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日本の自治体財政を圧迫する意外なもの…高齢化で紙おむつが激増していた


 紙おむつの話をまとめ。<日本の自治体財政を圧迫する意外なもの…高齢化で紙おむつが激増していた>、<使いすぎのせいじゃない…少子化なのにむしろ紙おむつが増える理由は?>、<紙おむつは難しいゴミ…燃えづらい上に焼却炉を痛める厄介者>、<リサイクル紙おむつはキモい?実はペットボトルの例では成功>などをやっています。

2023/07/27まとめ:
●サステナブルでの発言一貫度ランキング、ユニ・チャーム社長が1位に 【NEW】


●画期的なユニ・チャームのリサイクル紙おむつ 新品パルプ以上の品質

2016/2/23:使用済み紙おむつのリサイクルする…という話がありました。ただ、「使用済み紙おむつのリサイクルする」と聞くと、どうしても衛生面が気になると思います。しかし、紙おむつが“都市森林”になる!?ユニ・チャームがリサイクル技術( 松木 喬 日刊工業新聞2016年2月11日)によると、今回のやり方では菌がゼロになっているとのことでした。

 ユニ・チャームのリサイクルは使用済み紙おむつを分解し、回収したパルプをオゾン発生装置に投入して殺菌します。北里大学に検証してもらったところ、おむつに付着していた菌がゼロまで完全消滅することがわかりました。

 記事からはどういう理屈なのか読み取れなかったものの、"新品以上の上質パルプになるため、再使用しても衛生面の心配がない"との記載もあります。このリサイクル手法の意義について、ライフサイクルアセスメント(LCA)で、"原料を含めた製造から廃棄・リサイクルまでの一生分の二酸化炭素(CO2)が30%削減できると判明した"といった説明がありました。

 ただ、私はこういったものより素晴らしいと思ったのが、きちんと利益が出るということ。試算によると、バージン(新品)のパルプで作った紙おむつよりも、再生パルプで作った紙おむつの方が安くなるという話でした。社会貢献の名のもとに利益を軽視する人も多いですけど、事業の継続性にとっては大事なことです。


●日本の自治体財政を圧迫する意外なもの…高齢化で紙おむつが激増していた

 また、使用済み紙おむつがゴミではなく資源になるというのは、ゴミを処理する側にとっても魅力的。高齢者社会に突入し、紙おむつの廃棄量は増えていて、都市部では家庭ゴミの10%近くが紙おむつという自治体もあるとのこと。ところが、紙おむつは他のゴミのように減容化しづらく、処分のための社会的負担も増すというデメリットがあります。

 コンビニでも廃棄費用が経営を圧迫しているという話が以前あったように、ごみ処理の費用が減るだけでもとても大きな効果があるでしょう。しかも、リサイクルをする業者は、再生パルプをユニ・チャームに販売できるということですから、負担の減り方はかなり大きそうです。

 私は企業の社会貢献活動においても、寄付のようなものではなくきちんと事業を通じて儲けながら持続できるものを好みます。積極的に批判しようとは思いませんが、環境意識が高い人に実用性が低かったり、価格が高かったりする製品を売りつける…というビジネスモデルなんかも好きではありません。

 実際に運用すると費用がかさむ可能性はあるものの、ユニ・チャームの使用済み紙おむつのリサイクルは、今のところこの点で見てもパーフェクトなように見えます。


●再利用一番の問題は技術より心理面か?不安感がネックになる可能性

 ただ、正直言うと、この商品が受け入れられるか?となると疑問ですね。最初に書いた衛生面の不安を拭い去ることができないのではないか?と思うためです。

 私が読んだのは宇宙向けではなかった気がするのですが、以下の記事のような尿を再生して水にする装置のニュースというのはちょくちょくあります。でも、その再生水を飲めるか?となると、たとえ安全性に問題ないと言われても、やっぱり気持ち悪いって人が多いと予想されます。
asahi.com(朝日新聞社):おしっこも飲めるようになる 水再生システム運用へ - 若田さん きぼう滞在記 2009年5月11日 若田光一

 要はおしっこを飲み水にする水リサイクル装置なんです。なぜそんなことをしなければいけないかというと、ISSでは空気も水も食料も、生きるために必要なものはすべて地球から運んでこなければいけならないからです。(中略)

