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右派「左翼は日当」がブーメラン 田母神俊雄・自民党安倍首相らが買収か?


 選挙の買収関連の話をまとめ。<右派「左翼は日当出てる!」がブーメラン → 保守陣営では本当にお金が出ていた>、<買収総額1億4750万円の徳洲会事件 都知事候補にも5000万円提供>、<買収はやっぱり右派!ついに逮捕の河井前法相、一部現金配布認める>などをまとめています。

 その後、<日本人は買収好き?選挙で大勝の自民党首相演説に日当でサクラ疑惑><買収容疑…日本維新の会の赤木正幸陣営の選挙運動員2人を逮捕>なども追記しました。

5番目に追記
●買収総額1億4750万円の徳洲会事件 都知事候補にも5000万円提供 【NEW】


【クイズ】アパグループ主催の第1回『「真の近現代史観」懸賞論文』で「大東亜戦争は日本の侵略戦争ではなく、蒋介石国民党やアメリカを操ったコミンテルンによる策謀が原因」といった論文を出した田母神俊雄さんは、時の政権によって問題視されて、航空幕僚長の職を解かれました。この政権とは以下のどの政権だったでしょう?

(1)麻生政権
(2)鳩山政権
(3)菅政権


●右派「左翼は日当出てる!」がブーメラン → 保守陣営では本当にお金が出ていた

2016/4/5:右派の田母神俊雄陣営が運動員に報酬を渡していた問題。なるほどなと思ったのが、以下のツイート。右派による左翼批判はこんな風に、「自分たちがそういう不正をしているから、他の人も不正していると思っているんだな」と納得することがちょくちょくあります。


 "田母神氏側、運動員に数百万円…東京地検が捜査"(2016年4月4日 9時27分 読売新聞)によると、単純に平等にお金を配ったのではなく、貢献度に応じてレベル分けしていたようです。成果主義みたいなものですかね。
http://news.livedoor.com/article/detail/11373692/

 陣営は、運動員ごとの配布額を記したリストをわざわざ作成。東京地検特捜部の事情聴取に対し、複数の運動員が現金を受け取ったことをすでに認めているとのこと。当然ながら、運動員買収を禁じた公職選挙法違反の疑いの可能性があります。

 関係者によると、田母神さんの陣営では選対事務局長が選挙後などに、「みんなよくやってくれたので、お礼がしたい」と話し、運動員の貢献度に応じた現金の配布を提案して、金額を記したリストも作成していたとのことでした。


●田母神俊雄氏「検事に言われたから記者会見では隠していた」

 <田母神氏>都知事選運動員に100万円超 本人は関与否定 04月04日 21:26 毎日新聞【平塚雄太、石山絵歩】によると、リストには"数十名の氏名があり、各5万〜400万円の計約2000万円分"と、かなり差が出ています。

 また、同じ記事では、これまでの記者会見で隠蔽していたことについて、「取り調べ中で(検事に)『触れるのは良くない』と言われた」と言い訳していました。

 以前も書いたように、田母神さんは幼稚なところが見えます。これを信者は「イノセントだ」と擁護するわけですが、こんなのが自衛隊のトップにいたというのですから、日本は本当ヤバイ国だと思います。


●真っ黒…田母神俊雄氏も事前にリストのことを知っていた

 日刊スポーツの田母神氏が運動員に報酬提供認める、買収疑いで捜査[2016年4月4日22時38分]というタイトルの記事。ただ、本人は「認めてない」と説明。ここらへんも幼稚性が目立つところなのですが、とりあえず、事前にリストの存在を知っていたことは確実なようでした。

 田母神さんの説明によると、都知事選後の3月、選対事務長から報酬を支払う運動員らのリストを提示され、「2000万円を配りたい」と言われたとのこと。リストには数十人の名前があり、それぞれ400万~5万円の報酬金額が記載されていたともしています。ここらへんは認めているわけです。

 さらに、いったん了承したことも認めました。その上で後から納得がいかないと伝え、選対本部長と相談するよう指示したと主張。そして、その後、選対スタッフの一人から現金を受領したと聞き、報酬が支払われたことを知ったともしていました。

