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体にいい食べ物よりバランス良い食事を!死亡リスクの大規模調査で判明


 うちではいつも書いていることなので、またかという話になっちゃうのですが、国立がん研究センターなどの研究チームによる大規模調査でもバランスの良い食事が大事なことが改めて確認できました。したがって、糖質制限食を含めて○○ダイエットみたいな偏りがある食事は、基本的に避けておいた方が無難でしょう。(2016/3/23)

2017/08/05追加:安全面からしてもバランス良く食べるということが大事


【クイズ】2013年にEuropean Heart Journalに掲載された国立がん研究センターの飽和脂肪酸に関する研究結果として正しいものはどれでしょう? (飽和脂肪酸は肉や乳製品に多く含まれる脂肪酸で、現代の日本人は以前より摂取が増えています)

(1)1日に食べる飽和脂肪酸が多いほど、心筋梗塞と脳出血の発症リスクが高くなる
(2)1日に食べる飽和脂肪酸が多いほど、心筋梗塞の発症リスクは低くなるが、脳出血の発症リスクは高くなる
(3)1日に食べる飽和脂肪酸が多いほど、脳出血の発症リスクは低くなるが、心筋梗塞の発症リスクは高くなる


●食事バランスが良い人は死亡リスクが低い 大規模調査で判明

2016/3/23:国立がん研究センターなどの研究チームの報告が載っていたのは、脳の病気で死亡リスク下げる食事は 大規模調査で裏付け:朝日新聞デジタル(石塚広志 2016年3月23日10時42分)という記事。

 研究チームは、10都府県の40~69歳の男女約7万9600人を平均で約15年間追跡。過去1年間の食事について、約150の質問に回答してもらい食事のバランスがどれだけ取れているかを点数化しました。

 「主食(ごはん、パン、麺)」「副菜(野菜、キノコ、芋など)」「主菜(肉、魚、大豆など)」「牛乳・乳製品」「果物」など7項目に分け、摂取量に応じて点数を付けるといった手法。最高は各10点で、70点が満点となります。これと、調査の間に死亡した人との関連を調べました。

 研究では、点数ごとに四つのグループに分類して比較。最も点数の低い食事バランスの悪いグループ(平均34・2点)を1とした場合、最も点数の高いグループ(同60・3点)は脳梗塞(こうそく)や脳出血など脳血管の病気で亡くなるリスクが0・78と低くなりました。同様にがんなども含めた死亡全体の割合も0・85と、リスクが低くなったそうです。


●肉を食べるほど脳出血・脳梗塞が少なくなる

 あと、記事では、"魚や肉を食べる量が多いほど脳の病気のリスクが下がることは国内外の論文で示されていたが、その結果を大規模調査でも裏付ける形となった"という話もありました。これはよくわからないですね。上記の結果と同じに見えない話です。

 うーんと思ったものの、検索して見つけた以下の研究(European Heart Journal 2013年 34巻 1225-32ページ)のことを言っているのかもしれません。ただ、この内容も上記とはかなり異なります。
飽和脂肪酸摂取と循環器疾患発症の関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ

飽和脂肪酸摂取量と脳卒中、虚血性心疾患発症との関連を調べました。飽和脂肪酸は、肉やバター、乳製品など、動物性の脂肪に多く含まれる脂肪酸で、日本人の食事の多様化により、現代では以前に比べて多く摂られている栄養素です。

アンケートに有効に回答した約8万2千人の結果から、1日当たりの飽和脂肪酸摂取量を計算しました。その摂取量の順に5分位でグループ分けして、その後の約11年間に脳卒中にかかった人の割合をグループ間で比較しました。期間中に合計3,192人が脳卒中となり、その内訳は、脳梗塞1,939人、脳出血894人、くも膜下出血348人でした。分析の結果、1日に食べる飽和脂肪酸が多いほど、脳出血や脳梗塞による発症リスクは低い結果でした。脳卒中全体としては、飽和脂肪酸を最もたくさん摂取する群でリスクが最も低く、最も少ない群に比べて、発症リスクが23%低い結果となりました。特に図1に示すように、脳出血の中でも日本人に多い、脳の奥深くにある細い血管(主に穿通枝動脈)から出血するタイプ(深部脳出血)では、飽和脂肪酸が多くなるにつれ、発症率が段階的に減少していく様子が見られました。縦軸のハザード比とは、飽和脂肪酸摂取が最も少ないグループと比べて、そのほかのグループの人が何倍、深部脳出血になりやすいかを示しています。最も多い群では、最も少ない群に比べて、その発症リスクが33%少ないことが分かります。

●心筋梗塞は肉の影響で増加

 上記は魚の話はなく、肉関係の飽和脂肪酸のみ。ただ、脳出血だけでなく、脳梗塞まで少なくなるというのは、私の今までの理解と異なっていて驚きました。

 しかし、心筋梗塞はやはり肉などの摂取が多くなるにつれて増加していますので、食べれば食べるほど良いなんてことはあり得ません。
それに対し、心筋梗塞では全く逆の関連が見られました。期間中に合計610人が心筋梗塞にかかりました。同じように飽和脂肪酸の摂取量と心筋梗塞の発症との関連を調べると、図3のように、飽和脂肪酸の摂取量が多くなるにつれ、心筋梗塞の発症率は高い結果となりました。

