今回の「東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)」の被災地の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
私のブログは世間で何が起ころうとも我関せずで、普段は淡々と更新しており、あまり行事ごとや時事的なことには触れません。これはある程度意識してやっていました。
しかし、今回の地震にはあまりにショックを受け、これからしばらくの更新は地震に関するもののみにし、特に書くことがない場合は更新を控えることにします。
飽くまで「私にとって」ではありますが、軽い話題はもちろん、真剣な話でも、不謹慎な気がするためです。
さて、表題の件、「オオカミ少年津波警報」の話です。
実は先の地震の前日(10日)、私はちょうど津波関係のことを調べているところでした。
一つは昔の津波の話で、それについては投稿するかどうか今迷っていますが、その際によく検索で出てきたのがこの「オオカミ少年津波警報」の話です。
これは「気象庁が津波警報を出しても、それより低い津波ばかり、これでは信頼できなくて、本当に大きい津波が来たときに誰も逃げなくなる」といったものです。
10日の時点では、あまり興味がなくサラリと流していたのですが、これは今になってみると非常に罪深いものと思えます。
結果論ですが、津波警報無視を助長するような話に思えたのです。
10日時点では検索結果で読める部分だけ見ていて、本文まで読んでいませんでしたので、今4つほど本文を見てみたのですが、「問題だ。悪い」と言っているだけで、代替策を提示しているわけではありません。
たとえば……と思ったら、いきなりこれは一応代替策出していました。
もしほとんど津波が来る恐れがないにもかかわらず、もしも悪い方にはずれた場合に責任を問われることを恐れて、いつも最大限の可能性にさらに上乗せしたような警報を出しているのだとしたら、それはやめて今の地震科学ではこれくらいの津波が来ることが予想されるけれども、最悪の場合にはこれくらいのこともあり得るので逃げることをおすすめしますというような注意を出すということにはできないのでしょうか。 |
この方はこの後、「今日(注意:2008年の話)も、津波の高さは50センチと予測されていましたが、実際に科学者の方々は5センチから50センチくらいという数値を出していたのではないでしょうか。それでも発表の時には最大の50センチと発表していたような気がしてなりません」とも書いていますが、それの何が問題なのかわかりません。
著者の言うような警報の出し方を今回したと考えると、犠牲者はますます増えたはずです。
他は、
今日の津波警報(注意:2009年のチリ地震)、オオカミ少年を思い出しました。全国に1メートルの津波が押し寄せる?だからどうしたの?死者は1人も出ていません。けが人すら出ていません。こういうウソつき情報をメディアが垂れ流していると 結局、誰も信用せず、本当に5メートル、10メートルの津波がきたとき、多数の死者が出ませんか?(改行は原文ママ) |
というのも、信じられないものです。まるで死者が怪我人が出ていれば良かったのにという書き方です。
これは他の同時期の報道と併せて読むと、ちゃんと避難しなかった人が多かったのに怪我人が出なかったということかなと思えますが、それでもあまり賛同できるものではありません。
もう一つ、
気象庁のオオカミ少年津波警報のせいで国民に不安を煽り、高速道路と国道が通行止め、鉄道、バスが運転見合わせ、 水族館が営業できなくなるなど経済的な損失を謝罪だけでは済みません。(中略)僕は高校生で文系なんで津波と波は一緒で1.2mの波なんか普段風が少し強い時にもありますよと思ってます。周りの友人も同じです。なんで騒ぐのかな?科学者は嘘つきですね。小さい子供が危ないと言えばいいのに避難しろとはおおげさ。日本はインドネシアのケースとと違い防波堤や水門があるからスマトラ津波の惨状のようにはらない。(注意:強調は引用者) |
といったもの。
他の方もそうですが、基本的に知識がないのに勝手に解釈した上で批判しています。
どう違うか説明きでなくても、津波と通常の波が同じものだと思っている人は少ないでしょうが、これを読んで津波警報への疑いを強くした人もいたかもしれません。
これらの意見は「本当に大きい津波が来たときに誰も逃げなくなる」と言っていながら、むしろ逃げないことを勧めるような文章になっていないでしょうか?
「あの人は嘘つきだ」と言われると、普通は信用できないかもと警戒しますよね。煽るだけでは、むしろ被害の拡大に努めているだけです。
今まで外れることが多かったように、津波の予想は難しく、正確な予測はできませんし、それは一朝一夕には変わらないでしょう。
でも、だからと言ってそれを信用するなと主張してみても、問題を解決できるわけではありません。(追記:後のもので書きまましたが、現在これを代替できる情報を得ることはできません)
そうではなく、たとえ無駄足になったとしても警報・注意報どおりになる場合を想定して、辛抱強く災害に備えることを勧める方が重要だったでしょう。
これは飽くまで結果論ですし、これからしばらくの地震でそんなことを言う人はいないと思います。しかし、人間は喉元過ぎれば熱さを忘れるものです。
また、引用した文はこれからもウェブ上に残り続けるものが多いはずです。ですから、この文章は主に今よりもその忘れた頃に読む方のためです。
将来これを読まれた方に、今一度警報の意味を考えていただけると幸いです。
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