 この主張で自分に罪はないと言えると、幼稚な田母神俊雄さんは考えているようで、「私としては指示も了承もしていない」と積極的な関与はなかったと強調し、自身の現金受領も否定したそうです。


●保守派から見ても話にならない幼稚な田母神俊雄の歴史観

 田母神俊雄さんはそもそも田母神論文が幼稚でした。こんなのを持ち上げた保守派の人たちの頭が足りないんですよ。こういうアホなことになるのは目に見えていました。

 あと、勘違いしている人がいそうなのですが、田母神俊雄さんを更迭したのは自民党政権なんですよね。自民党や保守派の一部からもボロクソに言われるレベルの論文だったのです。田母神俊雄 - Wikipediaによると、秦郁彦さんは、以下のような評価でした。

<引用元である『盧溝橋事件の研究』の著者である秦は、「論文は事実誤認だらけだ。通常の懸賞論文コンテストなら、選外佳作にもならない内容だ」「事件の1発目の銃弾は(旧日本軍の)第29軍の兵士が撃ったという見解には触れもせず、『事件は中国共産党の謀略だ』などと書かれると誤解される。非常に不愉快だ」と批判されている>


【クイズ】アパグループ主催の第1回『「真の近現代史観」懸賞論文』で「大東亜戦争は日本の侵略戦争ではなく、蒋介石国民党やアメリカを操ったコミンテルンによる策謀が原因」といった論文を出した田母神俊雄さんは、時の政権によって問題視されて、航空幕僚長の職を解かれました。この政権とは以下のどの政権だったでしょう?

(1)麻生政権
(2)鳩山政権
(3)菅政権

【答え】(1)麻生政権 


 ただ、自民党の政治家や保守派でもこの論文を評価したり擁護したりしていた人がいたことが、田母神俊雄さんを応援する力になり、今回の事件に繋がってしまいました。


●買収総額1億4750万円の徳洲会事件 都知事候補にも5000万円提供

2023/02/24追記:すでに確定している過去の買収事件ということで、徳洲会事件について追記。徳洲会事件 | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダスが短くまとまっていて良いですね。最も短い説明だと、「自由民主党衆議院議員徳田毅陣営による2012年12月総選挙における大規模な買収などの選挙違反事件」でスッキリしてします。

 逮捕者は計10人。徳洲会病院の職員に対する買収総額は1億4750万円に上り、「選挙買収事件としては過去に例のない規模」とされていました。その後、別の自民党議員も大きいのをやらかしていますけどね。徳田毅議員は議員を辞職し、公職選挙法上の「地域主宰者」の有罪が確定したのを受けて連座制が適用されています。

 また、捜査の途中で徳洲会側から猪瀬直樹東京都知事に対して5000万円の資金が12年12月の都知事選直前に提供されていたことが判明して、これはこれで大問題に…。タイミング的に、選挙の裏金だと考えられるためです。無理のある言い訳をしていたものの、その後、辞任。ちなみにこの猪瀬直樹知事も自民党が支援の候補でした。


●自民党安倍政権の経済産業相は有権者に贈答品を配り買収か?

2019/10/19:まだ確定ではありませんし、安倍政権ではまともに不正追求されないので、またお咎めなしになりそうなのですけど、経産相指示「この人はカニ、この人はイクラね」 立憲が元秘書の音声データ公開(毎日新聞2019年10月18日 00時02分(最終更新 10月18日 11時03分))という記事が出ていました。

 まず、公職選挙法では、候補者らが選挙区内の有権者に金銭や物品を寄付することを禁じているというのが前提知識。しかし、右派で自民党の経済産業相が地元の有権者にメロンやカニなどを贈っていた…という疑惑が出ています。

 「贈答品リスト」を作成したとする元秘書によると、経済産業相は贈答品の選定や配布先を具体的に指示。記事タイトルの音声データというのは元秘書への聞き取りのものであり、この指示したときのものではありませんが、メモをとったときに「手書きで読みにくかったので、事務所のパソコンでリストを作成した」とのことでした。


●有権者買収疑惑報道の真っ最中に公職選挙法違反の香典で辞任!

