花粉症やスギ花粉の話をまとめ。<なぜ杉は伐採されない?スギ花粉対策がされないのは圧力があるから説>、<花粉が少ない杉の品種もあるのに、全然植えられていない理由>、<遅くない?花粉症対策を検討し始めた政府「30年後に花粉半減」>などをまとめています。
2023/09/07追記:
●遅くない?花粉症対策を検討し始めた政府「30年後に花粉半減」 【NEW】
【クイズ】スギに関する説明として正しいものはどれでしょう?
(1)スギ科(もしくはヒノキ科スギ亜科)に属するのはスギのみ。
(2)スギの名の由来は、真直ぐの木という意味の「直木」から来ているという説がある。
(3)日本固有種ではなく、海外にも自生している。
●なぜ杉は伐採されない?スギ花粉対策がされないのは圧力があるから説
2016/3/3;昨年の春に花粉の話を書こうと記事を見繕っていたんですが、シーズンを外しちゃったので1年遅れで。というか、今年も忘れていたので慌てて書いています。まずは、アホ臭いこと言っていると思った東国原英夫・元議員の話から紹介。2015年4月6日放送の「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)での話だそうです。
番組では、日本を元気にする会の山田太郎(山本太郎じゃありません)・参議院議員は「スギは植えても良いことなんてひとつもない」と主張し、スギをすべて伐採することを訴えました。すると、東国原英夫・元議員は「木材自給率がゼロになってしまう」と反論。自給率という反論も私はおかしいと思いますけど、これだけならまだマシだったでしょう。
呆れたのが、「言わせてもらいますけど。花粉症の産業で儲かっている人もいらっしゃいますからね」「花粉がないように植林しましょうとかいうと。ウラで圧力がかかるんですよ」などと言い出したことです。これを紹介した記事も
東国原英夫氏が花粉症産業の裏を暴露「対策しようとすると圧力が」(2015年4月7日 12時5分 トピックニュース)というタイトルでした。
一方で、スギ植林肯定派である自民党の山田俊男・参議院議員は、「いやいや、(圧力は)一切かかってない」と否定。ただ、こっちはこっちで、「スギを植えなければ山が崩れる」「スギは日本の木造建築に適している」といった必死さが痛くてどっちもどっちでした。
●花粉が少ない杉の品種もあるのに、全然植えられていない理由
東国原元議員や山田俊男議員が具体的に言及していたのかどうかはわからなかったのですが、花粉症対策を講じた杉の品種もあるんですよ。
スギは毎年1600万本も植えられている 花粉症が今や「国民病」といわれているのに : J-CASTニュース(2015/3/12 19:33)では、その話がありました。ただし、未対策の杉が今でも大部分を占めています。
<花粉症の患者数は、統計によっては3人に1人(環境省資料)とされ、もはや国民病の1つだ。2015年、花粉の飛散数は関東地方で昨年の2倍になると予測され、新たに花粉症になる人も増えている。
にもかかわらず、今なお毎年1600万本近くの苗木が生産されている。花粉が少ない品種の植え付けは全体の10%強にとどまっている。(中略)
花粉症被害の増加を受け、近年は花粉を少なくする品種が開発されているが、13年度ではわずか201万本で、全体の12.7%にとどまっている。一般のスギに比べて花粉量が1%以下の少花粉品種は130種類以上、無花粉のものは2種類が開発されているにもかかわらずだ>
林野庁担当者は全然植えられていない理由について、「これらの品種が植えられるようになり、まだ10年ほどしかたっていない。木材としての実績がないため、林業関係者の中では足踏みしているところがある」としていました。ただし、全国山林種苗協同組合連合会の担当者は、これを否定しています。
全国山林種苗協同組合連合会の担当者いわく、「木材の出来に不安を持ったり、コスト面の課題があったりする訳ではない」とのこと。とはいえ、「一般に植えられるようになって時間がたっておらず、業界の中で認知が広まっているとは言い難い」ということで、知名度不足という別の説明はしていました。
●杉の造林は日本の国策だから譲れない
なお、自民党の山田俊男議員が必死だったり、保守派の東国原議員も結局杉の伐採に反対であったりしたことから何となく想像できるでしょうが、杉の植林は国策なのです。
<元々スギは育てやすく、成長が早く、建築資材としてのニーズが高い。戦後、木材需要の高まりにこたえるため、国が積極的な造林が進めてきたことが背景にある。
国内に1029万へクタールある人工林のうち、現在もスギは4割以上を占め、林野庁では「日本の林業では最も重要な樹種」(森林利用課担当者)ととらえている>
ただし、当時植えた杉がすぐに育って使えるはずがないため、その間に輸入材が一般化し、杉を使わない住宅などが増えてしまいました。他の記事を見ていると、今となっては伐採しても商売的に引き合わないという話もあり、杉の需要が大きいという説明については確認が必要かもしれません。
とりあえず、スギは日本の固有種であることは間違いない話。しかし、スギ科(もしくはヒノキ科スギ亜科)とされる木は海外にもあります(セコイアなど)ので、代替できる可能性もありそうです。
【クイズ】スギに関する説明として正しいものはどれでしょう?
(1)スギ科(もしくはヒノキ科スギ亜科)に属するのはスギのみ。
(2)スギの名の由来は、真直ぐの木という意味の「直木」から来ているという説がある。
(3)日本固有種ではなく、海外にも自生している。
【答え】(2)スギの名の由来は、真直ぐの木という意味の「直木」から来ているという説がある。
本来、林業というのはそのイメージとは正反対にむしろ先進国向けで新興国に勝てる産業だと言われているのですが、日本の林業は相当下手なことをやっているのかもしれません。
●遅くない?花粉症対策を検討し始めた政府「30年後に花粉半減」
2023/09/07追記:政府がやっと花粉症対策(?)を発表。< 30年後には花粉発生量を半減に 農水省などの対策案が明らかに>(NHK 2023年5月27日 16時42分)という記事をブックマークしていました。「30年後」ですので、現在花粉症に悩んでいる人たちには「遅すぎ!」と言われそうですけどね。
<政府が検討を進める花粉症対策をめぐる農林水産省などの原案が明らかになりました。(中略)
このうち、花粉の発生源対策では、スギの人工林の伐採面積を現在の年間5万ヘクタールから7万ヘクタールに広げ、10年後にはスギの人工林を2割程度、減少させることを目標に掲げます。
そして、住宅などに使う木材のスギ材への転換を促すなど、伐採したスギ材の活用に向けて取り組むことにしています>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230527/k10014080291000.html
上記は対策というか、要するに今あるスギを「じゃんじゃん切りまくる!」という話です。スギが減れば、スギ花粉も減るので対策でしょ?ということですね。ただ、セットで「スギ材への転換を促す」とあるように需要があるかどうかが問題。需要に無関係に伐採すると、どこかに歪みが生じる可能性もありそう。そもそも杉の植林の時点からそうなのですけど、社会主義的とも言える国策による事業は問題が起こりがちです。なお、上記以外に以下のような対策を行うという話でした。
<さらに、花粉の少ないスギの苗木やスギ以外の樹種への植え替えを進めるとし、10年後にはスギの苗木の生産のおよそ9割以上を花粉の少ないものにするとしています。
一方、飛散対策としては、薬剤の改良や散布技術の開発を促進し、5年後に実用化のめどを立てるとしています。
これらの取り組みによって、30年後には花粉の発生量の半減を目指すとしています。>
【その他関連投稿】
■
寄生虫・回虫で花粉症・アレルギー・アトピー対策、サナダムシダイエット 藤田紘一郎博士の説 ■
医療・病気・身体についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|