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高原豪久ユニ・チャーム社長が指摘するベテランより素人が優れている点


 高原豪久ユニ・チャーム社長の話をまとめ。<ベテランより素人が優れている点・失敗を経験するのが良い理由>、<高原豪久ユニ・チャーム社長「個性を尊重し、短所より長所を伸ばそう」>などをまとめています。

2023/05/05まとめ:
●社長力ランキング ユニ・チャーム高原豪久・コマツ大橋徹二など 【NEW】

ユニ・チャーム共振の経営: 「経営力×現場力」で世界を目指す 高原 豪久




●ベテランより素人が優れている点・失敗を経験するのが良い理由

2016/2/16:日経新聞でやっている「社長ブログ」という名前の記事。その中での、高原豪久ユニ・チャーム社長の連載 成果につなげるビジネス・パーソンの育て方  (高原豪久氏の経営者ブログ) 2015/11/26 6:30 日本経済新聞 電子版 でおもしろい話がありました。まず、本来ネガティブに捉えられる「失敗」や「素人」の良さについての話です。

<「試行錯誤からより良い方法を学ぶ」ためには、社歴の浅いメンバーや異動してきたばかりの社員にどんどん新たなことに挑戦してもらうことが大切です。具体的には、新人が失敗することは結果的に組織全体の「学び」になるということを本人も周囲も認識し、新たな挑戦をどんどん仕掛けさせることです>

 失敗する企業が良い企業という話を、うちではしつこいほどやっています。同じ日経新聞の社長ブログでは、ニトリの似鳥昭雄社長も失敗について言及していたんですよ。方向性が異なりますが、先制主義で先行者利益を取るニトリ 利益が出てても早めに閉店で取り上げたものでは、失敗してもいいから早くやって「先行者利益」を取ろうという話です。

 より今回の話に近いものですと、失敗は成功のもと・成功は失敗のもとの正しさ、統計で確認できたでしょうか。こちらは、ロケット開発において、失敗を経験すると後の成功率が高くなるという話。あと、素人の良さを書いた過去投稿は、AZスーパーセンター5 素人集団だから成功したがあります。発想が凝り固まっていないためのが良いんですね。AZスーパーセンターは、確か失敗を許容する企業でもあったと思います。


●高原豪久ユニ・チャーム社長「個性を尊重し、短所より長所を伸ばそう」

 ユニ・チャームの高原豪久社長は、「どんな場面でも前向きかつ貪欲に『成果につなげる思考&行動パターン』」」を学ぶべきだとしていました。しかし、おもしろいのが、「決して全てをそのまま真似(まね)をせよというのではありません」と同時に書いていることです。

<自分が不得手なことを無理に倣うことはありません。ただし、優れた上司や先輩が、なぜそうしているのかについて良く考え、芸事や武道の型に意味があるようにその本質をしっかりと理解した上で、自分が最も得意な、自分らしいやりかたでいかに結果を出すことができるようになるかを考え、行動することが重要だと思います。(中略)
 わが社では社員の個性を尊重し、長所を伸ばす人材育成を目指しており、これを「豆は豆として、米は米として育てる」と表現しています>

 短所を気にするより長所を伸ばそう ニトリの社長は営業がど下手だったというので、やはりニトリの似鳥昭雄社長が短所より長所という話をしています。また過去に書いた、優れた成績を発揮した社員をマネージャーにしてもなぜうまくいかないのか?という話も思い出しました。こういった上司は自分に最適なやり方を部下にも強要するのですが、タイプが違うとそのやり方が合わない人が出てくる…といった内容です。個性を無視しちゃいけませんね。


●海外の新興市場には若手社員が行くべき?エース社員が行くべき?