2019/10/28:前述の通り、有権者にメロンやカニなどの贈答品を配った疑いを報じられていた経済産業相。しかし、安倍政権内では「十数年も前のことだ」と楽観視する見方が出ており強気でいました。いつものパターンならこのまま逃げ切りだったでしょう。

 ところが、この問題が指摘されている真っ最中に、公職選挙法違反をやらかし一気に閣僚辞職まで。安倍政権では珍しいパターンです。同じ有権者買収系の話ですので、メロンやカニの話もやっぱり本当なのでは?と思わせる話でもありました。

 公職選挙法は政治家本人が出席した際に持参する結婚祝いや香典を除き、選挙区内での寄付行為を禁じています。しかし、議員の公設秘書が香典を手渡し。議員自身も記者会見で「台風19号の閣僚会合が入ったため、そちらを優先しなくてはならず、翌日の葬儀に自ら出席して弔意を申し上げた。結果として秘書が香典を出した」と認めています。

 なお、これを伝えた経産相辞任、希薄だった「グレーはアウト」の意識:日経ビジネス電子版では、2014年には当時の松島みどり法相が地元の祭りで自らの似顔絵などが描かれた「うちわ」を配布したとして閣僚を辞任していることを指摘。このときも安倍政権でなおかつ自民党議員でしたね。

 政治とカネの問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授は「贈答品や慶弔費を巡る問題で事件化されることまではないとしても、今回の菅原氏のように閣僚の辞任に追い込まれるなど責めを負うことになる。グレーな支出はアウトになるということを政治家は改めて自覚すべきだ」と指摘していたとのこと。ただ、本人も認めている明確な公職選挙法違反で取り締まられないってのは、しっくりこない話ですけどね。

 あと、経済産業大臣は、安倍首相らとも関係する右派の宗教団体・統一教会と関係の深い議員でもあった模様。この関係の取材をしていたジャーナリストが法的根拠もないのに、未来永劫、経産省の出入り禁止処分を言い渡されており、こちらも独裁的でひどい話です。
(経産相会見、ジャーナリスト2名が「永劫に」出入禁止に | ハーバー・ビジネス・オンラインより)


●河井克行議員が仕切った妻・河井案里氏の選挙で買収の証拠

2019/11/21:ここに追記すべきことが多すぎて追いつかなくなっています。まず、河井克行法相 妻の参院選に公選法違反の疑い | 文春オンライン( 2019/10/30)の件。

 河井克行法務大臣の妻の河井案里さんは、参院選で自民党から立候補して見事当選しています。ただ、後援会関係者、広島県連関係者などを取材した結果、選挙でのウグイス嬢の報酬は、公職選挙法で上限額が1日1万5000円と定められているのに、法定額の倍の1日3万円を支払っていた疑いが発生。経理を担当した女性秘書も認めているそうです。

 取材に応じたウグイス嬢9人は、選挙前には活動を行っていなかったと証言しているのですが、この期間に活動したことにして増額分を支払うことで発覚を逃れる…という隠蔽工作も行っていた模様。上脇博之・神戸学院大法学部教授は「公選法が禁じる典型的な運動員買収」「候補者本人が与り知らない場合であっても(中略)連座制が適用され、当選無効」と指摘しています。

 なお、妻の問題で河井克行さんは無関係という擁護があったのですけど、記事ではそういう話ではありませんでした。当選するまで妻は克行さんと同じ事務所を使っており、克行議員自身が妻の参院選を仕切っていたとされています。支払い方法の指示やウグイス嬢との連絡を行っていた秘書も、克行議員の元秘書でした。


●そもそも安倍首相や自民党みんなで買収?税金使って身内9000人で花見

 このように安倍政権では買収疑惑だらけなわけですが、安倍首相自身や自民党全体にも疑惑があります。買収以外の着地点になる可能性もあるものの、どの方向に転んでも問題あり…という国の税金を使って行われる「桜を見る会」の件です。

