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特殊詐欺の受け子はリスク高い 逮捕されても起訴されないはデマ


 「特殊詐欺の受け子はリスク高い 逮捕されても起訴されないはデマ」という話の他、「むしろ未成年が主流?特殊詐欺の逮捕者に占める少年の割合に驚き!」という話をやっています。あと、最初のクイズは特殊詐欺ではないものの、詐欺に関わる話ということで、詐欺の一つである催眠商法からの出題です。


【クイズ】催眠商法の説明として正しいものはどれでしょう?

(1)出会い系サイトで虚偽の異性になりすまして現金を要求したり、高額なポイント等を購入させ現金をだまし取る。
(2)無料プレゼントや安価な生活必需品の販売を餌に客を集め、購買意欲を高めた上で高価な商品をお得だと見せかけて売り付ける。
(3)「パチンコ攻略法」や宝くじの「当たり番号情報」、「競馬必勝情報」などで虚偽の情報を提供し現金を振り込ませる。


冒頭に追記
2022/01/20追記:
●AIが不審電話を検知し警察出動…逮捕してみたら中学生だった! 【NEW】


●AIが不審電話を検知し警察出動…逮捕してみたら中学生だった!

2022/01/20追記:「中学生が!」と衝撃を受ける人が続出していた詐欺未遂容疑で「受け子」の中学生逮捕 AIが不審電話を検知 毎日新聞 2022/1/18 15:33というニュース。ただ、もともとこちらで書いていた話でやっているように、未成年者が特殊詐欺に占める割合は高く、もはや意外ではないのかもしれません。

<東京都品川区の高齢女性から現金をだまし取ろうとしたとして、警視庁荏原署は18日、埼玉県草加市の中学3年の少年(14)を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕したと発表した。少年は現金などを回収する「受け子」で、「指示役に誘われた」と容疑を認めているという>

 この件は日本ではまだ珍しいAIの活用事例としても注目できそうです。被害女性宅の電話機には、人工知能(AI)を使って通話内容を解析する機器が設置されていたとのこと。品川区は2021年8月から、高齢者宅などを対象に同機器の設置費用を全額補助しており、現在、約50世帯に設置されているんだそうです。

 今回の嘘の電話の内容は「大事な書類をなくして取引先が怒っており、現金が必要」といったもの。特殊詐欺の疑いがあるとして機器からメールで通知があった品川区役所の担当者が通報し、現金の受け渡し場所として指定された公園近くで張り込んでいた警察官が少年を取り押さえたそうです。


●特殊詐欺の受け子はリスク高い 逮捕されても起訴されないはデマ

2016/2/1:受け子というのは、詐欺グループが電話をかけた相手から直接現金を受け取る役割をする人のことです。「リスクが低いからやる」っていうのも問題なのですが、振り込め詐欺やおれおれ詐欺で、「捕まっても起訴されない」などと誘われて受け子になるケースがあるといいます。確かに主犯ではなく、大丈夫だと思うかもしれません。

 ところが、これは詐欺グループのついた嘘だった模様。相手は詐欺師なのですから、言っていることが信頼できないというのも当然ですけどね。受け子、否認でも7割起訴=「罪免れる」誘いはデマ―特殊詐欺、警察庁分析 時事通信 / 2016年2月1日 5時43分という記事を読むと、これがわかります。

 警察庁が、2015年1~8月に詐欺容疑などで逮捕した受け子のうち、家裁送致となる少年を除く563人を調査ししました。逮捕段階で大半が「詳しいことは分からない」「金とは知らなかった」などと否認したものの、最終的に563人中430人が起訴されていました。起訴率は76.4%ですね。否認しても起訴されるのです。

 これは過去10年間の詐欺全体の平均60.9%よりも、約15ポイントも高い数字でした。つまり、むしろ普通の詐欺よりも、特殊詐欺の受け子の方が起訴されやすいってことなんでしょうね。受け子は「捕まっても起訴されない」どころか、普通に詐欺やっている人よりも起訴されやすいようです。さすがにこれは驚きですね。


●女子中学生など未成年者も受け子で犯罪加担が増えている理由とは?

 上記の調査は「少年を除く」とありました。つまり、未成年者も受け子になることがあるということ。未成年者も危険に巻き込まれる可能性があるのです。犯罪だとわからずに誘われるケースもあり、油断できません。読者の方に未成年者は少ないでしょうが、身近に未成年者がいるという人なら多いでしょう。注意が必要なのです。

 これには、特殊詐欺のトレンド変化が関係しています。特殊詐欺におけるカネの受け渡しが大きく変わり、銀行振り込みではなく、最近は手渡しや郵送が増えている…という変化が起きていました。ATM(現金自動預け払い機)の振り込み金額に制限がかかり、銀行窓口でも注意喚起されるようになり、口座封鎖も行われるためです。

 今までは電話のみで相手に会うこともなく、カネを手に入れるという、犯罪者にとっては安全であるからこそ、類似犯が増加しました。一方、現在はかなりリスクが高まったと言えます。そこで詐欺師側が安全性を増やそうと考えたのが「受け子」と呼ばれる受け渡しの人間を加えることでした。

 つまり、詐欺師は受け子にリスクを背負わせることで、自分たちのリスクを下げているわけですね。これによって、大学生どころか中学生までもが摘発されるようなことになりました。自分たちが何をしているか分かってやっていた事例の他、アルバイトのつもりでやったケースも増えているといいます。割のいいバイトがあるからやらないか、と誘われるのだとのことです。
(女子中学生がバイト感覚で「受け子」になり、振り込め詐欺で現金を詐取 | SAFETY JAPAN [セーフティー・ジャパン] | 日経BP社より)