 これまで尿は汚水として廃棄していましたが、この水再生システムで尿を再生していろいろなことに使おうとしているのです。

 水再生システムは、尿を蒸留処理して水分を抽出する装置と、その水分と他の排水を貯留後に濾過(ろか)してきれいな水にする装置の二つに分かれており、リサイクルは自動で行われます。出てくる水は、無色透明でにおいもなく、蒸留水のイメージです。どうやって出てくるのかさえ知らなければ、プログレス輸送船で地球から運んできた水や、シャトルの燃料電池(水素と酸素を化合して発電し、副産物の水はシャトルやISSで利用します)からできた水と全く変わりません。皆さんも一杯いかがですか?

 安全性に問題がないものを問題あるとデマ流している人はクズですので批判されて当然ですが、何となく気持ち悪いから買わないという人までは責められません。買う・買わないは自由です。

 さっき書いた「環境に良い」というイメージだけで高い製品を買ってもらう戦略のときとは全く逆で、この画期的な紙おむつはイメージが邪魔しそうな感じ。もちろん、そうならない方が望ましいんですけどね…。


●使用済み紙おむつで紙おむつや防災用のトイレ…国の衛生基準に合格できた?

2019/10/20:また記事が出ていてあれ?と思ったのですけど、今回の新情報としては、実用化に向けて進展といった感じみたいですね。"使用済み紙おむつを再び紙おむつに ユニ・チャームが技術開発"(2019年10月17日 17時45分 NHK)という記事がありました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191017/k10012136581000.html

 記事によると、ユニ・チャームは2011年から紙おむつのリサイクルの研究を進めていました。そして、この度、使用済みの紙おむつを再利用して作った紙おむつや、防災用のトイレなどの紙製品を発表したとのこと。独自の技術で使用済みの紙おむつを滅菌して黄ばみを落とし、国の衛生基準を満たした良質な紙パルプを取り出す技術の開発に成功したとされています。

 ただし、まだビジネスにはなっていません。ユニ・チャームは今後、鹿児島県志布志市で使用済み紙おむつを回収して製品化する実証実験を進め、紙おむつのリサイクルを事業化したいとしています。もう少し時間がかかりそうですね。


●使いすぎのせいじゃない…少子化なのにむしろ紙おむつが増える理由は?

2020/01/07:ごみ問題系の話で追記。2020年1月3日に<環境視点>(中) 紙おむつ、リサイクル急務:暮らし:中日新聞(CHUNICHI Web)という記事が出ていたのです。

 福岡県大木町で3歳と生後6カ月の2児を育てる主婦は、紙おむつ専用の町の回収ボックスを使っています。毎日何度も交換するため、すぐにごみがたまるため、「汚物がついて臭いも気になり、早く捨てたい」というのが、回収ボックスを使う理由だそうです。

 ここはユニ・チャームのものとは別なんですかね。子育て支援センターや住宅地など町内59カ所に専用ボックスを配置し、週2回回収。専門業者がパルプやプラスチックなどに分解し、建設資材や固形燃料などにしてほぼ全てを再生利用しているといいます。

 育児や高齢者介護に不可欠な紙おむつは環境負荷の大きい生活用品の一つ。大木町の場合は、可燃ごみの1割(重量ベース)を紙おむつが占めていました。ここからどれくらい減ったかは不明ですけど、11年度以降は毎年100トンをリサイクル。05年度に家庭から出る可燃ごみは約2300トンだったというので、紙おむつの半分くらいをリサイクルした感じですかね。

 大手メーカーによると、新生児は一日10回前後交換するといいます。環境省によると15年度の全国の一般廃棄物の約5%が紙おむつ。高齢化で30年度には7~8%に増える見込みだというので、少子化であってもむしろ今後問題が大きくなるようです。


●紙おむつは難しいゴミ…燃えづらい上に焼却炉を痛める厄介者

 紙おむつは他のゴミのように減容化しづらく、処分のための社会的負担も増すというデメリットだという話を以前の投稿部分で書いています。今回の記事では、より詳しい話もありました。

