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自民党の重鎮・甘利明氏が疑惑議員に苦言「当事者が説明責任を」


2020/02/26:
●自民党の重鎮・甘利明氏が疑惑議員に苦言「当事者が説明責任を」
2021/10/22追記:
●甘利明議員秘書「大臣もこの案件については知っている」との音声 【NEW】
2016/2/2:
●甘利明氏の辞任は立派だった?潔い、現代の武士、矜持見せたなど
●口利きとしか思えない証言が都市再生機構から登場
●擁護者らは「色を付ける」の意味を辞書で調べるべき
●自民党擁護の高橋洋一教授すら「典型的な口利き」と認める
●告発者がクロでも甘利明氏の不正は軽くならない
●本来右翼団体在籍者と会うこと自体問題では?
●「あっせん利得処罰法」の契機となった事件も自民党&暴力団コンビ
●高井康行弁護士は「甘利氏、秘書ともに逮捕はあり得ない」
●あっせん利得罪なら甘利議員は3年以下の懲役、秘書は2年以下の懲役
●郷原信郎弁護士「絵に描いたようなあっせん利得」
●落合洋司弁護士も「口利き依頼だと認識できない」は無理ありすぎという指摘


●自民党の重鎮・甘利明氏が疑惑議員に苦言「当事者が説明責任を」

2020/02/26:甘利明さんに関する比較的最近の話題を紹介するついでに、過去の投稿をまとめました。その比較的最近の話題というのは、自民・甘利氏「当事者が説明責任を」 IR汚職めぐり(産経新聞、2020.1.5 12:29)というニュースです。

 検索しても右派の産経新聞しか取り上げていない感じなのですけど、自民党の甘利明税制調査会長は2020年1月5日の、産経新聞と同じグループであるフジテレビ番組で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件にて注文をつけていたそうです。

 政府・与党の今後の対応を問われ、「当事者が説明責任を果たすことと、(IRが日本を)開かれた国にするためのツールだということをしっかりと説明していくことだ」と述べたそうです。後半は疑惑があってもIRを推進しよう!というものですけど、前半は「疑惑のある自民党議員はきちんと説明しなさい」という、自民党重鎮による後輩議員への注文です。

 ただ、甘利明議員自身は、IRならぬURの疑惑において、逃げ回って全く説明責任を果たさなかったために、「お前が言うな!」(おまいう)と言われていました。

<そうだそうだ!睡眠障害を理由にUR献金疑惑の説明責任を果たしてないとか議員辞職しても足りない悪党だ!!>
<政治家というのはやはり面の皮が桁違いに厚くなければできない商売だな>
<今日の「おまいう」(笑)>
<お前がURからの収賄疑惑を説明するのが先だろ!>
<UR汚職で金銭受け取ったくせに追及されたらナントカ障害で姿をくらませ、国会閉会後しれっと復帰し有耶無耶にした人のこの発言が最高に茶番>
<このくらい頭がイカれてないと政治家なんてやれないんだろうな。本当クソ>

 もともと書いていたのは、この甘利明議員のUR疑惑のときのものでした。結局、きちんとした説明がないまま、きれいに逃げられてしまいましたね。


●甘利明議員秘書「大臣もこの案件については知っている」との音声

2021/10/22追記:安倍内閣や菅内閣だけでなく、岸田内閣でも甘利明議員を重用。幹事長となっています。「後で説明する」と言っていたのにも関わらず、全然説明せずに甘利明議員は重職を続けているために、いつまで経ってもこの問題は指摘されてしまいます。このタイミングで、決定的な音声データも出てきました。

<口利きを求める建設業者から甘利明幹事長(72)と秘書が現金を受け取っていた問題で、「事情を全く知らされていない。寝耳に水だった」などとしている甘利氏の説明と異なる音声データがあることが、「週刊文春」の取材でわかった>
(甘利明幹事長「金銭授受」説明に疑問「大臣もこの案件は知っている」秘書“口利き”音声 | 文春オンラインより)

