インドビジネスの話をまとめ。<インドは儲からない 嫌われる国で成功したスズキとユニ・チャーム>などをまとめています。
2023/05/22追記:
●インドが個人主義で自己主張が強い国民性になのは当然? 【NEW】
ユニ・チャーム共振の経営: 「経営力×現場力」で世界を目指す 高原 豪久

●ずっと赤字だったが我慢…インドでユニ・チャームが紙おむつで首位へ
2016/3/19:インドは将来最も伸びるであろう国として注目していて、ユニ・チャームにもインド市場での活躍を期待していました。ただ、ユニ・チャームはインドネシアや中国の話ばかりで、インドについてはほとんどニュースがありませんでした。そんな中での明るいニュース。インドの紙おむつ市場でシェアトップの座がいよいよ見えてきたそうです。
<インドの子供用紙おむつ市場が塗り変わりつつある。これまで過半のシェアを握ってきた米P&Gが約4割までシェアを下げる一方、昨年第2工場を立ち上げたユニ・チャームがパンツタイプで市場を席巻。シェア4割に迫りつつあり、近いうちに首位に躍り出そうだ。(中略)中国などに比べ紙おむつの普及率がまだ低い一方、新生児が毎年2700万人誕生するインドは世界で最も成長率の高い国となっている>
(
インド 塗り変わる紙おむつ市場 攻勢ユニ・チャームが奪首目前 化学工業日報 2016年03月16日より)
なぜユニ・チャームでインドの話が全然出ていなかったかも、同じ記事を読んでいてわかりました。<同社は今年、インド事業の黒字化を視野に入れる>とも書かれていました。つまり、これまではずっと赤字だったようなのです。そりゃ話題にはなりづらいですね…。赤字でも我慢し続けてきたとも言えるでしょう。
別記事<
インド 世界経済の主役へ 《上》 真価問われる日系企業>(化学工業日報 2016年03月17日)には、"「インド事業は儲からない」。日本企業に限らず、インドに進出した外資の多くが口にする"としていました。黒字化するのがたいへん難しいため、もともとインドというのは、企業が嫌がる国だったようです。
<インド特有の法律、州ごとに異なる税制、煩雑な行政手続きによるコスト負担増、カーストなどが複雑に絡む労務問題、企業への厳しい税務調査など、足かせとなる項目を挙げると枚挙に暇がない。実際、インドに進出している日系企業のうち、毎年のように黒字を計上している企業は1%程度しかないといわれている>
●インドは儲からない 嫌われる国で成功したスズキとユニ・チャーム
こうした各国の企業に嫌われる国インドでうまく行っているのが、先ほどのユニ・チャームと、インドでの成功で最も有名な日本企業であるスズキです。ただし、両社とも最初からうまく行ったわけではありません。ユニ・チャームは前述の通り赤字だったのですが、あのスズキも長い間苦しみました。
スズキは今でこそインド事業が連結営業利益のおよそ4割を稼ぎ出す大黒柱となっているのですが、インド政府との合弁でスタートし、1983年に生産を開始した当初、誰も今を予想できないほど赤字に苦しみ、抜け出すのにおよそ10年を要したといいます。目先の黒字を目指さずに、かなり長い目で見ないとダメみたいですね。
ユニ・チャームの場合は、07年にわずか数人で現地法人を立ち上げ。それから、10年に北部ニムラナで第1工場を稼働しています。パンツタイプで市場を切り拓いた結果、現在のシェアは3割を超え、首位を走る米P&Gに迫りつつあるとのこと。ただ、やはり赤字続きで、記事が出た2016年にようやく年間黒字化を視界に入れたところだそうです。
インドの話ではないものの、最近、
人件費が安いとベトナム進出の日本企業、すぐ辞める社員に頭を抱えるというのを書いています。やはり海外企業は苦戦していました。ただし、このときにはベトナムの流儀を理解するよう努力した企業がうまく行っているという説明。現地に溶け込もうとせずうまい汁だけ吸おうという企業は、新興国ではなかなかうまく行かないものなのかもしれません。
●インドが個人主義で自己主張が強い国民性になのは当然?
2023/05/22追記:ユニ・チャームのインド事業の話があったので追記。
ユニ・チャームが10年でインド市場を黒字化させた攻略の秘訣とは | Agenda note (アジェンダノート)(2023/03/27)という記事で、木村グローバルマーケティングの木村 幸広 代表 の話を載せたもののようです。
この木村 幸広 代表は、ユニ・チャームで30年以上に渡りマーケティングに携わり、タイ法人及びインド法人の代表などを歴任した方だとのこと。もともと書いていたように、ユニ・チャームも当初はインドで苦戦しています。この記事でも「10年間かけて黒字化を達成した苦労」などと書かれていました。ただ、まず以下はインドの国民性の話です。
<インドでは、約10年を過ごしました。インド人は個人主義で自己主張が強いとよく言われますが、実際に付き合ってみると、まさにその通りでした。とにかく自分をどんどん主張し、人を押しのけてでも前に出ようとするカルチャーがあります。(中略)
インドには13億人が暮らしており、どこに行ってもたくさんの人がいます。そうすると、自己主張をしなければ、埋もれてしまい自分の存在はないのと同じです。学校でも、ディベートで相手を打ち負かす方法や話し方を教え、英語を使うときは相手の知らない単語を早口で言えと教えられます。自分の生きる道を自ら勝ち取るようにと育てられるのです>
その一方で、木村 幸広さんは、インド人は「義理と人情と浪花節」も持ち合わせていたという言い方もしていました。木村 幸広さんは誕生日の翌日にインドに赴任したのですけど、出会った当日にいきなりインド人から自宅に招かれ、誕生日を祝ってもらったそうです。
ユニ・チャーム共振の経営: 「経営力×現場力」で世界を目指す 高原 豪久

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