<紙おむつはパルプのほか、プラスチック製の不織布、防水フィルムなど複数の素材ででき、汚物もついていることなどから分別が難しい。このため、ほとんどの自治体では焼却されている。一方、水分を多く含むため最初は燃えにくく、燃え始めると、プラスチックが燃えて一気に高温になり、焼却炉を傷めるという>

 記事ではユニ・チャームの事例も紹介していた他、愛知県みよし市の話も。みよし市の特別養護老人ホームでは、「NIPPON紙おむつリサイクル推進協会」会員企業が作った紙おむつの処理機を敷地内に設置。今はまだできないようですけど、処理した紙おむつをペレット状の燃料に加工することなどを検討しているそうです。

 環境省も今後、紙おむつのリサイクルを推進する方針。こうした先進事例を踏まえ、留意点を盛り込んだガイドラインを策定する予定だとされていました。


●リサイクル紙おむつはキモい?実はペットボトルの例では成功

2020/05/31:技術的にはすごいものの、本当に受け入れられるのか心配…ということを以前書いています。そこらへんの話がありそうなタイトルの「使用済み紙おむつ」リサイクル品は売れるのか | 東洋経済オンライン( 若泉 もえな : 東洋経済 記者 2019/10/30 6:00)を今回読んでみました。

 こちらによると、世界各国の消費財メーカーは、使用済み紙おむつを段ボールへリサイクルできるレベルまで技術を高めていたものの、新たな紙おむつを生み出す技術はなかなか確立できないでいたとのこと。なので、ユニ・チャームは圧倒的に画期的でした。また、リサイクル紙おむつ以外に、トイレットペーパーやメモ用紙などにリサイクルすることも目指すとされています。

 ただ、前述の通り、問題は消費者が本当に買うのかどうかというところ。技術がすごくてもニーズがなければどうしようもありません。トイレットペーパーも心理的に嫌がる人がいそうですし、メモ用紙ですらダメという人はいるでしょう。やはり受け入れられるのか?というところが気になります。

 これに関して、ユニ・チャームのCSR本部・リサイクル事業準備室の亀田範朋室長は「使用済みペットボトルを再びペットボトルとして利用する事例が出てきている。ペットボトルは口につけるものだが、リサイクル品だからと気にする人は少ないだろう。リサイクル紙おむつも社会にうまく働きかけていくことができれば、消費者の捉え方も変わっていくかもしれない」と言っていました。ちょっと違う気がするものの、ペットボトルでOKなら…という見方ですね。

 ユニ・チャームでは消費者心理を少しでも和らげるために、まずは使用済み紙おむつで作ったトイレットペーパーやメモ帳を発売し、それが浸透した後に紙おむつへ展開することも考えているとしていました。こちらの方がより現実的な方向性だと思われます。


●まだまだ増える予想…環境省発表のゴミに占める紙おむつの割合は?

2020/10/08:ユニ・チャームは、2016年から鹿児島県志布志市で使用済み紙おむつ回収の仕組み作りを始め、通常はほかのゴミと一緒に処分される紙おむつを個別で回収していました。ただ、志布志市は人口3万人程度の市です。大都市の実験ではありませんでした。

 で、今回新たに大都市での実験という話なのですが、ユニ・チャーム、都内で使用済み紙おむつ回収  :日本経済新聞(2020/10/1 16:01)によると、いきなり、日本最大で世界有数の大都市である東京都での実証実験が始まることになったとのことです。

 あと、同じ内容を伝えた別記事ユニ・チャーム、東京都で「使用済み紙おむつのリサイクル」実証事業を開始 | 国際商業オンライン | 化粧品、日用品業界の国内・海外ニュースでは、ゴミに占める紙おむつの割合というデータ的な話もありましたのでメモしておきます。

<環境省の調査によると、2015年度の一般廃棄物に占める紙おむつの割合は4.3~4.8%、年間で約191~210万トンに対して、30年度の予測では、一般廃棄物に占める紙おむつの割合は6.6~7.1%、年間で約241~261万トンと増加すると見込まれている>


●ユニ・チャーム、今度は未使用おむつの検品・再配布実験を開始

2022/08/14追記:ユニ・チャームのリサイクル紙おむつの話を何度か書いていたのですが、リサイクルではなく未使用品を使用する…という話も出ていました。未使用おむつ、検品・再配布 ユニ・チャーム、香川で実験 2022年8月10日 日経新聞という記事によると、以下のような内容です。