 記事では、現金受け取りの経緯もわかりやすく載っていたので、さらに短くまとめてみます。

(1)URが2013年当時、千葉県で進めていた道路建設を巡り、予定地と隣接する建設会社・S社との間で起きたトラブルで、S社はURに補償を求めるが、交渉はなかなか進展しなかった。
(2)そこで、S社の総務担当者が2013年5月、甘利経済再生担当相(当時)の公設第一秘書(当時)の清島健一氏に相談。S社は3カ月後の2013年8月、URから補償金として約2億2000万円を得ることができる。
(3)甘利氏は、さらに3カ月後2013年11月14日に大臣室で現金50万円を、総務担当者から受け取る。
(4)S社はさらにURに対し、産業廃棄物の撤去を巡り、30億円規模の補償を求める交渉。
(5)2014年2月1日、甘利氏が地元事務所で現金50万円を再びS社のの総務担当者から受け取る。

 ただ、2つ目の交渉はすんなり進展せず、2015年10月5日、甘利事務所がUR総務部の国会担当職員を地元事務所に呼び出し。政策秘書(当時)の鈴木陵允氏がUR職員に圧力をかけています。問題の音声データはさらにこの後の2015年12月7日のものでした。清島秘書はS社の総務担当者に、URとの交渉の様子を以下のように報告しています。

清島秘書「『大臣もこの案件については知っているんで、こっちもちゃんと返事を返さなくちゃいけないんですよ』と言ったら、(事務所内の)大臣のポスター見て、『そりゃすごい…、そりゃすぐやんないと駄目ですね』とか言って」

 なお、甘利明議員が「辞任会見で質問が出尽くすまで答えた」とする説明しているのも嘘。大臣辞任会見には、「週刊文春」記者も出席し、手を挙げ続けたのですが、最後まで指名されることはありませんでした。会見の最後には「次がありますので」という関係者の記者会見を打ち切る音声も残っているそうです。


●甘利明氏の辞任は立派だった?潔い、現代の武士、矜持見せたなど

2016/2/2:甘利明さんの疑惑については、擁護の声が一部で出ています。著名人だと、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊さんが、安倍内閣の経済政策の中心人物であり残念だったと告白。「甘利さん、ある程度の禊が済んだら、戻ってくるべきだ。あなたは日本の政治シーンに必要な人間だ」と呼びかけていたそうです。

 この話は以下の記事からの情報で、ポジティブな反応が他にもいくつか紹介されていましたし、私もネットでそういった反応を見ました。ただ、記事では、ネガティブな反応も紹介していました。
甘利氏に「全く潔い」「現代の『武士』だな」 突然の辞任にネット上では賞賛の声も 2016年 01月29日 19時39分 提供元:J-CASTニュース

もっとも、「しがみついてるのよりは、マシなだけ」「ただ逃げただけじゃん。何が潔いんだよ」「言い方がもう秘書のせいにしてるんだよな」と厳しい指摘も出ていた。また、大臣ばかりでなく、国会議員も辞職すべきだといった声も多かった。(中略)

漫画家の小林よしのりさんは、自らのブログで、「時代劇の悪代官や、現代ドラマの悪徳政治家の行為として、何度も見てきた光景が今も現実に繰り返されている」「政治家の秘書というのも、業者に接待受けたり、業者からのカネを使いこんだり、卑しい奴らだね」と厳しく指摘した。そして、「甘利大臣、ゲスノ極みのカネ余り」と揶揄していた。

●口利きとしか思えない証言が都市再生機構から登場

 確かに政治とカネの問題でスパっと辞めるのは珍しんですが、そもそも今回の疑惑は普段の政治とカネの問題とは次元が違う別格の悪質さでした。そこらへん、マスコミも野党も国民もきちんと理解できていない感じで、嫌になります。

 到底逃げ切るのは不可能である悪いことをやったというのをご本人がわかっていたので、さっさと逃げたというのが正解でしょう。これが口利きじゃなければ、何が口利きか?という話になってきました。以下は告発者側ではなく、口利きを否定しているUR(都市再生機構)から真っ黒な証言が出てきたというところに驚きです。
甘利氏秘書「色を付けてでも」 UR面談、口利き否定 | 中国新聞アルファ甘利氏秘書「色を付けてでも」 UR面談、口利き否定 | 中国新聞アルファ 2016/2/2

 甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題で、都市再生機構(UR)は1日、職員計8人が甘利氏の当時の秘書3人と12回面談した際のやりとりの一部を公表した。総務部長が6回も同席していた。甘利氏側に現金を渡した千葉県の建設会社への補償に関する内容が多く、甘利氏側からの口利きはあらためて否定したが、秘書が「少し色を付けてでも」と補償内容に踏み込んだような発言をした場面もあった。

 東京地検特捜部は、職員への任意の事情聴取に応じるようURに要請。近く聴取し、口利きの有無など違法性について慎重に調べるとみられる。

 URが公表したのは、2013年6月以降に12回あった面談のうち10回分。同席した国会担当職員らが面談後すぐに内容をメモにしていたという。補償交渉の具体的な内容に関わる部分は黒塗りだった。

 15年10月9日、議員会館での4回目の面談で、県道工事に絡む建設会社への移転補償についてUR職員3人が説明。秘書は「少し色を付けてでも地区外に出て行ってもらう方が良いのでは」と提案した。その後に「圧力をかけて金が上がったなどあってはならない」とも述べる一方で「甘利事務所の顔を立ててもらえないか」として、建設会社側とUR本社で会うよう要請した。

●擁護者らは「色を付ける」の意味を辞書で調べるべき

 これでも中瀬弘実総務部長は、「部長が自らこうした面談に同席するのは特異だが、圧力とは感じていない」「(秘書から)補償額の上乗せを示唆するような発言はなかった」と言っていました。

 この部長のために、「色を付ける」の意味を調べてあげましょう。
色を付けるの意味 - 国語辞書 - goo辞書

物事の扱いに情を加える。値引きしたり、割り増ししたりする。「謝礼に―・ける」

 口利きが失敗していてもこのメモがある時点で倫理的には終わりですが、先の記事によれば、実際に建設会社から費用が出ていますので、法的な問題でも引っかかる可能性がありそうです。
URは12年5月と13年8月、建物の移転補償などの名目で、建設会社に計2億円以上を支払った。甘利氏側は、この建設会社から現金を受け取っていた。

●自民党擁護の高橋洋一教授すら「典型的な口利き」と認める

 このメモ公開前の時点ですが、自民党にベッタリの高橋洋一教授すら「典型的な口利き」と指摘していました。
甘利大臣“口利き問題”の背景にある公務員制度改革の抜け穴|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン  高橋洋一 [嘉悦大学教授]【第137回】 2016年1月28日

 甘利経済再生相の進退問題が、今国会で急浮上した。独立行政法人都市再生機構(UR)の補償交渉に関して、建設会社から口利きを依頼され、その謝礼として甘利事務所が現金100万円を受け取っていた、と週刊文春が報じたものだ。これについて「政治資金規正法違反」「あっせん利得処罰法違反」の疑いが生じている。(中略)

 本件が報じられるとおりであれば、まさしく典型的な口利き事例である。

 ただ、高橋教授らしいのは、甘利さんの方は不問であることです。民主党相手だとデマまで流すくせに、自民党相手だと甘いですね。(関連:民主党政権が自殺者を増やしたはデマ、高橋洋一の捏造 逆に低下している)
 本件について、あまりに準備が整いすぎており、政治的に甘利氏がはめられたという意見もある。ただ、本コラムでは、甘利氏の進退などの政局ではなく、口利き問題の背景を探り、その再発防止策を考えたい。

●告発者がクロでも甘利明氏の不正は軽くならない

 とりあえず、倫理的な問題は完璧に真っ黒なわけですが、ゲスの極みだと思ったのは辞任前の自民党関係者の擁護です。

 甘利明の賄賂の告発者は一色武 元稲川会系右翼団体で、薩摩工業が建設会社名という噂でやったように、告発者は右翼団体にいたと言われています。

 その点を強調して、菅義偉官房長官が「その筋の人らしいね」、高村正彦副総裁が「罠を仕掛けられた感がある」、甘利議員が「先方は最初から隠し録音をし、写真を撮ることを目的とした人たち」(URがメモしてたのもハメるためと言い出すんですかね?)と、まるで告発者が悪いから口利きも問題ないかのような言い草。論点ずらしです。

