<「就活強者」である東大生が無名の中小企業に就職している!>、<東大生が大手企業を蹴って中小企業やベンチャー企業を選ぶ理由>、<東大新卒が入社する50人以下の中小企業の共通点とは何か?>などといった話をまとめています。
ただ、ポジティブな話だけ紹介して、バラ色だと勘違いされても困るかな?と思い、その後、ネガティブな話も追記。<中小企業はオススメ…に騙されるな!マスコミがわかっていない理由>、<ベンチャー企業が大量の内定取り消し…入社してもブラック?>などの話がそういったものです。
2022/08/08まとめ:
●昭和の未来予想は中小企業はなくなる…だった?近未来小説に登場
●むしろスモールビジネスは有望、現実は大企業だけの時代にならず
●TVチャンネルがめちゃくちゃ増える…という話も昭和にはあった
●新卒入社してよかった会社ランキング、就活人気企業はほぼ全滅
2022/05/01追記: 転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「Open Work」を運営するOpen Work働きがい研究所が「新卒入社してよかった会社ランキング2022」を発表。このページで紹介していたリブセンスは11位に入っていました。株価は悪いリブセンスですが、以前もこういうランキングに入っていた記憶です。
で、そのランキングの話をここで書いたと思って追記し始めたのですが、よく見るとここじゃありませんでした。ただ、このランキング企業の特徴はページのコンセプトにも合う話。
「この会社に入って本当によかった!」 心の底から後輩にススめたい企業トップ30社...個性的な会社が続々ランクイン: J-CAST 会社ウォッチというタイトルの記事だったのです。
<新卒入社してよかった会社ランキング>
1位 米国のコンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
2位 日本のインターネットメディア・ユーザベース
3位 日本のマンション開発コスモスイニシア
4位 米国の巨大IT企業グーグル
5位 日本の三井不動産
6位 日本の中外製薬
7位 日本の特殊鋼専門商社ISSリアライズ
8位 米国のコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー
9位 日本のサントリーホールディングス
10位 日本のITソリューション電通国際情報サービス
・トップ10に日系企業が7社入ったが、ほかの就職希望ランキング調査では常に上位に入る総合商社は三菱商事1社だけ。また、自動車、電機など大手製造業はランクインせず、個性的な企業が並んだ。
・2位のユーザベースは2008年創業で、ソーシャル経済メディアの「News Picks」や経済情報サービスの「SPEEDA」などを提供する情報関連企業だ。同社はミッションを「経済情報で、世界を変える」としており、勤務時間の制約や出社義務がなく、服装も自由である。
・7位のISSリアライズは、未上場の金属加工の専門商社。2022年1月、創立100周年を機に「井上特殊鋼」から社名変更した。早くからDX化に踏み切り、若手社員に大きな裁量権を与えており、ここ2、3年、Open Workの「20代を伸ばす企業ランキング」では上位の常連。
・若々しいベンチャー企業が並ぶ。このように、先輩としては「安定性」が前提というより、「転職を前提にキャリアを積むことができる」ことが後輩へのおススメの基準のようだ。
●「就活強者」である東大生が無名の中小企業に就職している!