 本来この行事は各省庁推薦の功労者のためのものと説明されていましたが、該当するのはなんと約1万5千人の招待者のうち6千人程度。そうじゃなくてもダメだろうと思うのですけど、本来の功労者は半分にも満たない数字ということには驚きました。これではメインではなくサブです。

 では、メインは誰なのか?というと、自民党関係者。どうも税金使って身内に便宜を図っていた模様。残りの約9千人は、安倍首相の推薦が約1千人、麻生太郎副総理や菅官房長官、官房副長官の推薦が1千人、自民党関係者の推薦が6千人などでした。これは今までの安倍政権の説明が嘘だらけであっただけでなく、有権者らの買収の可能性もあります。
(昭恵氏からも推薦者 桜見る会の内訳、首相枠は1千人:朝日新聞デジタル 2019年11月20日10時00分より、なお、残りの1000人は別記事によると、国際貢献や芸術文化などの特別招待者や報道関係者、公明党関係者など)

 はてなブックマークでは、「完全に自民党支持者の宴会。功績功労のあった人や勲章受賞者は税金を使って開催する口実に使われただけ」「自民枠がその他の人数の1.5倍って完全に本末転倒私物化の極みじゃねーか」などの感想。

 また、「安倍事務所において幅広く参加希望者を募るプロセスの中で、夫人からの推薦もあった」ことも大西証史内閣審議官が認めていたので、森友問題での言い訳で「首相夫人である昭恵さんは公人ではなく私人だ」としたのになぜ推薦できるの?とツッコまれていました。

 こうやって税金を自分たちのために使って、国を私物化しているのに、それでも自民党や安倍首相を支持するってのはよくわかりませんね。社長が企業を私物化って話だったら、普通に社長がめちゃくちゃ叩かれるんですけど…。


●国を乗っ取って露骨に利益誘導、首相夫人知人業者を7年連続で使用

2019/12/05:右派のひどい話は多く、特に桜を見る会関連が多すぎてなるべく書かないように…と思っているのですが、特にひどかったのでこれだけは!と思ったのが、桜見る会飲食、安倍政権で単独契約に 7年続け昭恵夫人知人企業:北海道新聞 どうしん電子版(11/28 09:33 )の件。

 首相が公費で主催する「桜を見る会」の飲食提供業者の数が、第2次安倍政権発足後に、複数から1社単独に変わったと受注企業が明らかにしました。しかも、7年連続で受注し、契約額もこの期間で2倍以上に増額。儲かりまくりです。極めつけがこの企業、安倍晋三首相の妻昭恵さんの知人が経営する企業ということで、露骨な利益誘導。本当国を食い物にしてきますね。

 また、前述の本来の推薦者ではない人たちの推薦が6割の9000人で、うち2000人が総理・官房枠という説明に驚いたのに、どうもこれすら嘘であった可能性が高そうだと聞いて驚きました。安倍政権にしては珍しく、比較的早く認めたと思ったのですが、嘘の数字だったと聞くと納得です。
(桜を見る会、5年で推薦者1400人減? 共産党が追及:朝日新聞デジタルより)


●半分以上が自民党関係者と説明、それすら虚偽で本当はもっと多い?

 さて、首相枠・官邸枠の嘘の話。15年の参加者に招待状を送る業者向けに作成した「仕様書」で、14年の送付実績だと、「総理、長官等推薦者」は「3400」と記されていました。当時の参加者は今より少なかったときですので、今の枠の方が減るというのは考えづらく、以前はもっと多かったものと予想されます。

 ちなみに2014年の「与党推薦者」は「2900」で、今年の発表は6千人で2倍ちょっと増えています。仮に同じ割合で増えているとすれば、2019年の首相・官邸枠は2000人ではなく、7000人程度だという計算に。自民党推薦の2900人と合わせると、1万3000人程度。1万5000人中、1万3000人が自民党関係というひどいことになります。

 ただ、全体の参加人数は諸説あり、1万8200人というのもあります。いずれにせよ1万8200人中1万3000人が自民党関係だという推定になるので、めちゃくちゃひどいことには変わりないんですけどね。


