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鈴木敏文・鈴木康弘親子のセブンイレブンの失敗事業オムニセブン


 鈴木敏文・鈴木康弘親子の話をまとめ。<鈴木敏文会長のセブンイレブン私物化、息子の鈴木康弘氏への世襲にNO>、<鈴木敏文・鈴木康弘親子のセブンイレブンの失敗事業オムニセブン>、<不正続出の7payのセキュリティ問題、実は鈴木親子時代のシステムがベース>、<井阪隆一社長も24時間営業固執の古屋一樹社長も鈴木時代の人>などをまとめています。

 その後<オムニチャネルで大失敗した鈴木康弘氏、オムニチャネル協会会長に就任>、<カリスマとされる鈴木敏文氏のもう一つの失敗、そごう・西武買収>などを追記しました。

2023/02/01追記:
●カリスマとされる鈴木敏文氏のもう一つの失敗、そごう・西武買収
2023/03/23追記:
●ヨドバシがすごいのはネットだけでリアルは下手…否定的な反応出る
2023/08/20追記:
●ヨドバシの池袋進出に反対する豊島区長、癒着を疑われてしまう 【NEW】


●鈴木敏文会長のセブンイレブン私物化、息子の鈴木康弘氏への世襲にNO

2017/07/02:当初のタイトルは、"鈴木敏文会長の社長交代否決で退任 セブンイレブン私物化、息子の鈴木康弘氏への世襲にNO"というものでした。その後、親子が力を注いでていたオムニセブンの失敗についての話を追加して、タイトル変更しています。

2016/4/7:セブン&アイ・ホールディングス(HD)は、取締役会に、傘下のセブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長(58)を退任させ、古屋一樹副社長(66)を昇格させる人事案を提出。この人事案は、指名・報酬委員会を開いて、委員の鈴木敏文HD会長らが主導して提案したものだそうです。ただ、不自然な提案ではあります。井阪隆一社長は2009年に社長に就いて以降、積極的な出店などで好業績につなげてきたためです。

 クックパッド社員は佐野陽光が選んだ岩田林平より穐田誉輝支持だったのクックパッドと同じで、少なくともこのタイミングではやめさせる理由がなかったのです(その後では、LIXILの瀬戸欣哉さん・潮田洋一郎さんのケースが良い例。2019/08/04追記)。そのためか、委員を務める社外取締役2人が「退任の理由が納得できない」などとして反対。また、それ以前にも、米投資ファンドのサード・ポイントが疑問を投げかける書簡を同HDの取締役あてに送付して反対していました。

 しかも、サード・ポイントは、「鈴木会長が子息の鈴木康弘氏(同HD取締役)を将来のセブン―イレブン社長、セブン&アイのトップに就ける道筋を開くといううわさも耳にしている」などと指摘する異例事態。不自然すぎる提案だったせいか、セブンイレブン私物化による息子の鈴木康弘さんへの世襲と見られてしまったようです。

 セブン―イレブン社長交代案、否決 社外取締役ら反対:朝日新聞デジタル(2016年4月7日12時49分)などによると、結局、他の取締役も反対に回ったと見られ、実質的に鈴木敏文HD会長が主導したと考えられる、井阪隆一社長を退任させる提案は、取締役会で否決されることになりました。


●鈴木敏文会長の適性にも疑問 主導した人事案を否決されて退任へ 

 実は今下書きしている話で、セブンイレブンは将来危ないというものがあり、そこではオーナー会社でもないのに息子を会社に入れているという話も出ていたんですよ。なので、今回慌てて、意外に将来性ない?セブン-イレブンのセブン&アイとダイキン工業に危険性指摘というタイトルで同日投稿しました。

 正直言うと、下書きのときには、セブンイレブンは安泰だろうと私はあんまり信じていなかった話だったんですよね。ところが、こうやって実際に怪しい騒動が起きているところを見るとわかりませんね。また、公私の区別がつかない行動を取るというのは、鈴木敏文会長の適性にも疑問が出てきたとも言えるでしょう。