2016/1/17:本当かいな?と思うのですが、大手企業を蹴って中小企業やベンチャー企業を選ぶ東大生が増えているという話。最初にこれを読んだ話はイマイチグッとくるものがなかったのですが、別記事で具体的な話を読んで紹介することに。ただ、先にボツにしたという記事から。
「就活の強者」が、なぜ大手を蹴ってここに来る?:日経ビジネスオンライン(ザ・絶賛エディターズ 2014年3月19日(水))というものでした。
<当初のコードネームは、「東大生が集まる中小企業」。まだ週刊誌のデスクだったこの年の夏に、卒業生の進路を特集した東大新聞を眺めていて、東大生が見たことも聞いたこともない中小企業に少なからず就職していることに気が付いたことがきっかけです。(中略)
採用する側の企業の建前は「人物本位」ですが、東大の卒業生が一般に「就活強者」であることに疑問を持つ人はいないでしょう。その就活強者たちがもし、自らの意志で名も知らぬ中小企業に就職しているとすれば、これはちょっとおもしろいことになってきたぞ、と思ったんです>
●東大生が大手企業を蹴って中小企業やベンチャー企業を選ぶ理由
ただし、あまり具体的なケースはこの記事では載っていませんでした。唯一あった例は、"東京海上日動や野村証券などの名だたる大企業を蹴って、後払い決済サービスのネットプロテクションズというベンチャーで働く30歳の男性"の場合。以下のような理由だそうです
<彼は大学在学中に、実家が営んでいた工場の倒産を経験していましたが、それでも大手を選ばなかったのは、倒産後の父が就職先に困っていなかったからだと言います。曰く、大企業で働き続けることは「静的安定」。父のように起業したりベンチャー企業で働いたりして力をつけ、必要に応じて転職を重ねることは「動的安定」。自分は後者を選んだのだ、と>
当時この記事を紹介しなかったというのは、ピンと来なかったため。ただ、前職が人材紹介会社のキャリアアドバイザーだったリブセンスの採用責任者・青野光一さんが「彼らはリーマンショックと震災を学生時代に経験し、大手企業の苦境を目にしてきている。自分自身に力をつけ、本当の意味で『安定』するためにも、能力を高められる会社に身を置きたいという考えは今後も強まっていくのではないでしょうか」という同じようなことを言っていて、急に記事のことを思い出しました。
これは、
ベンチャーを選んだエリートたち【2】リブセンス 一流企業を蹴る東大生続出のワケ:PRESIDENT Online - プレジデント(PRESIDENT 2013年7月15日号 著者 稲泉 連)という記事で出てきた話。ちょうど同じコンセプトなんです。
●大企業に入ったらダメになるから
この記事では、実際にリブセンスに入社した理由について聞いています。こっちの方が具体的でわかりやすかったですね。
「名前の知られている大きな会社にいくと、入った時点で自分が満足してしまうような気がしたんです。受験勉強の末に東大に合格したとき、周りからチヤホヤされたのと同じように。それに今の時代はこの先どうなっていくかわかりません。そんななか、テレビで弊社の村上太一代表がしゃべる姿を見て、試しに応募してみたのがきっかけでした」(鈴木健太さん、東京大学卒)
これを読んで、
グーグルジャパン幹部が選ばなかった日本企業の職場環境 徳生健太郎がインターンで知ったアメリカとの違いを思い出しました。そういや徳生健太郎さんも、日本の大企業に入ったらダメになると思ったという話をしていました。やはり大企業じゃない方が成長できるという話です。
●非体育会系の職場、即戦力となれる職場
別の東京大学卒の人は以下のような話をしていました。これは上記の話と同様に「成長できる」系の話であり、「即戦力として働けるから」とも言えそうです。
「リブセンスを選んだのは、若いうちから事業の責任者になれる可能性があるから。今、働いているこの瞬間をわくわくしながら生きるためには、10年後に出世してからやりたいことが初めてできるようになる、といった時間の感覚は性に合わないと感じました」(山浦清透さん、京都大学大学院卒)
「自分の力で生きていける働き方を探した結果でした。初めから大企業を全く考えなかったのは、10年くらいは下積みというイメージがあったからです」(安原祐貴さん、東京大学卒)
大企業において「下積みが長い」というはきちんとした理由がある場合はもちろんあります。ただ、そうじゃない理不尽なものもかなりありそうです。
日本の会社は部活なので、就活は体育会系が有利 ブラック企業論理も通用では、体育会系の人が理不尽さに耐えられることが体育会系の魅力だと誇っており、理不尽があって当たり前といった感じでした。
ただ、理不尽だということは、非論理的ということですからね。私は好きじゃありません。その後書いた
新人の雑用は無駄か必要か?一流の寿司屋は8年目で初めて握りなんかも関連する話ですね。論理的に説明できないことをやらせるというのは、ブラック企業に直結するケースが多く、基本的には良くないと考えた方が良いでしょう。(ここだけ2021/11/05追記)
一方、リブセンスについては、「じっくりとみなが論理的に話し合うことで、仕事が進められていく真面目な雰囲気」と言っていた社員が多かったようで、違う方向性。非体育会系と言うと文化系のようにも思えますが、「ノリノリ、イケイケではなく、落ち着いていて、考えるのが得意な人の多い会社で働きたかった」(安原さん)とのこと。敢えて分けるなら、理系な会社ですかね。
私は大企業が悪いとは全く思っていないのですが、そうであるがゆえにあえて大企業を避けてそうじゃない会社へ行く理由がわかりませんでした。しかし、こうやって具体的な理由を聞いて積み重ねていくと、大手企業を蹴って中小企業やベンチャー企業を選ぶ人がいる理由が何となくわかってきました。
●東大新卒が入社する50人以下の中小企業の共通点とは何か?