●税金使ったえこひいきはスルーの議員、被害者になりやっと怒り

2020/01/30: 4つくらい上の<河井克行議員が仕切った妻・河井案里氏の選挙で買収の証拠>の関連の追記。2019年7月の参院選広島選挙区(改選数2)で初当選した自民党の河井案里参院議員側に対し、党本部から約1億5000万円の選挙資金が振り込まれていたことが判明し、自民党内がざわついていたといいます。
(河井案里氏1.5億円にざわつく自民 下村氏「総裁か幹事長の判断」 毎日新聞2020年1月24日 20時39分(最終更新 1月24日 22時17分)より)

 なぜざわついたのかと言うと、党本部からの1億5000万円の選挙資金というのは、相場の「10倍」とされる異例の金額であったため。複数の参院議員によると、2019年の参院選で党本部が候補者に提供した資金は、同じ広島選挙区で公認された岸田派重鎮の溝手顕正・元防災担当相らを含め1500万円ほどでした。
(「官邸近ければ優遇か」案里氏に1.5億円、自民内反発:朝日新聞デジタルより)

 この溝手議員は次点で敗れ、案里さんが当選。また、この選挙区はそもそもトラブルがあったみたいですね。現職だったのに落選した溝手議員は、安倍首相と確執がありました。そのため、安倍首相が菅官房長官らとともに案里さんをわざわざ擁立した上で、全面支援したという経緯だそうです。

 前述の通り、落選したのは岸田派重鎮。このため、岸田派中堅の衆院議員は「溝手さんの10倍。党のカネの使い方としていいのか」と憤っています。また、別の衆院議員は「不公平だ。接戦で負けた他の1人区でなぜ使わなかったのか」とも指摘。自民党の利益より、安倍首相による政敵潰しが優先された格好です。

 この話は単独でも十分ひどい話なのですけど、本当にひどいと思うのは、自民党議員の怒る基準だと思います。加計学園問題や上記までで書いてきたことのように、右派の政治家らは身内を優遇して税金を私的に流用するようなことをやっています。本来はこれらを一番怒らなくちゃいけないのですが、そうじゃなくて自分たちが冷遇されるとやっと怒る…というのは、国民をバカにしています。


●安倍首相に逆らうな!それより媚びを売った方がいいことがある!

 ただし、冷遇された自民党議員らが本気で強く怒っているのかどうかは、疑っている人が多くいました。安倍政権はある意味一貫しており、議員に対しても民間に対しても官僚に対しても、不正を含めて安倍政権のために動いてくれる人には利益供与して優遇する…という買収のようなことを常に行っています。

 そのため、今回の件も、「安倍首相に逆らうとろくなことがないぞ」「安倍首相にもっと媚びを売った方が良いぞ」という教訓だと考える議員が多くいそうです。そもそも国民のために怒れない人たちですからね。不公平に怒るよりも、いっしょになって甘い蜜を吸いたいと考える可能性は高いでしょう。

 また、今回、予想外だったのは、異例の選挙資金について、首相か二階俊博幹事長の判断だと示唆したのが、下村博文選対委員長であったこと。下村さんは安倍首相の側近であり盟友であるという、めちゃくちゃ親しい人であり、わざわざ安倍首相の不利になる話をするとは思えません。このため、ひょっとしたら「安倍首相に逆らうんじゃねーぞ」という、他の議員へのメッセージかもしれないと思ってしまいました。


●産経新聞も河井克行議員が違法報酬把握濃厚とする記事を掲載

2020/03/25:長くなっているのでなるべく同じ事件では追記したくないと思ったのですけど、安倍首相・自民党大好き!の産経新聞が珍しくかなり問題を認める記事を出していて気になりました。

