2016/4/15:
●「売上高5割減」大塚久美子社長の路線失敗の声
●大塚家具「売上高5割減」は本当か?
●高いから売れないは嘘…大塚家具は中途半端な家具屋
●大塚勝久・前会長に15億円返済の判決
●大塚勝久・前会長の大株主としての立場が一段と強化された
●沈み行く大塚家具から社員50人が脱出
2019/02/16:
●負け組連合?大塚久美子社長の大塚家具、ヤマダ電機と業務提携
2020/01/12:
●ヤマダ電機が大塚家具買収子会社化、メリットはわかるが…
●高級路線から安売りで失敗で再変更…似た者同士で共倒れでは?
●「売上高5割減」大塚久美子社長の路線失敗の声
2016/4/15:私は大塚家具の騒動において、企業統治のあり方としては、娘の大塚久美子社長を支持していました。ただ、店舗改革の方向性としては、確か二人とも評価していなかったと思います。もうだいぶ前なので忘れかけていますけど…。
マスコミ報道では「お詫びセール」などでうまくいった、知名度を上げたというものが比較的多めで、私の予想は外れたようにも見えました。ところが、これも結局、うまくいっていなかったのかもしれません。
久美子社長の戦略ミスか 大塚家具「売上高5割減」の衝撃 | 日刊ゲンダイDIGITAL 2016年4月12日
大塚家具が大変なことになっている。今年3月の全店売上高が前年同月比88.2%だったのだ。お家騒動の影響で激しく売り上げが落ち込んだ昨年3月の売上高が前年同月比62.2%だったことを考えると、相当な落ち込みといえる。騒動前の水準と比べると、単純計算で約5割近くも売り上げが落ちていることになるのだ。
●大塚家具「売上高5割減」は本当か?
記事の言う「売上高5割減」の意味が一瞬わからなかったのものの、2年前と比較してってことなんでしょうね。88.2%と62.2%をかけると、54.8%くらいになります。
ただ、3月のデータなので、消費税増税の駆け込み需要の反動があるかもしれません。2年前との比較ですから、2014年3月でしょう。消費税増税はいつだっけ?と検索すると、やはり2014年4月でした。
したがって、3月だけ見て5割減は実態を反映していませんね。前年より1割減っていることは深刻であることに変わりないものの、かなり大げさなものでした。
●高いから売れないは嘘…大塚家具は中途半端な家具屋
このように「売上高5割減」はあまり信頼できないものの、記事で出ていた解説そのものはうなずけるものでした。
「ある程度、高い家具を売る場合、対面販売は必須です。例えば、10万円のテーブルを買おうとしている客は、説明を聞いているうちに『じゃあ、20万、30万円のものも見てみよう』となる。『会員制』をやめた大塚家具は、店に入りやすくなったかもしれませんが、逆に冷やかし半分の客にも接客しなければならず、本気で商品を探しにきた従来の客に十分な説明ができていない可能性がある。若い世代は低価格のニトリやイケアに行くだろうし、お金がある40、50代は高くても、父の大塚勝久前会長が今月オープンさせる『匠大塚』のような“住居空間”の提案を求めている。今の大塚家具は全てが中途半端だと思います」(ある高級家具店の店主)
実は高級路線でも成功しているところがあります。大塚家具は報道で高級だとされていたものの、立ち位置が中途半端なところがあります。
また、ニトリやイケアは単に低価格というお店じゃありません。どちらも本当は家具屋ではなく、トータルコーディネートというのが特徴です。さらに自社で開発・製造できるというのも強み。本来、大塚家具とは競合しない別ジャンルのお店なんですよね。
(関連:
大塚家具とニトリ・イケアの比較 価格よりトータルコーディネートがポイント)
●大塚勝久・前会長に15億円返済の判決
あと、ついでに単独では取り上げようと思っていなかった話を。ツイッターではまだ親子喧嘩していたの?と呆れられていたニュース。
父が「勝ち」、大塚家具騒動は次のラウンドへ:日経ビジネスオンライン 磯山 友幸 2016年4月12日
大塚家具の経営権を巡る父娘の対立で、今度は父親で前会長の大塚勝久氏側が「勝ち」を収めた。資産管理会社が保有する大塚家具株を巡って争っていた裁判での話だ。(中略)
東京地方裁判所は4月11日、大塚家の資産管理会社「ききょう企画」に対して勝久氏が15億円の社債償還を求めていた裁判で、勝久氏の訴えを認めて15億円を返済するよう命じる判決を言い渡した。
●大塚勝久・前会長の大株主としての立場が一段と強化された
「ききょう企画」の件は他の報道を見ていて大したことないと感じていた話でしたが、磯山友幸さんの解説を見て、大したことある話だったのか!と驚きました。
考えられる選択肢は大きく分けて、(1)株を返す(2)借金して返す(3)保有株を売却して現金を返済する――の3つ。ききょう企画の資産の大半は大塚家具の株式のため、これを手放さない限り15億円の返済は難しい。
「(1)株を返す」はあり得ません。父親側に株式を渡せば、大塚家具本体での父の立場が強くなり、久美子社長は苦しくなります。「(2)借金して返す」も難しいと言います。可能性がないわけではないものの、15億円という金額は大きいですからね。
したがって、「(3)保有株を売却して現金を返済する」が有力であり、実際、この準備は既にしているようです。ただ、これも結局リスクがある方法だという説明でした。
3番目は保有株を第三者に売却するか、市場で売却して、その売却資金で15億円を返済する方法。(中略)
実は大塚家具は今年2月12日に100万株を上限とする自社株取得を決議している。上限の金額は18億円だ。市場にききょう企画の売却株が放出されても、自社株買いで影響を吸収できる“態勢”を敷いたとも言えそうだ。取得した自社株を将来、第三者に割り当てて安定株主を作ることも可能である。