<ユニ・チャームが新事業の可能性を香川県観音寺市で模索している。不要になった未使用のおむつを回収し、検品後に別の利用者に提供する事業で9月末まで実証実験を展開中だ。民間企業による事業としては珍しく、需要の有無や管理コストなどの課題を洗い出し、ほかの地域で展開可能な事業であるかどうかを探っている>

 子どもの成長に伴い、買いためていたおむつのサイズが合わなくなったためにが破棄されることがある一方、経済的に苦しむ世帯が必要としているといった需要と供給がある模様。他社メーカーを含む様々なサイズの約700枚のおむつが集まり、ユニ・チャームの担当者は「予想以上の反響の大きさに驚いている」と話していました。

 これを読んで思い出したのは、ユニ・チャームはサスティナブル経営に最も熱心な企業のひとつだと言われていること。なんか賞をもらっていた気がして検索してみると、ユニ・チャーム、「SOMPOサステナビリティ・インデックス」 構成銘柄に11年連続選定 | 化粧品日用品業界の国内・海外ニュースというものが出てきました。

<ユニ・チャームは7月20日、SOMPOアセットマネジメント(東京都中央区)が設定する「SOMPOサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に11年連続で選定されたと発表した。
 「SOMPOサステナビリティ・インデックス」は、2012年から公表されており、ESG(環境、社会、ガバナンス)への取り組みに優れる約300社を選定している>

 ただ、私が読んだのはこれじゃなくて、もっと少数というか、ランキングでの上位だった記憶です。よく覚えていませんわ。もしかしたら、社長の有言実行度ランキングみたいなもので上位になり、「サスティナブルな経営をする」と言ってそれをよく実行できている…みたいな解説を読んだのかもしれません。


●今度は紙おむつに使用されたプラスチックを再生プラスチックに

2023/02/06追記:またユニ・チャームの使用済み紙おむつの利用法の話。今度は、使用済み紙おむつ由来の再生プラスチックを配合した「紙おむつ専用回収袋」を大崎町が活用開始|ユニ・チャーム株式会社のプレスリリース(2023.02.03)というものです。様々なやり方で使用済み紙おむつの活用法を試している感じですね。

<ユニ・チャーム株式会社(代表取締役 社長執行役員:高原豪久)が、使用済み紙おむつのリサイクル過程で抽出したプラスチックを配合した「紙おむつ専用回収袋」を、鹿児島県大崎町(町長:東靖弘)が住民組織である衛生自治体会を通じて、分別精度向上などを目的に15の集落での実証実験(無償配布)を2022年12月より開始しましたのでお知らせします>

 ユニ・チャームが今までチャレンジしていた再利用は、紙おむつの主要原材料のひとつである「パルプ」を使ってもう一度、紙おむつを作る…といったもの。ただ、紙おむつにはプラスチック素材も使われていたんですね。こちらもすでに利用はしていたものの、“ダウンサイクル”に留まっていた…とプレスでは書いていました。

 このダウンリサイクルというのは、例えば、マテリアルリサイクルが困難な古紙及び廃プラスチック類を固形燃料としてリサイクルするといったもの。これはたぶんサーマルリサイクル…熱に変換するリサイクルですね。ただ、サーマルリサイクルは最後の手段である質の低いリサイクルであり、物質として再利用するマテリアルリサイクルの方が望ましいのです。

<そこでこのたび、紙おむつの回収率の向上と、資源循環のさらなる促進に寄与するべく、使用済み紙おむつのリサイクル過程で抽出したプラスチックを「紙おむつ専用回収袋」へと再生する取り組みを開始しました>
<「紙おむつ専用回収袋」を配布・活用することによって、分別回収が進み、紙おむつ以外の異物の混入が軽減され、「リサイクル設備への負荷低減」につながり、生産性が改善すると考えています>


●サステナブルでの発言一貫度ランキング、ユニ・チャーム社長が1位に

2023/07/27まとめ:2つ前の<ユニ・チャーム、今度は未使用おむつの検品・再配布実験を開始>で、ユニ・チャームはサスティナブル経営に最も熱心な企業のひとつでランキング上位だったはずだけど、そのときの記事が見つからない…という話を書いていました。