 あと、「入社20年超のエース人材を海外に送り込むようにしている」と書いているのが、気になりました。海外勤務、特に新興市場への勤務は、若手社員が向かうことが多いようです。ただ、これに対して、新興市場は大切なのだから、本来はベテランが行くべきだという批判がありました。内向きなのは若者ではなく、管理職ではないか?といった調子です。

 ただ、ベテランを新興国へ行かせない理由もわかるんですよ。物価が異なるために儲けが意外に大したことなく、給料の高い社員だとわりに合わないことがあるんですよね。たぶんユニ・チャームの場合は十分に稼げる規模であったり、新規参入でも将来的に大きな規模にすることを見込む…と、長い目で見ているのかもしれません。そもそも私がユニ・チャームが好きなのは、日本企業が苦手な新興国で成功できる企業のためなんですよね。

 高原社長はエースを海外へ行かせることについて、"入社20年から30年では、それまで磨いてきた「成果につながる思考&行動のパターン」を駆使してさらに飛躍していく「離」の段階"だからだとしていました。ということで、私が勝手に推測したような理由は別に書かれていなかったのですが、一般論としては長期的視野を持つというのは大事です。


●有言実行社長ランキング1位にユニ・チャームの高原豪久社長

2021/09/27追記:Forbes JAPANが。経営者のブレない発言一貫度と有言実行力をAIでスコア化したとのこと。その名も「発言一貫度ランキング」というのを発表していました。<言うだけ番長か、有言実行か? 社長の「発言一貫度ランキング」>(9/24(金) 17:00配信 Forbes JAPAN)によると、以下のような算出方法で、上位5社長は以下の通りです。。

<東証一部上場企業のなかで、時価総額TOP300を抽出。AI企業「サステナブル・ラボ」が、統合報告書、サステナビリティレポートなど開示資料から「トップメッセージ」の直近5年における「発言の一貫度」を、自然言語処理モデルを活用しスコアリングした。ただし、「環境」や「社会貢献」など口当たりのよい言葉を連呼してもハイスコアは出ない。5年間、ブレずに文脈が一貫しており、実行力を伴っているのかが問われる>
https://news.yahoo.co.jp/articles/d39e0f4262eb43c735dbefa0df42bbd00bdb16bd

<社長の「発言一貫度ランキング」>
1位 ユニ・チャーム
2位 セコム
3位 凸版印刷
4位 東海旅客鉄道
5位 SMC

 ここに追記したことでわかるように、ユニ・チャームの高原豪久社長の順位が良くて1位でした。ただ、顔ぶれを見ると、本当に信頼していいの?と思ってしまうところが入ってしまっています。4位の東海旅客鉄道というのは要するにJR東海のこと。そして、ここはブラック企業として知られるところなんですよ。

 単純な「発言の一貫度」であれば、ブラック企業であっても上位になることはあるでしょう。ただ、今回はどうも、「環境」、「社会貢献」、「サステナビリティ」といったところに注目した感じ。それでJR東海が4位というのは違和感があり、信頼していいのか不安になりました。JR東海はリニア新幹線で環境破壊もしてますしね。このJR東海といっしょだと、ユニ・チャームとしても喜んでいいのやら…という感じです。


●ランキング上位企業の社長の特徴は「命令形」ではなく「自発形」

 記事では、消費者、取引先、地域住民、官公庁、研究機関、金融機関、従業員などなど、ステークホルダーが多く、信頼を勝ち得ないと生き残れない業種なのが共通点と指摘。しかし、いろいろなところと摩擦を起こしているJR東海はどうなの?って話に、やはりなっちゃうんですけどね。これも特にリニア新幹線で摩擦があります。

 また、記事によれば、1位のユニ・チャーム、3位の凸版印刷、5位のSMC(産業用空気圧機器で世界シェア38%)に関しては、グローバル市場の厳しい土俵で勝負しているという共通点もあるとのこと。消費者や取引先の目は当然甘くなく、生存競争が厳しい世界に身をおいていることも要因とされていました。3社の場合、安定して儲かるJR東海とは、全く違う特徴ですね。

 この3社においては、社長にインタビューをしてみると、「上意下達」の逆という特徴もあるとのこと。社長が細かく指示をするのではなく、社員が自発的に提案して仕事をする「仕組み化」に成功しているといいます。つまり「自走する組織」だという言い方も。目標などはあっても、社員の自由度はある程度確保されているのかもしれません。

 社長は旗を振る役割に徹しており、その信念が社員に伝わり、共感されて、社員が動ける環境が用意されているとの説明でした。で、ここでまた同じ指摘をして申し訳ないのですが、JR東海は全く逆。どちらかと言うと、上の命令が絶対という軍隊系の組織で、ミスを許さない厳しい教育や服装規定の厳しさで知られてきた企業です。