とはいえ、自社株取得を進めれば、議決権のある株式の数が減ることから、大株主である勝久氏の議決権比率が一時的に高まるという問題がある。
大塚勝久さん側はもう野心はないと言っており、ただちに問題になるわけではありませんが、このまま大塚家具が低迷を続けたときに、騒動が大きくなりやすい要素となりそうです。
●沈み行く大塚家具から社員50人が脱出
最初はこれで終わっていたんですが、別記事によると人材流出も既に始まっているとのこと。
「若手からベテランまで50人以上が、勝久氏が今月22日にオープンさせる『匠大塚』に転職してきているようです。引き抜いたわけではなく、社員自らの意思で入社してきている。成功するかどうかもわからない新会社に、これほど人が集まるのは異例のこと。よほど久美子社長がイヤなのか、勝久前会長に人望があるのか。大塚家具にとって最大の“資産”は、深い知識と丁寧な接客が身についている社員、家具をコーディネートできる人材です。それが流出するということは、致命的かもしれません」(匠大塚の関係者)
(
訴訟完敗に追い打ち 大塚家具“パパ新会社”に社員50人流出 日刊ゲンダイ / 2016年4月14日 17時11分より)
ただ、従来の大塚家具の社員の説明についても、以前「家具の知識が浅い」と一蹴されていましたけどね。そもそも業績悪化していたのですから、大塚勝久・前会長のやり方が曲がり角に来ていたというのも事実。最初に書いたように、私はどちらの社長のやり方も良くなかったと考えています。
●負け組連合?大塚久美子社長の大塚家具、ヤマダ電機と業務提携
2019/02/16:"大塚家具 ヤマダ電機と業務提携 38億円余増資へ"(2019年2月15日 11時01分)という記事において、NHKは、「大塚家具」に「業績が低迷している家具販売大手の」という枕詞をつけていました。その後も大塚家具は全く冴えない状況が続いているためです。というか、ますます悪くなっている感じですね。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190215/k10011815741000.html
打開策の一つとして、まず「大塚家具」は、財務基盤の改善に向けて投資ファンドなどを引き受け先として38億円余りの増資を行うことになったとのこと。2018年12月に業務提携した中国の家具販売大手「イージーホーム」と取り引きしている企業や、アメリカ系の投資ファンドなどが増資を引き受けるとしていました。
NHKのタイトルだとわかりづらいのですが、ヤマダ電機はこれとは別件で、業務提携することで基本合意ってことみたいですね。ヤマダ電機と言えば家電量販店。ただ、今現在住宅関連の事業を強化しているということで、ヤマダ電機との提携によって家具の販売拡大につなげたい考えだとのこと。
ただ、ヤマダ電機の方も営業利益が激減するなど業績がひどく、今月には一人負け状態と報じられていました。イメージとしては負け組連合なのですけど、吉と出るのでしょうか?
●ヤマダ電機が大塚家具買収子会社化、メリットはわかるが…
2020/01/12:ひどすぎて引き受け手が出てこなかった大塚家具ですが、ヤマダ電機が株を買うとテレビニュースで知り、なるほどと思いました。ヤマダ電機は住宅事業を重視して、EV参入も検討するなど関連事業を強化しています。ただ、負け組連合でうまくいくだろうか?とも思いました。で、このことをどこかに書こうと探していて、このページを発見。すでに業務提携していて、そのときに全く同じ話が出ていましたわ。すっかり忘れていました。
(関連:
EV異業種参入でトヨタに危機?ヤマダ電機・船井電機・FOMM・ダイソンなど)
ウェブの方の記事を探していて、出てきた
大塚家具、久美子社長放逐で“ヤマダ家具”化シナリオ…10年間の父娘争いで再起不能に Business Journal / 2020年1月9日 6時0分。これによると、そもそも子会社化するみたいですね。ヤマダは大塚家具に43億7400万円出資し、51.74%の株式を握り子会社にするとのことでした。
また、「ヤマダの子会社になることを受け入れる代わりに、社長続投を条件にした可能性がある」(大塚家具の元幹部)という話も。とはいえ、記者会見で、ヤマダの山田会長は「ウチは結果主義。黒字にするというからやらせる。チャンスを与えないといけない」と述べています。黒字化は無理っぽく、事実上の解任宣言かもしれません。
●高級路線から安売りで失敗で再変更…似た者同士で共倒れでは?
それから、負け組連合で本当に勝てるの?に関しては、ヤマダ電機の住宅事業失敗の話もしておきましょう。ヤマダ電機は2011年、注文住宅のエス・バイ・エル(現ヤマダホームズ)を買収して、住宅事業に進出。関連企業も次々に買収し、リフォームに特化した住宅事業を非家電事業を柱としました。
エス・バイ・エルは高級注文住宅が主力だったそうな。しかし、経営陣を全部入れ替え、ヤマダから送り込んで、ヤマダ仕込みの安売り路線に変更。そして、失敗します。大量受注したものの、施工業者の人手不足で施工が追いつかず、赤字経営が続くことになりました。
今回の大塚家具買収は、ヤマダの高級路線への復帰が狙いだと解説されていました。高級路線でもうまくいっていなかったものの、大塚家具はもともとはどちらかと言うと高級路線でやや安売り系にシフトして失敗したところ。なので、ともに安売りで失敗して、高級路線に戻そうというよく似た境遇ですね。ある意味相性は良いものの、うまくいきそうな予感はあまりありません。
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