2017/05/14:タイトルだけ見て、この投稿に追記できそうだと感じた
東大新卒が入社する50人以下の中小企業は何が違うのか | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン(2017.3.29 ダイヤモンド・オンライン編集部 山本猛嗣)という記事。大企業の内定を取っているのにもかかわらず、大企業側を辞退して入社する学生もいるということで、やはり似た話でした。
こうした会社の共通点としては、「募集の告知」→「筆記試験」→「複数回の面接」というような採用方法ではなく、長期のインターンやアルバイトを経て採用していること。しかも、「社員と同じ業務をやらせている」など、実践的な内容であることが多いようです。
で、これによってどうも「楽しい!」と思うみたいですね。"今回、近年連続して難関校の新卒者を採用している中小ベンチャー企業の採用者や学生に聞いてみたところ、やはり、要因として、仕事や職場の楽しさや魅力について語る人が多かった"とのこと。"自分の仕事による「企業の成長」も肌身で感じられる"といった話もあり、 内容はすっかり忘れていたのですが、全体にもともと書いていたリブセンスの話なんかとも近いものがありました。
ただ、そもそもやりがいを感じられたり、すごいと思えたりする企業というのはかなり特殊でしょう。インターンではないのですが、名古屋に本社を置く社員31人のITベンチャーであるネオレックスという企業の例も、特殊さを感じるものでした。このネオレックスに、たまたま興味を持って見学に来た東大生は、当時はまだ高額だったLED蛍光灯166本に、「こんなにたくさんのLED蛍光灯があるなんて」と興奮していました。
しかし、本当にこの東大生が驚いたのはその後。「いやあ、全部、手作りだよ。自分たちで作ったんだ」という駒井研司CEOの言葉を聞いて、学生の目がみるみる輝き始めたと言います。すっかり意気投合した上に、その日のうちに早速、LED蛍光灯を自作したそうです。
ネオレックスは、「自社企画の製品の開発・提供にこだわってきた」という社風。このLED蛍光灯がまさにそれを象徴したもので、"「自分がやりたいことを自由にやりたい」と考える技術志向の強い学生に好まれるようだ"としていました。強烈な何かを持っている会社だからこそって感じですね。
●中小企業はオススメ…に騙されるな!マスコミがわかっていない理由
2021/05/21追記:別件で中小企業について検索していたところ、そういったところに就職すべきではない!とする記事がいくつかヒットしたので、このページで紹介しておこうかと思いました。とりあえず、今回読んでみた記事は、
就活でわざわざ苦労する選択をすべきでない理由|@DIME アットダイム(2019.07.23 吉田典史)というものです。
<私が特に問題視するのは、新卒(大卒)で中小企業に入社しようとする人たちだ。一部のメディアや識者の「活躍の場が多い」「実力主義の人事が行われている」といった根拠が曖昧で、無定見な言論に感化され、中小企業の採用試験を受けるならば極めて好ましくない。
断言しておく。そのようなメディアや識者の約9割以上は、中小企業の内情や実態を正確には把握していない。(中略)そのような雑誌や新聞のバックナンバーやテレビ番組の過去放送分をネットを使い、調べてみよう。実は、これまでに中小企業をほとんど扱っていないはずだ。つまり、取材やヒアリングは数えるほどしかしていない疑いがある>
上記は説得力がある話。で、作者の名前を見たら、吉田典史さんでした。吉田典史さんは確かに中小企業の人や個人事業主などをよく取材していた方ですね。で、その吉田典史さんは、「新卒で、中小企業を受験するべきではない。特に社員数が100人以下で、創業15年以上の会社にエントリーするのは絶対に避けよ」としていました。
一方、大企業を受けるべき理由は、新卒時の就職活動は、入学難易度が低い大学の学生が逆転が可能な一大イベントであるから…といったもの。ただ、上記までとは違い、こちらは説得力を感じませんでした。低レベル大学は普通に大企業からは敬遠されますからね。大企業への就職活動はむしろ時間の無駄だとすら私は考えます。
ただ、吉田典史さんもさすがに金融(メガバンク)や総合商社は無理だと言っていました。メーカーやIT企業や、金融でも、地方銀行や信用金庫ならば大丈夫ではないかとのこと。チャンスがあるんでしょうか。とりあえず、入りさえすれば、その後の転職では学歴より職歴が効いてくるために超有利だろうとの説明。こちらは再び大いに納得できる話でした。
●ベンチャー企業が大量の内定取り消し…入社してもブラック?
