Appendix

広告

Entries

元自衛隊メンタル教官・下園壮太 暇があるなら寝ていろ!という教え


 最初にことわざの「可愛い子には旅をさせよ」に関するクイズ。今回の投稿内容に関連する「ストレスをかける」からの連想だったんですが、無理やりですよね。すみません、他に良いものが思いつきませんでした。

【クイズ】「可愛い子には旅をさせよ」と似たような意味のことわざとして、本当にあるものはどれ?

(1)いとしき子は棒で叩け
(2)可愛い子には薄着をさせよ
(3)毒を煎じて子に飲ます

2022/01/18追記:
●むしろメンタル強いと自覚の優秀な自衛官、うつ病でキャリア終わる
●机の下に潜り絶叫する奇行を見せて病院行き…エリート自衛官の末路
2022/02/19追記:
●職場でよくいるストレスになる嫌な人 イライラや愚痴ばかりの人 【NEW】
●いつも怒っている人はむしろ助けて仲良くした方が良いのか? 【NEW】
●優しい聞き上手な人ほど愚痴ばかり言う人のターゲットに… 【NEW】


●やっぱり根性論?中レベルのストレスで折れる奴はやる気がない奴

2016/3/11:元自衛隊メンタル教官である下園壮太さんのお話。最近は田母神俊雄、横領した金を不倫相手に?謝礼も違法で逮捕の可能性という話題もありましたが、ストックからほぼ順番に出しているだけなので、元自衛官の横領疑惑が話題の中での投稿となったのは偶然です。

 この元自衛隊メンタル教官が教える 「折れてしまう」原因は、ストレスではなく◯◯だった 〈dot.〉|dot.ドット 朝日新聞出版 (更新 2016/2/ 8 07:00) では、「折れる」ことを、結果的にある仕事や職をやり遂げられない状態に陥ることと定義。「折れる」にも、2つのパターンがあり、1つ目は、中レベルまでのストレス状態で「折れる」場合。以下のような説明で、これは昔の根性論っぽさがありますね。

<中レベルとはみんな苦しいが、それを我慢してなんとかやっている、やれている状態。現代社会で働く人々のほとんどが、この中レベルのストレス状態の中で仕事をしていると考えていい。この状況で「折れる」人は、一般的には、責任感がない、意欲がない、能力がない、小さなことで悩み傷つく、人に援助を求められないなどの特徴があるだろう>


●高レベルのストレスで折れるのは優秀な人…耐えすぎていきなり崩壊

 上記は「折れる」人の半分だそうな。もう半分の人は、高レベルのストレスで「折れる」んだそうです。この高レベルのストレスというのは特別なストレスではなく、"中レベルのストレスでも、それが長く続けば高レベルになってくると考えてほしい"とのこと。"中レベルのストレスでは高いパフォーマンスを上げ、涼しい顔をしていた人が、ある時突然不調に陥るのが高レベルストレスでの折れ方の特徴"だとも説明されていました。

 下園壮太さんが経験した例では、訓練指揮官が「彼は、部隊でも極めて優秀ですし、これまでの訓練もみんなを引っ張っていますから心配はいりません」と言っていた彼が、"訓練も後半に入って、一山超えたころ"で、突然消えたということがありました。

 亡くなったのか?と心配したものの、スタッフが必死に探し出して面接すると「うつ状態」だとわかりました。うつ病以外でも、"自衛官、警察官、役所の職員、教員など、まじめに勤務してきた人が痴漢や窃盗などを働くことがあるのは、このパターンが多い"とありました。


●実際にはストレスではなく疲労で折れる

 高レベルのストレスで折れる人は、実際にはストレスというよりは疲労でやられるイメージだそうです。
 人は緊張すると疲労を感じないで仕事をすることができる。特に中レベルまで「よくできる人」の中には、疲労を感じない技術を高めてきている人が多いのだ。

 中レベルまでのストレスは、問題解決力で何とかうまくこなせる。その時にエネルギーも使うが、それを「感じない」ように対処する。これが優秀な人の一つのパターンになっていることが多い。(中略)

