★2014/6/11 バカンティ教授、2億円の研究費を獲得 STAP細胞論文撤回と関係?
★2014/7/30 万能細胞の権威、バカンティ教授との共同研究でもSTAP細胞再現できず
★2014/8/18 バカンティ教授が麻酔科長を退任し休職へ 事実上の失脚か?
★2014/9/18 バカンティ教授の新作製方法公開で、やっぱりSTAP細胞はあった!と反応
★2016/2/24 バカンティ教授はSTAP細胞研究続行?ハーバード大調査はどうした?
★2014/6/11 バカンティ教授、2億円の研究費を獲得 STAP細胞論文撤回と関係?
バカンティ教授は本当やり手ですね。噂レベルの話ですが、以前も書いたようにSTAP細胞論文のバカンティ・ハーバード大教授は、疑惑の最初からイロモノ扱いで、怪しい人物と見られていました。2ちゃんねるの生物板では、笹井芳樹理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)副センター長は「まさかあの笹井さんが」といった感じで擁護もあったのに、バカンティ教授は胡散臭いおっさん扱い。
噂なので信じちゃいけないですけど、ペテン師みたいな意見もありました。今STAP細胞問題があるある詐欺のようになっていますけど、バカンティ教授は昔からもっと上手にあるある詐欺をやって、嘘がバレない程度に研究費を獲得してきているといったことも言われていました。あてになる情報かどうかはわかりませんけどね。
そして、これまたあてになる情報かどうかはわかりませんけど、バカンティ教授はこの研究費獲得がうまいという話でした。自分で研究費を取ってくる教授ってのは普通にいます。ただ、バカンティ教授の場合はケタ違いで、大学がありがたがるほどお金を持ってくるといった書き方をしていました。
これが本当だとすると、普通の大学と先生の関係とはかなり違います。私がハーバード大の疑惑調査がどうなるか興味あったのは、単純に海外ではどうか?という興味やハーバード大が強い表現で徹底調査を約束したこと以外に、この特殊な関係というのもあります。まあ、しつこく書きますけど、本当やら?という話なのですが…。
Wikipediaを読むと、バカンティ教授の評価は2面性がありそうでした。
Wikipediaでも、あるある詐欺と言ったときに意識しているであろうエピソードというのはあります。マサチューセッツ大学時代の2001年に胞子様細胞仮説というものを発表しています。"生物の成体に小さなサイズの細胞が眠った状態の多能性細胞が存在するのではないか"という仮説だそうです。
これは内容を聞いてわかるように、STAP細胞のベースとなったものです。というか、バカンティ教授的にはSTAP細胞は"自身の研究成果であり、小保方は研究協力者の1人"に過ぎないという考え方のようです。だからこそ、論文展開にも強硬に反対したのでしょう。
まあ、それは良いとして、この説に"同僚たちは同研究に極めて懐疑的であり、弁護に疲れ果てた末職場を去る"ことになりました。これと過去にも何度か紹介している背中にヒトの耳が生えているかのように見えるマウスを作ったというエピソードが胡散臭さを担当するパートです。(この関連では最近
ゴッホの耳の複製、バカンティ教授の耳マウスの再生医療を応用という話題も)
ただ、マサチューセッツ大学時代はメディカル・スクール再生医科学センター長でしたし、アメリカ麻酔学会長でもあるようです。これも政治力や資金力の問題かもしれませんけど、やはり普通に評価されている面もあるのかな?と感じました。
(ちなみにバカンティ教授のWikipediaは日本語版はあるものの、英語版にはありません。Charles Vacantiで検索すると前述のマウスのページに飛ばされます。一般的には耳ネズミの人という扱いなのかもしれません)
で、その資金力の話。研究資金獲得のうまさに関しては、本当かもしれないぞ!というニュースが飛び込んできました。最近は2ちゃんねるチェックしていないので気づきませんでしたが、もう何日も前の話です。
(正確には2ちゃんねるを見る直前にメールを読んだときに、バカンティ教授が2億円もらったって話は教えていただいていました。なお、以下は2ちゃんねるではなくTwitter)
Robert Geller @rjgeller
ハーバード大ヴァカンティ教授は神経再生研究の$1,9M(約2億円)の研究費を受けた(企業との共同研究)。http://www.busbyway.com/2014/06/04/axo
明子 @akkosecret 6月5日
@rjgeller このために不名誉な結果になりそうだったSTAP細胞の論文の撤回を決めたのでしょうか?