●騙されるのは高齢者…と思いきや、騙されるだけじゃなく騙す方にも

 こういった特殊詐欺では、高齢者が被害者になることが多いです。しかし、被害者側ではなく加害者側である受け子の方で、高齢者が参加する事例が出現しているというニュースもありました。「受け取り役」は高齢者…特殊詐欺に新たな手口 読売新聞1月26日(火)8時10分という記事が出ています。

<犯行グループが高齢の被害者に対し、事情を知らない別の高齢者の自宅に現金を送らせて回収する新たな特殊詐欺の手口が出始めている。(中略)大阪府警が昨年10月に摘発したグループの手口では、大阪府八尾市の80歳代の被害女性が詐取され、横浜市の同年代の女性が「受け取り役」となっていた。
 グループは昨年6〜8月、2人に対し、東日本大震災の復興支援のNPO関係者を装って電話をかけ、仮設住宅購入のための名義貸しを依頼。了承を得ると、今度は別の人物が2人に「名義貸しは犯罪。逮捕されないためには金がいる」と電話で脅し、横浜市の女性に「助けてくれる人がいる。送られてくる荷物を受け取れ」、八尾市の女性には横浜市の女性宅に「900万円を宅配便で送れ」とそれぞれ指示したという>

 アルバイトではありませんが、以前、就職先が悪徳商法・詐欺会社だったら?あなたに責任、逮捕も免れずというのを書いています。また、麻薬の運び屋をやらされてしまったというケースもありますし、この場合、中国のような麻薬に対して厳しい国だと死刑になる可能性も…。よく知らない仕事をしてしまうというのは、それだけでリスクだと言えますね。どんな仕事なのかよく把握しないといけません。

 今回の話とはあんまり関係ないのですが、政治家でよくある「秘書がやったことなので知りません」みたいなのも、言い訳ではなく本気なら同様に問題でしょう。だって秘書の仕業でも、政治家本人への影響は甚大ですからね。本来なら政治家が厳しく見ないといけないのですが、なぜか皆さん秘書が不正しやすくしているかのように全くチェックしていません。


●特殊詐欺以外もヤバイ!催眠商法、訪問販売、キャッチセールスにも注意

 最初のクイズの話。催眠商法以外は、今回のメインである特殊詐欺の説明でした。


【クイズ】催眠商法の説明として正しいものはどれでしょう?

(1)出会い系サイトで虚偽の異性になりすまして現金を要求したり、高額なポイント等を購入させ現金をだまし取る。
(2)無料プレゼントや安価な生活必需品の販売を餌に客を集め、購買意欲を高めた上で高価な商品をお得だと見せかけて売り付ける。
(3)「パチンコ攻略法」や宝くじの「当たり番号情報」、「競馬必勝情報」などで虚偽の情報を提供し現金を振り込ませる。

【答え】(2)無料プレゼントや安価な生活必需品の販売を餌に客を集め、購買意欲を高めた上で高価な商品をお得だと見せかけて売り付ける。


 選択肢の(1)と(3)が特殊詐欺であり、それぞれ異性との交際あっせん名目の詐欺(紹介します詐欺)、ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺(もうかります詐欺)という、そのまんまの名前で呼ばれていました。特殊詐欺はこのように直接対面しないものですが、催眠商法、訪問販売、キャッチセールスのように直接対面するものでももちろん注意が必要です。


●むしろ未成年が主流?特殊詐欺の逮捕者に占める少年の割合に驚き!

2018/07/29:特殊詐欺の逮捕者に占める少年の割合がその後さらに増加しているとのこと。警視庁の2018年1~6月期の特殊詐欺事件逮捕者は446人で、このうち少年(14~19歳)が141人となんと31.6%を占めています。近年、少年は20%前後で推移してきたというのも十分驚きなのですけど、2018年は特に多いみたいですね。もはや主流と言って良さそうな感じです。

 逮捕された少年の大半は、やはり「受け子」と呼ばれる現金の受け取り役でした。友人や先輩から「簡単に稼げる」などと勧誘されているケースが多いとのこと。組織内では他人や架空名義で契約した「飛ばし携帯」や、履歴消去機能のある通信アプリが使用され、少年らはリーダー格の顔も知らずに犯行を重ねているといいます。

 また、一度関わると抜け出すのは難しいという問題も発生。詐欺集団が少年らの財布や身分証などを取り上げることもあるためです。警視庁は「ぼこぼこにされた」「関わっただけで人生だめにする」など、特殊詐欺で逮捕された少年の生々しい証言を収めたDVDも制作。背後には暴力団などがいるとされていました。
(特殊詐欺、少年が急増=バイト感覚、逮捕の3割超―夏休み迎え警戒・警視庁 時事通信 / 2018年7月28日 5時54分より)


【本文中でリンクした投稿】
  ■就職先が悪徳商法・詐欺会社だったら?あなたに責任、逮捕も免れず

【関連投稿】
  ■ねずみ講って何ですか?マルチ商法被害者に被害者の意識はない
  ■時計詐欺・腕時計詐欺のしくみ 「高級腕時計あげる」に注意、詐欺罪・恐喝罪は不成立
  ■高齢者を狙う卑劣な詐欺の被害増加 認知症の老人などへの対策は?
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  ■日本の法律は甘すぎる、犯罪者にはもっと厳罰を! 道徳による犯罪防止の限界
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