 以上のように上位5社のうち1位のユニ・チャーム、3位の凸版印刷、5位のSMCの3社については、共通点が見られて納得できる説明。逆にこの説明と大きく異なるタイプのJR東海の存在が際立ってしまいました。最初から「違うタイプがある」という説明にしてくれた方が納得できた記事で、書き方で損している気がします。


●社長力ランキング ユニ・チャーム高原豪久・コマツ大橋徹二など

2023/05/05まとめ:全く読まれない<社長力ランキング、コマツ大橋徹二、東京エレクトロン河合利樹、ユニ・チャーム高原豪久らがランクイン>というタイトルの投稿があったので、高原豪久社長関連ということでこちらにとまめました。

2017/09/29:「社長力」ランキングは、フォーブスジャパン編集部がフィスコIRの協力を仰ぎ、「社長力」を点数化したランキング。「社長力」とは、将来にわたるキャッシュ創出が適正に評価され、その評価に基づいて再投資が行われるというサイクルを円滑に回転させて、企業価値を持続的に増大させていく力だそうですが、正直全然意味がわかりません。とりあえず、結果は以下のようになったとのことです。

<社長力ランキング2017>
1位 大橋徹二 / コマツ
2位 高原豪久 / ユニ・チャーム
3位 河合利樹 / 東京エレクトロン
4位 大西 朗 / 豊田自動織機
5位 有馬浩二 / デンソー
6位 小堀秀毅 / 旭化成
7位 稲垣精二 / 第一生命ホールディングス
8位 伊原保守 / アイシン精機
9位 進藤孝生 / 新日鐵住金
10位 木股昌俊 / クボタ
(1位コマツ、2位ユニ・チャーム 「社長力」ランキング2017 Forbes JAPAN / 2017年9月25日 8時30分より)

 うちの当初のタイトル<社長力ランキング、コマツ大橋徹二、東京エレクトロン河合利樹、ユニ・チャーム高原豪久らがランクイン>では2位のユニ・チャーム高原豪久社長を後回しにしていますが、評価してないわけではなく、むしろ逆。うちでは過去にユニ・チャームの話を何度もやっているため、今回は他の人を優先しました。

 記事では、ユニ・チャーム高原豪久社長選出の理由を、ベビーケア、フェミニンケア、ヘルスケア関連製品でアジア1位のシェアを持つといった点が評価されたと説明。2016年12月期連結決算売上高は、7109億円(前期比3.8%減)ですが、純利益は441億円(8.9%増)。17年12月期予想の純利益も490億円(4.3%増)と増加する見通しです。

 おもしろいと言うとあれですが、一方、1位だった大橋徹二さんのコマツは不調なのに1位でした。2017年3月期連結決算売上高は、1兆8029億円(前期比2.8%減)で、純利益も1133億円(17.5%減)。さらに、18年3月期予想の純利益は920億円(18.9%減)で良いところなしです。

 説明は、"2017年3月期は外部環境の悪化を受けて苦戦したが、こうした外部環境の変化を乗り越えられる経営力を備えている"というイマイチスッキリしないもの。米国鉱山機械メーカーの買収といった積極的な経営姿勢により、時価総額が過去5年で倍増しているという、より長いスパンでの実績が評価されたのかもしれません。

 3位の河合利樹さんの東京エレクトロンは、上位3社では一番馴染みが薄そうなところ。記事では解説がなかったものの、半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置を開発・製造・販売している電気機器メーカーです。なので、半導体メーカーがお客さんなのですが、この業界による堅調な設備投資のおかげで、3期連続で増収増益。こちらは上位評価されるのが簡単に納得できる業績でした。

ユニ・チャーム共振の経営: 「経営力×現場力」で世界を目指す 高原 豪久




【本文中でリンクした投稿】
  ■短所を気にするより長所を伸ばそう ニトリの社長は営業がど下手だった
  ■先制主義で先行者利益を取るニトリ 利益が出てても早めに閉店
  ■失敗は成功のもと・成功は失敗のもとの正しさ、統計で確認できた
  ■AZスーパーセンター5 素人集団だから成功した

【その他関連投稿】
  ■インドネシアで庶民の味方になった日本企業ユニ・チャーム アジアシェア首位
  ■インドネシアで強いユニ・チャーム 使用済みナプキンを漁って研究!
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

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