Robert Geller @rjgeller 6月5日
ヴァカンティ氏は5月30日に論文撤回を申し入れて、2億円研究費取得発表は6月4日でした。時系列関係は明らかですが、因果関係の有無は不明ですね。(誰でも憶測するが。) RT @akkosecret このために不名誉な結果になりそうだったSTAP細胞の論文の撤回を決めたのでしょうか?
https://twitter.com/rjgeller/status/474532933911330816
2億円! すごいですね。実際にはバカンティ教授1人ではなく共同研究とはいえ、やはり凄腕だと言って良いです。
2ちゃんねるのものですが、意訳がありました。
726 : 名無しゲノムのクローンさん[] 投稿日:2014/06/10(火) 11:04:23.78
(略)
http://www.busbyway.com/2014/06/04/axogen-inc-receives-department-of-defense-funding-for-next-generation-peripheral-nerve-repair-research/
【意訳】株式会社AxoGen(ナスダック: AXGN)は、アメリカ合衆国の16億ドル(約1600億円)の抹消神経回復市場の新興先導者です。
AxoGenは今日、ボストンにあるブリガム婦人病院と、およそ190万ドル(約2億円)の国防省からの助成金を分け合うと報告しました。
この助成金は、ブリガム婦人病院の主任研究員チャールズ・バカンティ医師と、ボーダン・ポマハク医師に贈られました。
アメリカ内で毎年、抹消神経の外科的修復手術を経験している100万人近い人々を助けるため、次世代市販溶液の発展を支援します。
「私はワクワクしています。再生医療や幹細胞療法を使用して、やりがいのある神経回復の事例を扱うポテンシャルについて。」
と、 BWH麻酔科の部長であり、主任研究員のバカンティは言いました。
彼は最初におよそ70万ドル(約7千万円)の補助金を受けました。
(意訳おわり)
http://www.logsoku.com/r/life/1402315241/726
この方は国防省からもらったのは7千万円と書いていたんですけど、最後の部分に基づきますね。「最初におよそ70万ドル(約7千万円)」なので、2億円の方も間違いではないだろうということで、私はこちらの数字を採用しています。まあ、7000万円でもすごい話には違いありません。
先ほどのツイートでは"ヴァカンティ氏は5月30日に論文撤回を申し入れて、2億円研究費取得発表は6月4日でした"とありました。ですから、これまた憶測になってしまいますが、次の大きな仕事が確定しているためにSTAP細胞論文への未練がなくなって撤回に応じたのかな?と思ってしまいます。
★2014/7/30 万能細胞の権威、バカンティ教授との共同研究でもSTAP細胞再現できず
NHKスペシャルで一つ気になったところがありました。
こぐま @koguma1220
Nスペ。視聴メモ。万能細胞の権威であるハーバード大学のジョージ・デイリー博士の話「STAP論文を読んで行った再現実験はうまくいかなかった。同論文共著者のバカンティ教授に共同研究を申し込み、STAP細胞は作れるというバカンティ研究室でやっても一度も成功しなかった。」続く→
6:39 - 2014年7月27日
https://twitter.com/koguma1220/status/493390200446255107