 先程のサード・ポイントは書簡において、「鈴木会長が子息の鈴木康弘氏を将来のセブン―イレブン社長、セブン&アイのトップに就ける道筋を開くといううわさも耳にしている」と指摘しただけでなく、「真実ならトップとしての適性と判断力に重大な疑問が生じる」という言い方をしていたようです。
(セブン―イレブン社長の交代案浮上 社外取締役から異論:朝日新聞デジタル 2016年4月6日22時57分より)

 これによる経営陣の対立が起きて混乱が起きると見られたのか、株価は急落。私も相当混乱が長引くだろうと思いました。ところが、鈴木会長が退任へ=セブン&アイHD:時事ドットコム(2016/04/07-15:18)によると、鈴木敏文会長が退任する見通しに。思った以上に早く動きが進んでいます。長引かなかったのは良かったですね。

 ただ、はてなブックマークで感想見ていたら、ねぜだか知りませんが、サードポイントの批判が多く鈴木会長かわいそう…みたいな感じになっていました。取締役からも反対が出たなどの情報を知らないせいというのもあるのかもしれませんが、クックパッドの不可解な社長交代が悪くてセブンイレブンの不可解な社長交代は良いという理屈がわかりません。単純に物言う株主憎し…みたいな情緒的なものですかね? とりあえず、今ある情報を見る限り、鈴木会長に賛成できる要素は何一つ見つけ出せませんでした。


●市場は鈴木会長退任を歓迎?急落したセブン&アイの株価が回復

2016/4/7 20時追記:株価が正解ってことはないのですが、とりあえず、市場は鈴木会長退任を歓迎していたのかもしれません。セブン&アイHD株、神経質な値動き…人事巡り 2016年 04月07日 19時20分 提供元:読売新聞によると、株価が急回復していたそうです。

<朝方は、同社がセブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長を交代させる人事案を同日の取締役会に提示するのを控え、株価は下落して始まった。(中略)株価は一時、前日終値比8・6%(394円)安の4168円まで値を下げた。
 正午前にこの人事案が否決されたことがわかると、「セブン&アイのコーポレートガバナンス(企業統治)が機能した」と好感され、買い戻す動きが広がった。
 午後2時半過ぎ、一部メディアが、セブン&アイHDの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)が退任する意向だと報じると、「経営の混乱が収まる」との見方から、下げ幅はさらに縮小。終値は前日終値比1・6%(73円)安の4489円だった>
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1230148/

 鈴木会長退任でむしろ将来が心配という反応もツイッターで見かけました。確かに鈴木会長の功績が素晴らしいのは間違いありません。ただ、それは過去の話であり、今回の行動は素晴らしいとは言えないでしょう。もしも…という話になってしまいますが、鈴木会長がこのまま続けたとしてもおそらく不可解な行動を連発して混乱させるばかりで、過去のような素晴らしい実績は残せなかったのではないかと思います。

 今回の退任はセブン&アイホールディングスにとってプラスだっただけでなく、これ以上晩節を汚さないという意味で、鈴木会長にとってもプラスであったかもしれません。擁護者が「鈴木会長ならもっとセブンはすごかった!」と夢を見続けることができる、今のタイミングでの退任は正解だったでしょう。


●鈴木敏文・鈴木康弘親子のセブンイレブンの失敗事業オムニセブン

2017/07/02:騒動の当時に、この投稿以外の話でも、書いていたのですが、鈴木敏文・鈴木康弘親子が中心となって行ったオムニセブンというプロジェクトは大失敗しています。これは、鈴木康弘さんが将来の社長としてふさわしい結果を残していないことを示す話でした。そして、同時に鈴木敏文会長(当時)の伝説が既に終わっていた証拠でもあります。

 このオムニセブンに関するセブンとイオンが築けない「ネットで稼ぐ力」 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン(又吉 龍吾 :東洋経済 記者 / 中山 一貴 :東洋経済 記者 2017年06月24日)という記事がありました。

 ここでは、2016年5月、セブン&アイの経営を長年担ってきた鈴木敏文会長(当時)が、「オムニチャネルがきちんとできれば、小売業として日本でトップ、世界でも何番目という形で成長していくと思う」とぶち上げていたことが紹介されていました。以下のように、息子の康弘さんも負けじと大きなことを言っています。

