ロシアの化学者であるメンデレーエフに関するクイズ。
【クイズ】メンデレーエフに関する説明で正しいものはどれ?
(1)メンデレーエフの周期表に関する理論は正確であったため、発表後ただちに科学者らに受け入れられた。
(2)メンデレーエフの唱えた石油無機起源説は、旧東側諸国では元から定説とされていた。
(3)メンデレーエフの発表した周期表と似たような説は、旧西側諸国では全く出てこなかった。
●ドミトリ・メンデレーエフの偉大なる功績 元素周期表の作成
ドミトリ・メンデレーエフ最大の功績は、元素周期表の作成のようです。これ1個だけでもすごすぎ…という基礎的で極めて重要な発見でした。
ドミトリ・メンデレーエフ - Wikipedia 最終更新 2015年12月20日 (日) 06:04
ドミトリ・イヴァーノヴィチ・メンデレーエフ((中略)ドミートリイ・イヴァ-ナヴィチ・ミェンヂェリェーイェフ(中略)、1834年1月27日(グレゴリオ暦2月8日) -1907年1月20日(グレゴリオ暦2月2日))はロシアの化学者であり、元素の周期律表を作成し、それまでに発見されていた元素を並べ周期的に性質を同じくした元素が現れることを確認し、発見されていなかった数々の元素の存在を予言したことで知られており、メンデレビウムと元素名にも彼の名が残っている。
●ジョン・ニューランズのオクターブの法則
Wikipediaには、"1865年にジョン・ニューランズがオクターブの法則を発表した"とありました。そして、"メンデレーエフも同様の考えを持っており、1869年の3月6日にロシア化学学会で (中略)発表を行った"と続きます。
ジョン・ニューランズがオクターブの法則がこの種のものとしては、より早かったようです。ただ、下記にあるようにメンデレーエフの方が出来が良かったため、評価には大きな差が出てしまっています。
ジョン・ニューランズ - Wikipedia
ジョン・ニューランズ(John Alexander Reina Newlands:1838年11月26日-1898年7月29日)はイギリスの化学者で、1863年に初めて元素を原子量順に並べた周期表を作成し、1865年に「オクターブ則」(8番目ごとに似た性質の元素が配置される。)を提出した。その学会では冷淡な反応しかなかった。5年後に出版されたよりすぐれたメンデレーエフの周期表に先立つものであった。
●ロータル・マイヤーも同じような周期表を発表
メンデレーエフが発表したものから、いくつか挙げてみます。
・元素は原子量の順に並べると明らかにその性質ごとの周期性を表す。
・科学的特性の類似する元素はほぼ同じ原子量であるか(例:白金、イリジウム、オスミウム)、原子量が規則的に増加するか(例:カリウム、ルビジウム、セシウム)である。
・未知の元素の発見が期待される。たとえば、共に原子量が65から75の間であり、科学的特性がアルミニウムに類似する元素およびケイ素に類似する元素が存在するであろう(後年、該当するガリウム、ゲルマニウムが発見される)。
実は、"メンデレーエフが周期表を発表した数ヵ月後、ドイツのロータル・マイヤーが事実上同一の表を発表"しています。ただ、この評価も周期表の出来の良さで差が出たため、メンデレーエフほどは高くはないようです。最後に挙げた元素の予測精度の問題です。
周期表はメンデレーエフとマイヤーの共同成果であると考える者もいるが、未発見の元素の予測の質がよかったため、メンデレーエフ単独の功績とみなされている。
●最初は信頼されなかったメンデレーエフの主張
ニューランズの発表については、「学会では冷淡な反応しかなかった」とありました。実を言うと、メンデレーエフの周期表というのも、最初から受け入れられたわけではありませんでした。
STAP細胞疑惑が出たときに疑う人が悪いという批判がありました。何度も書いた話ですが、科学において疑うことは健全です。新たな説を発表した人は、信じるに足る証拠を出して信じる人を増やしていく必要があります。ですから、証拠もないのに信じなくちゃいけないと言う方が、よっぽど非科学的な態度なのです。
この考えは当初は疑いの目で見るものも多かった[1]が、メンデレーエフが周期表に空欄を作って予言したとおりの場所に、1875年にガリウム、1879年にスカンジウム、1886年にゲルマニウムと次々と新元素が発見されたことから正確さが確かめられ、高く評価されるようになった[2]。
●「石油無機起源説」はメンデレーエフのもう一つの功績?
メンデレーエフのWikipediaでは、"「石油の無機起源説」の提唱者としても近年再評価されている"ともありました。しかし、これ以上の説明はありません。
「石油無機起源説」は、
石油は植物の化石…は間違いだった?近年注目の石油無機起源説などでやっています。名前が記憶に残っていませんでしたが、そのときに私も彼の名が入っている部分を引用していました。
この説は西ヨーロッパだと、周期表以上に信じられていませんでした。全然でした。しかし、
石油は植物の化石…は間違いだった?近年注目の石油無機起源説などで書いたように、「証拠」となりそうなものがあるために、今後見直しが進む可能性があります。
石油 - Wikipedia 2016年1月5日 (火) 13:45
石油「無機」由来説は、1870年代、元素の周期律表で知られるロシアの化学者メンデレーエフが唱えたのが始まりで、旧東側諸国では従来から定説とされていた学説である。ただし、旧西側諸国では、定説とされてきた石油「有機」由来説に真っ向から反対するものであったため長く顧みられることがなく、その後トーマス・ゴールドが取り上げたことで、西側諸国でも脚光を浴びることとなった。
ということで、クイズの回答は、旧東側だと石油無機起源説は元から定説というものです。
【クイズ】メンデレーエフに関する説明で正しいものはどれ?
(1)メンデレーエフの周期表に関する理論は正確であったため、発表後ただちに科学者らに受け入れられた。
(2)メンデレーエフの唱えた石油無機起源説は、旧東側諸国では元から定説とされていた。
(3)メンデレーエフの発表した周期表と似たような説は、旧西側諸国では全く出てこなかった。
【答え】(2)メンデレーエフの唱えた石油無機起源説は、旧東側諸国では元から定説とされていた。
こんな風に定説が置き換わるかもしれないというのは非常にワクワクするんですが、飽くまで証拠が大事ということは忘れないでくださいね。
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