Nスペ。視聴メモ。万能細胞の権威であるハーバード大学のジョージ・デイリー博士の話(続き→)「細胞が緑に光る現象は確認されている。しかし、それは細胞が死ぬ時に起こる現象ではないかと見ている。論文に書かれていたような方法では万能細胞を作成することは出来ないと考えている。」
6:39 - 2014年7月27日
https://twitter.com/koguma1220/status/493390272978382850
ジョージ・デイリー博士は、ヒトiPS細胞の樹立を山中伸弥教授と競っていた方みたいですね。
ヒトiPS細胞の樹立
マウス(ハツカネズミ属)とヒト(ヒト属)は遺伝子レベルで多くの類似性があるものの、マウスES細胞とヒトES細胞とでは、培養法や発現している遺伝子の種類などにおいていくつか異なる点がある。マウスiPS細胞の成功を受けて、同様の手法がヒトへも応用可能であるか大きな関心が集まった。
山中ら京大グループは、マウスiPS細胞の樹立に用いた4遺伝子のヒト相同遺伝子(中略)を、ヒト由来線維芽細胞(中略)に導入してヒトiPS細胞の樹立に成功した。また、世界で初めてヒトES細胞を樹立したことで知られるジェームズ・トムソン(英語版)らのグループも、山中らがマウスiPS細胞を初めて樹立した時と同じ戦略を用い、(中略)ヒトiPS細胞の樹立に別個に成功した。両グループの研究成果は、2007年11月20日、山中らの報告がセル誌に、トムソンらの報告がサイエンス誌にそれぞれ同日発表された。そのわずか後の12月には、ハーバード幹細胞研究所のジョージ・デイリー (George Daley) らのグループも、OCT3/4・SOX2・KLF4・C-MYCの4遺伝子にhTERT・SV40 large Tを加えた6遺伝子を用いてヒトiPS細胞の樹立に別個に成功しており、競争の激しさが窺える。この報告では、山中らやトムソンらが市販されている培養細胞を用いたのとは異なり、成人男性の手掌の皮膚から採取した細胞をもとにiPS細胞を樹立しており、実際にヒトの個体からiPS細胞を樹立可能であることが示された。
Wikipedia
ただ、小保方さんの擁護者の方は、山中伸弥教授すら罵倒の対象です。iPS細胞派の人はみなSTAP細胞を潰すために嘘をついていると考えていそうです。
今回登場したジョージ・デイリー博士は、バカンティ教授と同じハーバード大の方でした。ただ、バカンティ教授は向こうでもちょっとあれな人…と思われていた人物です。
NHKスペシャル放映の半日ほど前に、J-CASTニュースがそのバカンティ教授の話を書いていました。
小保方氏の指導教授「バカンティ氏」は謎だらけ 本業は麻酔医、「耳マウス」は評判が芳しくなかった : J-CASTニュース 2014/7/27 11:30
http://www.j-cast.com/2014/07/27211377.html?p=all 以前も書いているように、バカンティ教授は再生医療の専門家ではありません。"ハーバード大のウェブサイトに掲載されているバカンティ教授の略歴を見ると、所属はブリガム・アンド・ウィメンズ病院の麻酔科長となって"いるそうです。こちらが「本業」です。
もちろん「本業だけでなく他分野においても活躍」ということはあって良いのですが、彼はそういうタイプではありません。"小保方氏らが「STAP細胞」の研究成果を発表して時の人となった直後の"2014年2月2日では、 米ボストングローブ紙電子版は次のように紹介していたそうです。
「競争が激しく、変化のスピードが速い幹細胞研究の分野で実質的には部外者」
やはり専門家ではないという見方ですね。