 ところが、その間に「疲労」が蓄積していくのだ。そして疲労がある段階に達すると、体から脳に「これ以上動くな。弱っているからこれ以上の作業を命ずる人を警戒せよ」という指令が出るようになる。意思とは関係なく、気力と集中力が低下する。すると本来の問題解決力が発揮できなくなり、トラブルが増え、さらに疲労がたまるという悪循環に陥るのだ。(中略)

 そして優秀だった彼が、突然業務を投げ出すなどの「折れる」という状態になってしまうのだ。

 あんまり関係なかったクイズの「可愛い子には旅をさせよ」なのですが、ストレスを与えれば与えるほどストレスに強くなるというのは幻想ですよ…という意味での出題でした。

【クイズ】「可愛い子には旅をさせよ」と似たような意味のことわざとして、本当にあるものはどれ?

(1)いとしき子は棒で叩け
(2)可愛い子には薄着をさせよ
(3)毒を煎じて子に飲ます

【答え】(2)可愛い子には薄着をさせよ

 「可愛い子には薄着をさせよ」って何か虐待みたいに見えますね。他にもひどいことわざは多く、「(1)いとしき子は棒で叩け」は「可愛い子には薄着をさせよ」と似た意味の「可愛い子は棒で育てよ」の改変でした。これも虐待を思わせます。

 また、これらは厳しく育てれば立派な子になるはずだとか、体罰によるしつけだとかも連想させることわざでもありまです。これまた今回の話と方向性が異なるんですが、子供や部下を 叱る・怒る VS 褒める 効果を比較した研究はある?などでやっているように、叱って育てることに有利な証拠はあまりないようです。


●暇があるなら寝ていろ!という教え

 さて、ここからは折れてしまわないように…という対策の話へ。前述の通り、折れるのは疲労が原因なのですから、休む必要があります。

 仕事を休むことが大切な理由 経営者は休憩時間を軽視しすぎ!であったように、休むというのは本来仕事の質を上げる上で非常に大切なことなんですね。

 また、この記事でも出てきましたが、少し睡眠不足なだけで、パフォーマンスはかなり落ちます。うちでは、以前、6時間睡眠10日で徹夜レベルまで認知機能低下 少し睡眠不足の怖さという話をやっていました。
 軍隊では、「人は疲れる」ということを常に意識するように訓練する。ちょうど長距離ランナーが、まだのどが渇いていなくても、定期的に水分を補給することを訓練するのと同じだ。

 まず、軍隊では、「睡眠」と「水分」をとることを強調している。どちらも緊張しているとつい忘れてしまうことだ。

 強制的に8時間睡眠と6時間睡眠をさせるグループを作り2週間後に比較したところ、6時間睡眠グループでは、酩酊と同じぐらいの能力の低下が観測された。米軍などでは、任務中でも少しでも余裕があるときは、交代で積極的に昼寝をすることを推奨している。

●中レベルのストレスで折れる奴はやる気がない奴だ…こそが問題では?

 軍隊で休憩や睡眠が大事という話は、意外であろうと思います。特に旧日本軍とは全く正反対の方向性で、戦前の日本軍を否定しているようにも聞こえます。はてなブックマークでも、旧日本軍の精神論について揶揄するコメントがありました。

“「軍隊では「人は疲れる」ということを常に意識するように訓練する」「まず、軍隊では、「睡眠」と「水分」をとることを強調している」目を疑った。食う物がないなどは戦いを放棄する理由にならぬのが皇軍ではないか”(REV 2016/02/08)

 また、下園壮太さんも危ない感じがあるのは、最初に書いたように、中レベルのストレスで折れる奴はやる気がない奴だと説明してしまっていたことです。中レベルのストレスで折れる人についてバカにしてしまうと、ますます悪い状況になりそうです。以下のような指摘がありました。

“「中レベルのストレスで折れる人=責任感がない」これがあかんのやろ。だから我慢できるやつは、折れたらあいつらと同じだと思うしかなくなる。ついでにサラリーマンは自衛官みたいに基本的なケアがないんで注意”(ritena 2016/02/08)

