セクハラでの勘違いに関する話をまとめ。<ビジネス的な愛想を男性は誤解する…疑似恋愛型ハラスメントの例>、<女性ははっきり断れない メンツをたてる気配りを男性が勘違い>、<誤解だったら大問題!もう社内恋愛は禁止するしかないのか?>、<恋愛でも不正行為として懲戒処分…医者と患者の行為は違法だった!>などをまとめています。
2023/05/15:
一部見直し
●ビジネス的な愛想を男性は誤解する…疑似恋愛型ハラスメントの例
2016/1/31:日本経済新聞社が2016年11月中旬に、日経ウーマノミクスの女性会員に「上司や取引先が交際を迫ることはないか」聞いたところ、「ある」と答えた人は有効回答数(333)の27%もありました。非常に多いんです。3人に1人と考えると、多すぎじゃないかと感じます。すごいですね。
例えば、メーカー勤務の33歳の女性。数年前、取引先との飲み会で「なぜそうなるのかと、ただただ驚いた」というセクハラに遭いました。「送っていく」と言われ不思議に思いながらもタクシーに同乗すると、男性が突然「君んち行っていい?」と言い出したのたです。女性は「いやいやいや」と濁し、何とか事なきを得たといいます。
食事は先方からも自社からも複数人が参加したもので、当然プライベートなものではありません。「仕事だったので笑顔で話をよく聞き、お酒を飲んだ」もので、ビジネスであり泥酔などもしていませんでした。女性には全く覚えがないもので、当時はなぜ家に来るという話だったのか本気で不思議に思っていたようです。
しかし、その後セクハラに関して調べるうちに、ビジネス的に「愛想良くした」ことを、「好意があり誘っても嫌がらない」と捉えられたのだと気づいたといいます。女性は「普通」にビジネス的に接しているだけなのに、男性側が「こいつ、俺に気があるんだな」と勝手に勘違いしてしまうケースが結構あるようなのです。
(
俺に気がある? 疑似恋愛型セクハラに気をつけて :日本経済新聞 2015/11/28付 より)
●女性ははっきり断れない メンツをたてる気配りを男性が勘違い
日経新聞の調査では、女性が上司や取引先から食事などに誘われた際に、断り方に神経をすり減らしている様子もわかりました。「特に日本の女性は子どもの頃から、人として感じよくすることをたたき込まれている」と、大阪大学大学院の牟田和恵教授は指摘しています。
海外の女性と違って、日本の女性は相手に気配りするとのこと。これぞ大和撫子であり、世界に誇るべき日本の文化でしょうか? ただし、こうして"相手のメンツをつぶさない女性の気配り"を行うことで、勘違いを呼んでしまい「全く前触れがないのにいきなり告白される」というストーカーを連想するような怖い事態が発生するわけです。
なお、女性がはっきり断れないというのは、実際には日本だけではなさげ。米国の研究ですら<女性は望まない性的な誘いに対して「逆らわずにいる」が、無視することで拒否の意図を伝えようとするとわかっている。そのため態度が曖昧になり、男性は「じらしている」などと勘違いする可能性がある>といったものがあるとのこと。日本はなおさら危ないかもしれません。
●「誤解させる女性が悪い」性犯罪に対しても多数の男性が擁護
そうじゃなくても男性は、都合良く勘違いしやすい気がします。
夫婦間での強姦(レイプ)は成立するのか?とドメスティックバイオレンスで使った以下の話も、勝手に合意があったと男性が勘違いしたもの。しかも、2ちゃんねるでは、男性への擁護が多数。男性側に都合よく脳内変換されてしまうようです。
<大阪府の男性職員が先月、路上に止めた車の中で20代の女性にわいせつな行為をしたとして逮捕されました。2人はお見合いパーティーで知り合い、その日が初めてのデートだったということです。(中略)
警察によりますと、福原容疑者と女性は6月末にお見合いパーティーで知り合い、当日が初めてのデートだったということです。女性は「いきなり襲われた」と話していて、抵抗して車から逃げ出し、その日のうちに警察に被害届を出しました。>
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE120816163500600340.shtml
●誤解だったら大問題!もう社内恋愛は禁止するしかないのか?
セクハラの話に戻りますが、先輩への尊敬や上司へのお世辞なども勘違いすることになりそうです。特に日本では男女平等が進んでいないため男性の上司・女性の部下というケースが多く、前述の女性の断り方と合わさって、疑似恋愛型セクハラの例を増やしているのだと思われます。
では、社内恋愛は禁忌なのでしょうか? 実を言うと、冒頭でも出てきた山田秀雄弁護士は、「トラブルになる覚悟があるならば部下に恋をしてもいい。でも、どんな場合でも相手の労働環境を悪化させないと肝に銘じなければいけない」として、実際にそれに近いことをおっしゃっていました。
会社での立場がありますので、部下の女性がはっきり断ったら断ったで、今度はぎくしゃくしたり報復されたりなど、後々に支障が出る…といったことにもなりやすいですからね。だからこそ女性ははっきり拒否を言い出しづらいということで、これはまた、断り方の問題に戻ってきてしまいます。どう転んでも問題になってしまう可能性が高いのです。
…最初に書いたときはここで終わっていましたが、そういえばもう一つ思い出しました。
北米トヨタ自動車セクハラ、トラブル把握も放置し黙認状態にという事件がありましたね。これは勘違いじゃなくて故意だと思うものの、上司が立場を利用して部下に強要という形になっており、問題あるという事例としては好例です。
●恋愛でも不正行為として懲戒処分…医者と患者の行為は違法だった!
2019/12/15追記:社内恋愛は禁止なのか?という問題について、めちゃくちゃ参考になる話が、
転移性恋愛 - Wikipediaという予想外の話題のところに載っていて驚きました。
まず、「転移性恋愛」というのは、患者が転移の結果として治療者に恋愛感情を抱くこと。そして、これ自体はモラルの問題すら超えて法律違反だとのこと。、医療倫理違反のみならず法律違反ともなるそうです。アメリカの場合、「患者・医師関係と同時期に起こる性的接触は、不正行為(違法行為)に相当するといいます。
なぜダメなのか?という説明は、上司と部下、あるいは、取引先との関係と似ていますね。患者の弱い立場が悪用される可能性があるからとされていました。それだけでなく、医師の客観的な判断を鈍らせる可能性も指摘。ニューヨーク州では、互いの同意で始まった付き合いでも、その事実が露見すれば、不正行為として懲戒処分をうけるそうです。
さらに、看護師と患者の恋愛についても同様で、犯罪行為とされているとされていました。海外のあるガイドラインでは、「患者」対「看護師」という時点で不公平な力関係が生じ、患者は看護師に対し脆弱で言いなりにされるがままの弱い立場に置かれるとされています。
これらは飽くまで医療関係という特殊なところ。ただ、前述の通り、上司と部下、あるいは、取引先との関係でも立場の強さの違い、不公平な力関係が生じて、同じような危険性が考えられます。参考になる話だと感じました。
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