【クイズ】作家の百田尚樹さんは、囲碁棋士・本因坊算砂について「(将棋の名人)大橋宗桂と平手で対局し、これに勝っている。つまり算砂は碁も将棋も日本一であった」と連載小説に書き、問題視されました。実際の本因坊算砂の大橋宗桂との対戦戦績として正しいものはどれでしょう?
(1)1勝1敗
(2)1勝7敗
(3)0勝1敗
●グーグルのアルファ碁、イセドル九段に勝利
一通り終わった段階で書いた方が良い話でしょうが、またグーグルの人工知能「アルファ碁」が勝っちゃいました。
囲碁の人工知能、トップ棋士に2連勝 2016年 03月10日 19時12分 提供元:読売新聞
【ソウル=川村律文】米グーグル傘下の英グーグル・ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能「アルファ碁」と、世界のトップ棋士である韓国棋院の李世●九段(33、引用者注:イセドル)の第2局が10日、ソウル市内で行われ、アルファ碁が勝利し、2連勝とした。(●は石の下に「乙」)
●イセドル九段は世界トップ級
イセドル九段は「今日は言うことがないほどの完敗だった。一局ぐらいは勝てるように頑張りたい」と話したそうで、何かもう既に一度でも勝てれば御の字という感じになっています。
このイセドルさんは世界トップクラスとされていましたが、世界ランキング的なもので言うとどれくらいなのだろう?と検索。公式ではなくて、個人的にレーティングを出してくれている方がいました。それによると、何と世界5位だそうです。
世界棋士レーティング(囲碁)
順位 氏名 所属
1 柯潔 中国棋院
2 朴廷桓 韓国棋院
3 時越 中国棋院
4 周睿羊 中国棋院
5 李世ドル 韓国棋院
●実は囲碁が弱い日本人
ところで、このレーティングを見ていて驚いたのが、日本人が上位にいないことです。最高位は17位の井山裕太さん。その後がまたずっと見当たらなくて、上位は中国人と韓国人しかいない感じです。これには驚きました。
テクノロジーの発展で貧富の格差が拡大 ネオ・ラッダイト運動に繋がるか?で書いたように、将棋より囲碁でトッププロに勝つ方がずっと難しいと思われていました。
その中で日本は、ニコニコ動画でチマチマと将棋のプロ棋士との対戦をやっていた程度です。グーグルはこれを一気に飛び越えてしまったわけですから、その差は歴然だということでしょう。
これと同じようにというわけじゃない(たぶん人工知能の差の方が大きいです)ですが、囲碁界の日本と海外の差も圧倒的なのかもしれません。検索かけると、「うん、日本人は弱いよ」という感じで、既に受け入れられていました。
日本が中韓より弱いって本当ですか? - 最近ヒカ碁を読み直していて気になった... - Yahoo!知恵袋
rememberonmymindさん 2011/1/2922:34:26
そうですね、圧倒的に劣っていると言われても仕方がない。
国際線では、トップ中のトップ同士なら5戦して1勝と言ったところか……こちらのトップとあちらの二線で良い勝負ですね。
●日本人は本当は弱くない?
いくつか読んでいると、日本人は本当は強い、日本人に不利なルールになっているという主張もありました。国際棋戦だと、持ち時間が短いってのが、特徴みたいですね。
で、日本は国際棋戦を重視しておらず、まるで対策もしていないものだから、負けまくっているみたいです。先ほどのレーティングの人は、勝率も算出してくれています。以下のように数字は悲惨そのものです。
中国棋士 57.6%
韓国棋士 55.8%
日本棋士 25.6%
2015年世界棋士レーティング評価より
レーティングの信頼度が低いのを除いた値では多少マシになっていますが、目も当てられない状況は変わりません。
中国棋士 54.0%
韓国棋士 55.5%
日本棋士 32.4%
日本の囲碁棋士は、なぜ国際棋戦で勝てないのか。 ( ゲーム ) - 将棋の茶店「芹沢鴨?」(2013/4/5)でも、やはり日本人が弱いのは国際棋戦を重視していないからという話がありました。
ただ、「(中国韓国では、)高いレベルの若手が集って、共同研究をし、布石の流行形を徹底的に研究しつくしている。日本では、高いレベルの棋士が集って、共同研究なんかしない」など、日本人棋士側のそもそもの努力不足的な指摘も多いです。
「力を入れているルールが異なるから負けているだけ」という説明は、単なる負け犬の遠吠えということもなく、一応理解はできるのですけど、いずれにせよ実際の試合で負けまくっているというのは残念な事実ですね。本当、今日はこれに驚きました。
●本因坊算砂が将棋でも相当強かったのは間違いないが…
囲碁クイズは段位にしようと思っていたものの、思いのほかややこしかったのでボツに。悩んでいるうちに百田尚樹さんの件を急に思い出して、これを持ってきました。
【クイズ】作家の百田尚樹さんは、囲碁棋士・本因坊算砂について「(将棋の名人)大橋宗桂と平手で対局し、これに勝っている。つまり算砂は碁も将棋も日本一であった」と連載小説に書き、問題視されました。実際の本因坊算砂の大橋宗桂との対戦戦績として正しいものはどれでしょう?
(1)1勝1敗
(2)1勝7敗
(3)0勝1敗
【答え】(2)1勝7敗
さすがに負けたのを勝ったと捏造したわけじゃありませんが、1回だけ勝ったことをもって「日本一」としたみたいです。これも立派な捏造と言って良さそうですけどね。
【掲載後に新たに書いた投稿】
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