【クイズ】2013年にEuropean Heart Journalに掲載された国立がん研究センターの飽和脂肪酸に関する研究結果として正しいものはどれでしょう? (飽和脂肪酸は肉や乳製品に多く含まれる脂肪酸で、現代の日本人は以前より摂取が増えています)

(1)1日に食べる飽和脂肪酸が多いほど、心筋梗塞と脳出血の発症リスクが高くなる
(2)1日に食べる飽和脂肪酸が多いほど、心筋梗塞の発症リスクは低くなるが、脳出血の発症リスクは高くなる
(3)1日に食べる飽和脂肪酸が多いほど、脳出血の発症リスクは低くなるが、心筋梗塞の発症リスクは高くなる

【答え】(3)1日に食べる飽和脂肪酸が多いほど、脳出血の発症リスクは低くなるが、心筋梗塞の発症リスクは高くなる


●体にいい食べ物よりバランス良い食事を!

 ということで、この調査も結局バランス良い食事を、という結論だったのです。
従来、飽和脂肪酸は血清のコレステロール値を高くし、将来的に粥状動脈硬化になりやすくなることから、摂取を控えるような指導がなされることがありました。一方で、最近の結果から、飽和脂肪酸は無害であり、制限する必要はないという説もあります。今回の研究結果からは、日本人におけるこうした議論のひとつの決着として、「飽和脂肪酸摂取は、多すぎても、少なすぎても良くない」という結論が得られました。この結果は、日本人で約40年前に発見された「血清コレステロール値は、高すぎても低すぎても良くない」という知見とよく一致しています。
本研究と過去の日本や欧米で実施されたいくつかの研究を総合的にみると、脳卒中並びに心筋梗塞の発症リスクが低いのは、飽和脂肪酸の摂取量が1日に20g前後の集団と考えられます。そのような人の食事を今回の研究で用いたアンケート調査結果に当てはめてみると、たとえば牛乳を毎日コップ1杯(200g)、肉を2日に1回(1回につき150g程度)の摂取でした。

 私は「体にいい」「体に悪い」という言い方は良くないと思っています。「体にいいから魚ばかり食べる」「体に悪いから肉を食べない」と誤解されて、偏った食事になりやすいためです。

 最初の研究でわかるように、肉・魚・大豆などのタンパク質、ご飯類、野菜類など、バランス良く食べることが一番良いです。そして、二つ目の研究から、タンパク質の中でも「肉だけ」「魚だけ」などと偏らずにバランス良く…となります。

 "体にいい"ある特定の食品をたくさん食べるとどんどん健康になる…なーんて都合の良いものではないので、気をつけてください。


●安全面からしてもバランス良く食べるということが大事

2017/08/05:うちでもよく引用している科学ジャーナリストの松永和紀さんにインタビューした記事がありました。松永さんの話を見ると、健康不安を煽る情報によって、世の中の人々が追い込まれて、余計不健康になっている様子がわかります。

「若いお母さんから、『添加物や農薬を使ったものしか買えないのですが食べさせていいのでしょうか』とか『ほんだしを使ったらダメ?』という悩みをよく聞きます。何ら問題がないのに誤ったメッセージによって罪悪感を持つのは大きな健康被害であり精神被害です。食い止めるために正しい情報を伝えたいのです」

 記事では、最後に以下の4点が大事だとまとめていました。

(1)自然・天然は安全、人工合成物は危険という思い込みこそが問題。
(2)特定の食品を食べるだけでは健康にも不健康にもならない。
(3)健康効果をうたう食品には科学的根拠が薄いものも多い。
(4)美味しさと栄養を考えてバランスよく食べることが結局は健康的。

 松永さんは、以前と比較すると、現在は食の安全が確保されていることを指摘。その中で消費者に求められているのは、「自分で選んで、バランスよく栄養をとる」ことだとしていました。

 「(1)自然・天然は安全、人工合成物は危険」に関しても補足。記事では、蜂蜜や黒糖はミネラルが豊富に含まれる一方で不純物が多く、時には自然界に存在するボツリヌス菌も混ざることがあることを指摘。松永さんは以下のようにも言っています。

「科学者は、精製された白砂糖の方が不純物は少ないので安全で、自然は時に怖いものだと認識していますが、多くの人の受け止め方は逆。このずれに、食の情報を正しく伝える難しさが凝縮されています。『自然は安全』というイメージは、『人工合成物は危険』という感覚と表裏一体」
「野菜を買う時に、見栄えが悪いから値段が安いけれど、味は変わらないだろうと総合的に判断して選ぶのと同じように、食のリスクも全ての側面をゼロにすることはできません。無農薬にこだわってカビ毒(カビから生まれる体に悪影響を及ぼす化学物質)が大量に発生していたらそれもまた健康に悪いのです」

 ただ、無農薬が危険って話になってしまうと、それもまた行きすぎでしょう。有機栽培野菜は、農薬を使った野菜より安全だという証拠はなく、むしろやや不安全という調査結果すらあるのですが、いずれにせよ大して変わらない程度です。

 たとえ有毒な無農薬野菜を食べていたとしても、偏って食べないだけでリスクが下がります。バランス良くいろいろなものを食べるというのは、安全面でも効果が大きいのです。


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