2021/11/05追記:もともと「大量採用」がテーマの投稿で書いていた話なのですが、ベンチャー企業関連の話に失敗例として紹介しておくと親切な気がしたのでこちらにも転載します。まず、2017年にマスコミで大きく報道された旅行会社「てるみくらぶ」のケース。ここは普通に破綻しています。
大量採用というテーマ的に言えば、てるみくらぶ」は社員が80人程度しかいなかったにも関わらず50人を内定していました。多すぎです。80人の社員の6割以上である50人も採用していたというのは、事業の拡大を狙っているのではなく、離職する人を考えてあらかじめかなり多く内定していたと考えられるため、ブラック企業であった可能性も濃厚です。
実際、てるみくらぶの場合は倒産しているんですし、儲かりすぎて人手不足というパターンではないことは確実でした。たぶんマジで8割、9割辞めることを見越していたんじゃないかと。これは採用しても社員がほぼ定着しないという状態になりますので、相当ブラックな企業だったのだと予想されます。
また、破綻していませんし、ブラック企業かどうかもわからないんですが、大量の内々定取り消しの別の例が2021年に報じられました。部屋探しアプリ「CANARY(カナリー)」の運営などを手がけるIT企業「BluAge」が、内々定47人のうち21人の大量取り消しを行って炎上したのです。こちらは破綻していませんが、やはり問題を感じさせます。
まず、内々定大量取り消しの時点で「いい会社」とは言い難いです。内々定はそう簡単に取り消せるものじゃないんですよね。、会社側は「新卒採用2年目の弊社に採用活動・運営における業務経験が浅く、『内々定』という社会通念への認識も不足」とも説明。要するに社会的な常識がなかったということ。ベンチャー企業の悪さが出た形です。
あと、社員数が知りたかったので検索。公式サイトではなかったので古い情報かもしれませんが、
株式会社BluAgeの転職・求人情報|ハイクラス転職・求人情報サイト AMBI(アンビ)によると、従業員数はわずか50人。50人の会社で50人内々定は間違いなく多すぎ。さらに言えば、取り消さなかった20人ですら従業員数に比べて多すぎて、新入社員のケアが行き届かない可能性を感じさせます。
●昭和の未来予想は中小企業はなくなる…だった?近未来小説に登場
2022/08/08追記:「スモールビジネスは有望 昭和の未来予想は中小企業はなくなる…だった」というタイトルで書いていた話をこちらにまとめ。中小企業は将来なくなる…みたいな感じの小説があったのですが、今でもありますし、それどころかスモールビジネスが有望ともよく言われています。
2018/09/08:近未来を予想したようなSF作品の多い、眉村卓さんの『C席の客』は、全然私の好みに合わなかった短編集でした。ただ、初版は昭和48年=1973年というこの作品で、当時の雰囲気、当時考えられていた問題点や未来予想図的なものがぼんやりと見えるというところはおもしろかったです。
例えば、『発明チーム』という作品では、今で言う画期的なアイデアのベンチャーを作ろうという人が、21世紀はことごとく大資本の巨大な組織ばかりなので、最小100トン単位での取引しかできず小口取引はできません、と断られる話があります。これは大企業ばかりになる未来もあり得るというリアリティが当時感じられたからこその作品でしょう。そうじゃなきゃ「何これ?」という駄作になりますからね。
それぞれが独立した話であり、矛盾する方向性もあるので、作品に出てくる未来観が眉村卓さんの唯一の答えとは限りません。ただ、この「大企業の世界」的な未来観は、他にでも出てくるのだったんですよ。他に「大企業の世界」的な未来観があるものとしては、『レジャーパイロット』という作品がそうでした。
