冒頭に追記
2022/04/22追記:
●黒人の上院議員は珍しくなくなった?今までに誕生した議員数は…
2022/11/23追記:
●事前予想を覆した理由は若者!若者の投票先は圧倒的に~だった… 【NEW】
●黒人の上院議員は珍しくなくなった?今までに誕生した議員数は…
2022/04/22追記:
米両院で民主多数に ジョージア州決選投票で民主党が2議席奪還 - BBCニュース(2021年1月6日)は、2022年のジョージア州など2州の上院決選投票に関する記事。ジョージア州の有権者の29%は黒人で、そのうち9割が民主党支持者の一方、白人有権者の大多数は共和党支持者というわかりやすい構図になっていたそうです。
ただ、私が驚いたのは、この話ではありません。南部ジョージア州で勝利したとされるワーノックさんに関する説明。ジョージア州は差別が根強い南部で、黒人の有権者は29%しかいないそうですから、ジョージア州初の黒人上院議員というのは別に驚きではありません。そりゃそうだろうな…という話です。
本当に驚きだったのは、続けて「連邦議会上院で史上11人目の黒人議員となる」という説明の方。現役上院議員で11人であっても少ないと思うのですが、なんと史上11人目の黒人議員だというのです! それだけ黒人の人が上院議員になるのは珍しいんですね。人口比から考えると少なすぎでしょう。未だにそうなんだ!とびっくりしました。
●事前予想を覆した理由は若者!若者の投票先は圧倒的に~だった…
2022/11/23追記:<米中間選挙 依然大勢判明せず トランプ前大統領「不正」主張>(2022年11月13日 10時40分)という記事をブックマークしていてなんでだっけ?と思います。アメリカの選挙では右派が不正を主張するのはいつものこと。実際に不正が認定されたことがあるのはアメリカ右派なので、相手もやっていると思うんですかね。
ただ、読み直して見ると、私が紹介したかったのは不正疑惑ではなく、この投稿と関係ある投票者傾向の話でした。この説明の前に中間選挙の傾向を軽く説明。アメリカの中間選挙では与党が負けるのがパターン。今回も野党・右派共和党の圧勝が予想されており、トランプ前大統領も圧勝を想定していました。
ところが、現実の中間選挙の投票結果は与党でリベラルである民主党が大善戦。大敗ではなく惜敗にとどめています。そこでトランプ前大統領がまた懲りずに選挙不正を訴え出した…という話なのですが、この民主党善戦の理由とされていたのが若者の投票傾向。うちの投稿テーマに関係ある話でした。
<若者の政治意識を調査しているタフツ大学の研究所「CIRCLE」の分析によりますと、1990年代半ば以降に生まれたいわゆる「Z世代」を含む18歳から29歳の若年層の投票率は27%と推定され、1994年以降に行われた中間選挙の中では、前回・2018年に次いで2番目に高いということです。
また研究所ではアメリカの複数のメディアが合同で行った出口調査をもとに、若年層が下院議員選挙で投票した候補者の政党について、民主党が63%と共和党の35%を大きく上回ったと分析していて、若年層の票の行方が民主党の善戦を後押ししたとみられます>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221113/k10013889601000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001
●アメリカで初めて進化論派がキリスト教の創造論派を上回る
2016/2/21:人気ある話ではないのですが、私が興味ある話なので、アメリカと宗教に関するものは何度か書いています。例えば、
アメリカと進化論 「魚は箱舟に乗ってないよね」と聞いてみると?がそういった話でした。しかし、今回はあのアメリカでも変化が起きているというもの。進化論を信じる人がついに半分を超えた!というものでした。
ただ、えっ、未だにそのレベルなの?という感じかもしれませんね。
米国で進化論を信じる人が過半数超え:日経ビジネスオンライン(堀田 佳男 2015年11月25日)では、以下のような書き方をしていました。
<多くの日本人にとって、「エッいまだに?」と驚いてしまうことが米国で続いている。米市民の10人中4人が、人間が神によって創造されたといまだに信じているのだ。いや、ようやく10人中6人が「進化論」を信じるようになったと言い換えた方がいいかもしれない>
米ピュー・リサーチ・センターが2015年11月に明らかにした調査で、ほぼ6割が進化論派になったというのが記事の元ネタ。調査媒体が異なるため単純には比較できないのですが、2004年11月に米CBSテレビが行った世論調査では、回答者の55%が「創造論」を信じていると答えていたので、逆転したという形に見えます。
●進化論を信じて創造論を信じないのは、若者か?高齢者か?
