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コンビニに商品提供する異色のコンビニ・セイコーマート 小売業から製造業へ転身を選んだ独立系コンビニの生き残り


 「中食」って知っています? 「外食」に対応してできた言葉です。

【クイズ】家庭外で調理されたものを、購入して持ち帰る、あるいは配達を受ける等によって家庭内で食べる食事の形態を「中食」と言います。
 この読み方は、「なかしょく」あるいは「ちゅうしょく」ですが、江戸時代には同じ字で「ちゅうじき」という言葉がありました。これはどのような意味だったでしょう?

(1)家で作って食べる食事
(2)昼食
(3)ブランチ


●コンビニに商品提供する異色のコンビニ・セイコーマート

 もともとセイコーマートは早くからプライベートブランドに力を入れていました。それも既存メーカーの製品をプライベートブランドにしているというだけでなく、生産・製造から深く関わるというスタイルです。

 同じ北海道の企業であるニトリも小売業と言うよりは製造小売業であり、似たところを感じていました。(関連:大塚家具とニトリ・イケアの比較 価格よりトータルコーディネートがポイント)

 ただ、セイコーマートはさらに製造業化を突き進めていて、驚きました。何と他の小売店にも、製品を販売し始めているそうです。その中には、コンビニチェーンまであるというのが驚きです。
製造業へ華麗に転身したセイコーマート:日経ビジネスオンライン 須永 太一朗 2015年12月21日

 今年3月、関東にあるイオングループの「イオン」「マックスバリュ」の店頭に、大福の新商品が次々とお目見えした。(中略)

 この大福を製造する三栄製菓(札幌市)は、北海道のコンビニエンスストア大手、セイコーマート(札幌市)の子会社。(中略)

 セイコーマートが道外で商品を売り込んでいるのは大福だけではない。子会社で製造したパスタやサンドイッチは北関東地盤のスーパー、ベイシアの店頭に並ぶ。別の子会社で製造したアイスモナカやメロンアイスを、神奈川県が地盤の中堅コンビニ、スリーエフに供給した実績もある。

●小売業から製造業へ転身を選んだ独立系コンビニの生き残り

 "コンビニ業界がセブン、ローソン、ファミマの3陣営にほぼ集約されつつある中で、セイコーマートは中堅以上のチェーンとしては残り少ない独立系の企業だ"そうです。セイコーマートはこの3陣営の軍門に下ることなく、製造業化という独自の道を選んだものと見られます。
グループ各社の税引き前利益の合計に占める割合を見ると、2012年度はコンビニ運営など小売部門が5割を超え、製造部門は17%だった。これが2015年度は小売部門35%、製造部門は32%になる見通し。製造部門の比率は年々上がっており、数年後には製造部門の利益額が小売部門を上回りそうだ。

●日本製品であっても、高く売れるわけではない

 また、セイコーマートの"売り先は国内にとどまらない"とのこと。北海道のブランド力は海外でも高評価であり、良い戦略ですね。
 三栄製菓の大福は、9月にはタイのイオンの店舗に出荷。10月には同社のマレーシアの店舗にも出す予定だ。卵焼きと豆腐の製造子会社、北海千日(小樽市)が製造した卵料理を、米国のすし店に供給することも検討している。日本食ブームを追い風にしながら、品質の良さをアピールすれば、現地の需要をつかめるとみる。

 ただ、高価格路線ではないみたいです。インタビューでは以下のように答えていました。
「気づいたらコンビニではなかった」を目指す:日経ビジネスオンライン 飯田 展久 2015年12月21日

――商品の販売先として、海外市場はどこが有望と感じていますか。

赤尾(引用者注:赤尾明彦会長):これからは米国です。(中略)

 米国は今、日本食ブームですが、今後はさらにマーケットが大きくなるのではないですか。でも、高いものは売れないですよ。やはり安いものです。


――高価格帯ではだめですか。

赤尾:私は箱を立派にするといった、日本的な発想で高い商品になればなるほど、お客さんの数は少なくなると思います。

 食べ物というのは命の次に大事なものだから、これは限りなく安くなければいけないわけです。安く作るにはどうするか。やっぱりこれが、食べ物を扱っている人が常に考えなければいけないことでしょうね。

 ニトリの場合は最近ある程度高いものにも力を入れ始めました。ただ、高価格帯を狙わないというのは先ほどのニトリとある程度共通するものです(ちなみにニトリもアメリカを重視して挑戦しています)。


●コンビニの外食化も進めるセイコーマート

 セイコーマートの特徴的な戦略は、他にもあります。コンビニの外食化です。北海道内のセイコーマート店舗は過疎地でほど強いという常識破りなことになっていましたが、これは過疎地で廃れた外食需要を取り入れたためです。これをさらに強化する方向性のようです。
 食品製造と同様、セイコーマートの特徴である外食の機能も外部に切り出し、新たな事業に育てる。1つずつ鍋で作るカツ丼など、コンビニ店内で展開する人気コーナー、「ホットシェフ」を道外で出店する計画だ。(中略)

 セイコーマートはホットシェフのサービスを1994年に開始した。鉄道の駅の減少や、郊外のショッピングセンター、高速道路のドライブインのフードコートなどとの競合で地域の食堂が姿を消すなか、代替する存在として北海道で支持を広げてきた。

 魅力は店内調理で出来たての総菜や弁当を提供すること。(中略)