ただ、小保方さんももともとの専攻は異なり、転向者です。専門家でないことが武器になることがあるため、私も疑惑噴出前はその点が良かったのではないか?という話を書きました。
ボストングローブもバカンティ教授をそのように書いていたようです。"むしろ専門外だからこそ、枠にとらわれずリスクを負える、また多くの研究者が過ちを恐れて研究成果を話したがらないのと比べて、自ら進んでオープンにするタイプだと好意的に評して"いたとのこと。
ただ、疑惑が濃厚となった現在では、普通に素人は素人だったのかも…という話に。素人らがその道のプロたちを騙しおおせたってのは、不思議ですけどね。
バカンティ教授の続き。何度も書いているバカンティマウスの登場です。(関連:
ゴッホの耳の複製、バカンティ教授の耳マウスの再生医療を応用)
バカンティ氏の名が知られたのは、「耳マウス」の発表だ。マウスの背中に「人間の耳」がくっついている姿は一見、ギョッとする。これは、軟骨細胞をポリマーの「型」に入れて人工耳をつくり、マウスの皮下に移植したもの。組織工学の研究成果として、バカンティ氏が開発した技術のデモンストレーションをしたのだという。
しかし、"周囲の評判は芳しくなかったようだ"と記事では書いていました。
バカンティ教授は、STAP細胞のルーツは自分たち兄弟のものだと言っています。"バカンティ氏は4人兄弟の次男"で確か全員医者になっていたはずです。
チャールズ・バカンティ教授は兄のジョセフ・バカンティさんに師事して、軟骨細胞の成長に関する研究をスタートし、弟のマーチン(マーティン)・バカンティさんとSTAP細胞の基礎を作りました。そのため、マーチン・バカンティさんはSTAP細胞論文の主要な共著者の一人になっています。
でも、周囲の視線は常に厳しいんですよね。記事でも「麻酔科医であるはずの同氏が、いくら専門家である兄の指導を受けたからとはいえ、大学での基礎的な知識習得の段階を飛ばして再生医療の本格的な研究、画期的な発見が可能なのだろうか」という形で疑惑の目を向けていました。
そして、医療系専門紙の記者は「通常、自分の専門領域に特化した研究で名を知られている研究者が大半」という回答を載せていました。
ただし、記者は「この種の論文には研究仲間や資金が必要。後ろ盾が得られず、(有力誌での)発表ができなかったのでしょう」という陰謀論者が喜びそうな話もしていました。成功を妬む勢力が邪魔している!って解釈もできそうです。
一方、この手の話では、別方向の陰謀論もあります。アメリカも研究費削減に苦しんでいるので、日本のお金を使って研究させて、おいしいところは全部持っていくのだ!という話です。
この陰謀論については実は笑って流せないところもあります。というのも、特許の筆頭に名前があるのが日本の関係者ではなく、アメリカのためです。
出願人は前述のチャールズ・バカンティ教授の所属するブリガム・アンド・ウィメンズ病院が先頭、発明者はチャールズ・バカンティ教授が最初で、次にマーティン・バカンティ医師、それから、アメリカ国籍で向こうでいっしょにやっている小島宏司准教授と続きます。小保方さんはその後でやっと登場という形です。
いろいろな意味でバカンティ教授は小保方さん信者の希望の星としては厳しいんですけど、一番大事なのは最初の話ですね。万能細胞の専門家が、STAP細胞は作れると言い張っているバカンティ研究室でやっても一度も成功しなかった…これは大きいです。
バカンティ教授は、サルの脊髄損傷でSTAP細胞の移植実験をやっているなどとも言っていましたが、その件はいったいどうなったのやら?
★2014/8/18 バカンティ教授が麻酔科長を退任し休職へ 事実上の失脚か?
