タクシー業界に規制緩和肯定論として、利用者が街で行き当たりばったりで拾うことが多いタクシーは、料金以外のサービスで差別化することが難しく、過当競争になりやすいから必要というものがありました。
ところが、他のタクシー会社の倍も稼いでいる選ばれるタクシー会社というのがあるそうです。これはおもしろいと思いました。
●タクシーは差別化できないは嘘だった? 長野市の中央タクシーは他社の倍の売上
ジェイック知見寺のメールマガジン詳細 2011年07月13日
中央タクシーは、電話による依頼が売上の80%を占め、
駅前で客待ちをする暇がないほどだそうです。
長野市のタクシー会社は、12社ありますが、
「1日当たりの運行回数」や「1台当たり月間売上」で、
他社を圧倒的に引き離しての1位です。
例えば、1台当たりの月間売上で、
中央タクシーは平均120万円弱、他の11社の平均は60万円ほどです。
●MKタクシーの影響を受けた中央タクシー
記事では、中央タクシーの宇都宮会長としかありませんでしたが、検索してみると、宇都宮恒久がフルネームですかね。会長が28歳であった"昭和50年に長野市で最後発のタクシー会社として"創業したそうです。当時は新規参入といった形です。
"創業して、間もないころに雑誌で、MKタクシーの青木オーナーのことを知り、青木オーナーに弟子入り"ということで、MKタクシーの影響を受けているようです。こちらのフルネームは、青木定雄でしょうか。
●オリンピック客お断りで信頼上昇 顧客重視の姿勢でタクシー会社も競争可能
さて、肝心のなぜ選ばれるか?という話。
"MKタクシーに倣い、ドライバーはネクタイを着用し、お客様の乗車時・降車時には、車から降りてドアの開け閉めを行な"うなど、"「ドアサービス」「自己紹介」「傘サービス」の3つのサービスを基本と定め"たんだそうです。
大したことしていない気がするのですが、これですら当時のドライバーらは無視。タクシー業界では画期的だったようです。しかし、これが効いたのか、創業して3年でトップに立っています。
また、顧客重視の姿勢は、長野オリンピックでの予約を断るといったところからも感じられます。普段から使ってもらっている方が使えるようにと、マスメディアなどの予約を断ったのだそうです。
おかげでオリンピックのときには特需の恩恵を受けられず6位にまで一時的に順位が低下してしまったものの、こういった顧客重視の姿勢は長い目で見るとプラスだったようです。
こちらは人助けでもあるので辛い話ですが、震災避難者を受け入れた観光地のホテルが、一般客を断り続けたせいで支持を失って苦しくなってしまったという話を思い出しました。
そういや、今訪日外国人観光客のおかげでAPAホテルが3万円などバカ高いらしいんですけど、ああいうのはどうなんでしょうね? ビジネス客の場合は観光のような評判は無関係ですし、残念ながら絞れるだけ絞りとったとしても今後に影響ないかもしれません。
●「タクシー業界の異端児」の異名を持つ
中央タクシーの話をもう少し…とWikipediaも見てみると、価格そのもの安かったようです。(国がやり方を変えて値下げにたいへん厳しい規制になっているので、今はわかりません)
中央タクシー (長野県) - Wikipedia 最終更新 2014年10月27日 (月) 13:41
CS(引用者注:顧客満足)の徹底をはじめとして、他社と協調しない運賃値下げ・迎車料金撤廃や、そのためのタクシー事業協同組合脱退による「駅待ち」から電話予約中心の営業への移行など特徴的な施策を打ち出し、「タクシー業界の異端児」と呼ばれる[1]。
私は規制で競争を抑えるより、こういった企業努力を促す方が良いと思っているのですが、最初に規制緩和反対論を紹介したように、世の中の潮流は規制の方向性ですので残念に思っています。
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