分のユーチューブに出演させて宣伝させている…ということ。私はロシア人のウクライナ侵攻擁護が、日本の右派の太平洋戦争擁護と同じだと指摘していたのですが、これをマジで主張する…といったこともやっています。
<西田議員は対談の冒頭で、2014年から注目してきた「ビッグゲスト」として馬渕氏を紹介。そして、この対談をおこなうに至った動機は、「物事はそもそも片方がすべて正しくて、もう片方が一方的に間違っていることはあり得ない」のに、ロシアを悪とするマスコミの偏向報道に疑問を持ったためだと語る>
<動画のなかで馬渕氏は、今回の戦争が「ロシア=悪、ウクライナ=善」という二元論の構図で語られるのは間違っており、物事には必ず原因があって、欧米の「国際金融資本」なるものが真の黒幕だと自らの思想を披露している>
<大東亜戦争もウクライナ侵攻も、窮地に追い込まれた日本とロシアが仕掛けたという意味で構図は同じ
こうした背景が相まって、ロシアはやむを得ずウクライナへの侵攻を開始したという>
https://news.yahoo.co.jp/articles/42884b2b1c629c1319ab13b701c9ae7f2f47bcc0
●ロシア侵略・日本の戦争擁護の馬渕睦夫氏、右派テレビ番組常連
2022/05/03追記:前回出てきたロシアの侵略擁護の馬渕睦夫さん。気になったので、
Wikipediaで経歴を見てみました。すると、以前から普通に右派的な人だったみたいですね。日本の太平洋戦争を擁護していましたし、「大東亜戦争」という右派的な言い方をしていましたし、そりゃそうだろうという感じなのですが…。太平洋戦争擁護は以前書いていた右派の戦争好きとも繋がります。
馬渕睦夫さんは元駐ウクライナ大使と紹介されていましたが、外務省に入り、各国の大使を歴任。ウクライナ侵攻のもう一方の当事者、ソ連の大使も経験があります。外務省出身ですが、考え方は異なるでしょう。安倍政権は経済産業省内閣と言われ、当時のロシア接近でも経済産業省の役割が目立っていました。
以前から右派なんだな…というのは、<2012年(平成24年)2月、著書『いま本当に伝えたい感動的な「日本」の力』で作家デビュー。以降、日本文化チャンネル桜などの政治系テレビ番組(主に外交・国際政治関連)にコメンテーター・論客として出演し始める>という話から。チャンネル桜は右派の巣窟として有名なところです。
●陰謀論ディープステート 馬渕睦夫氏はプーチンもトランプも支持
2022/05/11追記:ロシア擁護の馬渕睦夫さんは、闇の政府が裏で世界を操っているという陰謀論ディープステートも主張。これはトランプ大統領派が主張するもなので、最初、トランプ支持の人でもあると誤解してしまい、後で修正しています。ただ、改めて検索してみると、やはりトランプ大統領を評価していたようです。
馬渕睦夫さんはディープステートに触れたことが「トランプ大統領の数ある功績の一つ」と書籍で評価。また、
九州「正論」懇話会詳報 元駐ウクライナ大使・馬渕睦夫氏「堂々と日本第一主義の政治を」 2017/5/31 07:03でも好意的でした。これは自民党支持の産経新聞の記事。こういうトンデモを載せちゃダメなんですけどね…。
<ホテル日航福岡(福岡市博多区)で30日に開かれた九州「正論」懇話会の第130回講演会で、元駐ウクライナ大使の馬渕睦夫氏は「トランプ米大統領は、各国に自国ファーストでやりなさいといっている。日本も日本第一主義でいくべきだ」と語った。(中略)
いま世界的規模で、グローバリズムとナショナリズムの戦いが繰り広げられている。(中略)金融資本家は、一つの世界を目指している。そして国連の正体は世界をグローバル化させるための機関です。
そのようなグローバリズムに対し、反旗を翻したのがトランプ大統領なのです。彼は集団安全保障体制から、国民国家が自国について責任を持つ体制に戻そうとしている。(中略)
米国がアメリカ・ファーストでやるように、各国も自国ファーストでやりなさい。その前提で、関係を築いていくということです>
