アメリカの富裕層予備軍の高所得者についての話を読みました。私が記事の中で最もおもしろいと思ったのは、アメリカは高所得な若者もクルマ離れしているというもの。日本は若者が貧しいからという理由が一番よく言われると思いますが、アメリカはちょっと違うのかもしれませんね。
2016/2/16:
●アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ
●モノより体験を重視 ミレニアル世代の高所得者の新しい価値観
●高機能で大ヒット商品ってあります?売れなくなった高機能商品
●日本でもモノは売れなくなった 買われるのはモノよりも「体験」
2017/09/05:
●マイホーム離れどころか賃貸住宅すら不要だと自動車に住むアメリカ人
●自動車より食事・旅行・レクリエーションにお金を使う傾向


●アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ
2016/2/16:私が読んだのは、
日本人が知らない高額所得者「Henry」の正体 | DIGIDAY[日本版] | 東洋経済オンライン(DIGIDAY[日本版]編集部 Tanya Dua(原文 / 訳:ガリレオ) 2015年12月11日)という記事でした。
記事での主役は、経済的にゆとりがある1980年から2000年までに生まれたミレニアル世代の「ヘンリー」。ヘンリーというのはある人の名前ではなく、「Henry:high earning not rich yet=まだ富裕層とはいえない高所得者」の略です。
ディープ・フォーカス(Deep Focus)というところでで最高マーケティング責任者(CMO)を務めるジェイミー・グートフロイントさんによると、
旧世代のヘンリーはマイホームやマイカーなどに憧れていたかもしれないが、ミレニアル世代におけるヘンリーは「体験」を追求するとのこと。高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れというのはインパクトがあります。
●モノより体験を重視 ミレニアル世代の高所得者の新しい価値観
アメリカの若者は日本の若者とちょっと違うと書いたものの、モノより体験という部分は日本でも見られる傾向でしょう。識者の指摘を見ているとそういうことも感じました。
「X世代(日本の団塊ジュニア世代)は、実家に戻ることは社会的に許されないと考えていた。一方、ミレニアル世代は、実家に戻ることを蔑視していない。実家暮らしのおかげで、財産を蓄えてきた者も少なくないのだ。彼らに共通するのは、より良いライフスタイルや旅行のように、生活を豊かにする体験に対する欲求である」(グートフロイント氏)
「この世代は、『つながり』のなかで成長した人たちだ。そのため企業はいままでにないやり方で消費者とつながる必要がある」(ゴールドマン・サックスのグローバル投資調査部門のバイス・プレジデント、リンゼー・ドラッカー・マン氏)
●高機能で大ヒット商品ってあります?売れなくなった高機能商品
日本でも見られる傾向というのは、例えば、
モノ消費よりコト消費で体験を売る 価格を高くすれば簡単に売れる?で、体験が大事という話を出しています。
このときに引用しなかった部分では、従来型のやり方ではヒット商品が出ないでしょ?という話もあったのです。これは若者と従来の世代との違いという観点ではないものの、上記のアメリカの以前とは重視されるものが違うという指摘と似たものを感じます。
「今はもう、高機能なものを売ってもしょうがないんですよ。そんなのもう消費者に響かない。だって、高機能で大ヒット商品ってあります? 最近、ないんですよ」
(バルミューダの寺尾玄社長、
「消費者はモノなんて買わない」:日経ビジネスオンライン 中 尚子 2015年11月5日より)
●日本でもモノは売れなくなった 買われるのはモノよりも「体験」
記事の順番は先に出てきた会話だったのですが、モノではなく体験という話が以下です。
「じゃあ、私たちは今、どういうものが欲しいのか。もうモノは売れないなと思っています。というか、皆さん、もうモノを買っていないと思います。消費者は“体験”を買っているんです。
例えば、今では数百円で買えるデジタル時計がある中で、何で何百万円の時計や何十万円のスーツがあるのか。なぜそういう高級品を選んでいるかというと、それを身につけたり、使ったりすることで体験が変わるところがポイントなんです。実際、高い服に金を出しているんじゃなくて、その服を着て街を歩いたり、店に座ったりしている自分を想像して買うわけですよね」
最初の記事でもブランド物に関係する話が実は出ていました。高級ブランドを買う余裕があるミレニアル世代の富裕層が、高級ブランド品を買うのと同じくらい意欲的に、迅速に流行に対応する『ZARA』や『トップショップ』のようなブランドの商品を買っているとのこと。
高級ブランド品を買える余裕があるにも関わらず、そうじゃないものも欲するというのはたいへんおもしろいですね。単純に高いもの・安いものという見方だけしていると傾向がないように見えるでしょうが、彼らの価値観に基づいた理由ある選択のようです。
●マイホーム離れどころか賃貸住宅すら不要だと自動車に住むアメリカ人
2017/09/05:
「自動車に住む」ことを選ぶ若者がアメリカでは増えつつある - GIGAZINE(2017年09月03日 18時00分00秒)という記事がありました。アメリカでは近年、狭小アパートやそれよりさらに考えづらい自動車に住むという人が若者を中心に増えているそうです。自動車ってのはキャンピングカーじゃないですよ、普通の自動車です。
これはいわゆる「ホームレス」なわけですが、住宅価格の高騰という住宅問題だけでなく、必要な物を最小限まで切り詰めるミニマリズムという価値観の台頭が原因とされていました。
私は記事タイトルを見て、当初の投稿で書いた「モノより体験を重視する」と矛盾するものじゃないかと思ったものの、記事では、同じ流れでの出来事だと見ています。「モノ消費からコト消費へ」という一連のトレンドの中で、人生の中で大きなコストを占める住宅の費用を減らして、他の自分に必要なものに充てるというライフスタイルの変化が、このような人々を増やしているという分析です。
●自動車より食事・旅行・レクリエーションにお金を使う傾向
なお、記事では、最初の投稿に書いたような若者の支出の変化についてのデータもありました。これは上記のような極端な一部の例の話ではなく、全体的なものです。
調査によると、18歳から35歳の世代は、それ以前の世代よりも賃貸住宅に住み続ける傾向にあることがわかっています。2016年に18歳から35歳だった人の74%が賃貸住宅に住んでおり、これは2000年にジェネレーションX世代が賃貸住宅に住んでいた割合の62%より高い数字です。
また、食事・旅行・レクリエーションへの消費は20%を上回り、生活消費財や自動車への支出が10%を切っているのと対照的な数字に。「モノ消費からコト消費へ」という大きな流れがあるのは、データ的にも明らかなようです。
【本文中でリンクした投稿】
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