「今さらアマゾンのようなことをするつもりはない。当社のベースはセブン‐イレブンに代表されるリアルの小売業。全国1万8000店、40万人の販売員(当時)を媒介としてネットとつながる」

 ただ、そもそもオムニセブンって何?って方が大半でしょう。全く普及していません。「omni7(オムニセブン)」を立ち上げたのは2015年11月なのですが、大失敗なのです。2018年度に売上高1兆円…とでかいことを言っていたのですが、2016年度の時点ではわずかに976億円。

 "オムニ戦略はネットで購入した商品のセブン‐イレブン店舗での受け取りや返品などができるという点も特徴の一つ"だったものの、東京都内でセブン店舗を運営する加盟店オーナーは「ネット商品の受け渡しは、正直、週に1〜2回」としていました。鈴木会長の退任を嘆いていたはてなブックマークですら、この件ではさんざんです。

“今、オムニセブンを見てきたがサイトが異常に重く表示に時間がかかり、価格が税抜き表示。肝心の価格は生活用品をいくつか見たらアマゾンの1.2倍から1.5倍だった。誰が利用するんだろう。”(vespid 2017/06/24)
“悪い意味で自前主義ひどすぎる。アカチャンホンポのECとかオムニ7化して使いにくくなるわ店舗のポイント制度と切り離されるわ、傘下にいれた企業の良いところをことごとくぶっ潰す徹底度には感服する。”(Dai44 2017/06/24)
“…それでも日本の企業になんとか頑張ってほしいと思うのだが。ネット上のインフラ全部をアメリカに占拠されるの嫌だ。未来が恐ろしい。”(mimura-san 2017/06/24)

 鈴木会長はもう辞めたのですが、この事業は今後も足を引っ張り続けるのではないかと思われます。


●次男鈴木康弘氏の不自然な抜擢と完全失敗オムニ7事業の見直し

2018/07/05:今後もセブンの足を引っ張り続けるだろうと思われたオムニ7に関する別記事セブン&アイ、オムニ7完全失敗…鈴木敏文氏のネット戦略を見直しへ | ビジネスジャーナル(2018.04.29)というのを読みました。

 ただ、あまり新しい話はないですね。鈴木敏文会長のあとを継いだ井阪隆一社長が「オムニ7の見直しを宣言」とあるだけで、具体的にどのように見直すかといった話はなし。主にあるのは過去の話で、うちの投稿で最初に書いていた不自然な世襲路線に関するものが主体でした。

 まず、セブン&アイHDの孫会社の社長にすぎなかった鈴木敏文会長の次男康弘さんが、2014年3月、セブン&アイ・ネットメディアの社長に就任するとともに、本体であるセブン&アイHDの執行役員に昇格しています。さらに14年12月、康弘さんのために新設された最高情報責任者(CIO)に就任。出世しまくっています。

 そして、15年5月セブン&アイHDの取締役に昇格。わずか1年余りで“三段跳び”の異例の大抜擢とされていました。オムニ7事業で売り上げ目標の1兆円を達成した暁に、敏文会長の後継者として康弘さんが社長に昇格するというシナリオも取り沙汰されていたといいます。

 ただし、前述の通り、オムニ7は大失敗。2018年2月期連結決算で、グループ横断のECモール「オムニ7」を通した売上高はようやく初めて1000億円を超えたところで、1087億円にすぎません。前年比11.3%増ですので、このペースだと1兆円に達するのには20年以上かかる計算です。

 鈴木敏文会長の経営を神聖視する声が未だにあるものの、実際には会長を続けていたとしてもそのうちボロが出ていた…と思われます。というか、オムニ7の悲惨な状況を見ると、すでに鈴木敏文体制で失敗をしているのに信者が失敗を無視して、鈴木敏文さんは神!と崇拝を続けている感じですかね。

(オムニセブンの骨格は息子の康弘さん就任前に大部分できあがっていた…という擁護を見かけました。しかし、これは鈴木敏文さんの失敗については擁護できません。また、ふたりとも超強気でオムニセブンでは成功する気満々だったので、康弘さんが強く関わっていないのにいきなりトップになったという、手柄横取りの疑いを強化してしまい、それはそれで擁護として微妙だと思われます。2019/08/04追記)