 STAP細胞問題でもしつこく書いていたように、不正を指摘した人がどんな動機であろうが、当人も不正していようが、STAP細胞論文の不正が消えてなくなるわけではありません。指摘した相手にも不正があれば、それも粛々と罰するのみです。

 例えば、告発されて殺人事件の容疑者になった人が「告発者も罪を犯している」と批判した場合に、「じゃあ、殺人事件の罪は不問ね」ってことにはならないでしょう。


●本来右翼団体在籍者と会うこと自体問題では?

 あと、普通は右翼団体関係者と付き合っていたというのは、それだけで問題となり、擁護にはなりません。告発者側の一方的な言い分ですが、甘利明議員の父である甘利正さんの時代からの付き合いだと主張していました。

 甘利明の賄賂の告発者は一色武 元稲川会系右翼団体で、薩摩工業が建設会社名という噂でちらっと書いたように、稲川会は自民党と縁があるところですし、以前は安倍首相の事務所もヤクザに選挙対策を頼んでいました。

 右翼との面会という話でも、高市早苗・稲田朋美が右翼(ネオナチ)と写真といったことが問題視されました。安倍首相なんかは、昔議員会館でヤクザといっしょに写真を撮っています。
安倍晋三氏 逮捕された「山口組の金庫番」と一緒の写真発覚
2012.10.15 07:00 週刊ポスト2012年10月26日号

 都内でも有数の高級住宅地・世田谷区成城――。(中略)奥の応接間に通されると、窓際には1枚の写真が金縁の額に飾られていた。

 豪邸の主が訪れた客人たちに自慢げに見せていた写真。写るのは3人の男性である。

 中央は、政権奪取に邁進する自民党の新総裁、安倍晋三氏だ。向かって左側では白人男性が白い歯を見せて笑っている。(中略)

「米共和党の大物政治家・マイク・ハッカビー氏です。元アーカンソー州知事で、2008年の大統領選に名乗りを上げ大善戦。今年の大統領選にも共和党候補として名前が挙がっていました。キリスト教福音派の牧師というバックボーンから、米保守派では根強い人気がある。ハッカビー氏は4年前に初来日しています」

 写真は、2008年6月のハッカビー氏の来日時に議員会館の安倍事務所内で撮られたものだ。安倍氏が「健康上の問題」を理由に、総理の職を自ら辞して、1年も経っていない頃である。
http://www.news-postseven.com/archives/20121015_149154.html

 そもそも相手が右翼だなんて話は強調するような話ではないわけで、マスコミも国民もころっと騙されてしまいました。情けないですね。

 また、仮に右翼からの賄賂だと不正を問われないのでしたら、政治家は右翼相手ならもらい放題ということになります。そっちの方がよっぽど問題だと思うんですけど…。


●「あっせん利得処罰法」の契機となった事件も自民党&暴力団コンビ

 そもそも「あっせん利得処罰法」を作るきっかけとなったのは、収賄罪で逮捕された自民党の中尾栄一元建設大臣でした。投稿直後に知ったのですが、この件もまさに暴力団の問題でしたので、最後に追記しておきます。
闇社会からの誘惑 - NHK クローズアップ現代 2000年7月18日(火)放送

許永中被告は、日本の裏経済を取り仕切る男、山口組系暴力団の企業舎弟、政界に太いパイプを持つ黒幕等、さまざまに呼ばれてきた。中尾元建設大臣の汚職事件では、許被告が建設会社のトップを操り、政治家・官僚を巻き込んで汚職の舞台を作り上げた。

●高井康行弁護士は「甘利氏、秘書ともに逮捕はあり得ない」

 甘利明議員の逮捕可能性に関する話をいくつか。まず、甘利明議員がかわいそうだという人たちに朗報な問題ないといった意見を紹介。ただ、前述の通り、告発者側でなくUR(都市再生機構)側から口利きを示唆する証拠が出ていることを踏まえていません。また、「権限に基づく影響力があるか」の解釈が、後述の方たちより極端に狭いようです。
甘利氏の金銭授受疑惑、刑事事件の可能性低い…高井康行弁護士 スポーツ報知 / 2016年1月29日 8時0分

