投稿時のタイトルは、"マイナス金利がゆうちょ銀行を直撃 公開価格割れで上場来安値更新"(2016/2/3)というもの。
その後も日本郵政グループが冴えないので、続報や安倍政権の責任などを2017/04/28に追加して、"東芝と同じ!西室泰三と政府のせいで日本郵政赤字 ゆうちょ銀行なども株価下落で初心者に損失"にタイトル変更。この追加部分の方が長い感じなりました。
●1月20日も郵政3社が安く、ゆうちょ銀行は公開価格割れ
2016/2/3:日銀のマイナス金利実施でゆうちょ銀行がヤバイと聞いたので検索したら、その前にも郵政3社はだいぶ下がっていたんですね。
<実況中継>きょうの動意株 | 郵政3社が弱い、ゆうちょは公開価格割れ | 会社四季報オンライン 2016年01月20日(取材協力:株式会社ストックボイス)
ゆうちょ銀行(7182)が5日続落。前引けは49円(3.2%)安の1453円だったが、13時時点では62円(4.1%)安の1440円付近まで売られ、昨年11月の上場時の公開価格(1450円)を割り込んだ。
個別の悪材料は確認されていないが、きょうの東京市場はほぼ全面安(中略)
かんぽ生命(7181)は82円(2.9%)安の2679円、日本郵政(6178)も80円(4.9%)安の1547円と大幅安だが、いずれも公開価格は割り込んでいない。かんぽの公開価格は2200円、郵政は1400円。
●マイナス金利がゆうちょ銀行を直撃、上場来安値更新
で、マイナス金利がとどめを刺した感じです。
ゆうちょ銀行が上場来安値更新、マイナス金利導入による悪影響大きいとの見方 | 個別株 - 株探ニュース
日銀がマイナス金利導入を決めたことが売り材料視されている。特に同社では、貸し出しが少なく、貯金の大半を有価証券で運用していることから、他社に比べて収益悪化への影響が大きいとの見方が強いようだ。
●銀行株に打撃、地方銀行もヤバイがもっとヤバイゆうちょ銀行
日付が逆ですが、別記事でもゆうちょ銀行がヤバイということが指摘されていました。
アングル:マイナス金利導入に地銀からは悲鳴、収益圧迫は不可避 | Reuters 2016年 01月 29日 20:28 JST(布施太郎 取材協力:和田崇彦、浦中大我、植竹知子)
<大幅な下げとなった銀行株>
日銀のマイナス金利導入発表後、銀行株は軒並み下落。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T)など3大銀行グループは一時、前日比7―8%下げる局面もあった。最終的には若干戻して、三菱UFJの29日終値は、前日比17円60銭安の609円40銭にとどまった。
一方、影響が大きかったのがゆうちょ銀行(7182.T)で、終値は前日比106円安の1472円まで下落した。地銀の下落幅も大きくなった。
ベイビュー・アセット・マネジメントの佐久間康郎執行役員は「銀行株には大きな打撃だ。特に預貸比率の低い地銀はより深刻で、今後、再編圧力として働く可能性もありそうだ」と語った。
●初心者に人気だったとされるゆうちょ銀行
2016/02/02の終値は1,355円。やはり公開価格の1450円から見ると、かなり下がっていますね。また、これは公開価格であり、上場初値は1680円と高く、その後も値上がりしていたので、もっともっと損している人がたくさんいるということです。
また、辛いのがこのゆうちょ銀行を買っていた人たちが普段投資をやらないような初心者が多かった、と報じられていること。株式関連の記事でも推奨されていたことがあります。しかも、よりによって正月です。
植木靖男が斬る!申年「有望株!」 <新春お年玉企画> | 特集 - 株探ニュース 2016年01月01日10時30分
優良株では光センサーのホトニクス <6965> やマイナンバー、フィンテック関連のNTTデータ <9613> 、さらに“国策に売りなし”からゆうちょ銀 <7182> もおもしろそうだ。
今年の最初である1月4日でしたら何と1,739円! ここから一気に1,355円まで転げ落ちたことになります。ひどい話です。
●西室泰三社長は疫病神?
最初の投稿時は以下のようなクイズを冒頭で出していたのですが、タイトル変更したせいでネタバレになったので削除しました。(この部分は2017/04/28追記)
【クイズ】日本郵政の西室泰三社長は、過去にも有名な会社の社長をしています。以下のうちどこにいたことがあるでしょう?