なお、ロシアウォッチャーは以前からプーチン大統領のロシアファーストを指摘していました。ロシアファーストの結果が今回のウクライナ侵攻だとも言えます。それから、これまた「中国が中国ファーストな動きしても右派は批判しないの?批判するでしょ?」という話でもあります。基本、無理があるんですよね…。
このロシアウォッチャーは、自国ファーストは逆効果とも指摘。自分勝手な国は他国に嫌われて不利になるためです。ただ、 馬渕睦夫さんはこうして嫌われた結果戦争を起こしたロシアや日本は悪くないと擁護するのでたちが悪いですね。この理屈なら制裁された中国や北朝鮮が戦争してもOKになってしまいます。
●トランプ氏「プーチン大統領は天才。彼のことがよくわかる」
2022/05/19追記:以前も書いたように、トランプ元大統領はロシアやプーチン大統領と仲が良かったです。日本の安倍首相と同様に、2014年の一度目のウクライナ侵攻(クリミア侵攻)で孤立していたロシアと接近をはかります。方向性としては、二度目のウクライナ侵攻を招く遠因ともなる動きでした。
で、今回のウクライナ侵攻に関連しても、トランプさんは相変わらず。後述するようにエクストリーム擁護している人もいるのですが、
トランプの「プーチンは天才」発言、保守系ラジオ番組で前大統領が語った内容 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)(Ryan Bort |2022/02/24)など、批判的に紹介される記事が多数出ることになっていました。
<2日に出演したPodcastでトランプ前大統領はこう語った。
「『これぞ天才だ』という言葉が口をついて出た。プーチンはウクライナの……大部分の地域の……独立を宣言した。ああ、見事だ……『なんて賢いのだろう?』。彼はこのまま進み、平和の使い手となるだろう。最強の平和軍だ……我が国の南部国境にもあったらどんなにいいだろうに。私が目にした中で最強の平和軍だ。かつて目にしたことのない数の戦車だった。彼らなら見事に平和を維持するだろう。非常に頭の切れる男だ……私は彼のことがよくわかる。とても、とてもよくわかる」
大方の人々はプーチンによる独立民主国家への侵攻を由々しき事態だと考えていることにようやく思い至ったのか、トランプ氏はすぐに軽率な称賛から態度を変え、自分が再選していたら「こんなことは起こらなかったはずだ」と指摘した>
なお、記事では、トランプ大統領が以前から親ロシアだったことも指摘していました。また、今回のウクライナ侵攻で「NATO強化を」という動きになっているのとは逆に、トランプ大統領はむしろNATOを著しく軽視していたことで知られており、ウクライナ侵攻を止められなかった理由の一つとなった可能性があります。
●もし野党が台湾侵攻で「習近平は天才」と言ったら擁護できる?
さて、エクストリーム擁護の話です。「上記は皮肉なのが理解できないの?(皮肉なので問題ない)」といったものや「トランプが大統領ならウクライナ侵攻は起きなかったが一番言いたいところ」といった擁護が出ていました。わからなくはない主張ですが、台湾侵攻で同じ擁護できるの?と聞きたいですね。
ネトウヨさんらの嫌いな野党の議員で、なおかつ中国絡みで…ということで、蓮舫議員あたりが良いでしょうか。もし中国が台湾侵攻をして、蓮舫議員が以下のように言ったときに、あなたたちは「皮肉だから」「言いたいのは自民党批判」と擁護できますか?という話。やはりトランプ発言は問題だとわかるでしょう。
・トランプ前大統領の発言を、中国が台湾侵攻をした際に蓮舫議員がした発言として置き換えた場合
「中国の習近平主席は天才です。習近平主席は台湾の……大部分の地域の……独立を宣言した。ああ、見事だ……『なんて賢いのでしょう?』。彼はこのまま進み、平和の使い手となるでしょう。最強の平和軍だ……我が国の沖縄にもあったらどんなにいいでしょう。私が目にした中で最強の平和軍です。かつて目にしたことのない数の戦車でした。彼らなら見事に平和を維持するでしょう。非常に頭の切れる男です……私は習近平主席のことがよくわかます。とても、とてもよくわかます」
「自民党が選挙で負けて私が首相だったら、こんなことは起こらなかったはずです」
●ロシアへの制裁を支持できる人、右派と左派どちらに多いか?
