幸福度などの話をまとめ。<純粋幸福度で見る世界幸福度ランキング、先進国が壊滅状態に>、<日本は世界平均より下で中国以下の幸福度>、<お金と幸福度は関係ないんだ!と思いきや…>、<先進国が苦戦した本当の理由 人が幸福を感じるのは隣人との比較>などをまとめています。
2023/02/24追記:
●日本人を含むアジア人は生活水準が高いのに「幸せ度」が低め 【NEW】
●純粋幸福度で見る世界幸福度ランキング、先進国が壊滅状態に
2016/1/4:世界幸福度ランキングというのがありました。"2015年12月、米国の世論調査会社ギャラップ・インターナショナルとWIN (Worldwide Independent Network of Market Research) による共同調査"だそうです。
<世界幸福度ランキング2016>
1位 コロンビア(85)
2位 フィジー(82)
2位 サウジアラビア(82)
4位 アゼルバイジャン(81)
5位 ベトナム(80)
6位 パナマ(79)
6位 アルゼンチン(79)
8位 メキシコ(76)
9位 エクアドル(75)
10位 アイスランド(74)
10位 中国(74)
※カッコ内の数字は純粋幸福度(「幸福を感じている人の比率」-「不幸を感じている人の比率」)
※
最新版「世界幸福度ランキング2016」の結果発表! G7の幸福度が壊滅する中、幸福度1位に輝いたのは? 投稿日: 2016年01月04日 10時55分 JST (永崎裕麻)より
●日本は世界平均より下で中国以下の幸福度
日本は28位ですので一見悪くなさそうですが、調査対象国は68カ国で、純粋幸福度の平均値は56。以下のように、先進7カ国(G7)では良い方ではあるものの、世界平均より下みたいです。
23位 カナダ(60)
28位 日本(52)
42位 アメリカ(43)
47位 ドイツ(40)
54位 イギリス(37)
57位 フランス(33)
57位 イタリア(33)
●お金と幸福度は関係ないんだ!と思いきや…
こういうのを見て、お金があっても幸福じゃないんだ!と言いたい人もいるでしょうが、過去に何度も書いているようにお金と幸福は関係しており、むしろたいへん大事です。
今回の所得別の純粋幸福度(世界平均)のデータを見ても、所得が高いほど幸福度も高いことがわかります。お金は関係ないとは全く言えません。関係大アリです。
高所得者 70
中高所得者 68
中所得者 57
中低所得者 40
低所得者 32
●先進国が苦戦した本当の理由 人が幸福を感じるのは隣人との比較
では、なぜ先進国が苦戦したのか?と言うと、先進国の人は途上国の人を見ずに、同じ国の人を見て幸不幸を感じているためです。作者の永崎裕麻さんによる以下の分析は、今までのうちで紹介してきた話から見ても納得がいきます。
(1)他国の人との所得格差は幸福度にあまり影響を与えない
(2)自国の人との所得格差は幸福度と相関する
以前、
幸福度と自殺率の関係 幸せな国や都道府県ではむしろ自殺が多い?という非常に嫌な話もやっています。幸福な人を見るほど、自分が惨めになってしまうのかもしれません。これらのことが現実ですので、結果にケチをつけても仕方ありません。経済的な格差の影響は大きいのです。
ただし、私ももちろんこれが理想的なものだとは私も思いません。たとえ貧しくとも幸せであった方がずっと良いことです。永崎裕麻さんも、「お金がないと幸せになれない」と思い込まないことや、人間関係の希薄化させないことを推奨していました。
個人としての対策はこういったもので良いです。一方で、行政としては精神論に逃げて対策せず…というわけにはいきません。嫌いな人も多いやり方ですが、結局、再分配政策の推進で所得格差を少なくするべき…ということでしょうね。
●世界平均大幅低下の中、ほとんどの人が幸福だった国とは?
2019/01/06:最新版の毎年末恒例の「世界幸福度調査」(米国の世論調査会社ギャラップ・インターナショナルとWINによる共同調査)の結果を追記。調査は5段階評価で、「5 とても幸せ 4 幸せ 3 幸せでも不幸でもない 2 不幸 1 とても不幸」。さらに、この「5か4を選択した人の割合」から「2か1を選択した人の割合」を差し引いたものを純粋幸福度として定義し、比較していました。
この純粋幸福度が1位だったフィジーはこれが92。つまり、ほとんどの人が幸福だと答え、不幸だとした人がほぼいないというすさまじいことになっています。なお、世界平均が20%近くも下がっている状況で、前回の89ポイントから92ポイントへと高めているというのも特殊でした。
<世界幸福度調査2018>
1位 フィジー(92)
2位 コロンビア(87)
3位 フィリピン(84)
4位 メキシコ(82)
5位 ベトナム(77)
6位 カザフスタン(74)
6位 パプアニューギニア(74)
8位 インドネシア(68)
9位 インド(64)
9位 アルゼンチン(64)
9位 オランダ(64)
18位 日本(54) ※昨年は25位
25位 アメリカ、ロシア(50)
35位 フランス(43)
37位 イギリス、イタリア、韓国(42)
41位 ドイツ(38)
<ワースト3>
53位 ウクライナ(8)
54位 イラク(7)
55位 イラン(5)
(
最新版「世界幸福度調査2018」発表! 直近4年で3度目の王座獲得。圧巻の幸福先進国は? | ハフポストより)
●所得格差と幸福度の関係はやや大げさか?