<自民党の河井案里(あんり)参院議員(46)=広島選挙区=が初当選した昨年の参院選をめぐる公選法違反事件で、車上運動員への違法報酬に加え、夫で前法相の克行衆院議員(57)=自民、広島3区=が陣営スタッフに違法報酬を支払っていた疑いが浮上した。関係者によると、克行氏は政治資金の口座の通帳写真を連日のように送らせるなどしていたという。資金の隅々にまで目を光らせてきた克行氏の関与を立証できるかどうか、捜査の行方に注目が集まっている。
 陣営関係者によると、克行氏は昨年の参院選で、政治資金の口座残高を逐一把握するため、担当者に通帳の残高が記載された写真を毎日送信するよう要求。さらに各所からの請求や支払いも一つ一つ確認した上で、「こちらを先に払ってほしい」などと細かく指示していたという。
 克行氏は案里氏陣営を事実上指揮しており、車上運動員への違法報酬の支出を把握していた疑いが指摘されている。陣営関係者は産経新聞の取材に対し「ウグイス(車上運動員)や他の運動員への報酬支払いも、克行氏が知らないところで実行できるわけがない」と証言した>
(克行氏、口座を連日確認 選挙違反事件、運動員への支出も把握か 産経ニュース / 2020年3月23日 22時30分より)

 自民党本部から案里さんと克行さんが代表を務める政党支部に計1億5千万円の入金があったことについても批判があることを紹介した上で、<克行氏の指示のもと、違法報酬以外にも多額の資金が参院選に投じられていた可能性が高い>と書いていました。河井克行議員は他にも悪いことやってるぞ!って話ですね。

 ただ、「車上運動員に提供した違法報酬は(法定内の部分を除けば)100万円ほどだが、政治家を立件するハードルは数百万円ともいわれる」という弁護士の話も載せていたのは気になりました。河井克行議員が立件されなかった場合に、自民党の圧力のせい…と言われるのを防ぐためかもしれません。
(関連:独裁化じゃない?黒川弘務検事長定年延長の狙いを自民党議員が暴露)


●買収はやっぱり右派!ついに逮捕の河井前法相、一部現金配布認める

2020/06/22:河井夫妻の件はいちいち追記していたら大量になってしまうのですけど、逮捕という節目のときですので今回は追記。「左翼がー」と騒ぐ人がいますので、安倍政権大好きな右派・産経新聞で、どれだけひどい買収が疑われているのかというのを見てきましょう。

<関係者によると、夫妻は昨年の参院選前の4~7月を中心に約100人に現金を配った疑いがあり、1人当たりの受領額は数万~100万円程度と幅がある。検察側が押収した資料には配布総額が2千万円超になることを示すものもあるという。
 県議や陣営スタッフら被買収側の多くは受け取ったことを認めており、克行氏側が強引に現金を置いていくなどしたとして、検察側は立件しない方針という>
(河井夫妻きょうにも逮捕 県議らに買収疑い、自民離党 産経ニュース / 2020年6月18日 5時1分より)
https://news.infoseek.co.jp/article/sankein_afr2006180001/

 さらに、<河井前法相、一部現金配布認める スマホGPS活用し日時特定 公選法違反事件>(産経ニュース / 2020年6月22日 11時31分)という記事も出ています。克行議員が特捜部の調べに対し、現金配布を一部認める供述をしていることが、関係者への取材で分かったというものです。
https://news.infoseek.co.jp/article/sankein_afr2006220003/

 なお、こちらのタイトルになっている<スマホGPS活用し日時特定>というのは、押収した夫妻のスマホとリストに名前のあった地元議員らから任意提出してもらったスマホスマホの位置情報を突き合わせ、現金配布の日時や場所などを特定し、現金授受があった日時や場所を特定したという話でした。



●日本人は買収好き?選挙で大勝の自民党首相演説に日当でサクラ疑惑

2021/11/12追記:また自民党の買収の話が出てきました。右派って買収が本当好きですね。ただ、この買収続きの自民党が選挙で大勝しており、日本人自体が買収を好きなのか問題だとは思っていないのか…といった感じ。私としては、「買収を許さない日本人」という姿勢を示す方が、世界から尊敬される「美しい日本」だと思うんですけどね…。

 で、買収の話ですが、もともとはフラッシュのスクープだったのかもしれません。私が読んだ記事の中で最も早かったのは、2021.11.08に出ていた岸田首相、安倍元首相「茨城6区」応援演説に「日当5000円」でサクラ動員…公選法違反の可能性も | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]という記事でした。