●不正続出の7payのセキュリティ問題、実は鈴木親子時代のシステムがベース

2019/08/03:スマートフォン決済サービスの7pay(セブンペイ)のセキュリティがゆるゆるだったために不正が続出。休止も遅く、不正が拡大してから休止したのですが、その後、ついには廃止が決定されてしまいました。

 この件に関して、鈴木敏文会長がいなくなって無能が出世したせい…みたいな解説があってびっくり。というのも、7payのセキュリティ問題は、鈴木親子のオムニ7と関係が深いため。これは、不正続出のセブンペイ小林強社長、二段階認証を知らず強気で反論でも紹介しました。

 セブンペイ、抱えていた「不発弾」の代償:日経ビジネス電子版によると、7payのベースとなったセブン-イレブン・ジャパンのアプリ「セブン-イレブンアプリ」が使っていた会員システム「7iD」で、すでにセキュリティ的に問題がありました。そして、「7iD」は2015年11月に開始したセブン&アイグループの総合通販サイト「オムニ7」用の「オムニ7会員」が名称変更したものなんだそうです。

 以前のシステムの時点ですでにセキュリティがやばかったものの、なぜ悪用されていなかったというと、7payのように「現金として使える」みたいな、悪用するほどのメリットがなかったというだけ。それなのに、「今まで不正が起きていないから大丈夫だ」と思ってしまったみたいですね、セブンの人たちは…。


●井阪隆一社長も24時間営業固執の古屋一樹社長も鈴木時代の人

 …といった感じで、鈴木敏文会長が健在なら…という内容ではなく、当時からやばかったというのが実情。途中で誰かが気づいていれば改善できたので、全部鈴木親子のせい…とはなりませんが、「鈴木親子が辞めたせい」というのは無理がありすぎだと思われます。

 あと、ついでにセブンイレブンオーナーは鈴木敏文と古屋一樹を慕ってるって本当?もリンク。コンビニ24時間営業に固執して不評を買いクビになった古屋一樹社長ですが、この人は鈴木敏文さんにたいへん近いと考えられている方でした。鈴木さんが、井阪さんを辞めさせて、セブン―イレブン・ジャパン社長にしようとしていた人でもあります。反鈴木敏文派が才能ある人たちばかりとは全く思いませんけど、鈴木敏文派で失敗している人が多いのは事実なので、あまり単純化しないでほしいです。そもそも鈴木さん自身がブラックなコンビニを作った人ですしね。なぜか美化されています。

 また、鈴木さんは井阪隆一社長について能力不足みたいなことをおっしゃっていましたが、彼も鈴木さんの時代に出世した人であり、じゃあそもそもなぜ選んだの?という話。それから、自分が83歳なのに社長を辞めさせて新たに後継者作り直し…って、今まで何やっていたの?そして、いくつまでトップを続けるつもりだったの?って話になるので、鈴木さん自身無能だったとも言えるでしょう。
(関連:社長更迭、独裁者の任命責任は?セブン井坂隆一・鈴木敏文、LIXIL瀬戸欣哉・潮田洋一郎)

 さらにツッコんで言うと、ワンマン型の経営者は自分に逆らわない無能なイエスマンを重宝するために、退任後はひどくなりやすい…と一般的には言えます。井阪隆一社長退任案は否決されたのですけどこれは異例で、セブンの場合にもそれまでは鈴木さんの案に異議が出ることは考えられなかったと報じられていました。そもそもの退任案というのが無理あるものでしたので、「正当な理由なく社長を退任させられる」と考えられるほど、普段は鈴木さんの意見が通っていたことを思わせます。

 となると、セブンも今後ワンマンの弊害が出てくる(すでに出てる?)かもしれませんね…。


●オムニチャネルで大失敗した鈴木康弘氏、オムニチャネル協会会長に就任

2021/03/20:鈴木敏文さんの息子の鈴木康弘さんがその後どうしているのかな?と検索。すると、日本オムニチャネル協会が設立、会長はデジタルシフトウェーブ鈴木康弘氏。コロナ支援も開始 | Agenda note (アジェンダノート)(2020/04/17)という記事が出てきました。セブンイレブン時代はオムニチャネルで大失敗したのですが、そのオムニチャネルに関する協会の会長に収まっていたようです。