最初の投稿で書いたように、所得と幸福度が関係すると同時に、自国内での所得格差と幸福度も関係しています。もともとどちらか一方だけの問題とは書いていませんでした。ただ、自国内での所得格差と幸福度の関係はやや大げさに言われているのでは?とその後疑うようになっていたんですよね。
なぜかと言うと、あるときに見た幸福度ランキング上位の国の所得格差が、むしろ大きかったため。ということで、今回の上位の国について、
世界銀行ジニ係数での順位を見てみました。調査国は156カ国で数字が大きいほど所得格差が大きいということです。
幸福度順位 国名 所得格差順位 ジニ係数 調査年
1位 フィジー 103位 42.8 2009
2位 コロンビア 145位 55.9 2010
3位 フィリピン 105位 43 2009
4位 メキシコ 117位 47 2012
5位 ベトナム 56位 35.6 2008
6位 カザフスタン 14位 29 2009
6位 パプアニューギニア 134位 50.9 1996
8位 インドネシア 42位 34 2005
9位 インド 38位 33.4 2005
9位 アルゼンチン 107位 43.6 2011
9位 オランダ 23位 30.9 2007
ご覧のようにむしろ幸福度上位は、むしろ所得格差が大きい国ばかりになっています。ただし、上記は上位国のみを見たもの。研究で「関係あり」という結論になっているのですべての国で調べると、所得格差の影響があるんじゃないかと思いますけど、そこまでは大きな影響力ではないのだろうと想像します。
なお、前述の通り、自殺に関しても所得格差と関係あるという研究があり、所得格差の是正自体は必要でしょう。また、所得格差が大きいと経済成長を妨げになるという研究もあり、むしろ所得再分配を強化した方が経済が成長するとのこと。所得格差の是正そのものは、複数の理由で積極的にやるべきだと思われます。
●日本人を含むアジア人は生活水準が高いのに「幸せ度」が低め
2023/02/24追記:所得の話じゃないのですが、幸福度関係で…ということで追記します。しかも、幸福度が主体の調査ではない上に、調査国が少ない、自社ユーザーのみに聞いた調査で偏りがあるなど、信頼性は低い調査ですから、「与太話」だと思って気楽に読んでください。
今回紹介する調査を行ったのは、ホームセキュリティ監視カメラアプリ、AlfredCamera(アルフレッドカメラ)を運営する台湾のAlfred System Inc.というところ。セキュリティ監視カメラの会社なので、メインで聞いていたのも「最も不安や恐怖を感じるのはどのような出来事ですか」といったものでした。
<全10 カ国では「犯罪」(67パーセント)、「戦争」(43パーセント)、「プライバシー問題」(34パーセント)がトップ3となりました。一方、日本人の回答では「自然災害」が60パーセントで最多となり、「犯罪」(51パーセント)と「戦争」(40パーセント)が続きました>
https://news.infoseek.co.jp/article/prtimes_000000003_000095963/
このPR記事も”<調査>セキュリティに関する意識調査 最も不安や恐怖を感じること / 世界は「犯罪」、日本は「自然災害」”(PR TIMES / 2023年2月15日 18時45分)というタイトルでセキュリティがメイン。ただ、<日本人を含むアジア人は「幸せ度」が低め>という小見出しで掲載されていた幸せについての調査結果がおもしろかったのです。
<カナダ人とスウェーデン人の約7割が「楽しんでいる」あるいは「非常に楽しんでいる」と回答したのを始め、英国人(66パーセント)、米国人(65パーセント)、ドイツ人(58パーセント)など、欧米では「幸せ度」が高い結果になりました。(引用者注:調査対象国は、日本、台湾、英国、ドイツ、スウェーデン、カナダ、米国、メキシコ、ブラジル、チリ )
一方、アジアでは「楽しんでいる」あるいは「非常に楽しんでいる」と回答が30パーセント以下となり、逆に「全く楽しんでいない」との回答は台湾人が10パーセントで最多となり、日本人も7パーセントで2位となりました。東アジアは世界的に生活水準が高いにも関わらずこのような結果になったということに関しては国民性や文化の違い、あるいは地政学的な影響などが背景としてあるものと思われます>
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