人間の可聴域に関連して、さまざまな動物の可聴域について、調べていました。
いろいろなところを見て回って数字を集めていましたが、そんなことしなくても
動物の可聴域 音楽研究所というページに大量に載っていました。ダントツで詳しいです。
いくつか抜き出して、最小(限界値、ない場合は標準)~最大(限界値、ない場合は標準)を紹介すると、
哺乳類
ヒト 12 Hz ~ 23,000 Hz
イヌ 15 Hz ~ 60,000 Hz
ネコ 45 Hz ~ 64,000 Hz
ウマ 55 Hz ~ 33,500 Hz
ハツカネズミ 1,000 Hz ~ 91,000 Hz
シロクジラ(シロイルカ)1,000 Hz ~ 123,000 Hz
シロナガスクジラ 5 Hz ~ 12,000 Hz
バンドウイルカ 75 Hz ~ 150,000 Hz
コウモリ 1,200 Hz ~ 400,0000 Hz
ニホンザル 28 Hz ~ 34,500 Hz
アジアゾウ 16 Hz ~ 12,000 Hz
魚類
魚類一般 20 Hz ~ 3,500 Hz
ニシンダマシ 200 Hz ~ 180,000Hz
大西洋タラ 2 Hz ~ 500 Hz
両生類
アカミミガメ 68 Hz ~ 840 Hz
サンショウウオ 10 Hz ~ 10,000 Hz
アマガエル 50 Hz ~ 4,000 Hz
爬虫類
トカゲ 不明 ~ 8,000 Hz
ヘビ 0 Hz (引用者注:ヘビは音が聞こえないといわれているせいみたいですが、実際は低周波は聞こえるようです)
鳥類
インコ 200 Hz ~ 8,500 Hz
スズメ 675 Hz ~ 18,000 Hz
カラス 300 Hz ~ 8,000 Hz
ニワトリ 125 Hz ~ 5,000 Hz
虫
蛾 500 Hz ~ 100,000 Hz
夜行性蛾 1,000 Hz ~ 240,000 Hz
コオロギ 300 Hz ~ 8,000 Hz
セミ 不明 ~ 20,000 Hz
いろいろと感想はあります。
哺乳類
ヒトは狭い方ですが、高音が聞こえるハツカネズミは低音に弱いようです。
不思議だったのは、同じクジラ類でも、シロナガスクジラのように狭いものと、シロクジラ(シロイルカ)のように広いものと極端に分かれたことです。
あと、この表だとコウモリが高音ナンバーワンでした。かなり高いところまで網羅しています。
また、「頭が小さいほど高周波を聴きとる能力が高くなる傾向にある」とのこと。それでゾウさんは狭いのか。そのゾウは「ゾウは低周波音を足裏で感じる」そうですが、それなら人間も体でわかるのでもっと伸びる?
魚類
魚が低音重視はわかる気がしますが、中には結構高いところまで行くものも。ここも種によって差が出ました。
両生類・爬虫類
ここらへんは全般に狭いです。
「蛇の耳は、退化しているため、地面の振動を下顎で感知するらしい」とのことで、0 Hzなんでしょうか?上で書いた通り、実際には低周波が聞こえるようです。
鳥類
意外なことに、「鳥は人間よりも可聴域が狭い」ようです。
「鳥が音に敏感な気がするのは、高い音が聞こえているわけではなく、小さな音でも聞こえるため」とのこと。
虫
イナゴ、コオロギ、また哺乳類のイルカは、自分の聞こえない範囲の音まで出せるそうです。周りにだけ騒音って、迷惑ですね。
ここでは夜行性蛾がかなりの高音まで。夜飛ぶ関係なんでしょうか?
その他、「可聴範囲の広さと,音を聞き分ける能力の関係はトレードオフになっているらしい」とありましたが、
Q and A (170) 社団法人 日本音響学会 岡ノ谷 一夫でも同様のことが書かれていました。(頭の大きさにかなり依存という記載もここにあり)
一般に,可聴範囲が広い動物は,聞こえる周波数内の二つの音を聞き分ける能力が犠牲になっています。ヒトはほ乳類の中では可聴範囲は狭いほうですが,その代わり高い音弁別の能力を持っている種であると言えます。 |
ついでに他の動物の話。
魚類には耳のよいものと悪いものがあるのは構造の違いで、耳の良い魚類には音声でコミュニケーションをしているものが多くあるそうです。
余談になりますが、質問サイトで魚に耳がないと思っている方がいらっしゃいました。私も深く考えていませんでしたが、私たちが通常耳と呼んでいるものは「外耳」であり、魚は「内耳」(勿論ヒトにもあります)を持っているので正確に言うと耳はあるとのこと。このことを知っていないと、耳が「ある・ない」で話が噛み合わなくなりそうですね。
それから、「鳥類は超音波が聞こえると思っている方は多いようですが,それは誤り」という話。ヒトよりずっと低い周波数までしか聞こえないのは、鳥類が狭い範囲で鋭敏な聴力を持つ方が適応的だったからだと思われるそうです。
フクロウやタカなどの猛禽類は、可聴範囲は一般の鳥類とあまり変わらないものの、音圧レベルが小さくとも聞こえる=ヒトよりずっと鋭敏な聴力を持つということのようです。
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