実際にプロがやった将棋の反則ランキング 二歩などの禁じ手、二手指しなどでは、二歩がダントツのランキングトップでした。
しかし、なぜ二歩は反則とされているのでしょうか?

●将棋でなぜ二歩は禁じ手なのか?
ルールなんだもの仕方ないだろう…と思われるかもしれませんが、二歩以外の反則・禁じ手は理由がわかりやすいものが多いです。
例えば、「動けないところに駒を進める」「駒を成れない状況で成ってしまう」などは完全なルール違反。これをOKとしてしまうと、ゲームが成り立ちませんから当然禁止です。また、「2手続けて指す」というのも、同様の明らかな反則です。
一方、二歩というのは先述のように最もメジャーな反則ながら、パッと理由が思い浮かぶものではありません。別にいいんじゃないの?と思ってしまう人も多そうです。
●二歩を反則にしている理由
Wikipediaでは、将棋や禁じ手などの項目の他に「二歩」が単独で項目を持っています。これも二歩のメジャーさゆえですが、こちらに反則となる理由は載っていました。
二歩 - Wikipedia 最終更新 2015年7月17日 (金) 05:01
二歩が禁止になった理由は、飛車先の歩先に歩を打つことができると優劣がはっきりしすぎるために面白くなくなるという理由が指摘されている[1]。
[1]^ 谷川浩司『将棋新理論』(河出書房新社)、1999年6月、ISBN 9784309721835、p.9
●うっかりミスが多く、ややわかりづらい二歩
ということで、よりゲームをおもしろくするためというものでした。私は何となくサッカーのオフサイドのイメージと重なるなぁと思いました。サッカーでは最も多い反則ではないでしょうが、オフサイドも「有利になりすぎるため」に比較的最近になって禁止されたものです。
また、うっかりやってしまうというところでも、多少オフサイドと似ているかもしれません。プロでも反則がたびたび起きるというのは、うっかりミスが多いためで、素人は特に引っかかりそうなものです。
極めて初歩的な禁じ手の一つだが、将棋の反則の中では最も起こりやすいものの一つでもあり、プロ高段者の対局においてさえしばしば発生する。1977年から2005年までにプロ公式戦での二歩は44回起こっている[2]。自陣で追いつめられ前の方の歩に気付かず思わず合駒してしまう、敵陣で相手を攻めるのに夢中になりしばらく前に打っていた自陣深くの歩を見落とす、敵陣に打ち込んで不成のまま放置していた歩に気付かない、などの状況でうっかり打ってしまうことが多い。
二歩はオフサイドと比べれば相当シンプルだと思うものの、それでもわかりづらさもあるかもしれません。
そもそも盤面や駒数の少なさというのが一番の理由でしょうが、主に将棋が普及していない世代への将棋普及のために作られた「どうぶつしょうぎ」では、反則とはされていないそうです。
どうぶつしょうぎでは、「ひよこ」(将棋の歩兵に相当)を同じ縦の列に打つこと(2ひよこ)が許される。
●チェスの「二歩」はむしろ不利
また、「有利だから禁止」という点では、チェスとの違いも興味深いですね。チェスはそもそも動きが異なるものの、将棋の二歩にあたる形はむしろ不利だとされているそうです。
・チェスのポーンは将棋の歩兵に相当するが、歩兵とは異なり駒を取るときのみ前ではなく斜め前に進むため隣のファイルのポーンが取られる等していない場合必然的に二歩の形になる。そのためルール上は問題ないが、直上には効きがないため縦に並んでいると守りにくくなるので通常は不利な形とされている。
そういえば、以前プロ棋士の方が、コンピューターとの将棋では独自のルールを作ってもいいのではないか?と言っていた気がします。このようにゲームをよりおもしろくするためにルールを変えると、当然ながら戦術も変わっていきます。
「すでに完成された」と思われている将棋にも、また新たなルールが加わって変わっていくことがあるかもしれません。
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