東京人を都内観光させる「はとバス」の発想力 集客低迷からの「奇跡の復活劇」を遂げた! 東洋経済オンライン / 2016年1月11日 8時0分
かつてのはとバスツアーは、定番の観光地を巡るプランがメインだった。主たる客層は東京見物に来た人たちで、1964年の東京オリンピックの頃には年間123万人を集客した。しかし、乗客は次第に減少、2001年度には51万人まで落ち込んだ。その後もなべ底のような低迷が数年間続いた。
「関東周辺の人にも、あらためて東京を見てもらいたい」(田中康之・総合企画調整部長)との発想から、はとバスは従来の定番コースに加え、テーマ性の高い「はとバス劇場」ツアーを矢継ぎ早に投入していった。
たとえば「話題の川崎工場夜景スポット」。通常は入れないエリアから京浜工業地帯の工場夜景を見せる。
また、「横須賀軍港めぐりと無人島『猿島』探検ツアー」では、海上自衛隊や米海軍の軍艦を間近で見せた後、東京湾で唯一の無人島・猿島に上陸する。(中略)
「いまの若い人は、どこか遠くに行くのにも車に乗らないんです。そういうことも人気の理由かもしれませんね」(田中部長)。
“寅さん”で有名な東京の葛飾区柴又のように都心からのアクセスが必ずしも便利とはいえない場所は、まさにふさわしいコースのようだ。
「乗客からのアンケートはがきをこまめにチェックしてみると、食事についての反響が大きい」(田中部長)という。そのため、「はとバス劇場」では食事メインのツアーがある。(中略)
「はとバス鍋奉行~冬の陣~」では、本場・両国でのちゃんこ鍋と浅草の名店での牛鍋をメインに、柴又・浅草の観光を組み合わせている。「昼も夜もこんなに食べられるものかと思われがちですが、みなさんしっかり食べてます」(田中部長)。
一般ツアーの企画商品でも食事にはこだわる。
(中略)パンフレットに掲載されているお店を見ると、名店がズラリ。有名ホテルのバイキングなどもある。クリスマスの時期には、イルミネーション見物とホテルでのコース料理が組み合わされる。
「食べ物は大きなウエイトを占めます。食事がいいとコースの価値が上がるんです」と田中部長は商品企画の中での食事の持つ重要性を強調する。
1月8日、「成人の日(1月11日)」よりもひと足早く、はとバスガイドの成人式が行われた。(中略)
成人の日は祝日なのでガイド業務は多忙となり、ガイドは成人式に出席できない。このため会社独自で成人式を行っているという。
朝8時、振り袖姿の22人が都内大田区のはとバス本社前に現れると、待ち構えていた報道陣のカメラの放列にビックリ。「超やばい、芸能人みたい!」。(中略)
新成人ガイドたちは、明治神宮を参拝した後に日の出桟橋に。そこでは、あの「くまモン」が突然登場してガイドたちを祝福するというサプライズもあった。
今日は「成人の日」 はとバスのガイドさんは一足早く成人式 2016年01月11日
観光バスを運行する「はとバス」本社(東京都大田区)で8日、一足早くバスガイドの成人式が行われた。(中略)あでやかな振り袖姿の新成人バスガイド22人は、先輩ガイドの案内で本社から明治神宮へ参拝に向かった。同社でバスガイドをする姉に憧れて入社した東山生来さん(20)は「周りの人のことを大事に考え、強く明るい大人になりたい」と抱負を述べた。
外国人に超人気の「はとバス」ツアーとは? | 旅・趣味 | 東洋経済オンライン 小林 拓矢 :フリーライター 2015年12月20日
はとバスによると、外国人にもっとも人気なのは英語で案内する「ダイナミック東京」だ。浜松町バスターミナルを出発し、東京タワーや浅草を見学、茶の湯の体験や隅田川の遊覧船にも乗り、食事は椿山荘というコースである。
その次に人気なのは、「東京モーニング」。これは午前中だけで完結するコースだ。やはり浜松町バスターミナルを出発し、東京タワーや浅草などを見学し、正午過ぎには解散。この2つの定番コースが、人気が高いという。
はとバスによると「中国人は富士山に大変な関心を持っており、富士山関連のコースへの要望が強い」とのことだ。「中国の人は東京の情報を持っているため、東京よりも富士山に関心が高く、登らないとしても実物を見てみたいという思いは強い」ようだ。
「いい内容であれば、バスを使わなくてもいい」という考えから設定した。外国人にとっては日本の複雑な鉄道網、とくに地下鉄網を体験してもらうことも観光であるという考えからの発想だ。
ウォーキングツアーでは、江戸東京博物館や築地場外市場をまわる「江戸・東京ウォーキング」、浅草や合羽橋をまわる「下町体験ウォーキング」から、日本の「萌え文化」の象徴である秋葉原のメイドカフェに行く「メイドカフェ&足湯ウォーキング」などのコースがある。「ウォーキングコースだと少人数で和気あいあいとしていて楽しい」と評価も上々だ。
「日本の文化を体験したいという要望が外国人のツアー参加者から寄せられており、今後は寿司作りなどの体験ツアーを行いたい」と、はとバスはいう。
1948年に創業したはとバスは、最初は東京観光に訪れた日本人を対象に始まった。それから次第に、東京在住者で東京周辺に興味を持つ人にも対象を広げ、英語によるツアーも早くから開催してきた。そして現在は外国人観光客に対象を広げ、多くの訪日外国人に日本の魅力を知ってもらうため、各種のコース展開に知恵を絞る。
はとバス - Wikipedia
1952年7月から初の外国人向けコースとして「昼の外人Sコース」の運行を開始した。その後も日本人・外国人旅行者向けのコースとも拡充され、営業収入の増加に貢献した。(中略)
1964年の東京オリンピックにおいては、(中略)外国人向けのコースについても質的な強化が行われ、蛍狩りから産業施設の見学などが盛り込まれたコースが多数設定された[11]。
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