お盆で実家に帰っていたので遅い話ですみません。ほとんど情報のないハーバード大の方でしたが、STAP細胞論文の共著者であるバカンティ教授が休職されるという話が出てきました。
バカンティ氏、退任し休職か STAP論文の共著者 :日本経済新聞 2014/8/12 9:29
【ワシントン=共同】STAP細胞論文の共著者であるチャールズ・バカンティ米ハーバード大教授が、所属する米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の麻酔科長を9月1日付で退任し、1年間休職する意向を示していることが11日分かった。(中略)
再生医療研究に詳しい米カリフォルニア大デービス校のポール・ナウフラー准教授が、バカンティ氏が同僚に送ったとされるメールの内容をブログに掲載した。メールはSTAP論文には一切触れていないが、ナウフラー氏は病院の内部調査が進んでいる可能性もあると指摘している。
ブログによると、バカンティ氏はメールで「複雑な気持ちで皆さんに私の決断をお知らせする」と麻酔科長の退任を表明。2002年に着任して以来の自らの業績を振り返り「私の将来の目標を達成し、試みの方向性を変え、最も楽しい事をする時間のために1年間の休暇を取るつもりだ」と述べた。復帰後は「再生医療の研究と、麻酔学の人材育成に力を注ぎたい」としている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG1200Q_S4A810C1CR0000/?n_cid=TPRN0005
バカンティ教授は疑惑の初期にメキシコに逃亡したという話が出ていました。元ネタがよくわからないのではっきりしたことは言えませんが、これはたぶん勘違いだと思います。
STAP細胞論文の不正疑惑について聞かれたときに、「メキシコにバカンスに行かなくちゃいけない状況かい?」とおどけてみせたというのが元ネタじゃなかったですかね? アメリカの犯罪者が隣国のメキシコに逃亡するというのはお決まりのパターンですので、おそらくそれを意識したジョークでしょう。
ただ、この話を覚えていただけに、本当に逃亡か?という想像にも繋がりやすくなっています。ナウフラー准教授(日本語表記は一定せず)もSTAP細胞問題との関係を匂わせていたようです。
小保方氏“師匠”退任を米准教授がスクープ | ニュースのフリマ 2014年08月12日 渡辺学
STAP細胞論文発表後、バカンティ氏はナウフラー氏のインタビューに答えたり、疑義が生じた後も個別のメディアにコメントを発したりしているが、会見を開くなどはしていない模様。ナウフラー氏は「昨日(10日)書いたように、しかるべき立場からのニュースや声明が我々には聞こえてこない。対照的に日本、理研からはノンストップで洪水のようにニュースが流れてくる」として、暗にバカンティ氏ら米国側関係者の“説明責任”を問うた。
STAP細胞の研究が理研主導で進んだとはいえ、論文執筆者のみならず、ハーバード側は特許申請にも関わっている。STAP細胞が再現できない状態が続けば、責任問題が生じても不思議ではない。ナウフラー氏は11日のブログで「もしこの施設(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院)がSTAPについて調べているなら、この休職期間中に調査結果が出るだろうことは誰もが予想するところ」と、突然の休職表明がSTAP細胞問題の内部調査とリンクしている可能性も示唆した。
10日付でもナウフラー氏は、ハーバード側による調査について言及。ただ、「仮に調査が進行中だとしても、結果は2015年までに明らかになりそうもない。調査が体面をとりつくろったものではないと仮定すれば、その結果はSTAP細胞問題を理解する上で重要なものになる。しかし、そこまで固唾をのむようなものにはならないだろう。責任はゆがめられ、日本の方に向けられると私は予想する」という趣旨の記述で、悲観的な見解も示している。
http://www.tokyo-sports.co.jp/blogwriter-watanabe/22240/
上は東スポ系ですが、ここは記事でも失脚と報じています。
小保方氏に追い打ち…師匠バカンティ教授「失脚」だった 2014年08月14日 07時00分
業界関係者は「(中略)当初、強気だったバカンティ氏も論文撤回に同意するなど、このところ“米国版小保方さん”のような状況になっている。同氏の研究室では以前から、論文不正が横行していたという気になるうわさも出回っている。大ごとになる前に“逃げた”のかもしれない」との見方を示す。(中略)
一部ではSTAP細胞問題の“黒幕”とも報じられたバカンティ氏。そもそも小保方氏にSTAP細胞のアイデアを伝えたのはバカンティ氏と言われ、同細胞の特許申請には同氏らハーバード大側も関わっている。
