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カラスが車のワイパーのゴム部分を引きちぎる!対策は「立てる」が効果的


 カラスに関する話をいくつか。<カラスが車のワイパーのゴム部分を引きちぎる!対策は「立てる」が効果的>、<他の地域では報告なし…なぜ大分市の三佐地区のカラスだけ?>、<夢中で物体をくわえて地面に叩きつけるカラス…物体の正体は?>などの話をやっています。

2022/06/10追記:
●夢中で物体をくわえて地面に叩きつけるカラス…物体の正体は?
2022/06/20追記:
●太陽光パネルに石を落すのも「遊び」で一部のカラスだけがやる 【NEW】
●遊びが多多様…フリスビーを咥えて高いところから飛ばすことも! 【NEW】


●カラスが車のワイパーのゴム部分を引きちぎる!対策は「立てる」が効果的

2016/1/20:"駐車場にとめてあった車のワイパーのゴム部分が引きちぎられ、あたりにばらまかれる"という悪質ないたずらが、"大分市の三佐(みさ)地区で相次いだ"そうです。ただ、うちのタイトルでわかるように、犯人は人間ではありませんでした。

<地元の市立三佐小学校では、3年ほど前から敷地内の3カ所の駐車場で被害が出るようになった。ワイパーのゴム部分が「さきいか」のように裂かれ、至る所に落ちていたという。(中略)
 犯人は、カラスだった>
(車のワイパーゴム被害、犯人は… 立てたら激減 大分:朝日新聞デジタル  稲垣千駿 2015年11月18日08時58分より)


 こちらも既にうちではタイトルにしてしまいましたが、対策は可能なようです。ワイパーを立てれば良いだけ。簡単です。とはいえ、ちょっと面倒くさいですし、うっかり忘れることはありそう…。実際、つい忘れちゃって、またやられる人もいるといいます。

<思案の末、出てきたアイデアは「駐車中はワイパーを立てておく」こと。カラスが足でワイパーを押さえられないようにし、くわえにくくする狙いがあった。
 この、シンプルだが鋭い発想は、三佐小の教職員の間でうまれたという。(中略)
 昨年度は(中略)立て忘れで約20件の被害が出たものの、今年度は呼びかけが浸透し、ここまで被害は1件だけだという>


●他の地域では報告なし…なぜ大分市の三佐地区のカラスだけ?

 私が不思議だったのは、なぜ今頃になってこのようないたずらが相次いだか?ということ。カラスの習性なら以前からされているはずでしょう。さらに、"市によると、ほかの地域で被害は確認されていないという"ので、大分市であってもごく一部の地域でしか起きていない被害でした。これも奇妙です。

 また、なぜカラスがこのようなことをするのか?ということも不思議でした。ワイパーのゴム部分を何かに使うのであれば、持っていくはずです。食べるわけでもないでしょうし、何の得にもなりません。それでも、やり続けるというのは不思議でした。

 何か普段カラスがくわえてしまうものと似ていて間違えてくわえたのだとしても、自動車のワイパーはどこも同じなのに、なぜ大分市の三佐地区だけなのか、なぜ以前はなかったのか?という疑問に戻ってきます。この「被害状況に違いが生じる」というのは、非常に大きなポイントで不思議なところです。


●三佐地区のカラスだけワイパーをちぎる理由は「遊び」だから

 このようにいろいろと不思議に思いながら読んでいたところ、最後にちょこっと…という感じで載っていた樋口広芳・東京大学名誉教授の説明が、私の疑問に完璧に答えていました。「ほかの鳥はしないが、カラスは、生活に何の影響もないことを楽しんでやる。いかにもカラスらしい行動です」という説明です。

 カラスの生活に必要なものではなく、「遊び」でした。ですので、カラスたちが生きていくために必要な行動である…といった必然性がなく、他の地域のカラスが同じ行動をするとは限らなかったようなのです。たまたまこの三佐地区のカラスだけワイパーちぎり遊びを覚えてしまったんですね。

<都市部のカラスは、確実にエサがある場所をみつけると、余裕ができて時間を持て余すのか、「遊び」のような行動を繰り返すという。時に滑り台を滑ったり、電線からぶら下がったりと、「生きるため」の行動とは無関係のことをする姿が確認されている>

 都市部のカラスってのは、ハシブトガラスって意味ですかね。実は田舎に多いカラスはハシボソガラス、都市部に多いカラスはハシブトガラスであり、生態や特徴がかなり異なっており、いっしょにできません。

 なぜ自然が減っている都市部でハシブトガラスが繁栄しているのか?というのも不思議に思うかもしれませんが、食べ物を得やすいというだけでなく、実は都市部の構造がハシブトガラスが自然の中で暮らしていた環境とよく似ていると説明されているのを読んだことがあります。

 ですので、快適すぎて、遊びをやる余裕もあるのでしょう。これは現代の都市の構造的な問題が原因であり、カラスにとって快適な都市の状況はそうそう変わらないでしょうから、これからまた新しい遊び、人間にとっては困ったことになる遊びをカラスたちが見つけてしまうかもしれません。


●夢中で物体をくわえて地面に叩きつけるカラス…物体の正体は?