なぜ変化したのか?と言うと、これは年齢による違いのせいです。最も大きい理由は、若い世代を中心に米市民が宗教と距離を置くようになっていることだとされていました。米ピュー・リサーチ・センターが2014年に行った世論調査では、約5600万人の市民が無神論者か無宗教に。2007年の同調査では約1900万人だったので、この間にほぼ3倍に増えたことになります。
さらに2014年調査では、30歳以下の約7割が「進化論を信じる傾向が強い」という傾向も確認できています。ただ、記事では、「傾向が強い」という曖昧な表現は、依然として進化論を明確に肯定する人たちが多くないということを意味しており、「どちらかと言えば(進化論を)信じたい」という人も含めて約7割という意味だとされていました。
アメリカでは、はっきりと進化論を支持することは神の概念を否定することになりかねないため、微妙な問題に。若者の本音をのぞくと「21世紀になってアダムとイブはないでしょう。本当に二人を信じろとでも言うのか」といったところだが、キリスト教文化の中で、神を否定するだけの理論武装をしている人は多くないと説明されています。
●教育レベルが高い人でも進化論信じない?大統領候補がみな創造論派
おもしろいのは、教育レベルが高い人が進化論を信じているとは限らないということですね。ただ、以下のように、これは政治家の個別事例の話として出ていましたので、全体的な傾向となるとまた別かもしれません。なので、一般的なイメージ通り、高学歴ほど、創造論を信じない…という可能性は残されていそうです。
<例えばルイジアナ州のボビー・ジンダル知事は創造論を擁護している。テキサス州のテッド・クル―ズ上院議員も「進化論は共産主義者が作ったウソだ。進化論については言及したくない」と述べている。ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事やフロリダ州のマルコ・ルビオ上院議員も慎重な態度を取っており、学校では両論を教えるべきとの立場だ>
彼らはいずれも右派の共和党の大統領候補に名乗りを挙げていると記事では指摘。創造論を信じている有権者の票を失わないための策であり、創造論を否定していない人が相当数いる証拠でもあると解説していました。(2021/01/08追記:創造論派の例のひとりであるテッド・クル―ズ議員はその後、トランプ大統領の忠実な側近となっています)
●右派・高齢者・宗教とリベラル派・若者・無宗教との関係性
記事で指摘がなければ、私も政治の話と絡ませようと思っていましたが、右派・高齢者・宗教の3つはそれぞれ好相性なんですよ。逆にリベラル派(左派とは本来異なる)と若者と無宗教の相性が良いとも言えるでしょう。相性が良いという言い方にしたように、極端なものではないのですが、これは日本でも同じような傾向が見えます。
こういう右派・左派の話や、アメリカ大統領選の話も別にやりたかったのですが、進化論の話同様に不人気なので今回まとめて駆け足でやってしまいます。
図録▽米国大統領選有権者の投票動向に2012年の大統領選のデータがありました。民主党・リベラル派のオバマ候補、共和党・保守派のロムニー候補と大雑把に見てみます。年齢別だと以下のように、やはり若者ほどリベラル派が多くなっているように見えます。(カッコ内は調査対象者の構成比(%))
18~29歳(19) 民主党60 共和党37
30~44歳(27) 民主党52 共和党45
45~65歳(38) 民主党47 共和党51
65歳~(16) 民主党44 共和党56
●学歴で右派・リベラル派の差はつかないが所得では差がつく!