小保方氏は4月の会見で、正式採用される以前に理研で行っていた研究について、当時はハーバード大側の研究員だったため、神戸の滞在費は同大側の負担だったことを示唆した。STAP細胞研究にはハーバード大の資金も投入されており、実際に内部調査が実施されて不正が判明した場合、バカンティ氏も責任を問われる立場になりかねない。
笹井氏に加え、STAP細胞の存在を信じるバカンティ氏まで“退場”となれば、小保方氏の立場は一層厳しいものになる。
「彼女を擁護してきた後ろ盾2人が相次いでいなくなるわけですからね。笹井氏の自殺で落ち込む彼女をさらに追い込むことになる。バカンティ教授は4月の講演で小保方氏に『(大学のある)ボストンに戻っておいで』とラブコールを送っていたが、失脚したことで彼女の“米国転職”も難航するのでは」(関係者)
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/300726/
東スポは露骨に小保方さんを擁護するようなことを書いていたり、笹井副センター長の自殺を美化したり(関連:
笹井芳樹副センター長自殺の理由・犯人探しは、自殺の利用・推奨になり得る)で使いたくなかったんですが、「失脚」という前のめりな書き方をしているところは他に見つからなかったので仕方なく採用しました。
この東スポはバカンティ教授は小保方さんの味方だったという書き方をしていましたが、一部のSTAP細胞問題の擁護者にとってはバカンティ教授は心の拠り所でした。ですので、こういった憶測を呼ぶ長期休暇にさぞかしがっかりしているかも…とツイッターを覗いてみました。
ところが、陰謀によってバカンティ教授まで嵌められた、許せない!と、ますます意気盛んになっている方がちらほらと。1人は放射能デマでお馴染みの人でしたし、こういう方はお変わりありませんね。
ただ、これよりももっとSTAP細胞擁護者の方を元気づけられる情報もあります。一部報道ではちゃんとサバティカルであると明記されていましたが、問題の有無に関係なくもともと長期休暇を取る制度が海外では見られるようなのです。(日本では極めてまれ)
サバティカルとは、使途に制限がない職務を離れた長期休暇のこと。長期間勤続者に対して付与され、少なくとも1か月以上、長い場合は1年間となることもある。(中略)
伝統的には大学教員に多く採られている制度であって、研究休暇、在外研究などの呼称もある。
Wikipedia
このタイミングで…ってのはやはり憶測を呼ぶところであり、退職前の有給休暇使い切りのようにも見えます。
バカンティ教授、2億円の研究費を獲得 STAP細胞論文撤回と関係?で書いたような新たな研究費を獲得してすぐ長期休暇というのも、不可解です。
ただ、まあ、「失脚」だとまで言ってしまうのは、ちょっと早まっている感じです。ハーバード大の方は調査結果を待つ以外に、新たな情報は期待できない気がします。
★2014/9/18 バカンティ教授の新作製方法公開で、やっぱりSTAP細胞はあった!と反応
バカンティ・ハーバード大教授は新しい仕事も入ったし、長期休暇する(してる?)し…で、もうてっきりSTAP細胞の件には言及せずにうやむやにする作戦だと思っていました。しかし、
STAP細胞 米教授「簡単再現は間違い」 NHKニュース(9月14日 11時53分)などによると、「当初、STAP細胞の再現が簡単にできるとしたのは大きな間違いで、研究者個人の技術によるところが大きかった」という文章を公開したようです。まだ頑張る気なんですね。ちょっと意外でした。
この文章は自身の研究室のウェブサイトに掲載されたもので、「最新の研究を踏まえたSTAP細胞の作製方法だ」とされています。"弱酸性の溶液に細胞のエネルギー源となる化学物質を加えることで、STAP細胞を作製する成功率が向上する"んだそうな。
一方、これを受けた「ネイチャー」のニュースブログでは、「バカンティ氏は簡単に諦める人ではないようだ」という記事を出したそう。妙なコメントですね。いろんな受け取り方ができそうです。
ただ、この件はもうあんまり大々的に報道するようなものでもないでしょう。バカンティ教授の戯言(たわごと)にいちいち付き合うのも馬鹿らしいです。最初はブログでも取り上げるつもりもありませんでした。
しかし、この記事を読んで「やっぱりSTAP細胞はできていたんだ」みたいな人が出ていたのを見て、少しメモしておこうかなと思い直しました。何度も書いているように、すべての人に理解してもらうのは無理なので、少数の特異な人をあまり気にしても仕方ないんですけどね。どうしても気になってしまいます。
たとえば、こういうの。
"バカンティ教授のSTAPレシピ発表、日本のマスコは一斉に「バカンティは簡単作成は間違いだったと認めた」と報じる。ポイントはそこじゃなくて、彼の研究室では再現できており、ATPを加えることで産生効率が大幅に高まると発表したことでしょう!!"
