今回の最後で書いているギフテッドに関して。
【クイズ】ギフテッドに関する説明で正しいものはどれでしょう?
(1)ギフテッドの子どもは周囲と付き合うこともうまく、優等生的タイプの典型である。
(2)妥当性や限界を指摘する声もあるものの、ギフテッド診断にはIQテストも用いられている。
(3)他人よりも早く多く習得する先取り学習(早期教育)によってギフテッドを作り出すことが可能。
●日本でもある飛び級・飛び入学 千葉大,京都大,東京芸術大,成城大など
まず、飛び入学という言葉が聞き慣れなかったです。ただ、
飛び級 - Wikipediaを見ると、飛び級とセットで捉えていましたので、普通に飛び級の入学版というイメージで良さげですね。特に難しく考える必要はありませんでした。
<飛び級(とびきゅう)・飛び入学(とびにゅうがく)とは学年制や等級制をとっている学校で、1学年・1等級以上を飛び越して上の学年・等級または上の学校に移ることである。就学経験のない者が小学2年以上の学年・学校に入学する「中途入学」を含む概念である>
そもそもこれを調べたのは、
国内の飛び入学、9大学で123人…最多は千葉大82人 | リセマム(2016.2.5 Fri 11:15 奥山直美)というニュースを見たのせい。日本でも飛び級があるんですね。言われてみると聞いたことあった気もしてきますが、強く印象に残っていませんでした。
<大学への飛び入学は、平成9年度に制度化されて以来、平成27年12月現在、9大学において導入され、これまで123人が実際に飛び入学したことが2月4日、第34回教育再生実行会議で公表された。入学実績は千葉大学がもっとも多く、82人にのぼっている>
●飛び入学がある大学はまだ僅か 1年早くしかならない飛び入学
ただし、タイトルにあるように、記事の時点で実施していた大学は9大学と数は少ないです。第34回教育再生実行会議が公表した資料によると、日本では飛び入学を平成9年度に制度化。平成10年度に導入した千葉大学(文学部、理学部、工学部)が最初に実施した大学となった他、以下の大学で実施されているそうです。
<名城大学(理工学部)、昭和女子大学(人間文化学部、人間社会学部、生活科学部)、成城大学(文芸学部)、エリザベト音楽大学(音楽学部)、会津大学(コンピュータ理工学部)、日本体育大学(体育学部)で実施している。
京都大学(医学部)と東京芸術大学(音楽学部)では、平成28年度入学者選抜から制度を導入。飛び入学制度の導入校は9大学となる>
また、1年短いくらいで、全然大したことありません。一応、博士号まで見れば数年短くなるものの、物足りないですね。
<受け入れ大学は、大学院が置かれ、教育研究上の実績や指導体制を有するなどの要件があり、制度対象者も高校に2年以上の在学などの要件がある。(中略)
千葉大学の飛び入学制度では、高校2年次終了後、通常より1年早く入学。大学・大学院の早期卒業・修了制度と合わせると、最短23歳で博士号を取得することも可能>
●早期教育で我が子もギフテッドにする…というのは可能なのか?
最初のギフテッドの問題は、
ギフテッド - Wikipediaがベースでした。
【クイズ】ギフテッドに関する説明で正しいものはどれでしょう?
(1)ギフテッドの子どもは周囲と付き合うこともうまく、優等生的タイプの典型である。
(2)妥当性や限界を指摘する声もあるものの、ギフテッド診断にはIQテストも用いられている。
(3)他人よりも早く多く習得する先取り学習(早期教育)によってギフテッドを作り出すことが可能。
【答え】(2)妥当性や限界を指摘する声もあるものの、ギフテッド診断にはIQテストも用いられている。
「(3)他人よりも早く多く習得する先取り学習(早期教育)によってギフテッドを作り出すことが可能」は、完全に間違いです。ギフテッドは、先天的に平均値よりも顕著に高い能力を持っている人のことであり、作り出すことはできません。ギフテッドの才能を発揮させる、あるいは逆に才能を潰すことはできるものの、才能がない子をギフテッドにすることはできないということですね。
これもあって、以前書いた
カナダの天才日本人少年大川翔、汚い大人たちに利用される?では、出版社の本の売り方に違和感を覚えました。さらに、そもそも先取り学習タイプの早期教育は、ギフテッド以外の子供に関しても効果に疑問が出ています。科学的根拠がある学習方法とは言えないようです。
●早い段階でつまずいてしまうギフテッドを救えない日本の精度
また、「(1)ギフテッドの子どもは周囲と付き合うこともうまく、優等生的タイプの典型である」とは、全く反対になることも多いとされています。一生懸命勉強せずとも際立った学習成績を修めてしまうために、問題が起きるケースがあるようです。
それゆえ飽きやすい傾向もしばしばみられ、授業が簡単すぎて興味がわかない、興味のある事以外はやりたがらなかったり、本人にとり意味の見出せない暗唱や機械的な丸暗記を嫌がったり苦手であったり、クラスや課題に集中できなかったり白昼夢していたり、周りとうまく合わせることができない、一般的な学校の勉強に興味を示さず成績は芳しくない、学校で問題児あつかいされたり[12]、繊細さや感受性の豊かさにより過度に周囲に同化しようとするあまり、意図的に能力以下の成績を修めたり、ギフテッドの特異な才能を隠す傾向がみられることが指摘されている。ギフテッドは、一般的な教育方法では、優れた成績や才能を発揮できない傾向があり、欧米ではギフテッド用にそれぞれの才能を伸ばす英才教育が行なわれている[13]。
Wikipediaによると、日本では今もなお義務教育期間の飛び級が存在しないとのこと。<高等学校以下の学校(小学校・中学校の義務教育)では生徒は平等に扱わなければならないという観点から、いかに優秀であろうと年齢による標準的な学年上限を飛び超える飛び級は絶対に認められない>とされていました。
ギフテッドは早くから問題が起きることが多いということからすると、義務教育期間の飛び級が存在しない、日本の現在の飛び級制度では、ギフテッドのような子の助けにはならないだろう予想されます。
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