2022/06/10追記:この前、カラスが丸い物体をくわえて、地面に何度も叩きつけていました。くるみような食べ物を割って食べようとしているのかと思ったものの、遠目では自然界に存在しない感じの完全な球形に見えます。どちらにせよ興味あるところなので、近づいて観察してみることにしました。

 カラスはこういうとき、接近者を目ざとく見つけて逃げ出すのが定番。ところが、このカラスは物体たたきにあまりにも夢中になっていたためか、私が近づいているのになかなか気づかなかった模様。だいぶ近づいたところで気づき、慌てて球体を持って飛びました。

 普通でしたらこれで飛び去ってしまい、物体の正体は不明に…。ただ、あまりに慌てたためか、近くの街灯に羽をぶつけてしまい、くわえていた物体もこぼしてしまいました。ドジなカラスです。しかし、そのおかげで物体を触って確認してすることができました。ゴルフボールです。食べ物じゃありませんでした。

 食べられないものを一生懸命割ろうとして、カラスも馬鹿だな…と思う人もいるかもしれません。ただ、私が車のワイパーとは関係ないこのページに追記したのは、これもカラスの遊びではないかと思ったため。カラスに限らず、動物は食べ物かどうかを匂いで大体判断できるでしょう。遊びだったと思われます。

 私の動作をカラスは恨めしそうに…かはわからないものの、じっと観察していました。私がゴルフボールを置いて離れると、再び戻って取ろうとします。ただ、別の人が通りがかったため、再び退散。その後もう一度同じやり取りをしたところで私は立ち去っており、その後は不明ですが、かなりゴルフボールに執着している様子でした。


●太陽光パネルに石を落すのも「遊び」で一部のカラスだけがやる

2022/06/20追記:カラスの遊びに関する別の記事も見つけたので紹介。<第22回>「カラスが太陽光パネルに石を落すのは、遊びの一種」、宇都宮大・杉田教授 | 日経クロステック(xTECH)(金子 憲治,加藤 伸一 日経BPクリーンテック研究所 2014.09.16)という記事で、太陽光発電ビジネスの関連みたいですね。

<メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設時や運用時に生じるトラブルの一つに、「カラスが太陽光パネルの上に石を落とし、パネルのカバーガラスを割って破損させる」ことがある。カラスはなぜ、太陽光パネルの上に石を落すのか、こうした被害を抑制する有効な手段はあるのか、カラスの生態や人間社会とのかかわりに詳しい、宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授に聞いた>
杉田昭栄教授「(引用者注:「カラスはなぜ、太陽光パネルの上に石を落すのか」という質問に)遊びの一つだと考えられる。石に限らず、ゴルフボールなど、いろいろなものを咥えて飛び、上空から落とすといった遊びをすることは、よく知られている。
 上空から落とすだけでなく、地面に落下する直前に、さっと咥えてまた飛んで行く遊びもする」

 遊び方が異なりますが、ちょうどゴルフボールの話も出ていますね。それから、以下のように、遊び同様に「一部の地域の、さらに一部のカラスだけに見られる習性」についても言及していました。これはやはり遊びと同様に、本来の習性ではなく、偶発的に学習したものと考えられます。

杉田昭栄教授「また、一部の地域の、さらに一部のカラスだけに見られる習性として、貝を咥えて飛び、上空から落とし、地面に落下させて、貝を割って身を食べる行動がある。
 同じように、道路上にクルミを置いて、走行する自動車に割らせて食べるカラスが仙台で確認されている。クルミがタイヤの位置から外れて失敗すると、置きなおして次に走ってくる自動車を待つ。遡上中のアユを捕獲するカラスもいる」

 カラスには、上記のような行動をする習性はないとのこと。このため、何かの拍子に覚えて、周辺の何羽かが真似したと考えられています。ただし、こうした行動は、主に親子間で引き継がれているもので、同じ地域のカラスであっても、すべてのカラスが取る行動ではないことも指摘されていました。

杉田昭栄教授「カラスは行動の模倣も得意なので、目撃したカラスが模倣して広まっていくこともあるが、その範囲は限定的だろう。広まるのは、比較的賢いカラスのみにとどまる。周辺の何百羽のカラスが、一様に真似して石を落とし始めるといったことは、まずあり得ない。
 太陽光パネルに石を落すのも、こうした行動の一環で、遊びの一つだとみている」

 幸い太陽光パネルに石を落とす行動は、今のところ一定期間で終わる例しか聞いたことがないそう。「カラスにとって、それほど魅力ではなく、飽きると止めるレベルの行動なのだろう」との予想です。また、メガソーラーは今までなかった施設のために、「見慣れるまで好奇心で遊んでいるのかもしれない」ともしていました。


●遊びが多多様…フリスビーを咥えて高いところから飛ばすことも!

 おもしろかったのが、物体を配置する方角によって、カラスが興味を持つ度合いが変わるという話。太陽光発電の場合、太陽の向きを考慮して設置すると考えられるために対策が難しそうなのですが、送電用などの鉄塔では、方角に基づいたカラス対策が取られているというのです。

杉田昭栄教授「カラスは送電用の鉄塔に巣を作ることがあり、それが停電の原因にならないように、対策が取られている。具体的には、鉄塔の四つの脚のうち、南向きの脚に、保護用具を取り付けてある。
 南向きの脚にしか取り付けないのは、カラスが巣を作るのは、日当たりが良い南側だけに限られるからだ」
「日当たりが良いことに加えて、近くに大きな河川や、畜舎があるなど、カラスが好む条件が揃った場所に、太陽光パネルを設置すると、石を落される被害に遭う確率が高くなるのかもしれない」

 また、人間にとって問題がある遊びとしては、線路沿いの石を、レールの上に乗せる「鉄道の線路への置き石」。「意図はわからず、並べることに興味があるだけのようだ」としており、電車に踏ませるためではない模様です。さらに、次のような別の遊びの話も出ており、本当に多くの遊びを行うようでした。

「カラスの遊びは、このほかにも、冬に池の表面が凍れば、上空から石を落して割ったり、滑り台や雪の表面を滑ってみたり、フリスビーを咥えて、高いところから飛ばしたり、とにかく多様である。(中略)昔からいろいろな遊びをしてきたことが知られていて、古典文学にもそうした例が登場する」


【関連投稿】
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