2011/2/14:
●「共食い」とひとくちに言ってもいろいろ…ホッキョクグマでは?
●実は共食いは効率的で賢い方法?無慈悲に仲間を食べてしまう理由
●共食いは自然な行為 お腹が空いたら食べるだけ、仲間かどうかは無関係
●なぜ共食いが合理的で効果的な食べ方なのか?別の視点の説明も
●共食いが最高という意味ではない…そもそも最善だったら絶滅!
2020/09/10:
●恐竜も共食い?1.5億年前のアロサウルスで初の共食いの証拠か
●ワニもコモドオオトカゲもクマもライオンも…みんな共食いする!
●「共食い」とひとくちに言ってもいろいろ…ホッキョクグマでは?
2011/2/14:共食いにも様々な種類があるみたいですね。
Wikipediaでは、習性となっているものだけで以下のように区別していまいした。例が多いため、自然の中では実は共食いってそう珍しいものではないと考えられそうです。
(1) 配偶行動に関するもの
クモ、カマキリ、サソリなど。性的な共食い。雌は交尾を終えると時々雄を食べる場合がある。
(2) 繁殖に関するもの
カバキコマチグモ。幼虫が孵化すると、母親の体に群がって食べてしまう。
(3) 成長段階に見られるもの
サイズ構造化された共食い。大きな個体が小さな同種を食べる。野生の状態では様々な分類群で見られる。ベルディングジリス、トンボの幼虫、タコ、コウモリ、カエル、魚類、オオトカゲ、サンショウウオ、ワニ、クモ、甲殻類、鳥類(フクロウ)、哺乳類、そしてトンボ、ゲンゴロウ、マツモムシ、アメンボ、コクヌストモドキ、トビケラといった多数の昆虫。
(4) 単なる捕食の一環によるもの
ホッキョクグマ。雄のホッキョクグマは、血の繋がらない子供のホッキョクグマを殺して食べてしまう。
(5) 密度効果
ヒラタコクヌストモドキ。成虫による卵の共食い。個体密度が増加すると共食いの率が著しく増加する。
なお、これ以外に偶発的な共食いがあり、キンギョのような魚で見られるようです。特に意識することなく、パクっと食べてしまうということみたいですね。「単なる捕食の一環によるもの」との違いはよくわかりませんが、区別されていました。
●実は共食いは効率的で賢い方法?無慈悲に仲間を食べてしまう理由
上記の説明の中で例が多かった(3)の「大きな個体が小さな同種を食べる」というものですが、
共食いはなぜ起こるか? 2010年01月18日 Open ブログにわかりやすく書かれていました。
こちらによると、稚魚が広く分散した食料(摂取エネルギー、植物プランクトン)を食べるよりも、他の稚魚を共食いした方がエネルギーを効率的に摂取できるから、という説明。
これは特に卵の小さい小型の魚類で顕著であるそうです。共食いを通じて、ごく短期間に体の大きさを何倍か何十倍かにまで成長させてしまおう…という作戦でした。残酷ではあるものの、ある意味効率的で納得です。
●共食いは自然な行為 お腹が空いたら食べるだけ、仲間かどうかは無関係
この他におもしろかったのは、ザリガニの飼育について詳しく書いていた
「共食い」について考える 佐倉ザリガニ研究所というページ。「このページの作成にあたっては、農林水産省水産大学校 生物生産学科の浜野龍夫先生に御指導を仰ぎました」との書かれています。
ザリガニについては、先程の分類の偶発的なものか、(4)単なる捕食の一環によるものじゃないかと思われますが、餌を充分に与えていたつもりでも仲間を食べてしまうことがあるようです。ザリガニは共食いが比較的起きやすい動物なのかもしれませんね。
ここでは共食いはについて、”ハッキリ言って「自然」なんです!”とも書いています。「腹が減れば飯を喰う。その飯がたまたま同じ生き物であっただけ・・・」という説明でした。
●なぜ共食いが合理的で効果的な食べ方なのか?別の視点の説明も
それから興味深かった話が、魚の餌の評価方法。よく売られている「特定魚種向け人工飼料」がどうやって作られているかというと、実際の棲息域に出掛けて個体を捕獲し、その消化器内容物を調べる「食性調査」を行うという話がありました。これ自体は普通の話なのですが、問題がその次の話なんですよ。
「食性調査」の次に考えるのが、魚種自体の体成分なんだそうです。この考え方では、その魚種自身の体を形作る要素に近いものほど、与えるべき栄養という点で「上質」だということになり、その成分をよく含む原料を配合することになるそうです。
実際に、マダイやハマチなどを養殖する際に与える人工餌料として、同じ魚のイワシの粉末ミ-ルなどを主成分とする飼料が開発されているとのこと。つまり、共食いなわけです。
そういうわけで、この評価法に従えば、ザリガニにとって仲間のザリガニは最高の栄養だと言えることになるんでしょうね。
●共食いが最高という意味ではない…そもそも最善だったら絶滅!