 今回のような疲労がわからなくなってしまうという話では、過労死の本当の恐ろしさ~疲労を感じないまま死亡~が過去にやった最も強烈なものでしょう。

 中レベルのストレスで折れる人をバカにする言い方はせず、もっと休むことの大切さを強調することに重点を置いた方が良さそうですね。


●むしろメンタル強いと自覚の優秀な自衛官、うつ病でキャリア終わる

2022/01/18追記:中身を見ないでタイトルだけ見た時点でこちらの投稿に追記しようと決めた、メンタル崩壊から復活した30代男性が語る「教訓」 元エリート自衛官に起きたまさかの事態 東洋経済オンライン / 2022年1月14日 7時30分(松永 怜:ライター)という記事。登場する元エリート自衛官は、仮名でわびさんという30代の方です。以下のように最初出てくる話は、前時代的な根性論の匂いがする話でした。

<暑さ寒さが過酷な現場では、テントの室温が50度前後にも及ぶ状況で指揮を取ったかと思えば、マイナス15度の極寒の地で訓練をしたことも。寒さのあまり、普段優しくて温厚な人でもキレやすくなったり、攻撃的になる傾向もあったそうだ。
 そんな中、わびさんは幹部上級過程において歴代優秀者の中に名を連ね、知識、技術ともに高い評価を得ていた>

 ところが、部署異動をきっかけに壮絶なパワハラに遭遇します。同期の中でもトップの成績を残し、誰よりもメンタルが強いと自負していたにも関わらず、最終的にはうつ病を発症し、休職を余儀なくされてしまいました。ただし、最初の頃はパワハラを受けている自覚はなかったといいます。

 「上司は自分のためを思って厳しく言ってくれている。自分の努力が足りないだけ。頑張ればいつかわかってもらえるはず」と考えていたそうな。「叱るのはあなたのため」を支持する人が多く、「ブラック企業だとか言って甘ったれるな!」と自己責任論を言う人もこういう考え方ですが、そうした主張がブラック企業で働く人を殺すのです。

<ところが、日に日にエスカレートしていく叱責。1日の業務量が多く、怒鳴られるたびに仕事は止まる。上司へ報告、連絡、相談を受けてくれるのは19時以降で、すべての案件に対して長時間の指導や人格否定が続く。その後、翌日上司が出勤するまでに、当日から翌日朝までに上がった情報収集や分析を行わなければならず、やれどもやれども終わりが見えない。
 当時の残業時間は月200時間を超えた。朝5~6時には出勤して、帰宅時間は深夜1時。睡眠時間は毎日3時間程度。土日休みだったものの、仕事が終わらず土日のどちらかは出勤。もう一日はひたすら寝るか、生まれたばかりの双子の子育てで妻も孤立無援となっており、一緒に家事や育児も行う日々に追い詰められていった>


●机の下に潜り絶叫する奇行を見せて病院行き…エリート自衛官の末路

 「自動販売機で缶コーヒーを買うにも、この種類を買ったら上司に怒られるのではないか。トイレにいても、途中で上司が入ってきたら、この場所を使っていたら迷惑にならないか」と思ってしまうほど追い込まれます。フラフラになりながら、以前お世話になった上司に相談を持ち掛けたものの、返ってきた言葉は「気のせいだ」だったそうです。

 最後は、職場で叫び声を上げてデスクの下に潜り、そのまま病院に運ばれるという壮絶なエピソードで終了。当時の記憶はまったくなかったといいます。このような状態では職務ができないために、当然ながら休職。社会復帰するまでに1、2年の時間を費やすことになってしまいました。

 このケースでまずかったのは、まず、「何を言われても反抗しなかった」こと。日本企業は従順な社畜を求めますし、国民全体としても「反対意見を言う外国人は使えない。やっぱり日本人は素晴らしい」という考え方がまかり通っています。しかし、これがパワハラやいじめ、ブラック企業精神にガッツリ噛み合うんですね。

 また、「弱音を吐かなかった。逃げることは恥だと思っていた」という、一見メンタル的に強そうな思考が、実際にはメンタル崩壊に繋がりました。これもダメなんです。記事では「自分の心のサインに気付かなかった」とされていました。誰しもがストレスにダメになる可能性があり、メンタル最強の人なんかいないと考えた方が良いでしょう。


●職場でよくいるストレスになる嫌な人 イライラや愚痴ばかりの人

2022/02/19追記:他のところで紹介していたあなたをじわじわ消耗させる人 賢い距離の取り方は|NIKKEI STYLE(2018/2/23)という記事。読んでみると、下園壮太さんの話だったのでこちらでも紹介。じわじわと慢性的にストレスを加えてくる「困った人」の中で、「イライラさん」「グチグチさん」の2タイプについて、解説されています。

イライラさん…いつもイライラしたり、ため息をついたり、大声で誰かの悪口を言ったりしている人
グチグチさん…いつも愚痴ばかり聞かせてくる人


●いつも怒っている人はむしろ助けて仲良くした方が良いのか?