 疑惑があるのは、岸田文雄首相が茨城6区で行った自民党の国光文乃衆院議員の応援演説と翌日の安倍元首相の応援演説。国光文乃候補は、岸田首相が会長を務める宏池会の元共同代表・丹羽雄哉氏の後継者で肝いりだった模様。ただ、聴衆者の多くがスーツ姿で幟を持っていたことから、自民党支持団体ばかりだった感じ。わざわざ幟を立てるのは、動員して協力したとアピールするためだそうです。

 これ自体もどうかと思う話ではあるものの、本当に問題なのは、動員された聴衆のなかには、“お金目的” だったと語る人もいたこと。「5000円の日当が出ると聞いた(中略)用意されていた領収書に名前と住所を書かされ、現金を渡されました」と証言した人がいたそうです。編集部では、日当について記載した文書や領収書も入手しているといいます。当然、違法の可能性があります。

<本誌がある会社経営者から入手した領収書の日付は、岸田首相の応援演説の翌27日で、つくば市ではなく石岡市での「国光あやの衆議院議員街頭演説日当」という名目になっている。これは、安倍晋三元首相が応援演説をおこなった日で、日当の支払いが常態化していることが疑われる>

 その後、他誌でも証拠を入手したと後追い報道。例えば、領収証入手 岸田首相の応援演説で 国光文乃議員陣営が有権者「集団買収」 | 文春オンラインでは、〈参加者に対しまして、日当5,000円/人をお支払いさせていただきますので、別添の名簿にてご報告を頂きたく、よろしくお願い致します〉などと書かれた文書を掲載しています。ただ、この買収右派を支持するというのが今の日本であり、すでに擁護も多数出ていました。



●買収容疑…日本維新の会の赤木正幸陣営の選挙運動員2人を逮捕

2021/11/20追記:別のところで追記した話が、また右派による買収の話だったのでこちらにも追記。維新・赤木氏の運動員逮捕 衆院選で報酬約束疑い―兵庫県警:時事ドットコム(2021年11月05日)というニュースで、続報で買収約束疑いで22歳女を逮捕 維新当選者運動員の孫:東京新聞 TOKYO Web(2021年11月6日 18時27分)という記事も出ていました。

 最初の記事によると、衆院選で兵庫4区から立候補し、比例復活で当選した日本維新の会の赤木正幸議員の選挙運動員が、知人の運動員にビラ配りなどへの報酬の日当1万3000円を支払う約束をしたとして、兵庫県警は、公選法違反(買収約束)の疑いで、同県小野市三和町の70歳の会社役員を逮捕したそうです。

 赤木正幸議員は、「(買収を)指示することはない」などと自身の関与を否定。それだけでなくこの会社役員について、「運動員ではなく支援者の1人。街頭で3、4回会っただけで、事務所への出入りもなかった」と話したとのこと。「よく知らんやつが勝手にやった」といった感じの冷たい説明。買収までするのだから、相当熱心な支援者に見えますけどね。

 相当熱心な支援者だったという印象は、2つ目の記事でさらに強くなります。新情報としては、まず、最初の報道であった知人というのは、男性の孫の22歳女性だったということ。約束を承諾したとして、公選法違反(買収約束)の疑いで逮捕されています。ただ、男性がビラ配りに熱心だったとわかるというのは、容疑がこれだけじゃないということでした。

 この孫娘は、祖父と共謀して知人ら6人に、選挙運動の見返りに日当1万3千円を支払う約束をした疑いももたれています。これらの資金は祖父から出ていると考えられますので、孫娘を入れて合計7人に日当1万3千円を支払うつもりであった模様。つまり、9万1000円の出費です。これが自腹ならかなり大きな金額だと言えるでしょう。

 赤木正幸議員は冷たい反応でしたが、9万円もの私財を投じるのですから、かなり熱心な支援者だったと考えられます。ただ、これは飽くまで「男性役員の自腹だったなら」という話。組織的なものであるなど、どこか別のところからお金が出ていた可能性もあります。警察にはそこらへんまで突っ込んでほしいですね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■独裁化じゃない?黒川弘務検事長定年延長の狙いを自民党議員が暴露

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