しかしながら、ザリガニが「お互いを食い合うばかりの状態であれば、当然、生き残って行くことはできません」ともあります。
そこで出てくるのが、「餌の摂取」を「cost/benefit」(労力/利益)で考えるという概念だそうです。これは餌を食べようとしている個体について、以下のように考えるようです。
cost = 対象物をつかまえて飲み込むまでにかかるエネルギ-(労力)
benefit = 得られるエネルギ-(栄養)
cost/benefit = 数値が
小さくなればなるほど、その個体にとって良い餌になる
これで考えると、同種・同サイズの相手を倒して食べるのは、かなりcostが掛かるので割に合わない、と考えられます。常に最善の方法ってわけではないんですね。
●恐竜も共食い?1.5億年前のアロサウルスで初の共食いの証拠か
2020/09/10:共食いが珍しくないよ…という話では、恐竜でも共食いの証拠発見!というおもしろい話がありました。2020.05.29に、
1.5億年前の恐竜アロサウルスが共食い、初の証拠か | ナショナルジオグラフィック日本版サイトという記事が出ていたんですよ。
米コロラド州にあるマイガット・ムーア発掘地で、1981年以降に発掘された化石2368個のうち、なんと29%に噛み跡が付いていました。他の地域でもよく、こうした噛み跡は見つかるみたいですね。とはいえ、マイガット・ムーア発掘地では特に多いようで、他の同様の発掘場所で通常見つかる割合より6倍多いといいます。
また、この発掘現場で最も多い肉食恐竜であるアロサウルスが、同じアロサウルスをかじったとみられる証拠も、1億5000万年前の化石に残されていたと、5月27日付けで学術誌「PLOS ONE」に発表されました。いわゆる共食いの証拠です。こうした共食いの確かな証拠は、あまり見つかっていないとされていました。
●ワニもコモドオオトカゲもクマもライオンも…みんな共食いする!
ただし、珍しいのは「証拠」だけ。最初の話と同じく、共食いそのものは珍しくないとされています。。ワニなどの多くの大型の捕食者が、特定の状況下では共食いをしており、「コモドオオトカゲもクマもライオンも、現生の主な捕食者はみな共食いをします」「肉食動物は、動物の死骸があれば食べるのです」と研究者が説明していました。
この地域では噛み跡が多かったということでわかるように、生態系に異常が起きて、ここにいた獣脚類は、見つけた栄養を片っ端から摂取しなければならず、残された死骸を広範囲にあさっていたのではないかと予想されています。論文の化石なんかは、骨に残る獣脚類の噛み跡をこれでもかというほど大量にあったそうです。
また、死骸という言葉が何度か出てきているように、同種の仲間を殺して食べたとは考えられていません。すでに死んでいた仲間を食べていたのだとの予想。多くの噛み跡が、足指の骨など、最後に残される最も栄養の少ない部分に付いているため、すでに死んでいるものを食べたと考えているそうです。
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