「被ばくで発症」と主張 福島事故後の甲状腺がん 2015/10/07 04:00 【共同通信】
東京電力福島第1原発事故後、福島県で見つかっている子どもの甲状腺がんの多くは被ばくで発症したものだと主張する分析結果を岡山大の津田敏秀教授(環境疫学)らのチームがまとめ、国際環境疫学会の6日付の学会誌電子版に発表した。別の疫学専門家からは「結論は時期尚早」との指摘がある。
研究チームは、福島県が事故当時18歳以下だった約37万人を対象にした昨年末時点までの甲状腺検査の結果を分析。年間発症率は事故前の日本全体と比べ、20~50倍と算出した。
福島で甲状腺がんが増えている、という論文の考察 岩田健太郎 2015年10月13日 16:56
この論文で行われているinternal comparison とexternal comparisonの後者のほうで、比較する対象は日本国立がんセンターの2001-08年のデータです。当然、スクリーニングのバイアスがかかっていると見るべきです。論文では「However, the magnitude of the irrs was too large to be explained only by this bias」とありますが、なぜそういえるのか根拠は明示されていません。
2回やっているスクリーニングについても、this result cannot be explained by the screen- ing effect because most occult thyroid cancer cases would have been harvested in the first round screening.と書いていますが、やはり外的な比較とのバイアスの生じる余地については克服できていないと思います。
(中略)この論文を持って福島で震災後甲状腺がんが増えた、という結論をつけるのは難しいと考えます。
放射線曝露の程度に差があると想定される(この想定はざっくり、ですが)、福島県内の比較(internal comparison)、こちらはスクリーニングが徹底しており比較的バイアスのリスクが低いのですが、有意差は出ていません。least contaminated areaをreferenceにしていますが、1番近いところでも差がてていない。
A君:津田教授が「自分は疫学の専門家であるから、信じてもらいたい」という発言があったが、その相手の大平教授も実は疫学の専門家だということを知っていたのだろうか、と思いましたね。その相手である大平教授がリスクがどのぐらいになるのか、ご本人の口から聞きたいと要求したが、結局、誤魔化したと思います。
B君:津田教授は自分を「アウトブレーク疫学」の専門家だと主張しているけれど、並の疫学者ではない、ということを言いたいのだろう、というのが個人的な結論。すなわち、津田教授は、福島の住民の味方という立場を取ることは考えていないのではないだろうか、というのが、その結論の先にある推測。
A君:ということは、自分自身の「アウトブレーク疫学」の普及のために現在のような講演をやっている。あるいは、自分の主張が認められて、福島中通りの住民への避難を勧告出す(誰が出すかは別?)事態になることを望んでいる団体からの支援を受けてやっている。これが結論ではないでしょうか。
B君:そう言えば、アウトブレーク疫学に関する自分の本の広告を相当やっていた。広告する訳ではないですが、という言い訳は付いていたが。
A君:「アウトブレーク」という言葉は感染症の用語なので、放射線のように伝染性が全くない場合に使用するのは、もともと不適切ですよね。ということは、いくら「アウトブレーク疫学」を福島に適用したといっても、誰も支持をするとは思えない。
津田教授が無視していることは、やはり、対照群との同等性の議論のように思える。過去、岡山大学などでも甲状腺がんの疫学を行っているというデータがでているが、その方法は、触診のみであって、福島県で用いられた超音波法とは違う。
超音波のエコーによる診察法の分解能は、かつて数ミリと言われたものが、現時点では1ミリになったらしい。かなり進化している。
スクリーニング効果という用語がある。それは、成人になり、40歳代、50歳代になると甲状腺がんは増えてくるが、10代の検査をすると比較的多くの甲状腺がん、もしくは、その前駆症状が見つかるが、これは、その状態のままかなり時間が経過して、中年になってから発症するということを意味している、という主張を意味する言葉である。
津田教授は、今回みつかった59件もの福島県の調査結果は、件数として多すぎて、スクリーニング効果などで説明できない、と主張している。しかし、対照群が違っていては、どんな議論も無価値である。
(中略)
A君:さて、次の問題点が、疫学者としては決してやらないであろう対照群(あるいは母集団)の選択に間違いがあることは、指摘されていましたね。
B君:これは確かに基本的な間違いだと思う。そこに誤魔化しがあることがもともとバレている。このような素人にも見破られる理屈で闘うのは、相当な覚悟があるとしか言えない。要するに、最初から無理は承知の議論なのではないだろうか。
A君:今回のようにプロ的な人々から質問を受けることを想定していなかった。あるいは、困ったら訳の分からない解答をしてとぼける戦略だった。
B君:余りの追求に、疫学者のプロに向かって、「あなたは疫学が分かっていない」というのでは、その本性が分かる人には分かってしまった。
福島県で小児の甲状腺ガンの発生率が上昇、最有力科学誌が指摘する意外な原因とは? - BusinessNewsline Posted 8 days ago, by Emily Thomas
