●送料無料・返品歓迎・電話サポート充実でも利益で出る理由
2016/3/21:オンラインで靴を売るザッポスという会社のフラットな組織…というのに興味があり、2つ記事をブックマークしていました。ただ、
フラットな組織は辛い 管理職の9割は無能だが責任転嫁の対象として役立っているで使った記事は、ザッポスの話かと思ったら違う話でした。
一方、同日に読んだもう一つの記事の方は、ザッポスが確かに中心のもの。ただ、今度はフラットな組織についての話がメインではないというもの。どうもうまいこといきません。フラットな組織の話はありませんが、とりあえず、このザッポスの話はやります。ただ、その翌日にもザッポスの記事があったので、そちらを最初に紹介することに。
その
ザッポスは新しい組織形態でさらなる革新を目指す | DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(2015年09月03日 フアン・パブロ・ヴァスケス・サンペレ スペイン・マドリードにあるIEビジネススクールの教授(経営管理論))という記事は、ザッポスがなぜ成功したのか?という話なので、紹介にちょうど良い感じ。ザッポスが成功したのは、衣料品のオンライン小売業者が抱える問題の解決策を示したからだとされていました。
<オンライン販売では、顧客は購入前に目当ての商品を試着できない。この問題を克服するために、ザッポスは送料をなくし、コールセンターに投資した。コールセンターが重点を置いたのは、電話の問い合わせに可能な限り多く、迅速かつ効率的に応答することではない。顧客と強力な関係を築くことだった。顧客は十分な時間を費やして、抱えている問題を説明できる。そしてアドバイスをもらい、1度に複数の靴を注文し、すべてを試し履きし、気に入らない商品を無料で返送できる。これらの機会を提供することで、ザッポスは実質的に顧客の自宅に出店したのだ。
財務上は、卓越した顧客サービスの提供と送料の無料化によるコスト増よりも、販売量の増加や実店舗の維持不要によるコスト減少のほうが上回ることを見込んでいた>
●絶対に妥協しない!理念に合う人にこだわるザッポスの採用方針
では、1日前の記事に。こちらは、
世界を驚かせ続けるザッポスとトニーシェイのいま|ザッポス最強伝説 Part2~アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか|ダイヤモンド・オンライン(2015年9月2日)というタイトル。ここで一番おもしろかったのは採用の話でした。
日本では、ニコニコ動画のドワンゴが、一部学生の入社試験を有料にするということをやっています。ドワンゴは、多すぎる採用希望者に苦しむ会社を救うための英断みたいに、自画自賛していました。賛同者も非常に多いです。
ただ、私は違和感を感じました。例えば、
企業にとって採用応募者が多いことが悪で、少ない方が良い理由で言うと、そもそも応募者が多いというのは、応募条件に問題があるということだという考え方で否定されます。これは企業自身も、本当はどういった人がほしいかわからないということでしょう。採用過程で外部委託しているところすらあります。
一方、ザッポスも応募者は多く募っていますが、採用にこだわりを持っており、多数の中から自社に合う人を徹底的に選び出すという考え方をしています。
スターバックスとあるホテルのおもてなしの違い ホラクラシーの概念でも、ホテルの支配人は理念に合う人をこだわって選んでいる感じでした。
記事では、<コアバリューに合致した人しか採用しない>という書き方。コア・バリューというのは、「ブランドが持つ中心的な価値」という意味です。3万通の履歴書からコアバリューに合致する人だけを選び出し、最終的には300人ほどだけ採用するそうです。たぶん日本の会社みたいに、学歴で足切り…みたいな減らし方ではないのでしょう。
●人事評価で360度評価を採用しているというのもザッポスの特徴
あとは、360度評価の話がまあまあおもしろかったくらいですかね。これもフラットな組織同様に欠点が指摘されますし、感情的な反感を買いやすい制度でもあります。360度評価というのは、社員が互いに評価するというもの。ザッポスの人の評価は色々な方法があるが、ピア・ベースの360度考課によるところが大きいとされていました。
<毎年、各コアバリューについて問われる。例えば、彼は私を「ワオ!」と言わせた、というように、近しく働いた人が評価をする。1=neverから5=alwaysまで五段階で採点し、体験を記述する。
アルゴリズムが設定されていて、自動的に評価票が評価者に送られる。これ以上、さらに多くのフィードバックを求めることも可能だ。普通は10-15人分を受け取る。ひとつ20分くらいで記入できる。とても多いと30人分くらいを評価するが、2ヵ月の評価期間があり、毎週一時間くらい使うという>
ここでもコア・バリューという話が出ていました。たぶんほとんどの会社は、採用した後までコア・バリューに合致しているかどうかを確かめるということはしていないでしょう。ザッポスは本当に徹底して自社に合う人を…と意識しているんでしょうね。
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