<一般社団法人日本オムニチャネル協会が4月16日設立された。店舗などの拠点を持つ日本企業のオムニチャネル化の促進が目的。会長には元セブン&アイ ホールディングス CIOで、現在は企業のデジタル化を支援するデジタルシフトウェーブ 代表取締役社長の鈴木康弘氏、専務理事にはecbeing 代表取締役の林雅也氏が就く>

 主な活動内容としては、経営層向けセミナーや実務者向け研修、業務知識を体系化する場の運営、オムニチャネル白書の刊行などを行うとのこと。ネットと実店舗の融合に課題を持つ企業を支援していくそうです。やりたいことはわかりますし、大いに結構な活動だとは思うのですが、よりによって鈴木康弘さんが会長ってのはなんでなんでしょうね…。


●カリスマとされる鈴木敏文氏のもう一つの失敗、そごう・西武買収

2023/02/01追記:<西武池袋本店の建物、ヨドバシがほとんど取得か…1階などに家電量販店を出店の可能性も : 読売新聞オンライン>(2022/11/12)は、投資会社の百貨店経営手腕を疑問視する記事。しかし、鈴木敏文さんにも流れ弾が飛んでいます。記事では、そごう・西武は鈴木敏文さんが買収して失敗した事業といった説明だったのです。

<セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の百貨店「そごう・西武」が、米ファンド傘下で新たなスタートを切ることとなった。そごう・西武を買収した(引用者注:投資会社である)「フォートレス・インベストメント・グループ」は不動産案件を強みとしているものの、百貨店の経営手腕は未知数だ>
<セブン&アイは2006年、経営不振に陥っていたそごうと西武百貨店を買収した。小売り業界で「カリスマ」と呼ばれ、セブン&アイを国内最大級の総合小売りグループに育てた鈴木敏文名誉顧問(89)が主導した。09年には両百貨店を合併させ、そごう・西武とした。
 グループ内のスーパーやコンビニと連携することで再建しようとしたが、業績は低迷したままだった>
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221112-OYT1T50029/

 投資ファンドのフォートレスは、「西武池袋本店(東京都豊島区)を含む店舗の改装と設備投資に200億円以上を投じる予定だ」などとするコメントを発表。家電量販店大手ヨドバシHDと連携し、一部にヨドバシが出店するといいます。場所によっては、ヨドバシが建物のほとんどを取得するとみられるそうです。

 記事によれば、セブン幹部から「百貨店は中途半端な設備投資ではすぐに陳腐化し、生き残れない。資金力のあるファンドに任せた方が良い」との声が出ていたとのこと。たぶん一時的に投資して上向いてもすぐダメになり、常にお金が必要という意味でしょう。こうした見方を受けて、ファンドに任せる方針になった感じです。

 ただ、前述の通り、読売新聞は冒頭でファンドの手腕を疑問視するような書き方。本文読むと、百貨店が凋落しているためとしており、投資ファンドうんぬんの問題ではないんですけどね。個人的に可能性があると思うのは、「百貨店をやめること」。いっそのことヨドバシ化してしまった方がいいのかもしれません。

 ところが、ここらへんにも読売新聞は否定的でした。<ヨドバシにとって、今回の案件では数千億円規模の費用がかかる見通し>として、まず金額の大きさを不安視。その上で、<出店が見込まれる池袋はビックカメラやヤマダデンキがひしめく都内随一の激戦区で、思惑通りに収益をあげられるかは不透明>としていました。


●ヨドバシがすごいのはネットだけでリアルは下手…否定的な反応出る

2023/03/23追記:前述のそごう・西武買収の話が出たすぐ後、<そごう・西武の売却が延期 西武池袋本店へのヨドバシ出店の影響か>(23/1/24(火) 18:20配信 WWDJAPAN.com)という記事が出ていました。セブンとフォートレス間の問題というよりは、ヨドバシの問題じゃないかとの見方です。