(1)東芝
(2)パナソニック
(3)日立
【答え】(1)東芝
東芝社長時代は不祥事や損失だらけでした。その後、東京証券取引所会長に就任して、ここでもジェイコム株大量誤発注という事件が発生。誤発注事件に関しては、西室さんが悪いわけじゃないと思うものの、何でこの人を日本郵政に持ってきたのかな?って感じはしますね。
●利益相反の懸念ある親子上場を強行した安倍政権
2017/04/28:もともとは投資はオススメしないよ、という話だったのですが、国の責任、安倍政権の責任といったところについても触れる話も追加。
何年も前に読んだものなので、どの記事を読んだのか忘れちゃったものの、最初からこの上場はかなりおかしいものだと言われていました。親子上場の問題について触れていた記事なんかは、今検索しても複数出てきます。
例えば、
懸念だらけの日本郵政上場 恐らくうまくいかないと考えられるこれだけの材料 | ビジネスジャーナル(2015.09.01)でjは、純粋持ち株会社である日本郵政とその完全子会社である金融2社が、同時上場を目指す「親子上場」というのは、利益相反で問題があるとしていました。
「利益相反を防ぐという観点から、親子上場は市場では歓迎されない。拒絶反応を示す投資家も少なくない」(市場筋)
別記事では、東証は本来親子上場を推奨していないという話もありました。政府絡みなので特別扱いしたのかもしれません。そういえば、当時、取締役兼代表執行役社長だった西室泰三さんは、前述の通り、東証の会長をやっていた方でもあります。
では、なぜこんな悪いことをやってしまったのか?と言うと、"3社同時上場を強行するのは、株式の売却益をできるだけ多くしたいという政府の意向が背景にある"と見られています。
●初心者を食い物にした日本郵政グループの株式公開
また、私がもともと心配していた、投資に詳しくない人を騙す行為というのも、そもそも安倍政権の狙いであったという見方が出ていたようです。
海外メディアの情報を伝える
“安倍政権にとって重要”日本郵政グループのIPOはうまくいくのか?海外の見方とは | NewSphere(2015年10月9日)という記事。これによると、ブルームバーグ(9月10日)が、現株主である財務省は、国有財産であることから広く日本国民が保有することを目指している、と報じていまいた。
他にも、安倍政権には家計の金融資産のうち、現金・預金をより株式投資に向けさせる狙いがある、と多くのメディアが指摘しています。ロイターによると、国内販売が8割であり、さらにそのうち95%が個人向けになるとのこと。個人が買うことが前提というか、たぶん大規模IPOなので個人が買わないと売りさばけないという状況だったのでしょう。前述の通り、実際に普段買わない人が買っており、これは「成功」していました。
しかし、それは政府にとっての「成功」という意味であり、個人投資家にとっての「成功」ではありません。前回の投稿時でもかなりの損失でしたが、かんぽ生命以外は執筆時点(2017/04/28 13時頃)の株価でさらに下がっていました。
日本郵政(6178 ) 公開価格1400円 → 1,380円
ゆうちょ銀行(7182) 公開価格1450円 → 1,388円
かんぽ生命(7181) 公開価格2200円 → 2,543円
これは公開価格(売出価格)から見たもので、IPOで外れて上場してから買った人はさらに損しています。少し経過して値上がりしてから買った人はさらに悪いのですが、初値から見た場合はこちら。これだと、一番良いかんぽ生命すら大きく損していました。
日本郵政(6178 ) 初値1631円 → 1,380円
ゆうちょ銀行(7182) 初値1680円 → 1,388円
かんぽ生命(7181) 初値2929円 → 2,543円
●東芝と同じく西室泰三氏と日本政府の失敗
あと、最初の投稿時にクイズにした西室泰三さんが、またやらかしたということも判明。この人は、東芝倒産危機の主犯でもあったためです。
日本郵政4000億損失、元凶はまたも元東芝・西室泰三氏 | 山田厚史の「世界かわら版」 | ダイヤモンド・オンライン(2017.4.27)は、日本郵政が豪州の物流会社トール・ホールディングの資産を洗い直し、4003億円の損失(減損処理)を明らかにしたことについての記事。
「疑惑の買収」を主導したのは当時社長だった西室泰三さんであること、そして、東芝を泥沼に引き込んだ米国の原発メーカー・ウエスティングハウス(WH)の買収を画策した人物だということも指摘しています。しかも、どちらも最初から「高すぎ」と言われていた「買い物」でした。
国策企業東芝の倒産危機は国に責任 原発推進でWH買収に圧力かけて高値買いなどでやっているように、東芝は国との関係が深すぎます。
その社長だった人ということもあるのか、日本郵政の買収もまた政府絡みとの指摘。「ほとんど西室社長が一人で決めた買収だった」(日本郵政の関係者)というこの買収について、日本郵政のOBは「政府の保有株を段階的に放出するため、株価を上げるためのお化粧が必要だった」と説明しています。
政府の収入を増やしたい財務省の意向を踏まえ、郵政グループを実態より大きく見せる「化粧道具」にトール買収が使われたというのです。
東芝でも書いたように、こういう政治的な決定は、大失敗しやすいです。そもそもビジネス的に合理的な判断になっていませんからね。
●安倍政権の日本郵政の人事は基本的におかしい
クイズのところで、"何でこの人を日本郵政に持ってきたのかな?って感じはしますね"と書いたのですが、彼の就任は安倍政権時代のことです。
西室泰三 - Wikipediaなんかは、"2012年、安倍晋三首相の就任後すぐ、当時の日本郵政株式会社社長であった坂篤郎が解任され、同社を監督する立場である郵政民営化委員会の委員長を務めていた西室が社長に登用された"と書いています。
また、"2015年、安倍晋三首相による「戦後70年談話に関する有識者会議」の座長を務めた"ということもあり、安倍政権との近さを感じさせます。
あと、今回の件とは関係ありませんが、
背中を押した「ペリカン便の教訓」:日経ビジネスDigital(日経ビジネス2017年5月1日号 杉原 淳一)によれば、今の日本郵便社長を務める横山邦男さんは、ペリカン便を吸収して失敗し、11年3月期に1000億円以上の営業損失を計上をしたとき、日本郵政専務としてその実務を取り仕切る立場にありました。
そのような大失敗のせいなのか、09年に民主党への政権交代が起き、横山さんらは追われるように郵政グループを去っています。成功して追放ならともかく、大失敗していますから、これは特におかしい人事ではないでしょう。
しかし、じゃあなぜ今社長なの?という疑問がここで湧いてくるのですが、なんと"16年に安倍政権の後ろ盾を得て舞い戻った"という形なんだそうな。安倍政権の人事は基本的におかしいようです。
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