…と書いたけど、他のものが見つかりませんでした。あれ? 少なくとももう1個くらい見つけて、こりゃマズいかな…と思ったはずなんですけど、勘違いだったみたいです。バカンティ教授の話を真に受けるのは、ほとんど皆無だったみたいですね。
企画倒れ…というか、何か当初の前提が崩れてしまってグダグダに…。仕方ないので、
はてなブックマークで同様の記事のコメントでも眺めてみます。まず、当然のように人気コメントでバカンティ教授を信じている人はいません。
dissonance_83
ごたくはいいから作ったサルのSTAP細胞を公開してみろよ。治療も行ったんだろ?じゃあ使ったSTAP細胞と治した動物、各種実験データも公開しろ。まずはそれからだ。 2014/09/13
tdam
バカンティ氏小島氏は研究不正事件への当事者意識がない。簡単に作製も何も、タダの一度も外部で再現せず、しかもSTAP細胞を移植したサルが逃げた件()に関しての説明もない。不正研究者として公費研究から除外すべき。 2014/09/13
gsindiv
小保方と比べて、こいつが日本で今まであんまり叩かれてなかったのが不思議。 2014/09/13
isaac_asimot
1.STAPの有無は問題ではない。2.不正な論文が問題(or "外部の検証に耐えない粗雑な論文")。3.この順番を違えると「科学"界"は論文で前に進むもの」が崩れ、4.門外不出の秘法を持つ錬金術師の時代が時代が 2014/09/13
bogus-simotukare
「米教授」がバカンティって時点で呆れて開いた口がふさがらない。何のことかと思ったら「簡単に再現できないからオボの捏造じゃない」と強弁したいらしい 2014/09/13
fujixe
簡単には作れないのだから、理研が作れなかったとしても、STAP細胞が無いという結論にはならない、という主張か。 2014/09/13
人気じゃないコメントで擁護はあるでしょうか?
見ていると、「これは小保方晴子さんと距離を起き始めたのではないか?」というのがチラホラ。何でですかね? もっと良いやり方があると言って出したプロトコルは以前にもあります。バカンティ教授だけで確か2度目です。(3度目でしたっけ?)
ざっと見ましたが、150のブックマークでバカンティ教授に好意的なコメントはありませんでした。ただ、はてなブックマークとはユーザー層の異なるツイッターのコメントを…と
Ceron.jp - STAP細胞問題 バカンティ教授「『簡単に再現できる』は間違い」(フジテレビ系(FNN)) - Yahoo!ニュース見ると、好意的な感じのものを発見。
"良い人だね! 金の亡者と化したアホ共と大違い!"
なぜ良い人だと思ったのか、よくわからないですね。簡単に再現できる…を訂正したから「良い人」って意味ですかね? 以前から、簡単にできるは言いすぎた…と言っていた人はいたんですけど…。
あぁ、ツイッターはやっぱりちょくちょく好意的な人がいますね。他に2つありました。なお、ツイート自体は54です。
"手術も実験もテクニックによる差は大きい。かと言ってテクニックの差があるからといって、その手法や論理が否定されるべきではない"
"重要な情報はいつも海外から入ってくる。STAP細胞はむしろ海外の方で早く花開くかもしれない。"
擁護的なものは、こんな程度でしたのであまり心配することはなさそうですね。
★2016/2/24 バカンティ教授はSTAP細胞研究続行?ハーバード大調査はどうした?