 元東京地検特捜部検事で高井康行弁護士は「甘利氏、秘書ともに逮捕はあり得ない」と述べ、刑事事件化する可能性は低いとの見方を示した。(中略)

 政治家は、役人と違って政治資金を受け取ることができます。今回、甘利氏は大臣室及び事務所で計100万円を受け取ったことを認め、「政治資金として処理するよう指示した」と説明しています。この説明通りであるならば罪に問うことは難しいでしょう。また、経済再生担当相としての甘利氏が国交省の所管の都市再生機構(UR)に口利きをするにしても「権限に基づく影響力があるか」と言えば、微妙です。

 ただし、この時点でも秘書には問題ありです。これも口利きを踏まえていませんので、政治資金のテクニカルな問題です。これらの話は秘書と甘利さんで口裏合わせすれば良い話ですから、簡単に逃げることも可能という見本になっちゃいますね。
 問題が残るとすれば、秘書の方です。13年8月に公設秘書に500万円を渡し、甘利氏側の収支報告書には200万円のみが記載され、残り300万円は秘書が使ってしまったとしています。この場合、私的流用した秘書が横領罪に問われる可能性はあるでしょう。その場合、被害届などが出れば、警察が粛々と捜査をして事件は終結します。

●あっせん利得罪なら甘利議員は3年以下の懲役、秘書は2年以下の懲役

 別記事では、法的な話を淡々と書いているものがありました。まず、"担当者が秘書に渡した500万円のうち、300万円が政治資金収支報告書に記載がない"というのは、"政治資金規正法の虚偽記載の疑い"です。ただ、これは軽いものです。

 問題は収賄の方ですね。私が他の投稿で、普通の政治とカネの問題とは次元が違うと書いたのは、こっちの問題であるためです。
甘利大臣に迫るあっせん利得処罰法とは? 政治山 / 2016年1月27日 17時30分

 では、「あっせん利得処罰法」とはどんな法律なのでしょう。

 正式名称は「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」で、2001年3月に施行された比較的新しい法律です。

 2000年6月に元建設大臣(引用者注:自民党の中尾栄一元議員)が受託収賄罪で逮捕・起訴されたことから制定されました。国会議員や地方議員が、国や地方公共団体の公共工事について公務員に影響力を行使した見返りに金品を受け取ることを禁じています。

 以下、法令の話がたくさん出ていたものの、長いのでポイントだけ。

・請託を受けて影響力を行使してあっせんし利益を受けた場合、あっせん利得罪として3年以下の懲役。
・補佐するものによるあっせん利得について2年以下の懲役。

 これ以外に"刑法197条の4にもあっせん収賄の規定"があるそうです。さっきの「あっせん利得処罰法」が"公務員に「適正な職務行為」をさせるか、「不当な行為」をさせないものであっても処罰の対象"に対し、刑法の"あっせん行為については「不正な行為」をさせることが前提"という違いがあるとのこと。


●郷原信郎弁護士「絵に描いたようなあっせん利得」

 上記のものより早い段階の記事ですが、元東京地検特捜部の郷原信郎弁護士は厳しい見方でした。ただし、これも秘書が…であり、甘利議員は逃げ切れそうな感じです。
「甘利大臣に賄賂1200万円」報道ーー郷原弁護士「絵に描いたようなあっせん利得」 弁護士ドットコムニュース / 2016年1月21日 15時42分

日曜日(1月17日)に、週刊文春の記者からの電話で、甘利大臣と秘書に関する疑惑の内容を聞かされ、私は耳を疑った。いまどき、そんな“絵に描いたような”国会議員や秘書による「口利き・あっせん利得」というのが行われているなどとは、にわかに信じ難かったからだ。(中略)

問題は、(1)秘書のURの職員に対する行為が、法人の「契約」に関するものと言えるか、(2)「請託」があったと言えるか、(3)「権限に基づく影響力を行使」したと言えるか、である。