 このときには、ひょっとしたらサスティナブル経営のランキングではなく、社長の有言実行度ランキングみたいなもので上位になり、「サスティナブルな経営をする」と言ってそれをよく実行できている…みたいな話だったかもとも書いており、これが正解だったみたいですね。以前の投稿から転載しておきます。

2021/09/27:Forbes JAPANが。経営者のブレない発言一貫度と有言実行力をAIでスコア化したとのこと。その名も「発言一貫度ランキング」というのを発表していました。<言うだけ番長か、有言実行か? 社長の「発言一貫度ランキング」>(9/24(金) 17:00配信 Forbes JAPAN)によると、以下のような算出方法で、上位5社長は以下の通りです。。

<東証一部上場企業のなかで、時価総額TOP300を抽出。AI企業「サステナブル・ラボ」が、統合報告書、サステナビリティレポートなど開示資料から「トップメッセージ」の直近5年における「発言の一貫度」を、自然言語処理モデルを活用しスコアリングした。ただし、「環境」や「社会貢献」など口当たりのよい言葉を連呼してもハイスコアは出ない。5年間、ブレずに文脈が一貫しており、実行力を伴っているのかが問われる>
https://news.yahoo.co.jp/articles/d39e0f4262eb43c735dbefa0df42bbd00bdb16bd

<社長の「発言一貫度ランキング」>
1位 ユニ・チャーム
2位 セコム
3位 凸版印刷
4位 東海旅客鉄道
5位 SMC

 ここに追記したことでわかるように、ユニ・チャームの高原豪久社長の順位が良くて1位でした。ただ、顔ぶれを見ると、本当に信頼していいの?と思ってしまうところが入ってしまっています。4位の東海旅客鉄道というのは要するにJR東海のこと。そして、ここはブラック企業として知られるところなんですよ。

 単純な「発言の一貫度」であれば、ブラック企業であっても上位になることはあるでしょう。ただ、今回はどうも、「環境」、「社会貢献」、「サステナビリティ」といったところに注目した感じ。それでJR東海が4位というのは違和感があり、信頼していいのか不安になりました。JR東海はリニア新幹線で環境破壊もしてますしね。このJR東海といっしょだと、ユニ・チャームとしても喜んでいいのやら…という感じです。

 記事では、消費者、取引先、地域住民、官公庁、研究機関、金融機関、従業員などなど、ステークホルダーが多く、信頼を勝ち得ないと生き残れない業種なのが共通点と指摘。しかし、いろいろなところと摩擦を起こしているJR東海はどうなの?って話に、やはりなっちゃうんですけどね。これも特にリニア新幹線で摩擦があります。

 また、記事によれば、1位のユニ・チャーム、3位の凸版印刷、5位のSMC(産業用空気圧機器で世界シェア38%)に関しては、グローバル市場の厳しい土俵で勝負しているという共通点もあるとのこと。消費者や取引先の目は当然甘くなく、生存競争が厳しい世界に身をおいていることも要因とされていました。3社の場合、安定して儲かるJR東海とは、全く違う特徴ですね。

 この3社においては、社長にインタビューをしてみると、「上意下達」の逆という特徴もあるとのこと。社長が細かく指示をするのではなく、社員が自発的に提案して仕事をする「仕組み化」に成功しているといいます。つまり「自走する組織」だという言い方も。目標などはあっても、社員の自由度はある程度確保されているのかもしれません。

 社長は旗を振る役割に徹しており、その信念が社員に伝わり、共感されて、社員が動ける環境が用意されているとの説明でした。で、ここでまた同じ指摘をして申し訳ないのですが、JR東海は全く逆。どちらかと言うと、上の命令が絶対という軍隊系の組織で、ミスを許さない厳しい教育や服装規定の厳しさで知られてきた企業です。

 以上のように上位5社のうち1位のユニ・チャーム、3位の凸版印刷、5位のSMCの3社については、共通点が見られて納得できる説明。逆にこの説明と大きく異なるタイプのJR東海の存在が際立ってしまいました。最初から「違うタイプがある」という説明にしてくれた方が納得できた記事で、書き方で損している気がします。


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