先ほどの「教育レベルが高い人が進化論を信じているとは限らない」ですが、これはそのまま右派・左派の分布でも言えるみたいですね。誤差範囲で差がなしと見てよいほど、差が出ませんでした。おもしろいですわ。さらにすごいのが、大卒以上でも大卒未満でもほぼ同じ数字となっていることです。
大卒以上(47) 民主党50 共和党48
大卒未満(53) 民主党51 共和党47
学歴は所得とゆるい相関があるのですが、この所得では以下のように、「右派とリベラルで差はなし!」とはならずある程度差が出ました。おもしろいですね。所得が高い人ほど右派、所得が低い人ほどリベラル派という傾向が、先程までとちがってきれいに確認することができました。
5万ドル未満(41) 民主党60 共和党38
~10万ドル未満(31) 民主党46 共和党52
10万ドル以上(28) 民主党44 共和党54
高所得者ほど右派というのもある程度一貫した傾向だと思います。議員や支援者でもお金持ちが多くいます。これらの傾向は日本でも確認できるはずです。ただ、ドナルド・トランプ候補の一般人の支持者は低所得者層が多いと言われており、これまでと違う傾向が出てくるかもしれません。
●宗教の傾向がわかりやすすぎ!無宗教は圧倒的にリベラルに偏る
「創造論を信じている人が未だに多い!」という今回の話に最も関係する宗教について。これはもうわかりやすいほどはっきりと傾向が出ています。無宗教な人は圧倒的にリベラルに偏っているんですね。ただし、無宗教の人はアメリカではまだ少ないですから、ここが選挙で大きな力になるというわけではないと思います。
無宗教(12) 民主党70 共和党26
一方、右派支持で一番多かった分類のは、キリスト教の中のプロテスタント系です。アメリカはこのプロテスタントが圧倒的に多いのだと思っていたら、29%程度でびっくりしました。ちゃんと調べてないとわかりませんが、イメージほど多くないのは移民の影響もあるのかもしれませんね。
プロテスタント(29) 民主党37 共和党62
プロテスタントがもっと多いと思っていたために、意外に多いと感じたそれ以外のキリスト教ですが、これらは右派・リベラル派ちょうど半々と言って良いくらいで、傾向がありません。カトリックでももうちょっと共和党寄りになると予想していたものの、そんなことないみたいです。
カトリック(25) 民主党50 共和党48
その他のキリスト教(23) 民主党50 共和党49
●白人は共和党、それ以外は民主党はステレオタイプな見方?
ちらっと移民という話をしましたけど、進化論を信じる人が多くなったのは移民が増えてきたことも関係している可能性があるかもしれません。とりあえず、人種による支持傾向を見てみると、オバマ大統領はわかりやすく黒人票が多くなっているのが目立っていました。根こそぎ奪っている感じです。
黒人(13) 民主党93 共和党6
ちょっとオバマ大統領のときのデータなので極端ですけど、普段でも黒人は民主党寄りなんじゃないですかね。ドナルド・トランプさんは極端すぎて他の共和党内の問題児すら引くほど(2021/01/08追記:でしたが、その後共和党がほぼまるごとトランプ化しました)ですが、基本的には民族的に厳しい発言をする方は共和党で出てきやすいです。
また、おそらく民主党寄りでは?という傾向は、黒人以外のマイノリティを見ても確認できます。近年重要だとされるヒスパニック系はやはり大差で民主党なのです。ただ、驚いたのが、ヒスパニック系を僅かながらアジア系が上回ったこと。3%なので票田としては重要性低いですけどね。
ヒスパニック(10) 民主党71 共和党27
アジア系(3) 民主党73 共和党26
なお、当然ながら最後に残った圧倒的に多い白人は、共和党寄りということ。白人は共和党、それ以外は民主党…というのは偏見だと思うかもしれませんし、実際例外も多数。でも、傾向としてははっきり出ているというのが事実でした。…以上、ざっと駆け足で見ましたが、傾向がはっきり出てていてたいへんおもしろかったです。
白人(72) 民主党39 共和党59
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