(もともと書いていた"安倍首相のスマホ規制・0円終了、家計の負担軽減どころか増加に"(2016/4/13)は、
ありがとう安倍首相!実質0円終了で家計の負担軽減どころか増加ににまとめました。こちらは別のスマホの話で再利用しています)
「格安スマホを使うのは低所得者ではなく高所得者だった」という話。皆さん理由をいろいろと考察されていておもしろいです。
ただ、「低所得者ほど高いスマホを使っている」と言えるかどうかは怪しい感じ。アンケート調査の精度も悪そうでした。
●格安スマホを使っているのは低所得者より高所得者の方が多いという事実!
「年収が高い人ほど格安スマホを使い、年収が低い人ほど格安スマホを使っていない」という予想外の状況になっているそうな。驚きです。
<年収別格安スマホ利用率>
200万円以下 20.54%
201~600万円 26.15%
601~1000万円 26.60%
1001万円以上 31.25%
調査名: 節約・節約意識に関するアンケート
調査方法: インターネットアンケート
有効回答数: 548
調査期間: 2017年5月25日~2017年5月30日
調査担当: 株式会社インターファーム 和田
(
格安スマホは年収が高い人に人気!アンケートから見えてきた格安スマホ利用者像とは?|株式会社インターファームのプレスリリースより)
●低所得者が低所得なのには理由がある?
これについて、
年収が高い人ほど格安スマホを使い、年収が低い人ほど格安スマホを使っていない…という、政府の思惑とは真逆のアンケート結果が出た話。 - クレジットカードの読みものでは、以下のように想像していました。
・低所得者は、よくわからないものに対して手を出そうとしない(勉強をすることに積極的になれない)。
・低所得者は、格安スマホってどういう仕組みなのかよくわからないので現状を維持している。
・低所得者は、現状維持バイアスにかかっている状況。
はてなブックマークでは、以下が1番の人気コメント。
“情報リテラシーと年収が比例してるだけのように思う。”(sakuya_little 2017/07/02)
ただ、投稿の主張を否定しているように見えて、似たような趣旨の主張かもしれません。このように貧しい人には理由があるという残酷な結果を示すデータは結構あるんですよね。
なお、これをもって自己責任論を出し、貧しい人を救わなくて良いという主張をする方がいますが、それは賛同しかねます。能力の結果として貧しいのでしたら今後も上向く可能性はないのですから、貧困を解決するためにはむしろ国が支援せざるを得ません。
●学生、初期コスト、クレジットカードのせいなど様々な説が出る
2番めの人気コメントは以下。
“ソースには「年収200万円以下の利用率が低いですが、これは学生が多く両親に携帯料金を支払ってもらっているケースが多いことが推測できます。」と。「低所得者は現状を変えるのが苦手」よりも納得する説明なんだが。”(totoronoki 2017/07/02)
一見もっともらしいのですが、これは「年収200万円以下の利用率」以外を説明できていません。以下を見てわかるように、年収200万円以下以外でも高所得者ほど格安スマホ利用率が高い傾向が見えるのです。
<年収別格安スマホ利用率>
201~600万円 26.15%
601~1000万円 26.60%
1001万円以上 31.25%
上記は論外ですが、もう少し説得力があるコメントは以下のあたり。
“高所得者は複数台持ってて1台格安SIMにしてんじゃね?そして、メインは経費でキャリア、私用は格安SIM”(kazuya030 2017/07/02)
“若年層の通信料は桁が違うから年齢もわけないとわからないような”(DeadEndShoot666 2017/07/02)
また、クレジットカードで引っかかっているのではないかという意見も。
“年収低い→クレカ持ってない→格安スマホだと契約出来るトコが限定されたり制限がある→キャリアスマホでいいやなのでは…”(ieyasuchan 2017/07/02)
“格安スマホ及びMVNOには2台目、2回線目という需要があることを看過している。さらに、クレジットカードを持たない(持てない)人は自動的にMVNOの契約から弾かれることも考慮すべきでは”(kenken610 2017/07/02)
それから、以下二つは低所得者の問題でよく見える現象の指摘。
“情報格差よりもMNPする時にかかる手数料や機種代の支払い残り云々で乗り換えに躊躇してる可能性ある。少なくとも自分の周りの人たちは、トータルの節約よりも目先の出費のせいで足踏みしてる印象。”(kzmsa 2017/07/02)
“これ先行投資できないから足元見られてお金搾取されるっていう貧困の本質みたいだよな”(sho_yamane 2017/07/02)
これは前述のような情報格差や長期的視野の不足といった問題とも関係してくるのですけど、貧乏な人は目先のコストを重視せざるを得なかったり、そもそも目先のことしか考えられなったりといったことが多いです。
例えば、仮に自炊をすることで長期的にはコストが削減できたとしても、自炊に必要な環境を手に入れることができない、あるいはそういった計算ができないという人が、世の中にはいるのです。
●低所得者では単にスマホ利用者自体が少ないだけでは?
上記にはなかったのですが、私はそもそもスマホ所持率が異なるのでは?という可能性も考えました。低所得者はスマホ利用者自体が少ないので、格安スマホ利用者も少ないという可能性です。低所得者が高いスマホを多く使っているわけではないってことで、これなら別に不思議じゃないですよね。
で、元ネタを見てみたものの、アンケート回答者をどのように抽出したかよくわからず。さらっと見た感じ、スマホ利用者に限って質問とは書いていないので、この可能性は結構あるんじゃないかとは思います。(読み逃していたらすみません)
それから、こうしたアンケートでは、回答者の抽出が肝なのですが、そもそもかなり偏っているのかな?という話もありました。格安スマホの利用者の確率が、全体から見ると異常に高いのです。
"アンケートでは、格安スマホの利用率は約25%でした。
総務省やMMD研究所の発表では、約10%程度といわれているので大きなギャップが出ています。
これは、インターネットで「節約に関する調査」としてアンケートをとったため、
スマホやSIMカードに詳しい人
節約したい!と思っている人
が多く集まったためだと思います"
(
格安スマホは年収が高い人ほど使ってる?500人にアンケートしました! - すまっぴーより)
上記では、「節約に関する調査」としてアンケートをとったことを理由としていたものの、ネットアンケートのためにネット利用者でないとまずアンケートに参加できません。この時点で高く出るはずですし、年齢分布の調整も行っていない感じです。
また、アンケートサイトによっては、従来型の携帯電話からは参加できず、スマホやパソコンからの参加者のみになっていることもありますし、従来型の携帯電話で参加できても使いやすさの問題で参加者が少なかったという可能性もあります。いろいろと考えられそうですね。
意外でおもしろい話だったものの、元のアンケートの精度にだいぶ問題がありそうでした。
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