2022/05/26追記:日本でもアメリカでも右派政治家に親ロシアが目立ちます。これは政治家の傾向だけではない可能性。思った以上に一般人でも右派に親ロシアが浸透しているのかもしれません。アメリカでは右派とリベラルで「たとえ米国のエネルギーの価格が高騰しても制裁を支持する」への回答が大きく違うようです。
<米ワシントン・ポスト紙とABCニュースの共同世論調査(22年2月20~24日実施)によれば、「たとえ米国のエネルギーの価格が高騰しても制裁を支持する」と回答した米国民は51%であった。共和党支持者は全体の数字よりも7ポイント低く、44%に止まった(引用者注:全体の数字からすると民主党支持者なら60%前後か?)>
こうした右派とリベラルの差は親ロシアではなく、経済重視かどうかで変わっているという可能性もありそう。右派の方が経済重視なのは、新型コロナウイルス問題でも顕著でした。ウクライナ侵攻含めて、人命より経済優先…といった話になりかねないので、あまり良い話ではないんですけど…。
こうした調査結果を紹介した記事は、
トランプよ、ウクライナ危機でこれ以上の分断煽るな 海野素央 (明治大学教授 心理学博士)(2022年3月1日)というものでした。ウクライナ危機を政治利用して、自身の支持獲得を狙うトランプ氏を危惧しています。日本の右派もウクライナ危機を政治利用して「核兵器共有を!」なんてことをやってますけどね。
なお、なぜ経済制裁への支持でアメリカが分断するとトランプさんに有利なのか?と言うと、アメリカがウクライナ問題で一致団結してしまうと、現職のバイデン大統領に有利に働くため…という理由。また、前回の「自分が再選したら侵攻は起きなかった」というのも政治利用。ウクライナ人の苦難は眼中になさげです。
●親ロシア派と戦うウクライナへの軍事援助を遅らせた大統領がいた
2022/06/10追記:トランプさんは親ロシアであっただけでなく、大統領在任時からウクライナとの間で話題がありました。ただ、
CNN.co.jp : トランプ氏、消えぬプーチン氏への執着 ウクライナ侵攻後も変わらず(2022.04.03)を読んでいて、重要なことを忘れていた!と気づきます。彼はウクライナへの軍事援助の実施を遅らせていたのです。
記事では、まず、<ジャストザニュースとのインタビューで、同氏はバイデン氏の息子のハンター氏がロシアで結んだ商取引に関する立証されていない主張を強調。プーチン氏に対し、事態について把握している可能性のあるあらゆる情報を公表するよう強く求めた>という話がありました。
これは記事が「バイデン氏の息子にまつわるスキャンダルをでっち上げようとして失敗した」と書いていたトランプさんの大統領時代の話だと思ったのですが、なんか今回の話っぽい書き方。そして、以下のような過去の話を思い出させる話…として書かれています。で、これがロシアと戦うウクライナ潰しでもあったんですよ。
<前回19年7月のスキャンダルを思い出さずにいられない。当時トランプ氏はウクライナのゼレンスキー大統領に圧力をかけ、大統領選の候補者だったバイデン氏と息子のハンター氏の捜査を行わせようとした。
ゼレンスキー氏への要請にはいかなる「交換条件」もなかったと述べたトランプ氏だったが、実際には約束していた軍事援助の実施を遅らせた。この時ウクライナは、東部地域の親ロシア派分離主義勢力と紛争中で、そうした援助を必要としていた>
今回の方のバイデン叩き発言を報じたジャストザニュースの作者は、ジャーナリストのジョン・ソロモンさん。この方は、2019年のときにも政治専門紙ザ・ヒルで、「外国勢力を利用してハンター・バイデン氏を誹謗(ひぼう)中傷しようとするトランプ氏の取り組みを盛り立てた」ともされていました。