 下園壮太さんによると、いつも怒っているような「原始人」の近くにいる人は、その攻撃のとばっちりをいつ受けるかわからないと緊張を強いられます。「何をするか分からない人」ですから、そばにいるだけでなんとなく不安でそわそわしてしまい、エネルギーを消耗していくのです。

 カウンセリングに来た人は、イライラさんを助けたいと言っていたのですがこれは無駄。なぜなら、怒り心頭のイライラさんは、その人の意見に完全に同意するような意見以外は、受け付けないため。中途半端に「その気持ちも分かるよ。でもね……」という対応をすると「全然分かってくれない!」と逆ギレされかねないそうです。

 では、どうすべきか?と言うと、イライラさんから「離れる」ことが必要というアドバイス。一方で、一番良くないのは、攻撃を受けながらも相手をサポートし続け、自分自身のエネルギーを使い果たしてしまうこと。食事に行く、外出する仕事を増やすなど、物理的に接する時間を減らしてみるのも一つの方法だとされていました。


●優しい聞き上手な人ほど愚痴ばかり言う人のターゲットに…

 いつも愚痴ばかり聞かせてくる人というのも、「イライラさんと同じぐらいあなたのエネルギーを減らす」と心理カウンセラーの下園壮太さんは指摘。愚痴も「嫌な感じ」という感情が乗り移りやすく、愚痴を聞かされた方も消耗してくるためです。聞き上手な人ほど愚痴の受け皿になることが多く、ちょっとしんどくなることもあるとされていました。

 「相手も困っているのだから」といった親切心で我慢する人もいるでしょうが、これは双方にとって悪いことだといいます。人間は、負担を掛けられると、相手を嫌いになりたくなくても嫌いになってしまう動物。なので、愚痴を聞かされる聞き上手な人は、相手のことを「私に我慢を強いる相手」と認識し、嫌いになっていきます。

 一方で、ついこの間まで親身になってくれた相手に冷たい態度を取られたグチグチさんは、手のひらを返された!と身勝手にショックを受けます。なので、我慢して愚痴を聞いてあげない方が良いとのこと。ただし、「私はこれまであなたの話を聞いてきたけれど、これ以上は付き合えない」と、きっぱり言うべきではないとされていました。

 良いとされていたのは、「ちょっとごめん、今忙しいんだ」と柔らかく断ったり、「今日はあと5分しかないんだ」と時間を制限したりといった、マイルドな距離のとり方。「そうやって離れる自分を許すことが大切」とも書かれていたので、こうしたマイルドな離れ方は、優しいだけに疎遠にするのに罪悪感を覚える愚痴を聞いていた人にとっても良いということでしょうね。

 なお、こうやってマイルドに距離をとった愚痴ばかりの人が、愚痴を聞いてもらえる相手がいなくなってかわいそうなことになる…という心配もしなくても良さそうです。その間に、グチグチさんも、多くの場合は別の話し相手を見つけていくでしょうとの説明。ターゲットが変わるだけで、グチグチさんは相変わらずグチグチさんなようです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■田母神俊雄、横領した金を不倫相手に?謝礼も違法で逮捕の可能性

【関連投稿】
  ■6時間睡眠10日で徹夜レベルまで認知機能低下 少し睡眠不足の怖さ
  ■仕事を休むことが大切な理由 経営者は休憩時間を軽視しすぎ!
  ■子供や部下を 叱る・怒る VS 褒める 効果を比較した研究はある?
  ■社員に長時間労働させない方が会社も儲かる 健康経営も本当だった!
  ■日本は勤勉な国だと思ってたのに…労働生産性、先進国最低レベル
  ■ブラック企業に利用される固定残業代制度 本来会社に不利な支払い方
  ■ビジネス・仕事・就活・経済についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由