この作品の場合は、労働時間が短くなったため、暇な人の余暇を考える仕事について書いたものでもあり、これ自体があまりにもあり得ない未来予想図でおもしろいです。このレジャーパイロットは国家試験が必要で、組織に属したことがない個人が多く取得していたものの、結局、他の職業と同じく大企業に取り込まれてしまう…という話でした。
●むしろスモールビジネスは有望、現実は大企業だけの時代にならず
で、現在がどうなっているか?と言うと、皆さんご存知の通り。依然として「大企業に支配されている」的な危機感を持つ人が多く、実際、企業数はすごく減っています。「倒産が少ない」と聞くと景気が良いと錯覚しますが、実は中小企業を中心とした企業数自体がすごく減っているためなんですよね。
ところが、一方で、非常に小さな組織によるビジネスや、個人によるちょっとした仕事というのもできています。むしろそういったビジネスは、以前よりやりやすくなったという見方すらあるのです。例えば、
【59】数人が食べていけるようなスモールビジネスを考える:nikkei BPnet (2010.10.25 柳澤 大輔 面白法人カヤック代表取締役)という記事では、以下のように書いていました。
<最近、ある出版社で雑誌の編集をしている方が、独立して新規ビジネスを立ち上げるということで、いろいろ相談に乗っていたのですが、個人的には今の時代、数人が食べていけるようなスモールビジネスを見つけるのは、そんなに難しくないと思っています>
上記の「スモールビジネス」は、文字通り「小さなビジネス」です。ただ、有望なベンチャー企業・中小企業といった意味でも使われます。以下では、和製英語だとしていたものの、英語でも使われる言葉のようです。こちらの「スモールビジネス」の意味であっても、大企業だけじゃなく「ベンチャー企業・中小企業は健在である」とわかります。
<《〈和〉small+business》ニュービジネスやベンチャービジネスの登場で、これまでの大企業・中堅企業・中小(零細)企業といった規模分類だけでは優劣判定ができなくなったのに対応して、優良中小・ベンチャー企業を合わせてよぶもの>
(
デジタル大辞泉の解説より)
●TVチャンネルがめちゃくちゃ増える…という話も昭和にはあった
話がちょっと変わるのですけど、前述の通り、それぞれが独立した話であり、矛盾する方向性もあるので、眉村卓さんの短編集『C席の客』には逆に今の日本では考えられないほど多様性のある未来予想図の作品もありました。『ディレクター』というテレビのチャンネルが50もあるという時代の話です。
これは、そのチャンネルのうちの一つの番組が深夜にハプニングが起きたものの、チャンネルが多すぎて誰も見ていなかった…というオチなっていました。テレビ局を維持するにはコストがかかるので、誰も見ていない放送が成り立つというのは、荒唐無稽な気がしますけどね。
ところで、実際の日本では、普通のテレビは参入障壁が高く、TVチャンネルであふれている…といったことはありません。とはいえ、アメリカなんかは、50チャンネルどころじゃありませんからね。日本でも従来型のテレビ以外を含めれば50チャンネルを超えるでしょうし、動画サイトの個人の放送も含めるとおびただしい数でしょう。
この動画サイトの世界の方が前述の世界観にどちらかと言うと近いです。ただし、誰が見るんだ?みたいな、まるで花のない個人の零細放送ですら誰かしら見ていることが多い…という不思議な時代になっています。そういう意味で言うと、これも結局、昔の予想を現実の多様性が上回ったという例かもしれません。
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