●ハーバード大バカンティ教授はSTAP細胞研究続行?
第一報の時点では書くこと思いつかなかったので書きませんでしたが、ちょっと遅れてバカンティ教授の件を。
STAP細胞研究、論文撤回後も継続 共著者バカンティ氏 :日本経済新聞 2016/2/23 22:21
【ワシントン=共同】STAP細胞論文の共著者チャールズ・バカンティ氏が、論文撤回後もSTAP細胞作製に向け、研究を続けていたとの記事を米誌ニューヨーカー電子版が22日、掲載した。同誌の取材に対し「(STAP細胞は)正しいと確信したまま墓場に行くだろう」と話したという。
記事によると、論文に不正があるのではないかと問題になった際、バカンティ氏は著者の小保方晴子氏に「データの捏造(ねつぞう)はしてないのか」と尋ね、「それならこんなに時間をかけて実験はしない」との回答を得たという。(中略)
記事によると、同誌は昨年7月にバカンティ氏に取材。共著者の小島宏司医師と実験を続けていると説明。既に分化を終えた細胞にさまざまな刺激を与える手法で、どんな細胞にも分化できる万能性を獲得できるかどうかを検証した。万能性を示す遺伝子の働きを確認したが、実際に万能性がある細胞の作製には成功していないという。〔共同〕
●バカンティ教授の研究は、本当にSTAP細胞研究なのか?
「(STAP細胞は)正しいと確信したまま墓場に行くだろう」とカッコ付けで補足していましたし、最近劣化が激しくスポーツ新聞化している産経新聞なんかは"米国でも「STAP細胞はあります!」"というタイトルにしていました。
でも、これ、バカンティ教授は実際にSTAP細胞って言い方したんですかね? 「復職後も再生医療の研究を続けている」という大学の説明もあったものの、再生医療=STAP細胞ではありません。
また、STAP細胞は理研側でつけた名前であり、バカンティ教授側は胞子様細胞(spore-like cells)仮説という言い方をしていました。言ったもの勝ちのところがありますが、バカンティ教授にしてみれば、STAP細胞も自分の仮説を証明する細胞の一つでしかないという認識でしょう。
何でもSTAP細胞にしてしまうというのは、違和感があります。
●ハーバード大の調査はどうした?
ところで、「復職後も再生医療の研究を続けている」という大学の説明の「復職」というのは、バカンティ教授がサバティカルという長期休暇をとっていたことによります。
"バカンティ氏は論文の問題が指摘された後、2014年夏から1年間米ハーバード大を休職"という記載がありましたが、これも説明不足じゃないですかね? もともとこういった長期休暇は制度としてありますので、そのことを書いておかないとアンフェアな感じがあります。
この長期休暇で気になっていたのは、ハーバード大の調査がその間にされているのかどうかということです。ネイチャー論文は主に理研側・小保方晴子さん側での不正疑惑ばかりでしたが、当初、ハーバード大も「当院の注意を引くような懸念はすべて、徹底的な精査の対象となる」と述べ、大学として調査する可能性があることを示唆していました。
理研のSTAP細胞論文の調査期間は実を言うとかなり早いもので、調査に1年以上かかることも珍しくありません。長すぎるのも問題なんですけどね。ただ、これだけ時間が経っても音沙汰無しというのは、ハーバード大はやっぱり調査していなかったんだろうと思います。
結局口だけかよ…という感じがしてハーバード大を当初は批判するつもりで書き始めましたが、一応、さっきも書いたように理研側が主体の問題でした。ハーバード大もやると二重になってしまい、これはこれで不都合がありますので、調査すべきだったとも言いづらいです。残念ですけど、仕方なかったかもしれれません。
【その他関連投稿】
■
ゴッホの耳の複製、バカンティ教授の耳マウスの再生医療を応用 ■
バカンティ・笹井芳樹・若山照彦・丹羽仁史 評判が高いのは誰? ■
研究不正疑惑についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|