(1)については、秘書が関わった問題は、URの道路用地買収をめぐる業者との間の補償交渉であり、公共工事などとは違い、契約の内容が具体化しているものではない。しかし、補償交渉の結果、URと業者との間で合意が成立すれば、それは契約であり、その合意が業者にとって有利なものとなるよう、URの役職員に対して働きかけが行われたのであれば、「契約」に関するものと言うことができるであろう。

(2)の「請託」とは「一定の行為を行うよう又は行わないよう依頼すること」である。請託事項は、その案件の具体的事情に照らして、ある程度の特定性・具体性を要するものでなければならない。「請託を受け」とは、単に依頼されたという受身の立場では足らず、その職務に関する事項につき依頼を受け、これを承諾したことが必要である。記事によれば、甘利大臣の秘書は、実際にURの職員と面談したりしているのであるから、URの役職員に補償に関する「職務上の行為」を行わせるよう働きかけるという「具体的行為」を、業者が依頼したことは明らかであろう。

(3)についても、ここでの「権限に基づく影響力の行使」というのは、「大臣としての権限」ではなく、「国会議員の権限」に基づくものでなければならないが、政権与党の有力閣僚である甘利大臣は、国会議員としても、予算や法案の審議や評決に関して大きな影響力を持っていることは明らかであり、その秘書も、それを十分に認識した上で活動しているはずなので、UR側への働きかけが「権限に基づく影響力の行使」であることは否定できないであろう。

●落合洋司弁護士も「口利き依頼だと認識できない」は無理ありすぎという指摘

 産経新聞は当然、擁護記事を書いています。"「ハードル高い」あっせん利得法違反 報道事実なら規正法には抵触?"というものです。

 ただし、この記事を取り上げた落合洋司弁護士は、そういう解釈には無理があるのでは?というものでした。こちらだと本人も罪ありという感じで、一番厳しい見方かもしれません。
2016-01-28 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日

特に国会議員の場合、(中略)様々に強力な権限を持ち、他の議員に働きかけてそういった権限を行使させることもできますから、その権限に基づく影響力を行使する余地はかなり広く大きなものがあって、そうであるからこそ、様々な人々が国会議員に、その中でも有力政治家にアプローチをかけようとするのが実態でしょう。甘利氏は、その意味では「一強」状態の安倍内閣の中での有力閣僚であったわけですから、財産上の利益を供与して、その権限に基づく影響力を行使してほしいという人が近づいてくるのは、ごく自然なことであり、多額の現金を収受したり繰り返し接待を受けたりしつつ口利きを依頼されながら(されていたとして)、その権限に基づく影響力を行使する、そういう趣旨が込められているという認識がなかった、というのは、口利きを依頼されている問題が複雑困難なものであればあるほど、社会通念に照らしてむしろ考えにくいことではないかと思います。

 また、ハードルを上げてしまうというのは、社会的に良くないということも指摘していました。
もちろん、証拠による慎重な認定が必要ではありますが、あっせん利得処罰法の立法趣旨(口利きにより財産上の利益をやり取りすることによる政治腐敗を防止する)に照らしても、この点のハードルを不自然、不合理に上げすぎてしまっては、まったくの「ザル法」化しますから、健全な社会通念に即した解釈が望まれるのではないかと私は考えています。

 ただ、実際問題、ハードルをどーんと上げちゃうということはあり得るんじゃないかと心配です。甘利議員は特に首相のお気に入りですので、安倍政権に配慮して自粛するってことにならないと良いのですが…。


【本文中でリンクした投稿】
  ■甘利明の賄賂の告発者は一色武 元稲川会系右翼団体で、薩摩工業が建設会社名という噂
  ■民主党政権が自殺者を増やしたはデマ、高橋洋一の捏造 逆に低下している
  ■高市早苗・稲田朋美が右翼(ネオナチ)と写真、海外が敏感に反応

【関連投稿】
  ■自民党山東昭子、告発者をゲスの極みと批判 収賄の甘利明を援護
  ■朝生でヤラセ 自民党区議が一般人装い「民主党時代よりよくなった」
  ■政治・政策・政党・政治家についての投稿まとめ

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