●安倍政権は戦争政権!保守派が戦争好き…は濡衣?彼らの他の主張では…
2019/05/14:保守派、特に安倍政権は、戦争を好む政権というイメージが定着しています。自民党や支持者らはこれについて否定するでしょうが、以下のような理由で、そう思われてしまうのは無理からぬところがあります。
・太平洋戦争を美化することが多い。
・米中戦争を前向きに捉える発言をする人がいる。
・米朝戦争を前向きに捉える発言をする人がいる。
米中戦争・米朝戦争については、いくつか関連する投稿を書いています。こうしたことが事実なんで「戦争好きだ」と思われてしまうのは、仕方ないでしょうね…。
■
「米中戦争も米朝戦争も可能性がある!」と言っていた産経新聞 ■
アメリカが北朝鮮を攻撃して戦争開始…を望むお花畑思考な人たち●維新議員の本音?「戦争しないとどうしようもなくないですか?」と迫る
今回これを書き始めたのは、自民党じゃないですけど、同じ保守派、自民党内の右翼が集まったような日本維新の会でも、やっぱり戦争好きなのかな?という発言があったため。以下は、ビザなし訪問に参加した日本維新の会の丸山穂高議員と訪問団の大塚小彌太団長のやり取りです。
(声)丸山穂高衆院議員:「(大塚)団長は戦争でこの島を取り返すことに賛成ですか?反対ですか?」
(声)大塚小彌太団長:「戦争するべきじゃない!」
(声)丸山穂高衆院議員:「戦争しないとどうしようもなくないですか?」
(「北方領土は戦争で取り返せ」維新・丸山穂高衆院議員 ビザなし訪問時に発言 - FNN.jpプライムオンライン 2019年5月13日 月曜より)
https://www.fnn.jp/posts/2019051300000005UHB/201905131611_UHB_UHB
(別記事も見ると、間に団長の「戦争なんて言葉を使いたくない」、丸山議員の「でも取り返せない」などのやり取りもあった模様。ただ、どちらにせよ戦争という選択肢を推している以外の解釈は不可能でした)
丸山議員は、会見で、「いろいろな意見がある事を伝えただけで、自分自身の意見ではない」と言い訳。別記事によると、お酒のせいみたいな話も出ていました。ただ、麻生太郎さんがよくやるように、こうした失言は本音であると考えた方が良いでしょう。普段から思ってもいないことが、いきなり出てくるというのは不自然です。
あと、
はてなブックマークの人気コメントも少し紹介。よくあるパターンですよね。
hietaro 「「いろいろな意見がある事を伝えただけで、自分自身の意見ではない」と釈明」維新の議員は「ホンネ」みたいなところを売りにしてるけど、問題になったらすぐ逃げを打つ。「そうじゃないですか実際」とか言えよ
sand_land 威勢の良い事ブチ上げておいて突っこまれたら自分の意見じゃないだの真意がだの、この手の人達のカッコ悪いこと。言葉を正確に伝えられないなど政治家として不適格。
●日本維新の会の松井一郎代表、当初は「言論の自由」と擁護していた
2019/07/26:日本維新の会の松井一郎代表は、維新の会として戦争で取り返すという方針はないとした一方で、当初は丸山穂高議員の発言について言論の自由だと擁護しており、この発言が大問題だと感じていなかった…という話を追記しておきます。
この松井代表の発言は、2019年5月13日の記者会見のもの。丸山氏の発言について、「言論の自由なので、どう発言するのかは個人のいろんな表現の仕方の中での発言もあるかもしれない」と述べていました。動画などでも確認できます。
(
「戦争による領土奪還」発言/維新、丸山議員を除名より)
【本文中でリンクした投稿】
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