「ロシアはロシア人のものであるべきだ」という質問に関するクイズから。ソ連時代との比較なのですが、ソビエト体制でのロシア連邦共和国という意味なのか、ロシア=ソ連なのかはよくわかりませんでした。
【クイズ】「ロシアはロシア人のものであるべきだ」と答えた人が多かったのは、ソ連崩壊直前の1991年と2009年どちらでしょう?
●「インターネット」がナショナリズムを強くしている?
元記事は、
「インターネット」こそがナショナリズムと宗教対立をもたらしたのか|シフト 2035年の未来|ダイヤモンド・オンライン(2015年12月25日 マシュー・バロウズ,藤原朝子 [学習院女子大学] )というもの。
ただ、タイトルにあるのに、インターネットに関する話は最初でちょっと出てくるだけでした。
中国で最もインターネットの利用者が多い30歳以下の若者は、「きわめて愛国主義的な見方を持ちつつある」と、ランド研究所は指摘している。
しかも、ほぼ100%日本語情報にしか触れていない日本人にとっては、この後あった「……中国のインターネットユーザーが目にする情報のうち、外国語の情報は20%強しかない」もピンと来ない話だと思います。
●「自国の文化は他国より優れている」国だらけという矛盾
そもそも文化に優劣があるのか?という疑問もありますが、とりあえず、それは置いておくとして、自国の文化の優劣に関する調査があったそうです。
結果は、多数の国において「自国の文化は他国より優れている」と考えているというものになりました。しかし、多くの国が他国に優れているなんてことが同時に成立することはあり得ません。つまり、根拠なく「自国の文化は他国より優れている」と考えているということになります。
これは
ナショナリズムといじめの親和性 内集団バイアスが生む「戦争」で出てきた子どもたちの実験の話とよく似ています。そこでも彼らは自分たちのグループの方が優れていると、根拠もなく信じていたのです。このことは以前のものでは、「内集団バイアス」のせいだと説明されていました。
ピューの調査では、多くの国で道徳的・文化的な優越意識が見られた。2013年の調査では、アメリカ、東ヨーロッパ、そしてアフリカとアジアと中米のほとんどで、回答者の半分以上が、自国の文化はよその国の文化よりも優れていると考えていた。
●自国の文化は他国より優れていると考える人が多い国の特徴は?
おもしろいのは、こういった自信あり過ぎな国にある程度特徴が見られることです。何か韓国も途上国扱いされていましたが、途上国で多い傾向があるんだそうです。
この意識は特に途上国で強い。インドネシアと韓国では回答者の90%が、インドでは80%以上が、自国の文化の優位を信じている。
ただ、これは単純に途上国で強いというものでなく、当然民族的な問題もあります。日本の結果が載っていないのでわかりませんが、韓国同様多民族性が弱いので結構高いかもしれません。
一方、サハラ以南のアフリカなど途上国と脆弱な国の多くでは、資源の欠乏や気候変動の結果、部族や民族間の対立が激しくなるなど、アイデンティティによる分断が顕著になっている。
あと、
ネトウヨは40代や50代以上の中高年が中心で、人数も影響力もないで出てきた評論家の古谷経衡さんの話も思い出しました。
・中国の大国化や日本経済の落ち込みで自信がない。「日本は強い」「日本は素晴らしい」といった言葉は、自信のなさの裏返し。本当に強い国はそんなこと言わない。
(
「日本大好き」な保守系の国民は本当に増えているのか?|News&Analysis|ダイヤモンド・オンライン(宮崎智之 [フリーライター] 2015年10月2日)で出てきた発言の要約)
●ロシアの場合は経済発展でむしろ保守化
「他国より優れている」とは異なる話ですが、ここで最初のクイズで出したロシア人の話に。ロシア人は経済発展した現代の方が、むしろ保守的になっているようです。
【クイズ】「ロシアはロシア人のものであるべきだ」と答えた人が多かったのは、ソ連崩壊直前の1991年と2009年どちらでしょう?
【答え】2009年
2012年のピューの調査によると、「ロシア人の約半分が、ロシアはロシア人だけのものであるべきだと考えていて、反対意見は40%だった」。2009年の調査でも、54%が「ロシアはロシア人のものであるべきだ」と答えるなど、ロシア人は愛国主義的な傾向がある。しかしソ連が断末魔の苦しみにあった1991年、「ロシアはロシア人だけのものだ」という考えに反対する人は69%もいて、賛成は26%しかなかった。
●都市化や生活の改善は宗教対立を悪化させるのか良化させるのか?
記事では、宗教に関する部分が特に理解し難いものがありました。まず、都市化はむしろ宗教的アイデンティティを高めるとしていました。
宗教的アイデンティティが強まった背景には人口の都市化がある。農村部の住民にとって、都市への移住は生活を改善する手っ取り早い方法だ。(中略)
人口の都市化は、宗教団体が提供する社会サービスの需要を高める。イスラム教やキリスト教の団体は、こうした活動を通じて結束と影響力を強めてきた。
そうであるならば、生活が向上するほど宗教対立が激しくなると考えられる気がします。ところが、逆に記事では楽観視しているのです。
こうした移住者も中間層として同じような関心や懸念を持つようになれば、宗教による対立の一部は解消されるだろう。2012年にEUが世界の中間層を調べたところ、「5人に4人が、現実的な統治システムとして民主主義が最も優れていると考えている」ことがわかった。
ここらへんがよくわかりませんでした。うーん、宗教対立を激しくする要素があるが、それ以上にやわらげる働きが大きいということですかね?
とりあえずデータを見ると、リベラル化しているというのが事実のようです。
2009年にピューの調査では、世界13カ国(チリ、ウクライナ、ロシア、ベネズエラ、ポーランド、南アフリカ、マレーシア、メキシコ、ブラジル、エジプト、アルゼンチン、インド、ブルガリア)の中間層が個人の自由を重視するようになり、男女差別に対する意識が高まっていることがわかった。
あれ?でも、よく見ると、「ロシアはロシア人のものであるべきだ」のロシアがここに入っていますね。個人の自由を重視するなら、ロシア人以外の人のことも認めてあげればいいのに…。
おもしろい話がいっぱいあったものの、理解できない部分も結構多かった記事でした。
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