<セブン&アイ・ホールディングスは、2月1日に予定していた子会社そごう・西武の米ファンドのフォートレス・インベストメント・グループへの売却を3月中に延期すると24日に発表した。(中略)
そごう・西武の売却を巡っては、フォートレスが連携する家電大手のヨドバシホールディングスが西武池袋本店などの旗艦店への出店を打ち出したものの、出店フロアなどについて調整が難航している>
https://news.yahoo.co.jp/articles/68de67ca7d86dd73b227250905ab34c4713c15f9

 素人の見方なのであてになるわけではないのですが、この記事のヤフーニュースのコメント欄ではいろいろな方向性の見方が登場。以下にいくつか紹介しておきます。いろいろな見方がある…と書いたものの、ヨドバシの出店はうまくいかないのではないか?というネガティブな見方が優勢となっている印象でした。

<ヨドバシの業績右肩はEC伸びてる結果だから、大型店の出店は意味がない。実際、量販店なんていつ行ってもガラガラですし、頻繁に買う物でもない。(中略)結論、ビックの駆逐が目的の出店なので、用が済めばヨドバシは店舗を小さくするか撤収する算段でしょう>

<ヨドバシ勢いはあるし、家電屋ではネームバリューがある。しかし、梅田のヨドバシはここに来てテナント集めに苦戦してるし、商業施設側のテナント配置が下手くそ。それに加えてヨドバシは営業時間が長く休みも少ないので、テナント側に嫌われ始めてる気がする>

<ヨドバシはネット通販や新宿などで頑張ってほしい。池袋は家電量販店は正直お腹いっぱいで、西武百貨店の1階や低層階に入るのはどうなのだろうか……。ヨドバシもそれだけの投資をするなら、ネット通販にもっと投資してアマゾンを本気で脅かすようにしたらどうだろうか?>


●ヨドバシの池袋進出に反対する豊島区長、癒着を疑われてしまう

2023/08/20追記:上記のヤフーニュースのコメントで、これまた違う系統のコメントが2つあったのをメモしていたのに紹介するのを忘れていました。当時の豊島区長(引用者注:翌月この区長は肺炎で死去。死去前に新型コロナウイルスに感染。退院し療養していたところでした。経歴を見ると、当初は自民党のため右派系だった模様)がヨドバシカメラを敵視しており、癒着や利益誘導を疑われたようです。そもそも民間の取引に政治が介入するというのがおかしいですね…。

<豊島区議会やマスコミは、豊島区とパートナー協定を結び、豊島区に8千万円を寄付したというビックカメラと豊島区長(引用者注:翌月この区長は肺炎で死去)との関係を調査してください。何も無いと良いのですが。
ビックカメラと競合するヨドバシカメラの出店を「絶対に、絶対に反対させていただきます」とまで発言した豊島区長。法的裏付けの無い民間企業への圧力は地方自治体の首長としては行き過ぎでいかにも不自然。”文化の街”という大義名分は単なる建前にすぎない可能性もあります>

<池袋がイマイチ発展しない理由が今回の騒動でわかることができました。既得権益に囚われて、区長もモラルないし渋谷、新宿に差をつけられて当然です>


【本文中でリンクした投稿】
  ■意外に将来性ない?セブン-イレブンのセブン&アイとダイキン工業に危険性指摘
  ■セブンイレブンオーナーは鈴木敏文と古屋一樹を慕ってるって本当?
  ■不正続出のセブンペイ小林強社長、二段階認証を知らず強気で反論
  ■社長更迭、独裁者の任命責任は?セブン井坂隆一・鈴木敏文、LIXIL瀬戸欣哉・潮田洋一郎
  ■クックパッド社員は佐野陽光が選んだ岩田林平より穐田誉輝支持だった

【その他関連投稿】
  ■セブンイレブンのドミナント戦略で店同士が共食い、オーナーに負担
  ■コンビニは弁当を完売してはいけない 必ず廃棄弁当を出させる理由は「チャンスロス」の考え方のせい
  ■セブンイレブンオーナー奴隷化問題 生命保険加入で保険金殺人の声も
  ■賞味期限切れで廃棄するコンビニ弁当をホームレスに配れない理由
  ■コンビニ経営は儲かる?儲からない?セブンイレブンオーナーの悲劇
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

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