2016/2/20:
●若者の~離れは単なる娯楽の多様化・趣味の多様化ではないか
●多様な趣味を認めるな!インターネットが景気低迷の原因と批判
●若者だけを叩くな!娯楽の多様化で、老人だってゲートボール離れ
2021/12/23追記:
●パチンコ・競輪の若者離れ、やはり単なる「娯楽の多様化」か 【NEW】
●若者の~離れは単なる娯楽の多様化・趣味の多様化ではないか
2016/2/20:
やりがいは“がむしゃら”の先にある【1】 -対談:村上太一×岩瀬大輔:PRESIDENT Online - プレジデント(2014年4月3日(木) PRESIDENT 2013年1月14日号 村上 敬=構成)は、ビジネスの対談記事。ここでは、「若者の~離れ」ですとか、価値観の多様性といった話になっていたところがなかなかおもしろかったです。
【村上太一・リブセンス社長】40代の方に、「いまの20代は戦うことから逃げている」と言われて驚いたことがあります。たしかに同世代は競争原理を避ける傾向がありますが、それは価値観が多様化した結果です。
昔は、お金をどれだけ稼ぐかという競争をみんなでしていましたが、いまはそれ以外の軸を重視して働く若者が増えてきた。たとえばお金はそこそこでいいから、社会に貢献したいとか、やりがいの感じられる仕事をしたいという価値観です。40代の人からは、そうした働き方が逃げているように見えるのかもしれません。
【岩瀬大輔・ライフネット生命保険社長兼COO】私は、ミドルもお金を稼ぐことだけを目的に働いているのではないと思います。ただ、価値観が画一的ですよね。いまのミドルの多くは新卒で入社して、そこでずっと働いて給料を上げ、マイホームを買うというステレオタイプなレールに乗ってやってきて、それ以外の働き方や生き方があることを知らされていなかった。そういう意味では、お金を稼ぐことがすべてではないけれど、他に選択肢がなかったように見えます。
それと比べると、いまの若い世代は多様な生き方があることを知っています。
「若者の○○離れ」と言われますが、あれは選択肢が増えた証拠。お金を稼いで自動車を買うことだけが幸せじゃなく、仲間とわいわい鍋を囲むことも人生を楽しむ方法の一つだと若い世代は気づいてしまったのです。
●多様な趣味を認めるな!インターネットが景気低迷の原因と批判
ここで出てきたようなお金を稼がずに人生を楽しめるということは、経済成長的にはマイナスとも捉えられます。そういった文脈でインターネットが景気を悪化させたと以前、批判している人がいました。となると、SNSの発達も悪だと考える人がいるかもしれません。 村上太一社長は、「選択肢が広がったのは、SNSの影響も大きい」と予測していました。
「以前はニッチな分野だと同じ趣味の人と出会うことが難しかった」ものの、今は異なります。<いまはSNS上で小さなクラスターがいくつもできて、既存のレールから外れた人たちがコミュニケーションする場>ができるようになったと、村上社長は指摘していました。
そして、これは一過性のものではなく、むしろさらに個々人の個性がより強まっていくと予想されています。「個人の働き方も同じで、これからは既存のレールに違和感を持つ人たちがつながって、いろいろな流れができていくのではないでしょうか」としていました。
私はこうした個性の多様化の一方で、「今の若者は個性的ではない」と叩く高齢者や中年の人も多いことも気になります。実際には多様化しているので変な話なのですが、彼らの認める個性以外は個性的ではないと考えるのかもしれません。ところが、逆に「最近の若者はマナーが悪い」とルールに従うことも同時に求めますので、どうしていいかわかりませんね。
●若者だけを叩くな!娯楽の多様化で、老人だってゲートボール離れ
このように見ていくと、価値観の多様性というのは、世代間ギャップがありそうなことがわかります。
夫婦別姓、反対が多いのは高齢者だけ 子供を作る世代は賛成多数で書いたように、夫婦別姓問題はわかりやすくそれが現れていました。高齢になるほど保守的になり、多様な価値観を認めないんですね。
ただ、娯楽の多様化といった話で言うと、高齢者であっても例外でないことにも気づきました。この前書いた
ゲートボール衰退の理由は人間関係 鹿児島県では殺人事件まで発生ではタイトルにはしなかったものの、ゲートボール衰退の理由の一つとして、娯楽の多様化という説も出ていたんですよ。
このとき私は、<娯楽の多様化というのは高齢者に限らず、音楽や競馬やゲームやパチンコなど、かつては衰退しないと考えられた産業の衰退でもよく出てくる要因です>と書いています。ここで出てきた娯楽の前後に「若者の」と「離れ」をつければ、「若者の~離れ」のできあがり。実態は趣味の多様化だとやはりわかります。
ということで、流行り廃りがあるというのは、全然今の若者が特別ではないですよね。若者を不愉快にさせかねない言い方ですので、「若者の~離れ」という言葉の使う場面には注意や配慮が必要でしょう。若者を悪者にしない形での使用に留めるべきじゃないかと思います。
●パチンコ・競輪の若者離れ、やはり単なる「娯楽の多様化」か
2021/12/23追記:趣味の多様化に関しての追記。「娯楽の多様化」という話に触れている、実際の記事の紹介です。思った以上にそういう例がなかったのですけど、
サテライト鴨川廃止へ 9月末、収益見込めず 競輪場外車券売り場 | 千葉日報オンライン(2020年7月14日)はそういう記事。私が出した「競馬」という例に近い「競輪」の例です。
<鴨川市上小原にある競輪の場外車券売り場「サテライト鴨川」が、9月末で車券の販売を終了し、廃止されることが決まった。娯楽の多様化による来場客や収益の減少が主な理由>
<近年は娯楽の多様化や競輪の人気低迷などにより来場客が半減。さらに今年は新型コロナウイルスの影響で長期休館が続き、6月に再開後も客足は回復していなかった>
同様にギャンブルとしては、パチンコの例もありますね。パチンコは高齢者が中心のイメージが強く、「若者離れ」といった表現も特に使われやすいものでもあります。
パチンコ店、1年で400店以上減少:19年末で9639店 今年はコロナ禍の影響も | nippon.com(2020.07.09)では、以下のような「娯楽の多様化」に絡ませた記述がありました。
<新型コロナウイルスの感染拡大で、各自治体から休業を要請される“逆風”を受けたパチンコ店。娯楽の多様化に伴い、店数は減少傾向にある>
<パチンコ店は、ピークの1990年代には全国で約1万7000店が営業していた。その後は娯楽の多様化や出玉規制などにより、パチンコ店数、遊技人口ともに減少傾向にあるとされる>
【本文中でリンクした投稿】
■
ゲートボール衰退の理由は人間関係 鹿児島県では殺人事件まで発生 ■
夫婦別姓、反対が多いのは高齢者だけ 子供を作る世代は賛成多数【関連投稿】
■
船橋オートレース場廃止は当然 テラ銭・タイヤ問題などでファン離れ加速 ■
体育の日をスポーツの日に変更!麻生太郎会長のスポーツ議員連盟が法改正を目指す ■
結果と過程、どっちが大事か? ある一流騎手の意外な考え方 ■
クロッケーを元に考案のゲートボール 高齢者ではなく子供のためのスポーツだった ■
文化・芸術・宗教・海外との比較についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|