 道内では現在100店に導入しているイートインのコーナーを、毎年100店以上のペースで増やす計画だ。座席数は数席の店もあるが、一部は30席程度と大幅に増やした店も用意する。ホットシェフの商品をその場で食べられるようにして販売を後押しする。

 長居しても怒られない喫茶店、コメダ珈琲 予想に反し東京で成功において、コメダ珈琲はファミレスの牙城を崩した喫茶店だという話が出てきました。

 このとき書いたように、コーヒーで言うと、コンビニを始めとした喫茶店以外のお店が、盛んにコーヒー販売に乗り出して、今やすっかり定着しています。

 また、新たなお酒を飲む場所としてファミレスなんかも注目されています。コンビニを中心とした中食の拡大が、外食の需要を奪ったという分析も見たことがあります。以前は別業界だったところの垣根がなくなるということが起きているんですね。

 赤尾明彦会長は、インタビュー記事の方で「ホットシェフの利益率は他の外食企業と比べて高いです。だから、外食業界から攻められて当社が立ち行かなくなるのではなく、逆に攻め返す」としていました。


 中食の話が出てきましたので、クイズの回答も。

【クイズ】家庭外で調理されたものを、購入して持ち帰る、あるいは配達を受ける等によって家庭内で食べる食事の形態を「中食」と言います。
 この読み方は、「なかしょく」あるいは「ちゅうしょく」ですが、江戸時代には同じ字で「ちゅうじき」という言葉がありました。これはどのような意味だったでしょう?

(1)家で作って食べる食事
(2)昼食
(3)ブランチ

【答え】(2)昼食

 ただ、以前は1日2食の習慣だったので、朝食と夕食の間に軽くとる食事だったみたいです。後から今で言う昼食に。また、「中食」(ちゅうじき)も後に「昼食」(ちゅうじき)に変わったようです。

 「中食」を「ちゅうしょく」と読むと、「昼食」と区別つかないと思っていたんですが、「中食」(ちゅうじき)もややこしいですね。


●直営店が多いコンビニらしくないコンビニ

 セイコーマートにはもう一つの特色がありました。フランチャイズ店の少なさです。
 大手コンビニチェーンとのもう一つの決定的な違いは、直営店舗の多さだ。セイコーマートは1971年の1号店開店からしばらくは、地域の酒販店が次々とコンビニに業態転換し、FC(フランチャイズチェーン)方式で店舗数を増やした。だがFCオーナーの高齢化が進み、後継者不足に悩むオーナーも増えている。全国で次第に深刻になっているコンビニFCの担い手不足が、北海道では先行して表れた格好だ。

 そこで同社は、FC中心というコンビニの事業モデルから決別し、FCだった店舗を順次直営に切り替えてきた。現在の直営店比率は約7割に上る。

 もちろん直営店への転換は本部コストの増加要因になるが、メリットも大きい。店舗の運営が標準化しやすくなったほか、他社が入ってきにくいように地域に集中出店するドミナント(地域集中)戦略など、本部の施策を素早く反映できる。過疎地という難しい場所も直営なら出しやすい。今後は既存のFC店は残すものの、新規出店は直営主体で進める。

 コンビニはコンビニオーナーからの搾取構造が問題視されることがあり、セブン-イレブンなんかでは死者も出るなど密かに問題になっています(関連:コンビニ経営は儲かる?儲からない?セブンイレブンオーナーの悲劇など)。フランチャイズをやらないコンビニというのは、非常に変わっています。

 セブン-イレブンには対抗意識があるそうで、そういう理由もあるのかもしれません。
 セイコーマートは北海道でも急速に勢力を拡大するセブンへの強烈な対抗意識を持つ。社内関係者によると、赤尾会長は競合コンビニの中でも唯一、セブンの店舗には足を踏み入れないようにしているという。「セブンと同じことをしたら負ける」が持論だ。ホットシェフや過疎地への出店など、既存のコンビニモデルへの挑戦は、セブン対抗を強く意識したものだろう。

 あと、インタビュー記事の方で、もう一つユニークだと思ったもの。関係ある話がなくて入れるところなかったので、ここに持ってきました。
――本社の新卒は何人ぐらい採っていますか。

赤尾:今年は採っていません。なぜなら現在のように景気が回復基調にある時期では、せっかく入社しても、すぐ辞めてしまう人が多いからです。他の会社でも、どこでも入れると考えるのです。

 データ的には就職氷河期ほど辞める人が多いらしいので違うと思いますが、この時期に人をとらないというのは変わっています。ただ、パートはベテランのパートの人にリクルートしてもらっているという話をしていました。


 こういったユニークなやり方が全部うまく行くとは限りません。でも、いつも書いているように、それで良いんですよね。失敗しながら大きく成功できるやり方を探していけば良いのです。

 いろいろとユニークでかなりおもしろかったと同時に、応援したくなる話でもありました。


 関連
  ■大塚家具とニトリ・イケアの比較 価格よりトータルコーディネートがポイント
  ■長居しても怒られない喫茶店、コメダ珈琲 予想に反し東京で成功
  ■コンビニ経営は儲かる?儲からない?セブンイレブンオーナーの悲劇
  ■セイコーマート、500円ワインの秘密とホットシェフの良さ
  ■セイコーマートの100円惣菜がすごい ボリュームたっぷりでなぜこの値段?
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