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サージスフィアのイベルメクチン・ヒドロキシクロロキン論文撤回、新型コロナウイルスの効果を調査した研究


2020/06/11:
●新型コロナウイルスにアビガン有効の中国論文以外も次々と撤回
●ヒドロキシクロロキンの論文も撤回、米サージスフィア社が関与
●ノーベル賞の大村智さんが発見したイベルメクチン論文も撤回
●今は緊急時なのだからスピード重視で…が招いた論文撤回か?
●サージスフィア社がやばい!最悪の場合は全データ捏造の可能性も


●新型コロナウイルスにアビガン有効の中国論文以外も次々と撤回

2020/06/11:うちでは、新型コロナウイルスにアビガン有効という中国論文、撤回になる 開発者の白木公康氏はすごいと強調という話をやっています。この撤回について、「中国は間違いがあったときに認めずに隠す」という批判が出ていました。

 ただ、そちらでも書いたように論文の撤回は残念ながらよくあることですし、撤回することよりも「問題があるのに認めずに撤回しないこと」の方が困ってしまいます。もちろん論文に何の問題がないことがベストなのですけど、問題論文を撤回せずに放置するよりはベターだと言えるでしょう。

 で、新型コロナウイルス関連では、中国アビガン論文以外でも撤回が相次いでいます。中国論文については撤回理由がわからないという、これもまたよくあることらしいことが起きていたのですが、今回紹介する他の論文については撤回の理由が報道されていました。当然、悪い理由なのですけど、特に問題が大きい理由のようでした。


●ヒドロキシクロロキンの論文も撤回、米サージスフィア社が関与

 まず、抗マラリア薬の危険性指摘した論文撤回 新型コロナ治療の研究に疑義 米企業関与 毎日新聞2020年6月5日 11時10分(最終更新 6月5日 20時20分)という記事から。タイトルになっている抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンは今のところ、新型ウイルスの治療に有効だという明確な効果を示す研究結果は示されていません。

 記事タイトルでわかるように、問題の撤回論文も有効性を示したものではないもの。米ハーバード大ブリガム・アンド・ウィメンズ病院などの研究チームが、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンが新型ウイルスの治療に有効かどうかを検証した論文で、むしろ危険な可能性を示した論文でした。

<5月22日付の英医学誌ランセットに掲載された。世界の671病院で治療を受けた約9万6000人の患者データを分析した結果、ウイルスへの有効性は確認できず、心臓への悪影響や死亡リスクが高まる可能性が示唆されたとした>

 ところが、論文発表から約1週間後、世界各地の医師や統計学者ら約200人が、患者データに関する詳細な情報開示がないことを疑問視します。データが出てこなかったというのは、ネイチャーに載ったSTAP細胞論文でも当初疑問視されたところでしたね。

 この論文に絡んでいたのは、米シカゴに拠点を置くデータ分析企業「サージスフィア社」。サージスフィア社は第三者の調査に対して元データの提供を拒んでいるという極めて怪しい対応をしました。上記以外の別の有名医学誌に載ったもう1つの論文を含めて、患者データの信頼性が保証できなくなったという理由で撤回されたといいます。


●ノーベル賞の大村智さんが発見したイベルメクチン論文も撤回

 別記事のコロナ治療薬研究でデータ収集会社に疑義、論文3本取り下げ - 論座 - 朝日新聞社の言論サイト(高橋真理子 朝日新聞 科学コーディネーター 2020年06月10日)によると、撤回論文は3つに増加。会社が怪しいので、ひょっとしたらまだまだ増えるかもしれません。

 ノーベル賞の大村智さんが発見した河川盲目症(オンコセルカ症)の薬「イベルメクチン」が新型コロナにも劇的に効く可能性があると世界で初めて示した論文も取り下げられたとのこと。イベルメクチンはすごい効果のように見えて一番期待していたのですが、データがおかしかったというオチみたいですね。考えてみると、あまりにも不自然なほどの効果だったかもしれません。ここは私の反省が必要なところです。

 この論文もやはりサージスフィア絡み。今回撤回された3本とも米国の会社サージスフィアが提供した電子カルテのデータベースをもとに書かれた論文だったといいます。また、いずれもの撤回も、論文に使われたデータの正しさが確認できなかったという理由。こういう最も基本的なところでおかしいとなると、お手上げですね。かなり痛いです。


●今は緊急時なのだからスピード重視で…が招いた論文撤回か?

 ただし、STAP細胞論文でもネイチャーの査読やデータ提出を後回しにしたことが問題視されたように、学術誌側の問題点も指摘されています。ただい、イベルメクチン論文の場合はちょっと違っていて、もともと査読なしで、信頼度も注目度も低かったとのこと。これは、査読なし雑誌はやはり普通にダメ…という話になります。

 ところが、前述のランセットやもう一つのニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)は、査読がある大御所学術誌。このような査読付き論文誌の査読が、新型コロナウイルスについてはスピード重視なのか、相当ずさんであったこともあらわになったとされていました。

 今、「緊急時だから」と言って、薬の認可など、皆さんこういうスピード化を正当化していますが、本来は全然良くないんですよ。時間をかけて調べているのはサボっているわけじゃないんです。下手したら、逆に患者を殺す危険な薬を認可して、死者を増やすということにすらなりかねません。科学的根拠は緊急時でも重視せねばいけないのです。

 とはいえ、作者の高橋真理子さんは、3本目の論文発表から取り下げまで約2週間というスピードは「良かった」と言うべきかもしれないとしていました。本来デタラメ論文を公開するのは問題なのですけど、アビガン中国論文でも書いたように私も「撤回しない」よりはベターだったとは思います。


●サージスフィア社がやばい!最悪の場合は全データ捏造の可能性も

 さて、問題の企業サージスフィアですが、こうしてゴタゴタが発生した後に見てみると胡散臭すぎる会社でした。2008年に設立された会社で、従業員はわずか11人。サイトにはご立派な理念などは書かれているものの、提携病院の名前のような重要な情報はありません。

 かつてはミネソタ大学やスタンフォード大学の名前が協力者として同社サイトに出ていたともされています。しかし、大学側が関係を否定し、以後サイトから削除されたといいます。この削除のあった時期は、今回の騒動より前の話か後の話かかは書かれていませんでしたが、とりあえず、でっち上げだったんでしょうね。

 さらに驚きなのが、『The Scientist』誌が新型コロナ患者を多数診た米国の医療機関グループに当たってみたところ、サージスフィア社に患者データを提供したというところは1つも見つからなかったとのこと。もともと疑問視されたのは、データがツッコミどころだらけであったためであり、最悪「全部捏造」という可能性すらありそうな感じ。研究不正史に残る大事件に発展するかもしれません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■新型コロナウイルスにアビガン有効という中国論文、撤回になる 開発者の白木公康氏はすごいと強調

【関連投稿】
  ■ワクチンができれば新型コロナウイルス問題が解決という嘘
  ■実を言うとコロナウイルスは普通の風邪の原因 どういうこと?
  ■日本では毎年インフルエンザに1000万人感染し1万人死亡って本当?
  ■インフルエンザは冬に流行、なぜ?新型コロナウイルスが夏でも終息しない可能性がある理由
  ■医療・病気・身体についての投稿まとめ

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