科学界ではもっとも権威のある専門誌と見なされている「Science(サイエンス)」は、最近掲載した一般記事「Mystery cancers are cropping up in children in aftermath of Fukushima(事故後の福島の小児の間にガンの発生率、謎の上昇)」というタイトルの記事を掲載し、福島第一原発事故では、史上最悪の原発事故となったチェルノブイリ事故で放出された放射能の約10分の1の量が放出され、この事故を契機に、事故が発生した福島での小児ガンの発生率が上昇傾向を示している事実を伝え、この原因分析を行っている。(中略)
甲状腺ガンの最高権威の一人となるケンブリッジ大学のDillwyn Williamsは、最近、専門誌「Epidemiology」に発表した論文の中で、福島で発生している小児ガンの発生率上昇と福島原発事故との間には因果関係はない可能性が強いとし、こうした調査結果がでているのはむしろ、調査方法そのものに原因があると述べている。
チェルノブイリ事故では、事故後、多数の乳牛に放射能汚染が広がったのにも関わらず、ウクライナでは乳牛に対する対策を講じることは行わらず、この結果、被爆した乳牛が生産した牛乳を多数の子供が摂取することで、子供の間に甲状腺ガンが発生する形となった。
しかし、福島第一原発事故では、当局によって事故後、放射能が含まれてる食品は市場に流通しないように素早い、措置が講じられた。
それにも関わらず、福島では、チェルノブイリ事故の教訓から小児に甲状腺ガンが発生することを懸念して、小児の甲状腺ガン発生を重点的に監視する検査体制が敷かれる形となった。
Dillwyn Williamsを始めとする専門研究者はこの過剰反応とも呼べる甲状腺ガンの検査体制が敷かれたことにより、これまで統計上は、表面化してこなかった小児における甲状腺ガンが発見されるようなっている可能性を指摘している。
チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
汚染区域の子供は甲状腺に、最大で累積50グレイの高線量を被曝した[要出典]。これは汚染された地産の牛乳を通じ、(中略)放射性ヨウ素を多量に摂取したためであり、また子供は身体および器官が小さいため、大人よりも累積線量が高くなるためでもある。IAEAの報告によると、「事故発生時に0歳から14歳だった子供で、1,800件の記録された甲状腺癌があったが、これは通常よりもはるかに多い」と記されている。
1995年、世界保健機関 (WHO) は、子供と若年層に発生した700件近い甲状腺癌をこの事故と関連付けた。10件の死亡が放射線に原因があるとした。しかし、検出される甲状腺癌が急速に増えているという事実は、そのうち少なくとも一部はスクリーニング過程によって作り出されたものであることを示唆している。放射線により誘起される甲状腺癌の典型的な潜伏期間は約10年であるのに対し、一部地域での小児甲状腺癌の増加は1987年から観測されている。しかし、この増加が事故と無関係なのか、あるいはその背後にあるメカニズムかは、まだ十分に解明されていないとIAEAは主張している。
サイエンス誌では、同様な事例として、1999年に韓国で起きた騒動を教訓として挙げている。韓国政府は1999年から公衆衛生上の新施策として、それまでは行ってこなかった甲状腺ガンの検査の公的援助を開始した。(中略)しかし、この結果、2011年には、公的支援による検査導入前の1993年に比べて、韓国国内における甲状腺ガンの発生率は15倍にも達する状況となってしまったのである。
ただし、それ以前と比べて韓国の甲状腺ガンによる死亡者数は、目立った変化は生じてはおらず、結果的に、この韓国で起きた事例は、検査を新たに導入したことで、それまでは正確につかめていなかった正確な甲状腺ガンの発生率が統計資料上に具体化したことが原因だと、現在の研究者の間では考えられている。
東京電力福島第1原発事故から5年となるのを前に、住民の健康への影響を継続調査してきた英インペリアルカレッジ・ロンドン教授で、分子病理学の世界的権威であるジェリー・トーマス氏が9日、都内の駐日英国大使館で記者会見、放射線による健康への影響はほとんどないとする結論を公表した。
教授は5年間の調査結果として、福島の子供たちの被曝(ひばく)量はフランスのコルシカ島の子供たちのそれよりも低いとして、子供への健康に影響が及ぶリスクは非常に低いと言明。「問題は心理的なものにある」と強調した。(内藤泰朗)
4. 政府冷淡 コルシカ島の被曝|世界のヒバクシャ|ヒロシマ平和メディアセンター
地中海に浮かぶコルシカ島は、面積約8,500平方キロで、広島県よりやや広く、人口は22万人。この観光の島コルシカに、チェルノブイリ原発の「死の灰」が雨とともに降り注いだのは、事故から6日後の1986年5月2日だった。しかし、放射能汚染の事実は、フランス政府からでなくイタリア経由で伝わった。(中略)
「ヨーロッパ中が防護策をとっているのにフランスだけ安全なはずがない」。こう確信した彼はたまりかねて、5月12日にパリの放射線防護委員会へ羊の乳を送り、分析を求めた。
案の定、1リットル当たりのミルクから4,400ベクレルのヨウ素131が検出された。ヨウ素131の半減期が8日であることから逆算すると、コルシカに降った当日は7万ベクレルになる。EC諸国で定めている摂取基準が500ベクレルだから、結果を聞いた時のショックは大きかった。彼はサンプルを送るまで調査すらしなかった政府に失望しつつも、村人の健康を注意深く観察し続けた。
やがて不安は現実となった。もともとウイルス性の甲状腺障害が多かったところへ、事故直後から子供の甲状腺肥大が増え、のどの障害を訴える老人も多くなった。「事故後2年間、甲状腺に何らかの異常がある村人は3倍にもなった」とフクニエさんは指摘する。
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